知事記者会見の概要(令和6年1月11日(木))

最終更新日 2024年1月31日ページID 055055

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令和6年1月11日(木曜日)
10:30~11:35
県庁 特別会議室

知事写真240111

【知事】

 新年初めての記者会見ですので、改めまして、新年明けましておめでとうございます。

 今年は、元日に能登半島地震が発生いたしまして、本当に多くの方が亡くなられました。亡くなられた方々に対しまして、まずは、心よりご冥福をお祈り申し上げます。また被災をされましたすべてのみなさま方に心からお見舞いを申し上げる次第です。

 福井県におきましても、震度5強の最大震度の地震が発生いたしました。住家被害もありましたし、道路の損傷、河川施設の損傷もあったり、交通が乱れるというようなこともありました。また企業さんも一部被害を受けて、操業停止しているところもあるとも伺っています。

 こういうことに対しましても、福井県といたしましては、震度5弱以上の振動を受けたあわら市、坂井市、福井市の3市について、災害救助法の適用をさせていただいていますし、その他も含めて、県民のみなさんに向けて、この被害が拡大しないように、また今後の復旧に向けての応援もさせていただこうと考えています。

 また被災地に向けても、1月1日の緊急消防援助隊から、2日、3日、4日と、県は、急いでできる限りのことを今させていただいています。

 被災地の復旧復興に向けて、これからもしっかりと役割を果たして、最大限の応援もさせていただきたいと考えています。


【知事】
〔配付資料:令和6年の主なトピック

 それでは私の方から発表をさせていただきます。今年の主なトピックの話をさせていただきます。

 今年は、みなさんご案内のとおり、3月16日に北陸新幹線がいよいよ開業します。1973年に整備計画が決定されて50年の月日を迎え、多くの先人のみなさんの様々な努力の結果として、悲願の新幹線の開業ということになるわけです。県民のみなさんにも大変喜んでいただいて盛り上がっているところですし、100年に1度のチャンスを活かしていかなければいけないと考えています。この100年に1度のチャンスを活かして、福井県を新しいステージに引き上げていく、そういう意味で私は、今年は「ふくい新時代の幕明け」の年だと考えているところです。

 そういう中で、まず一番大きなトピックスとしまして、何といっても3月16日の北陸新幹線福井・敦賀開業だと考えています。これに向けて、まず50日前記念イベントを1月27日、28日に福井県産業会館で開催させていただく予定です。また、開業の3月16日の前後になると、首都圏で、テレビとインターネットを使って、県民のみなさん1000人に福井情熱駅長になっていただいて、動画の撮影にも協力をいただきました。この動画の配信をテレビとインターネットを使ってさせていただこうと考えています。また開業の日の前後、特に開業の当日とその翌日になりますが、福井県内に設置されている4駅とその周辺の市町において、連携して歓迎のイベントを開催させていただこうと考えています。

 

 続きまして、新幹線開業に向けて、福井駅前の周辺で多くのいろいろな整備が進んでいるところです。近くで言いますと、3月には、ホテルと駐車場棟の開業が予定されていますし、5月には住宅棟も竣工を予定していると伺っています。それから県外においても、KITTE大阪で北陸3県が一緒になって情報発信拠点をつくっていこうと計画をさせていただいています。7月開業の予定で進めさせていただいています。

 それから恐竜エリアの拡大のプロジェクトです。すでに年末には福井ウエルカムウォールということで、北陸電力さんの壁面を借りまして、大きな壁画を描かせていただいていますし、この後、駅の周辺にティラノサウルスやスコミムスのロボットが置かれたり、恐竜コンシェルジュがあったり、ディノウィンドウといってARを使って現実世界に恐竜があらわれるようなものであったり、こういう仕掛けもどんどんつくっていくということですし、福井駅周辺にお店もたくさんできてくるということです。

 

 続きまして、北陸新幹線の開業前後のイベント・プロジェクトについてです。まずは、京福バス、福鉄バスにおいて、交通ICカードをいよいよ2月24日から運用を開始する予定にしているところです。県内はこれで一斉に入りまして、広域路線バスの系統のうち、92.3%に導入ができるということで北信越の中では一番導入率が高くなるということです。これを使って、観光客の方も、観光バスもありますがそれだけではなくて、路線バスも活用し、例えば東尋坊、永平寺に行っていただけるので、こういったことにも活用いただけるのではないかと考えているところです。

 

 続きまして、二次交通の充実です。北陸新幹線が開業しますと、並行在来線のハピラインふくいが開業します。ハピラインふくいも、県民のみなさんに身近な県民鉄道として活用していただこうということで、今まで102本だった運行本数を1日131本にするとか、快速列車を9本走らせるとか、新駅をつくるとか、こういったことも考えさせていただいて、より便利にしていこうと考えています。

 それから観光バスツアーのはぴバスの運行開始をいよいよ3月16日にするということですし、今年の初夏にはJR西日本さんが「新感覚XRバス WOWRIDE いこっさ!福井号」の運行を開始すると伺っています。これもとても面白いというか、これまで体験したことがないような経験ができるということです。

 また開業後もJTBさんがまず4月から9月まで「日本の旬北陸」といったキャンペーンをしていただく。北陸デスティネーションキャンペーンがそのあと10月から12月にやっていただけるということで、北陸三県あげてこのキャンペーンでお客様もより多く集めたいと考えているところです。

 

