このページは、平成２８年１０月２９日（土）に越前市で行われた、武生東高等学校創立３０周年記念式典での知事あいさつをまとめたものです。

　皆様、おはようございます。素晴らしい日柄の今日、武生東高等学校の創立３０周年記念式典が開かれますことを、心からお祝い申し上げます。今日はちょうど会場に入ります時に、晩秋の日が差し込むなど穏やかな日かなと思っております。やや風もあるのですが、今日の式典は生徒の皆さんが自主的に運営をされていることでありまして、大変素晴らしいことであります。ご案内をいただいた生徒さんに「風のある日は、英語で何というのでしょうかね？」と言いましたら「windy day って言うんじゃないでしょうか」ということでありました。

　さて、武生東高等学校は、昭和６２年に国際科・普通科を設置した全日制高校として、地域の強い要請のもと創設をされております。以来３０年、グローバル社会で活躍する人材の育成を目標に、高い語学力を中心とした豊かな学力の育成に取り組み、卒業生は７０００名を超えております。皆さんの学校の卒業生は、外資系の企業の社員として世界を相手に活躍されているほか、デザイン関係、メディア関係などの幅広い分野で活躍をされておられます。本日ここに、３０年の節目を迎えることができましたのも、ひとえに、地域の皆様、そしてＰＴＡや同窓会をはじめ関係各位の温かいご支援の賜物と心より御礼を申し上げます。

　武生東高校といえば、オレンジ色のネクタイが印象的でありますが、スクールカラーであるこのオレンジ色は、生徒の皆さんの燃えるエネルギーの象徴であり、教職員やご家族の皆さんの熱い思いを象徴する色であります。私も今日はやや似た黄色いネクタイをして参りました。文武両道の活気ある学校、仲間を思いやり助け合うアットホームな雰囲気、互いに競い合い高め合う学校行事、これらの学校文化が輝かしい校風としてさらに高められ、日本だけでなく、海外からも、注目を集める学校を目指してほしいと思います。

　また本校は開校時より、使える外国語教育を進めてきております。創立１１年目には今ほど校長先生からも式辞でご紹介がありましたが英語教育の国内最高賞であるパーマー賞を受賞するなど、武生東高校の英語教育は全国トップレベルであります。県主催の高校生海外派遣事業においては、県内各校を代表する生徒が参加しており、その中で武生東高等学校の皆さんが、現地の高校生とのコミュニケーションをいつもリードしておられると聞いております。日頃の学習で身につけた語学力により、海外で堂々と交流したり議論したりするその様子は、関係者に高く評価をされているところです。今後とも、このような成果のある実践的な英語教育の研究を進めていただき、県内また県外に発信していただきたいと思います。

　国際理解教育では、「Think Globally, Act Locally」というふうに言われますし、これはまた「Think Locally, Act Globally」でもあると思います。地球規模で考え、また行動し、また地域、また地元福井県で活動する、考えることが重要であります。その土台としてまずは地域の様々な人・文化・自然・歴史と深く関わりながら、ふるさとを深く学ぶことが大事です。今年からＡＬＴが二人おられると思いますが、オランダの出身の女性の先生がお見えだと思います。これまで日本にはアメリカ、あるいはイギリスやオーストラリアなどの先生が多かったのですが、オランダの出身の先生は日本にいらっしゃらないということで、昨年、オランダにあります日本大使館の大使から、「是非日本にオランダ出身のＡＬＴを派遣したい」というお話がありました。そこで、それでは福井県からということで、この武生東高校にアメリカの先生と一緒におられると思います。是非、そうした方とも交流を深めながら、グローバルに活躍できる、そしてローカルに考えられる武生東高等学校の皆さんになってほしいと、このように思っております。

　最後になりましたが、これまで武生東高等学校の発展にご尽力されました教職員、保護者、同窓会ならびに地域の皆様に、深く敬意を表しますとともに、創立３０周年を機として武生東高等学校がこれまで以上に歴史と伝統の上に立って、ご発展されますことをご祈念申し上げます。そして私ども、今日は越前市長もお見えになりますが、地元の皆さんと協力しながら、ちゃんと議会の皆様と十分なご議論をしながら学校教育、ふるさとの教育に全力を尽くして参りたいと、このようにお約束を申し上げましてお祝いのご挨拶といたします。おめでとうございます。