知事記者会見の概要(令和6年2月9日(金))

最終更新日 2024年2月29日ページID 055360

印刷
令和6年2月9日(金曜日)
10:30~11:45
県庁 特別会議室

知事写真240209

【知事】
〔配付資料:令和6年度当初予算案について令和6年度当初予算案の概要令和5年度2月補正予算案の概要主要事業

 最初に、大きく2点、お話をさせていただきます。予算の関係ともう一つ発表事項があります。

 まず令和6年度当初予算案について、大きなポイントとしては、今回の予算は北陸新幹線が開業するというチャンスを活かして、福井県を新たなステージに上げていくということで、「ふくい新時代の幕開け予算」と考えています。

 重点ポイントとしては新幹線の開業効果、これを持続化・最大化していくということです。次に、人口減少社会への対策ということで、特に来年度からは「複育」つまり、複数の子ども、2人目のお子さんからの支援を強化するといった「複育応援」を推していくということで、日本一幸福な子育て県・ふく育県の拡大推進も図っていきます。また、能登半島地震、年末の突風被害への対応、長期ビジョンの着実な推進、さらには社会基盤の整備といったことを重点的に行っていきます。

 総額としては当初予算としては5047億円ということでして4年連続で5000億円を超えています。また今回の予算の特徴として、令和5年度の2月補正予算は国の補正予算を活用させていただいて、令和5年度の2月補正予算も多額になっているということと、昨年度と同様、令和5年度の12月議会にも提案させていただいていますが、公共事業を中心とした12月補正予算、これらを一体として、編成させていただいているということです。

 トータルで見ると3.1%減っていまして、一般会計では昨年の6月の予算現計より3.6%減っていますが、12月補正予算の経済対策分も含めると、ここ数年は非常に高い水準にあるということがおわかりいただけるかと思います。

 具体的な内容について、一つは東尋坊活性化支援事業です。駐車場の整備・集約化は令和7年度を目途で完成させていきます。商店街の再整備も大分今年度進んできました。令和6年度も引き続き商店街の再整備を行っていきます。今後は、ビジネスセンターなどの整備も行っていきます。また荒磯遊歩道などの整備も行ってきました。遊歩道は令和6年度の完成に向けて、整備を着々と進めていこうということです。

 また大野市の六呂師高原の活性化についても、民間活力を活用し、民間事業者が行う施設整備を支援するということで、オートキャンプ場などの整備を支援していくということになっています。

 そして北陸新幹線開業イベントということでお城イベントを実施していきたいと思っています。令和6年はちょうど、結城秀康公が生誕されて450年、丸岡藩が誕生して400年という節目の年です。お城のイベントも非常に人気が高まっていますので、県内のいろいろなお城を連携させながら、イベントを開催していきたいと考えています。「お城EXPO」というものもありますので、こういったこととの連携もどんなことができるかなということも考えながら進めていきたいと思っています。また同じように、新幹線開業を記念して将棋のタイトル戦の誘致も行っていまして、これがうまくいけば、その事業を実施したいということです。

 またインバウンドも新幹線が延伸しますとジャパン・レール・パスも活用できるということで、福井県は非常にインバウンドが少ない・弱い、受け入れの状況も弱い、という状況ですので、免税店の登録や免税カウンターの整備、キャッシュレス対応機器の導入など、またいろいろなセミナーも開いて、免税店の効果も店の方にもお知らせをしていく、伴走支援もしていきたいと思っています。

 また路線バスを利用していただく。ちょうどSuicaもしくはICOCAを活用できるような環境がバスの場合は県内のほとんどで整うようになりますので、例えば今年の新幹線開業後、4月、5月の土日などに、バスを使ってもらう半額キャンペーンをしまして、こういったICカードを使っていただいた場合には、半額にしたり、無料で使えるようにしたりします。バスに乗っていただいて便利さをわかっていただくと、実は結構便利だということをご理解いただけると思いますので、こういうことをやっていこうと考えています。

 大きく2点目ですが、人口減少社会への対応ということで、社会全体で子育てを応援していくということで、ゆりかごから巣立ちまで、結婚相談から子どもの巣立ちまで切れ目のない支援を行っていくということです。2人目のお子さんを応援するということで「複育応援」ということを新たに進めます。ふく育県の「ふく」はひらがなですが、幸福の福、福井県の「ふく」にこの複数の「複」という意味も加えて、日本一幸福な子育て県「ふく育県」をつくっていこうということで、いつもご案内していますが、保育料の無償化・在宅育児手当の支給、これを第2子から行っていくということで、高校生については扶養家族が2人いれば、第1子から無償化をしていく。これらを所得制限なしで行っていくということ、そして大学については県内の大学だけでなく、専門学校や高等専門学校に対しても、行かれる場合には、所得制限はありますが、授業料の減免等を拡充していくということです。