 それから今年の3月31日いよいよ「ふくい桜マラソン2024」第1回目がここで始められるわけです。福井県では初めての大規模な都市型のフルマラソンとなるし、全国で最後発の同じく都市型のフルマラソンということになります。マラソンとペアリレーマラソンとか5キロ、1.5キロ、1万5000人を超えるランナーの方に出場を予定していただいています。特に3月31日ということで、桜真っ盛り、足羽川、丸岡城の桜は、日本の「さくら名所100選」に選ばれており、このようなところを走れると全国で評判になると思っています。また新幹線と併走できるコースというのも、他にはないと考えており、福井の新しい春の風物詩になっていけばと思っています。3月31日、フルマラソンは8時半号砲になっています。大迫傑選手にも大会のプロデューサーとしてご参加をいただいているところです。

 

 それから、今年第47回の全国育樹祭の開催をさせていただきます。目的としましては、継続して森を守り育てることの大切さを普及啓発し、活力ある森林を次の世代につなげていく、ということで、大会のテーマは、「育てよう 幸せ芽吹く 緑の大地」となっています。昭和55年に第4回の全国育樹祭を福井県では開催をさせていただいており、それから44年ぶり第2回目となります。今回は、平成21年の全国植樹祭を受けて、そのときに天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)にお手植えいただいた樹木にお手入れの行事をしていただく。これが一乗谷朝倉氏遺跡になりますし、また式典行事はサンドーム福井で開かせていただきます。こういった機会を使いまして、「木を伐って使い、植え育てる」といった社会に変えていくことを進めて参りたいと考えているところです。

私からは以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 発表事項に関連して能登半島地震について伺います。今ほど北陸新幹線の開業、観光、二次交通の充実等について説明がありましたが、地震が今回北陸3県に与えたダメージはかなり大きいものとなっています。このあたり、3月の開業に向けた影響を知事として今どのように受けとめられているかという点と、余震も続くなかで観光への風評被害なども懸念されますが、どう払拭されていくのか、そのあたりの取組みについても教えてください。

 

【知事】

 まず影響について、JRに確認したところ、北陸新幹線の施設設備について軽微なものはあると伺っていますが、既に訓練運転も再開されているということで、3月16日の開業は間違いないと伺っています。

 それ以外にももちろん被災地の課題もあるわけでして、そういったところで言えば、やはりこれからもプロモーションやイベント等を開催していきますが、被災地の状況、被災者のみなさんの感情などには一定程度の配慮が必要だと考えていますので、既に時期を少しずらす、やり方を少しおとなしくする等も始めさせていただいています。

 しかし3月16日の頃といいますと、やはり一般的にみると復旧・復興の方にだんだんと移っていくようなタイミングになってくるということで、また逆に言えば石川県内、富山県内でも大きな被害が出ていると思いますが、徐々に元気なところからできるだけ多くのお客様にもおいでいただきながら、その波及効果で経済的な復旧復興も図っていく、そういうようなフェーズにも入ってくると思いますので、様子を見ながらですが、これからもまず開業に向けての準備については盤石の体制で進めていこうと考えているところです。

 その上でおっしゃっていただきましたが、どのようにこれを払拭していくのか、お客様においでいただけるような環境にしていくのかということですが、例えば福井県で申し上げますと、もともと予定させていただいていましたが、「ふくいdeお得いこーよ!キャンペーン」を1月9日から行わせていただいています。これは福井にお越しいただいたみなさんに、「いこーよ」ということで1540円分のはぴコインを差し上げて、県内でお買い物などをしていただく。これで呼び水にしようということですが、これは元々は東京から北陸新幹線が来る福井までの10都県を対象にと思っていましたが、今回のことを受けてさらに全国に拡大して、より多くのお客様にも来ていただけるようなメッセージを出したい、そういうことで対象者も5万人としていたところを10万人にするといったことで、一つは県内の観光地に向けて、観光地が元気だということの発信をしていきたいと思っています。

 またそれだけではなくて、これから基本的にはこれまで予定をしていたプロモーション、イベントも実施をしていきたいということで、現状においても既に新宿駅周辺でルミネの関連の所で、また1月17日からは丸の内のレストランフェアも開催をさせていただこうと考えていますし、また1月20日、21日には大宮駅で出向宣伝を考えていますが、ここにはあわら温泉女将の会のみなさんにも参加をしていただくということで、安全で安心してお泊まりいただけるということのPR等もしていただこうと思っています。こういったことをすることで、まずお客様にお出でいただけるよう発信をしていくことも努めていきたいと考えています。

 

【記者】

 新幹線の関連で、石川県と合同でPRイベントをするような予定などもあったかと思いますが、そのあたりの予定等々の何か変更があれば教えていただけますか。

 

【知事】

 新宿でも一緒に物産展をやる等のお話をさせていただいていましたが、とりあえず物産展については一時延期しています。しかしこれに限らずですが、北陸3県や石川県と一緒にやろうとしていたことについては、両県のまずご意向は確認をしつつ、もしも一緒にやるということであれば、一緒に時期も考えながらやっていく。もしくはそれでなくても、福井県としてイベントを行うときに、北陸3県の状況についてしっかりとみなさんにPRをさせていただくことで、その状態に合った形でいろいろな発信をさせていただく。福井県としても北陸全体の発信もさせていただこうと考えています。

 

