白川静没後十年記念式典 知事あいさつ

最終更新日 2016年10月21日ページID 034203

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 このページは、平成28年10月21日(金)に福井市で行われた、白川静没後十年記念式典での知事あいさつをまとめたものです。

 白川静博士没後十年記念式典にあたり、ごあいさつ申し上げます。
 本日は、先生のご長女である津崎史様をはじめ、多くの方々のご臨席を賜り、厚くお礼申し上げます。

 白川先生が逝去されて十年を迎えます。先生は、文字文化の研究を通して、東アジアにおける漢字文化を見直し、復活させたいという強い信念を持ち、晩年も、5年、10年先を見据え、常に高い志を持って研究を続けておられました。

 白川先生が96歳でお亡くなりになります4か月前に、福井で最後の講演をなさいました。「漢字を系統的に教えれば、決して難しいものではない」という漢字教育に対する思いを、県民の皆様に最後まで熱心に伝えていただいたことを印象に残しております。

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 国語力を向上させたいという白川先生の思いを受け継ぎ、県内の全小学校において「白川文字学」を取り入れた漢字教育を導入してから、今年で6年目となります。子どもたちは、漢字の成り立ちの面白さや奥深さに関心をもち、漢字を学ぶことへの興味を高めております。

 そして、平成25年度からは、「白川静漢字教育賞」を設置し、新しい漢字教育を実践しておられる方を顕彰させていただいております。後ほど表彰式を行うところではございますが、今年度受賞された実践は、いずれも、独自のアイディアと工夫により、効果的な授業法を考案し、画期的な教材を開発するなど、漢字教育のモデルとなる素晴らしいものであります。教育関係の方々には、これらの実践を子どもたちの漢字の世界を広げ、学ぶ意欲を高める指導の材料としていただければ幸いでございます。

 また、先生が研究され続けた文字学に親しんでいただこうと、平成17年に開設した「白川文字学の室」については、津崎様、立命館大学様をはじめとする多くの方の多大なご協力により、リニューアルオープンすることとなりました。先生自身が書庫と呼んだ当時の書斎の忠実な再現や、字書三部作の原稿や研究ノートなど未公開資料の紹介などを行い、先生の研究の足跡をたどることができる展示となっており、全国で唯一の常設展示室として親しまれる施設にしていきたいと思っております。

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 本日は、大阪大学名誉教授の加地先生にもお越しいただき、「論語と漢字教育」というテーマで御講演を賜ります。また、明日は、子供を対象に論語教室を開催していただく予定です。さらに、県内の学校の書道部による古代文字や先生の言葉などを題材に越前和紙に揮毫するというイベントもやります。

 来週の29日には、アオッサ県民ホールにおいて、没後十年記念フォーラムを開催いたします。津崎史様と先生と交流のあった直木賞作家である宮城谷先生が対談し、先生や白川文字学の魅力について語っていただきます。

 今後も、ふるさと福井の先人である、白川静博士の偉業や白川文字学の魅力について、福井県から発信し続けていくとともに、白川先生が目指した、福井県を拠点とする漢字・国語・そして書道教育の発展に努めてまいりたいと考えております。皆様のご支援、ご協力を賜りますことをお願い申し上げますとともに、本日ご出席の皆様方のご健勝とお幸せを祈念いたしまして、ご挨拶といたします。

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