 また3点目に、能登半島地震・突風被害への対応ということで、なりわい再建支援事業を国の方で用意をしていただいています。これを活用しながら、被災した中小企業などの施設・設備の復旧を支援していく。県内でも約46億円、こういった被害が起きていると言われていますので、こういったものをやっていく。46億円は、公共施設等の被害も含めてですが、そういった中の特に民間の施設・設備の復旧の支援を行うということです。

 またそれで漏れた部分についても、資金繰りの支援をするということで、被災した中小企業を対象とした融資制度を新設します。

利子補給、保証料の補給を3分の2させていただいて、また多くの市町もこの残りの部分についても対応されるようにも伺っていますので、お金を借りる中小企業の側はほとんど、こういった利子や保証料が無料の状況になっていくということです。またマル経資金についての利子補給も行っていくということです。

 そして観光のいろいろなキャンセルについての影響を受けていますので、国の方が北陸応援割を実施してくださいます。福井県でもこれを受けて実施をさせていただくということで、事業期間については、いま行っている「ふくいdeお得いこーよ!キャンペーン」に引き続いて新幹線開業と、まず一つの考え方としては同時にということですが、北陸4県で足並みを揃えられないかという相談もしていますので、思いとしては、「ふくいdeお得いこーよ!キャンペーン」に引き続いて、これが実施できるように調整をしていきたいと考えています。

 また、はぴコインもありますので、ふくいはぴコインを活用した消費回復支援事業ということを行っていきたい。新聞等でも広告が出ていますが、デジタルのプレミアム付地域商品券。これは以前「ふく割」と言っていました。5000円買うと1000円割引きとなっていたため「ふく割」だったのですが、今回は4000円払っていただくと5000円分の地域商品券が買えるということで、プラスになりますので、「ふく+(ふくたす)」という名前で、応援させていただこうと考えているところです。一部は既決予算の活用もしながら、2月補正予算で新規に2億円も盛らせていただいています。

 また園芸ハウスの震災被害も起きていますので、これに対する支援を行っていくということです。

 続いて、今度は長期ビジョン。一般的な県政の推進ということになります。

 まず県立大学の恐竜学部の開設事業、仮称ですが、これを債務負担行為も含めて措置をしようというものでして、来年度の4月に開学し、令和8年度にこのキャンパスを使うということを前提で、かつやま恐竜の森の旧第3駐車場を活用しようと考えています。

 また、県都まちなかのイノベーション創出推進ということで、民間のスタートアップの支援をする民間のインキュベーション施設が建ちます。

 越廼バレーという施設が建とうとしていますので、ここへの支援とまたこの中に県の組織としてスタートアップ支援の担当を配置する。こういうことをして、東京で言うと「CIC Tokyo」というのがありますが、これの福井版というようなことで考えていきたい、応援したいということです。

 そして次に人材確保としまして、公共交通や物流事業者の人材確保の支援を行っていきます。例えば運転手の不足に対して、就職奨励金や運転体験会を開催して採用活動の支援をしたり、また女性も運転士になりやすいように、大型・中型運転免許の取得や、荷役などが非常に重いもの、こういったものを下ろしやすいように機械を取りつける、こういった応援もして、幅広く運転士などを増やしていこうということです。

 また県内で不足している業種としては薬剤師、これは特に公的医療機関における薬剤師が不足をしているということ、そして県内のいろいろなところで、そもそも薬剤師が県内に少ないということがありますので、まず公的医療機関に就職をする薬剤師への奨学金の返還の支援をしていく。またそもそも薬剤師を増やすということで、小学生向けの出前講座や中高生向けの職場体験を行っていきたいと考えています。

 そして来年度は全国育樹祭を10月の19、20日を予定して開催をしていきたいと思っていますし、また脱炭素化ということで企業向けについては今まで予算措置もしてきましたが、住宅向けにも太陽光・蓄電池の設備導入の促進を行っていこうということで、住宅の蓄電池とセットの場合、また太陽光だけ単独導入の場合も含めて制度を設けて、2030年度に49%削減の目標に向かって進んでいきたいと考えているところです。

 また安心な暮らし、今回の地震も受けて、住宅の倒壊が非常に多いということがあります。そういうことで、この来年度と再来年度、2か年間の時限措置といたしまして、国の制度を拡充して、補助率80%を100%に引き上げたり、補助上限額を120万から150万円に引き上げて県単独の部分をつぎ足して助成制度を拡充していく。さらに、普通に耐震化を住宅全体でやろうとしますと特に古い家屋は、柱を入れたりいろいろ難しくてお金もかかりますが、低コスト工法というものがありまして、壁や床を痛めないで、それを支えるようなものを家の中に設置していく、または壁の外壁に板を貼りつけていくという、低コスト工法というのがあります。また住宅の中の寝室や居間といったよくいる時間帯が長いようなところの中にシェルターを置くなどで安くできます。試算でいうと150万円ほどでも120平米ほどの家は、それなりの耐震化ができるというようなことの普及啓発も行っていきたいと思っています。