【記者】

 先ほどの質問と重複して恐縮ですが、馳知事は昨日の会見で、「被災していない所も含めて石川県に来ていただいて、3月16日に開業して経済的な復興」というような趣旨の発言をされていましたが、それと同様の認識を知事も持たれているという理解をすればよろしいですか。

 

【知事】

 はい。全くおっしゃる通りだと思います。特に北陸新幹線が通っている所もちろん被害がありますが、そのあたりからやはり活性化していく必要性があると思います。また福井県内は概ね、平常に活動ができる状況ですので、福井県により多くのお客様においでいただきながら、状況を見ながら石川、富山の方にもどんどん行っていただく。富山は多くのところは元気だと思いますので、そういったところを徐々に石川県内でも広げていくという意味でも、やはりできるだけ平常でお迎えしていくことに力を入れることは、大切なのかなと思います。もちろんそれは被災地の状況を踏まえながらということでありますが、逆に福井県は3県の元気を引っ張っていくような役回りもさせていただければと考えています。

 

【記者】

 新幹線開業に向けて改装した恐竜博物館の再開から概ね半年近く経つかと思いますが、手応えと課題がもしありましたら教えていただけますか。

 

【知事】

 これは大変大きな反響をいただいていると思っています。年頭に経済界の八木福井県経済団体連合会会長からも、絶妙なタイミングでオープンしていただいたともおっしゃっていただいています。例で言いますと、これまでの恐竜博物館の年度の中で一番多かったお客様の数は93万8000人でしたが、これに対して7月14日からリニューアルオープンさせていただいて、年末までの5か月間で、もう65万人を超えるお客様に、多分70万人ぐらいになっていると思いますが、おいでいただけたという状況にもなっているわけでして、本当に多くのお客様においでいただいています。さらに言えばこれから新幹線開業があり、さらに3月20日から5月6日には「オダイバ恐竜博覧会」というイベントで全国にも恐竜、恐竜というようなPRもしていただける状況になっていますので、恐竜をフックにして多くのお客様に福井においでいただいて、恐竜以外の良いものもどんどん見ていただいて、「福井って良い所だったんだ」と思っていただいて、見残したもの見るためにまた次に来ていただく、そういうような我々が考えていた方法論が形になる期待を持てる状況になっていると思っています。

 

【記者】

 課題も一緒に教えていただけますか、おそらく渋滞や今後お客さんの受入体制などという課題になると思いますが、改めて何か対応や、補正予算、新年度予算で考えているものがあれば教えていただけますか。

 

【知事】

 課題があるとすると二次交通のところで特にタクシー、またバスについては今のところ運行できるという予定で伺っていますが、こういったところも運転手の不足といったものについて、しっかりとさらに引き続き対応していかなければいけないということを考えています。

 一方で恐竜博物館の混雑については、以前に比べると相当緩和されています。これはコロナのときに、事前予約制を利用させていただいたおかげで、全くなかったわけではないですが、夏休み中でも本当に一部の回数、しかも以前に比べるとずっと短い時間で解消できるような状況ですので、こういったことをうまくつなげていって混雑の緩和をしていく。その上で宿泊施設も次々とこれからもオープンしていく予定になっていますので、これも解消の方向に向けてさらに宿泊施設を増やしていくことにも努力していこうと考えています。

 

【記者】

 交通系ICカードの導入について、今回路線バスに来月から導入されるということですが、あわせて地域鉄道、えちぜん鉄道、福井鉄道への導入準備も県の助成ということで進めていらっしゃるかと思います。地域鉄道は確か新幹線開業1年後ぐらいを目途にというスケジュール感だったと思いますが、できるだけ早くというようなことも以前知事がおっしゃっていたと思います。地域鉄道への導入の見通しといいますか、現時点でどの程度の時期を目指しているのでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃる通り、できるだけ早く福井鉄道、えちぜん鉄道への交通系ICカードの導入についてもやらせていただこうということで、これまでも議論をさせていただきましたが、昨年度から実際の導入に向けての作業に入っているということです。

 これについては車両の中に載せるものを一つ一つ場所に合わせた形で整備していく必要があるなどいろいろと難しいことがあって、スタートから2年程度かかるということを当初から言われており、今急いで作業しているということです。

 当初の見込みでは、令和6年度中には使えるようにしていくということでやらせていただいていますが、少しでも早く導入できるようにということで、まだ正直言って見通しが立っていませんので、いつとは申し上げられませんが、それに向けて最大の努力をしているというところです。

 

【記者】

 能登半島地震について伺います。昨日、県の能登半島地震災害支援本部会議で二次避難の受入れのことで公営住宅、ホテル、旅館などについて説明ありました。政府は週内に1万人程度の確保の見通しを進めているということですが、これからまた県内での受入れがさらに拡大する余地はあるのか、また具体的にその二次避難の受入れがいつ頃から始まりそうなのか、現在の見通しを教えてください。

 

【知事】

 1月10日の段階では529名という発表をさせていただいていたと思いますが、あの中でもそれ以外の業界に入っていない等、いろいろな所をもっと幅広くというお話で調整中ということも書いてあったかと思います。

