平成28年度新採用教職員辞令交付式 知事あいさつ

最終更新日 2016年4月1日ページID 032308

印刷

 このページは、平成28年4月1日(金)に県庁正庁で行われた、平成28年度新採用教職員辞令交付式での知事あいさつをまとめたものです。

 ただいまは新採の教職員諸君への「励ましの言葉」という紹介ですが、励ますことができるかどうかわかりませんが、そのようになるようお話しますのでよろしく願います。

 今日は、福井県公立学校の教職員として辞令を受けられた256名、今年も多くの諸君であります。皆さん方は意識されていないかもわかりませんが、多くの先生、職員の皆さんであります、まずは採用されおめでとうございます。

 皆さんは、教育者としてあるいは学校運営を支える職員として、難しい試験を乗り越えて本日を迎えられました。桜も咲き春らんまんというこの良き日に、新採用としてスタートされるわけで大変喜ばしいかぎりです。

 今、読み上げられた256名の方のお名前、「姓」ではなく「名前」のほうに注意して聞いていました。実に多くの一人一人の個性あふれる名前を私の口の中で繰り返していました。「みき」さんは3人連続して並んでおられたようです。

 さて、本県は、全国でもトップクラスの学力・体力を維持している教育先進県であります。昨年度は、本県の教育を学ぼうと、全国から2,000名を超える先生たちが学校などに視察に来られました。5年前の視察者は200~300名でしたので、今やケタが一つ違います。全国から注目を集めているのが福井県の教育であります。

 さらに、ここ数年他県からの研修派遣で来る先生が増えており、平成28年度には、茨城、高知、和歌山などの6府県から11名の先生が、福井県の教育を学ぶため、1年間の研修に来られています。その他、本県の校長OBが和歌山県の知事から請われて和歌山県の教育の助言をしています。全国をリード福井県の教育に携わることは責務が重いですが頑張ってください。

写真1

 本県では、今後5年間の本県教育の目標とする「教育に関する大綱」の中で、子どもたちが得意分野を伸ばし、夢や希望を実現する「突破力」を身に付けることができる教育の推進を掲げています。全国をリードする施策を積極的に実施し、幼児期から高等学校までの接続を重視した「福井型18年教育」を提唱し実行しておりますが、これは最近文科省が同じようなことを言うようになりまして、福井県の教育などを参考に進めるのかと思います。

 さて、皆さんがこれから担う教員という職責は、子どもたち自身の人生に深く関わるだけでなく、地域や日本、あるいは世界の未来を担う人づくりに携わるという意味において、きわめて重要なものであり、他の職業にかえられない職責であると私は思っております。皆さんもぜひ自覚をしていただければと思います。

 教職員としての一歩を踏み出すために、様々な自己研鑽に励んでこられたと信じておりますが、こうした積み重ねが、人間としての幅を広げることになり、これからの自信にもつながります。

 今朝の県職員の辞令交付式でも申し上げたのですが、福井県をおもしろい、「夢のある地域」にしなければならない。そのために皆さんが「夢を持って」子どもたちに臨むことが第一です。子どもたちを教育するところが、夢のある地域になり、多くの人が来てくれると思います。知事としてそういうつもりでリードしていくので、皆さんも頼みます。

 今ほど、代表の方に「宣誓書」を読み上げてもらいました。その中の「全体の奉仕者」というのはわかりにくいですが、こんなふうに考えてほしい。「全体とは自分のこと」と考えてほしい。子どもたちを、自分の家族のつもりで関わって教育をしてほしい。「学校」は「自分の家」だというつもりで臨んでほしい。

 「公」の別のものが世の中に存在するのだと考えないでほしい。たとえば時計が止まっているとします。県庁の時計だと止まっているな、と思うだけですが、自分の家だとすぐに直さなければなりません。そういうつもりで、「公」とは「わたくし」のことだという「つもり」で臨んでください。これが「全体の奉仕者」の本当の意味だと深く心にきざんでほしい。

写真2

 そこで、皆さんに3つのことをお願いしたいと思います。
 1つ目は、本、新聞などの情報をよく読んでいただきたい。教育の問題はもちろんですよ。スポーツで頑張っている方は、さらにスポーツの本を読み、専門的な知識を栄養として取り入れてほしいと思います。

 採用が決まってから今日を迎えるまで本を何冊読みましたか。「先生」のことを書いた本を読んだことがありますか。「二十四の瞳」「坊ちゃん」「赤毛のアン」「チップス先生」はどうですか。「先生」の本を読んで、こんな先生になりたいとか、こんな先生になってはいけないなど参考にしてほしい。

 先生になってここ1、2年目は諸君は学校の中で子どもたちに人気があると思います。でも、自分は良い先生だと思わないで欲しいのです。なぜなら、子どもたちは若いお兄さん、お姉さん先生が好きなだけだからです。しかし、それに甘えると人気が落ちてきます。勉強していないと、いつまでも心も体も若くはいられません。永久に若いパワーを身につけ、子どもたちの力になってほしい。

 子どもたちからエネルギーをもらわないでほしい。よく「子どもたちから元気をもらってます」という先生がいますが大きな間違いです。先生が子どもたちにエネルギーを与えなければなりません。

 2つ目は、常に新しいことや未経験のことにチャレンジしてほしいと思います。
 「チャレンジ」といっても大げさなことを考えないでください。まずは「人前で恥をかくことを気にしない」というくらいのチャレンジで結構です。子供の前で格好をつけないこと、人前で恥をかくことをきにしないこと、小さい人物にならないこと、をよろしくお願いします。

 3つ目は、常に学び続ける教員でいてほしいと思います。皆さんは、既にNHKのラジオ英語番組などを聴くことを始めていると聞いています。英語は勉強ではありません。スポーツや料理と同様、慣れれば身に付くものです。継続すれば必ず話せるようになるという確信を持って続けてほしい。

 皆さんのこうした学び続け、挑戦していく姿が、子どもたちの意欲の喚起、ひいては子どもたちの未来につながっていくと思います。
 そういう姿勢で、子どもたちを甘やかさず、厳しくそして優しくていねいに教育をしてください。いくつか申し上げたことをできるだけ記憶して反復してください。

 最後に、これからの教職員としての人生を、心身ともに健康で、先生をしっかり続けられるように心からご期待し、励ましの言葉とします。

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、hishoka@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

県知事公室秘書課

電話番号:0776-20-0216ファックス:0776-20-0620メール:hishoka@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)