 ここのところは今もやっていまして、今朝の状況は聞いていませんが、529名プラスアルファ、いろいろな民宿など他のところもあると思いますので、こういったところを広げていく。さらに言えば、一部報道にもありましたが、公営住宅の方も活用させていただくということで、国の方が全国1万人というような目標に対して、我々としても最大限の協力をさせていただこうと思っています。二次避難のところは少し微妙なところがありまして、例えば珠洲市内で我々も二次避難をお声がけさせていただきますと、やはりご自宅が心配だからといって残られる方が結構な比率でいらっしゃるということですので、受入れという意味ではホテルは空いているわけですので、いつでも受け入れさせていただくというようなことも、もちろん手続きがあるかもしれませんので全体として進めるのだと思いますが、結構早くでもできると思います。その上で、やはり被災地のみなさんの考え方や感情などを見ながら、我々としてはそういった状況をつくっていくことも大事だと思っています。

 

【記者】

 同じく能登半島地震に関連して、勝山、大野で災害ごみを受け入れられていると思いますが、これから瓦礫の撤去等も始まって、そういうものを受け入れられるような予定や打診は、現時点でありますか。

 

【知事】

 現時点では一般的に出てくるごみを運んでくるというお話はおっしゃったとおりやらせていただいていますが、その瓦礫の撤去等のお話がこちらにあるわけではありません。

 しかしおっしゃられるように、これからさらにいろいろな形のごみが出てくることも想定されるわけですので、これは石川県なり国の方とよくご相談をさせていただいて、我々としてすべきことがあれば、しっかりとそれを分担もさせていただくと。もちろんこれは市町、県民のみなさんといろいろ相談しながらということになりますが、やらせていただこうと考えています。

 

【記者】

 今回の能登半島地震を受けて、隣接する福井県でも現地の被害状況から参考にすべき教訓のようなものもあったのではないかと思います。そこで、県内の防災面で浮かび上がった課題や、また現時点で防災の上で何か改善や検討を進めるべきと考えていることはありますか。

 

【知事】

 日々新しい課題も含めて、我々として吸収させていただく、参考にさせていただくという意味では重要なポイントだと思っていまして、災害対策をする上でも常によく今の状況を見て、今後に活かしていこうと言っています。

 備蓄食糧のことはすぐに尽きたというお話がありますが、福井県においてはどういう状況にあるのかも引き続き、今は被災地のほうに集中して頑張っていくということでやっていますが、落ち着いてきた段階でチェックをいろいろな形でしながら活かしていこうと思っています。

 逆に言いますと、福井県においてこれまで準備してきたこと、例えばLINEで避難所のいろいろな物資や避難者の状況等を確認するシステムも、早い段階から珠洲市で避難者に入れさせていただき、今登録者の数もどんどん増えてきて、現状においても登録者のみなさんからの要請の中身と、市の方からこういうことに気をつけて欲しい、これを出して欲しい、例えば「罹災証明始まります」といったことも、いろいろな形でお伝えできるということも始まっています。

 今回のことを、また落ち着いてきた段階で我々としてもまとめながら、必要な改善措置を県内で行っていきたいと思いますし、また我々として今まで準備してきたことをあちらでまた活用していただけるように引き続き考えていきたいと思っています。

 

【記者】

 現地だと道路網が寸断されて物資の輸送や被災者の救助が困難になっているほか、孤立集落の発生にも繋がっています。向こうは半島という特殊な地形もあって、福井県と必ずしも同じ状況とは言い切れないと思いますが、福井県でも主要な道路はそう多くないということは共通してると思っています。県内で大地震など起きた際に、地震で損害を受けたとしても道路をいかに早く復旧するかということが重要になっていくと思いますが、知事としてどのようにお考えかお聞かせください。

 

【知事】

 まずは道路のそもそものつくりとしてリダンダンシー、複数経路をしっかりと確保していくことが重要と考えています。福井県内においても再三にわたって、例えば国道8号と北陸自動車道、それから並行している国道365号などが同時に通行止めになることもありますので、中部縦貫自動車道を広域の迂回ができる路線として整備を進めていただいています。

 また敦賀防災という、一部敦賀のところから北に向かって道路の整備を進めていただいていますが、そこから南越前町の大谷のところまで脆弱なところがあるということで、さらにリダンタンシー、大きな雨が降っても大丈夫なように整備をまず進めていくことが大事だと思います。

 その上で、私どもとして、いろいろな災害が起きますが、こういったときに方法論として県がもちろんどんどん災害の復旧に向けてやっていきますが、それぞれの、例えば雪の場合であれば建設業協会と協定を結んでいまして、大雪時には我々と連携して、建設業協会が広域応援除雪に入るという状況も作ってきています。

 そういった行政だけではない力も、知恵や能力を活用できるようなことも、今回の災害の状況も踏まえて何か形にできないかと、問題意識を持ってやらせていただいていますので、そういったことも今後検討していきたいと思っています。

 

【記者】

 家屋の耐震化についてお聞きします。地震で石川県では多くの住宅が倒壊しています。被害が甚大なところでは、費用負担などが足かせになっていて、耐震の改修が進んでいなかったという実態が背景にあると指摘されています。そこでお聞きしたいのですが、県内でも耐震化が進んでいない、倒壊の危険性がある住宅が一定数まだあるのではないかと思いますが、国を含めて、自治体が耐震改修の支援を進める必要も出てくるのではないかと思われます。そのあたりのご認識をお持ちでしたらお聞かせください。

 

【知事】

 これは以前から言われていることでして、詳細をよく見てみないとわかりませんが、昭和56年の建築基準法の耐震基準の見直しがあった後の建物かどうかというのは一つの大きな違いになってきています。結果を調べないとわかりませんが、印象としては持っています。こういう状況ですので、耐震化もしくは耐震診断を受けていただくことも大事だと思っています。今その耐震診断を受けるような補助等もさせていただいていまして、こういう機会ですので県民のみなさんの気持ちも少し「気をつけなくちゃ」と傾いていると思いますので、耐震診断など県民のみなさんにもPRをしていきます。

 それからいい機会ですので、家における備蓄はメディアを見ていても、もともと奥地のところで集落のところだと、「全然物は届いていない」と言いながら、みんなで助け合って物を出し合いながらやっているというような方もいらっしゃいますので、そうした行政の支援だけではなく、家の中、もしくは地域で助け合うことも含めて、一緒にPRしていくことで、家も守る、地域を守る、人命を守るということにもつなげていければと思っています。

 

【記者】

 昨日、規制委員会で原子力防災対策指針の見直しの可能性について言及がありました。志賀原発のある志賀町では道路が寸断されて避難できないという問題もあります。県内の原発が7基稼働している中、そういった状況や規制委員会の議論についてどう認識していますか。

 

【知事】

 これは極めて重要なことだと思っています。まずは今回、いろいろと報道等を見させていただいていると、新しい知見がここで得られるという話もあるので、こういったことを踏まえて原子力発電所の安全性をさらに高めることについて、まずは規制委員会、規制庁において検討、研究といったこともしていただきたいと思います。これに対して、さらに国、電力事業者においては、今回の災害を踏まえた対策、もしくは訓練に活かしていただきたいと思っています。明日、原子力事業者から挨拶があると聞いており、そういった時にも申し上げていきたいと考えています。

 

【記者】

 知事は、福井豪雨や西日本豪雨などの陣頭指揮をした経験があるかと思います。大きな目線で、能登半島の大地震を見て、まだ本来避けなければいけない雑魚寝があるような状況など、なかなか進展がないところもあると思います。現時点で防災を担当してきた知事として見えている課題がもしあれば、教えてください。

 

【知事】

 大きく見ると、決して気楽に言ってるわけではなく、阪神淡路大震災の前と後では大分変わってきていて、しかも毎回毎回大きな災害が起きるごとに、少しずつ早い段階から後で起きることをイメージしながら、物事の手当をしていく事は進んできていると認識をしています。

 そういうことがあって、例えば阪神淡路大震災の後、緊急消防援助隊ができ上がったり、警察の広域緊急応援隊ができたりもしていますし、また物資の備蓄も相当強化をされたり、そして建物の耐震性、特に避難所の耐震性を強化していくことも進んできているという認識を持っています。

 私も西日本豪雨、そのあと北海道でも大きな地震があったりしたところから、また対口支援、カウンターパート支援になりますが、こういった制度の導入が進んできて、総務省の公務員部が中心になりながら、我々も珠洲市に入ってやらせていただいてます。以前だったらそれを一から構築していくところでしたが、相当早くなってきたと思います。

 一方で、現状においても、まだまだ避難所、自宅において避難をされている在宅の避難者のみなさん、福祉避難所などの要支援者のみなさんに対するケアがどうしても一気に進まない、物が届かないところから始まりますので、簡単ではありませんが、想像力をもう少し私たちも活かしていく必要があると思います。

 私が消防庁にいたときも、災害対策は想像力だということをよく教えられました。何が起きているかということは一個一個見ないとわかりませんが、大体において、大きくこういうふうに進んでいく、もしくはこうなっているのではないかと、よく後から見るとわかることがあります。

 そういうようなことを最初から想像しながら、次はこうなるという展開をしていくことで、プッシュ型の支援も始まっていますが、今回の経験も踏まえて次に活かしていくことで、次の災害にまた備えられる、もしくは災害の被災者の方々、特に亡くなられる方を減らしていくことも可能になると思います。「被災者の方は声を上げない人が一番厳しい状況に置かれている」ことなどを職員にとにかく投げかけながら想像力を働かせて仕事をしてもらうことで、先手にはなりませんが、少しでも早く物が届くように今でも努力しますし、またさらにそれができるようにしていきたいと考えています。

 

【記者】

 今回の能登半島地震で、北陸電力志賀原子力発電所も重大なトラブルにはならなかったものの、少なからずいろいろな影響を受けました。例えば、使用済核燃料を貯蔵するプールの溢水であったり、変圧器の破損による油漏れが生じたり、外部電源の一部系統が使えなくなったりしました。まず、このような異常が見られた今回の事象について受け止めを伺います。

 

【知事】

 これはまさに、規制委員会や原子力規制庁がしっかりと検証していただいて、これに対する善後策、どういうような対策が必要なのか、こういったことを考えていただく必要があるところだと認識しています。

 私どもでいうと、すぐに、災害のあった直後から、原子力安全対策課から県内の発電所に確認をして、まず発電所周辺の地面の動きの加速度、ガルというものだが、これをまず確認すると、被害がでそうかどうか十分認識ができるので、そういった確認を職員がすぐにして、県内では最大でも34ガル、700ガルとか1000ガルとか耐震度がある中で34ガルであったということでもあったし、また運転も正常に行われているということをすぐに確認しています。

 関西電力に対しても早く、どうして安全なのかがわかるような、そういった数字も含めて発信するよう話もし、モニタリングポストが115か所ありますが、これも常時、安全性を確認しながらやらせていただいたということです。

 そういったことを、今回さらに大きな状況になっているので、次に活かしていただくようお願いしたいと思っています。

 

【記者】

 能登半島地震では、15キロ圏内のモニタリングポストで観測はできていたが、その北側の18か所で欠測となりました。規制委員会は通信の問題で、観測はできているけれどもデータが来ないという原因を推測されていました。

 モニタリングポストの値は重大事故時の屋内退避など避難の大きな基準になると思います。今回、道路の寸断などを含めると重大事故が発生したと仮定すれば、非常に避難が難しいような、課題として浮かび上がるような事象が発生したと思います。

 嶺南市町においては、高島市に抜ける防災道路の要望などもあったと承知しています。今後、原子力防災の強化について、どのように考えていますか。また、国や事業者にどういったことを求めていきますか。

 

【知事】

 モニタリングポストについては、ある1点だけ、いきなり高くなるということはあまり、ないとは言えないが考えられません。事態は徐々に進行していくということから言えば、もし危険性がある、ここを調べなければいけないということがあれば、そこに早く電源を持っていくとか、そういうことを重点的にやっていくということは当然必要だろうと思います。

 そのうえで、一般的にまず被害を受けたとき、いかに逃げていくか、こういったことを確保しなければいけないということは十分認識しています。まずは逃げるというのか、原子力災害を制圧する道路について整備させていただいており、それがほぼ終わってきています。

 その次の段階として避難道路の確保は立地地域や周辺からも言われているところであり、こういったことも含めて、これから国に対して、立地地域の課題の解決であるとか、地域の振興といようなことを次の局面で考えていただくフェーズに来ているので、そういった中でも立地市町もしくは周辺市町と相談しながら、今回の状況も踏まえて、どういったものが必要なのか、そういったものを求めて、国に実現をさらに求めていきたいと考えています。

 

【記者】

 明日、県内の電力事業者等が挨拶に来るとのことですが、防災の観点など、具体的にどのようなことを県として確認もしくは求めていくのでしょうか。

 

【知事】

 今の段階で本当に分かっている知見は多くないので、まずは今までやってきたことも含めて、しっかりと確認しながら緊張感を持って運転、もしくは訓練をしていただくとか、もしくは今回得られた知見で上乗せしてやっていく、こういったことを求めていくのだと思います。

 そのうえで、基本的には私が知る限りでも、規制委員会の山中委員長も、志賀原発以外のところも、これまでの知見のなかで安全性は確認できているというような趣旨のことを言われていたと思いますので、その辺のところは冷静に判断しながらやっていくのかなと思います。

 

【記者】

 能登半島地震のことについて伺います。県の災害情報のホームページを見ますと、津波シミュレーションが載っていまして、東日本大震災をもとに各市町の津波対策が基本的な情報として掲載されているかと思います。今回能登半島地震では震度7の揺れの直後に沿岸部に津波が押し寄せたということで、多分日本海側特有の、いわゆる津波の短時間での到達があったかと思います。今回の能登半島地震を受けて、これは作られたのが10年ぐらい前のシミュレーションになると思いますが、これから見直すような考えや必要性が今の現段階であるか教えてください。

 

【知事】

 国の方で今回の地震を踏まえて、新しい知見が得ることができれば、国として新しい考え方でこういったものを変えていくというお話がまずあると思います。それに従って我々としてもしっかりと対応していこうと思います。最近それを見直させていただいたところで、結構高い津波が早く来るというようなこともありますので、これに向けた対策や訓練を始めさせていただいています。

 これは南海トラフのところでも、場所によってはすぐに来るところもありますので、これは新しい知見も得ながら、常に最新の知見に基づいて見直しを行っていくという姿勢で臨んでいくと考えています。

 

【記者】

 避難のあり方についてお伺いします。かなり高齢化がやはり進んできている中で、非常に過酷な季節の状況によっては、やはり避難したはいいが、そこが寒いなどという現状あるわけです。今後さらに高齢化が進んでいく中で、従来の避難のあり方はよいのかどうかというところも一つ議論になると思いますが、地域を離れたくないという高齢の方は特に多いと思います。我々の意識も含めて、今後避難というものが変わっていくかどうか、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 避難というのは本当に、私もそんなに経験があるわけではありませんが、拝見していても、やはりみなさまにとって一番よい避難をされるわけですよね。やはり家のことは心配だし、だからといって危ないと思うと。地震の場合だと最初は屋根のないところでとにかく泊まろうということを考えます。これも当然だと思います。要は安全性をどう確保するか。まず私たちは、そういったみなさまが身を寄せる、雨であったり、雪であったり、地震であったり、それは各々対応が少し違いますので、雨だったら当然屋根がないと駄目なわけですが、夏の大きな地震だったら外でも可能かもしれないなどです。このような安全性の確保を、行政としていろいろ最低限確保していく。人数分確保していく。起きた瞬間にはそれを確保しておくということは事前にやっておく。大事なことだと思います。

 次のフェーズとして、おっしゃられるように、高齢者であったり、要支援者であったりなど、こういう方々のケアをどうしていくのかということがあると思います。これで先程来お話がありましたが、二次避難というような考え方があったり、もしくは介護施設だったり、病院の入院患者さんを他の県で、福井県でも受け入れさせていただいていますが、どう逃がしていくのか、もしくは治療を継続するのかというフェーズが出てくると思います。

 ここのところは一つの考え方として、やはり二次避難を十分できるような数をすぐに用意していくということも大切だと思います。そういうことで、1万人分というようなことを国は直近の目標として掲げているのだと思いますが、こういったことは、やはり我々としてすぐに用意しなくてはいけないと思います。その上で、先ほど申し上げましたが、現実にはやはり、なかなか家を離れにくい。こういうようなところを、少し事前の段階も含めて、説得という形になりますが、事前の段階から二次避難が可能なように心の準備もしていただく。こういうことも大切かもしれません。

 現実には、またさらに難しいのは、では一斉に皆避難したいと言われると道路が大混雑になっているなどということが起きます。これは、行きっ放しはおそらく無理なので、1週間ではそっちに行っていても、1日か2日で戻りたいという話になってくる可能性が非常に高く、簡単ではなくて、これはもうその都度やっていくしかないという部分もございます。

 

【記者】

 福井県内で今回の地震と同規模の地震があったときに、能登と同様の問題が起きる可能性、同様の問題というのは、道路の寸断によって物資の輸送や安否確認、救助作業が妨げられるという問題ですが、こういった問題が起きる可能性がある福井県内の地域はあるのか、あるのであればどこだとお考えでしょうか。

 

【知事】

 これはなかなか難しいご質問だと思います。何でも想定しろということであれば、どこでも起きるということになりますが、活断層の状況を見ていろいろ判断をしていく必要があると思います。

 福井県も、活断層はいつ動いてもおかしくないのでどこでも起きるということですが、福井県の場合は76年前、昭和23年6月28日に福井大地震というのが起きていますので、マグニチュード7.1でしたが、直下型で起きて、3千何百人の方が亡くなっています。こういうことを踏まえていますので、日頃からもどこで起きてもおかしくないようにしていくということが一番重要なのかと思います。福井県の街中は結構いろいろな形でアクセスできる場所になりますので、そうすると半島部、常神半島のところもあると思いますが、そのようなところについても、道路の二重化というか、トンネル整備も進めさせていただいていますし、そういったことを引き続き、どこで起きてもというとあれですが、大丈夫なようなリダンダンシーの確保であったり、もしくは備蓄物資、それから避難者の確保であったりなど、避難の仕方、こういったことも備えていくのかなと思っています。

 

【記者】

 道路の寸断が起きないようにする手だてというのは、考えられることは道路の二重化のようなお話もありましたが、今この場で考えられることを挙げていただきたいのですが、いかがでしょうか。

 

【知事】

 今この場で挙げると言っても私は専門家でもありませんし、今回起きていることの知見というものもまだ定まっていないと思いますので、現象の面という意味で申し上げたところでして、あとはこれからいろいろ専門家の方のお話なども伺いながら、もちろん国もそういったことに対して、次どうしていくのかというような考え方も示されるでしょうし、我々はそういったものを見ながら、県内に当てはめて最善を尽くすということかと思います。

 

【記者】

 今回は過疎地で高齢化率の高い50%前後の自治体で被害が拡大しました。高齢化や人口減少でコミュニティの担い手が少なくなっていると思いますが、災害時の住民による共助の仕組みが困難になっているのではないかという考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 これも一般論としては当然そういうことだと思います。自助・共助・公助っていうのを、よく一般的な防災の方の考え方で言えば自助対共助対公助は7対2対1だというような、もっと言うと行政の方の支援は1割未満だと、こういう話はありますが、ただやはり共助というところが徐々に弱くなっているということは間違いないので、行政なりが果たさなければいけない役割は大きいと考えています。我々としてもただ手をこまねいているわけではなくて、要支援者の名簿を作って、こういった方々の避難計画を個別避難計画の中で、市町で位置付けて進めていただいています。福井県内でも、私は市長や町長と年に1回は少なくともいろいろな要請行動で要請を受けますが、この場では常に申し上げているのは、要支援者の避難についての計画の策定を、これは個別計画になっていきますので、しっかりと早くやっていきましょうということを申し上げております。やはり大切なことは事前の準備、避難する場所、それからそれに物をどれだけ置いておくか、そして誰がそこで連れていくのか、こういったことを事前の段階から我々としては準備をさせていただいていますし、これからも今回の地震で新しい知見が得られれば、そういったことにもしっかりと対応していきたいと考えます。

 

【記者】

 過疎地の基礎自治体の問題ですが、防災力や、発災時の対応力の課題についてどのように考えていますか。それと、こういった問題に対する福井県の取り組みがありましたらお聞かせください。

 

【知事】

 やはり平成の大合併を経ておりますので、今回のところがどのように合併されたか分かりませんが、自治体の規模がそれなりに大きくなっていくということは、対応力は一般的には上がっていく。そういった効果はあると認識しています。

 その後でやはり小さな町で、今回私どもが入らせていただいている珠洲市も1万1千人余りの市ですので、職員の数といった意味でもまだまだ脆弱だというところがあると思います。面積に対して、特に日本海側に対して、道路がないとなかなか行き来はできない。こういったことがありますので、自治体は能力を上げるためにはやはり、合併をどんどんしようという意味ではなくて、できるだけ職員の充実が図られるような仕組みが必要だということはあると思います。しかしそれは一般的な職員の数をいつも増やし続けるということは、行政改革というか、自治体の運営上はなかなか難しいということですので、次善の策として、私どもがさせていただいているような対口支援、最初に福井県がやりましたのは、私たちが1月3日から珠洲市のところへ入り始める、4日から人も入れていく。こういうことをやるわけですね。そのときに何をしたかというと、避難所を回っていって、避難所に市役所の職員もいっぱいいるわけです。そうすると市役所でやらなくてはいけない仕事ができてないわけです。ですから、市役所の人に私たちが代わる。私たちが代わることで市役所の人が戻る。そうすると市の本部機能が果たせる。こういうようなことをすぐに考えて、そういう目標を持ってやらせていただく。そうすることが、言ってみれば市役所の職員の数を増やすことに繋がるわけですので、こういった対口支援なども使いながら、その場で必要なことをすぐに想定してやっていく。ですから、罹災証明をやるような職員は、千葉市などから派遣されているような人たちがやっていくなどですね。こういったことで、結果として、そこに職員が元々いたかのような環境を作っていくやり方ということをさらに磨きをかけていくということも大事かと思っています。

 

【記者】

 対口支援については発災後の対応になると思うのですが、事前に、例えば福井県の市町とともに、こういったことをやって対応力を確保していこうということは何か取組みはあるのでしょうか。

 

【知事】

 これは県内にもいくつかそういう例がありましたが、事前に協定を自治体同士で結ぶということもされています。こういう広域災害を前提にして、基本的には、災害支援というのは近くの人が一番便利というとおかしいですが、効果的なのです。何かあって、そこで起きたときにすぐに行けるので。だから、福井県が一生懸命やっているわけです。一方で、今回のように広域の災害、東日本大震災なんか典型ですが、広域に協定を結んでいないと、大雪が降ったときにはみんな雪が降っていましたとこういうことになるわけですね。ですから、やはり市町においても給水車をすぐに派遣する、ペットボトルの水を持っていくなど、協定を結んでいたところも県内にもありましたが、こういったようなことを一つ結んでおくというのも、手だと思います。それから、また行政同士だけではなくて、先ほど申し上げましたが、民間企業との間で協定を結んでおく、もしくは業界団体と結んでおくというのは非常に手でして、そうすると、行政がすぐに行政的手続に則って物事は進んでいくのですが、NPOの方、ボランティアの方を含めて、ものすごく気持ちの方から行って、それはもちろん安全性確保が重要なので、闇雲というのは正直言うと困るときはありますが、そうでなくて、やはりこういううまくやっていっていただくので、そういったいろいろな力を、事前から協定などの形で結んでおくというのも一つの手かと思います。

 

【記者】

 能登半島地震の発生直後についてお聞きします。発生直後、知事は職員にどのような指示を出して、またそこからどう何を最優先に行動されたかということをお聞きします。

 

【知事】

 私は今回の地震の時は、最初は妻の実家にいましたので、茨城県日立市にいました。緊急地震速報が16時10分に鳴ったのですが、そこで鳴っていたのは、私と妻と娘の携帯が鳴っていまして、何だろうと思って、外にいたのですが、周りの人は鳴っていなかった。何だろうと思ったら地震で、福井県内で震度5強。ただ津波警報がすぐ出たので、すぐに本部の立ち上げはやっていると職員は言っていましたから、その体制の確認、人がちゃんといるかどうかということの確認をして、それから被災の状況をすぐ調べるということの指示をして、あとは私が早く戻ってこようということで、福井に戻ってきて23時ぐらいには本庁に入ったという状況でした。

 途中経過もいろいろ情報を取りながら、途中私がいた場所は完全にやりとりができましたので、インターネット上も含めて、私はニュースも見ながら、それから情報収集もしましたし、それで必要な指示などもしましたがほとんどする必要もなくて、入ってくる経過で必要な事が進んでいるということを確認しながら戻ってきたというところです。

 

【記者】

 福井県内の被害について現状で調べが進んでいるようなところがあれば教えてください。また県として何かサポートができるようなところがありましたらお考えも伺います。

 

【知事】

 福井県内では、震度5強があわら市でございますし、この影響もありまして、一部の建物に一定の被害がありました。伺っているところでは、1月10日現在では、大規模半壊が2件で半壊が4件、あと一部損壊等が数十件あると認識しています。6名の方が軽傷であったりとか、あとは道路なども、12路線で通行止めになったり、北潟湖周辺のところで河川施設が傷ついたりなど、こういったようなこともあったと認識をしています。しかし、もちろん私も被災地を見に行きましたが、日頃は使ってない家であったりなど、大きく避難という形にはなっていないかと思います。もしかすると親戚の家に行ってらっしゃるかもしれませんので、そこは必ずしもわかりませんが。あとは企業なども1月10日現在で県が把握しているところでは34か所、例えば建物にひびが入っている、機械が壊れた、ガラスが割れたなど、こういったような被害の報告があると伺っています。こういったことについては、先ほど申し上げましたが、まずは災害救助法の適用を、3市にはさせていただきました。こういったことで必要な手当を各地にもお願いをしていくということもありますし、

また企業などには、1月4日からもう商工会議所、商工会、それから信用保証協会、こういったところで相談窓口も作っていただいています。これから、修繕にもお金もかかってくると思いますし、経営にも影響があるということもあるかもしれません。こういうようなときに向けて、例えば金融支援なのか、市町とも相談しながら、検討を進めているところです。

 ただ、芦原温泉も一部少し影響があったとも聞いていますが、大きく言うと営業はずっと続けており、お客様を迎え入れられる状況ですので、風評が立つようなことではなく、地道に、よく応援もさせていただきながら、お客様についてはしっかりと受け入れさせていただく、こういう環境を作っていきたいと思っています。

 

 

 

 

                                            ―― 了 ――

 

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