 また「ふくい地方創生推進事業」という市町が特色あるいろいろな事業を行っていく場合に使いやすい補助を行っていくというもので、市町がつくる地方版総合戦略に位置付けられた事業については、4年間のうちで各市町5000万円を上限としまして、支援を行っていきます。また各市町に一つひとつ、いくらずつということではなく競争になりますが、他の市町にも横展開できるような先進的な企画立案、これはソフト事業ですが、1事業500万円を上限に支援をしていきたいと思っています。

 そして公共施設、こういう基盤整備のところも積極的に整備を行っていきます。福井港丸岡インター連絡道路、敦賀西部地区のほ場整備も行っていきます。また地域の景観対応枠の予算の創設ということで、年間を通すと、常にいろいろなところ、道路や河川が壊れた、こういうことがよく起きます。こういったことをいちいち予算措置しなくても、小さなものについては枠予算で持って、いつでも修繕ができる。こういうような措置、枠予算についても今回、議会にお願いしようということで予算案の中に入れています。

 以上が当初予算及び2月補正予算の概要についてです。

 

【知事】
〔配付資料:第9回「山の日」全国大会の開催決定について〕  

 続きまして、第9回「山の日」全国大会の開催の決定について申し上げます。

 本日、全国山の日協議会から連絡をいただきまして、来年、令和7年の8月11日が山の日ですので、10日・11日に、「山の日」全国大会を福井県で開催をしたいということです。

 目的は、そもそも山の日の趣旨の浸透を図っていく、山に関する歴史文化の継承や、山の未来のあり方について考える機会ということで、平成28年に山の日ができたときから開催されています。第1回目は長野県でしたし、2回目が那須だったと思います。

 いずれも私、消防庁にいましたので行かせていただきましたが、山というか自然と親しむ、山と親しむ、いい企画だと思っています。これを今回誘致させていただいて決定されたということで、県内には百名山の荒島岳がありますし、また新幹線も開業ということで、多くのみなさんに訪れていただきたいという趣旨も込めて、この大会を開催させていただくことになりました。内容的には記念式典や記念登山などの行事があります。また歓迎レセプションや、ワークショップ、体験ブースといったフェスティバルも行うというものです。

 私からの発表は以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 予算案の全体のフレームについてお伺いします。知事から全体の重点ポイントについておっしゃっていただきましたが、やはり今後、コロナ禍の特異な状況が終わって国の経済対策の縮小なども見込まれる中で、より選択と集中が求められるような予算の編成が必要になってくるかと思います。

 新幹線の開業を踏まえて、来年度どういった県政づくりをこの予算を通じて行っていきたいか、さらに重点ポイントの中で、どのあたりに力を入れていきたいのか、知事のビジョンをお聞かせください。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、今年から国からの地方交付税なり、いろいろな枠組みが通常ベースになってきたなということは予算編成をしていて実感をさせていただいています。しっかりだんだんと筋肉質に変えていくことは大事だと思いますので、選択と集中は重要だと認識をしています。特にという意味では、まずは何といっても北陸新幹線開業の効果を最大化、持続化する、こうした取り組みに力を入れさせていただいています。

 また人口減少対策の中でも、来年度は特に2人目のお子さんからの「複育応援」、複数の複の「複育応援」ということを拡充しまして、それで日本一幸福の子育て県「ふく育県」を前面に押し出していきたいということでして、結婚出産から子どもの巣立ちまで、ゆりかごから巣立ちまで、これをしっかりと進めていく、安心安全の子育てができる県ということを進めていきたいということ、それと能登半島地震を踏まえて、事業者への応援、また次に備えていくことにも力を入れていきたいということがございます。あとは、いつも申し上げているような若者、女性の活躍の支援でやっている教育の充実、さらには農林水産業を含めて稼げる価値づくり産業をつくっていくこと、また防災・減災・安心安全なまちづくりにも力を入れる。医療・介護・福祉にも力を入れていきたいということです。

 

【記者】

 新幹線関連事業になると思いますが、目玉事業をもし挙げるとしたら何でしょうか。

 

【知事】

 一つはプロモーションを開業後も引き続き、新幹線の沿線駅を中心に続けていくことを考えていますし、なんといっても、秋からの北陸デスティネーションキャンペーンにも重点的に力を入れていきたいということで、新幹線が来たら終わりではなくて、これはスタートで福井ブームというものをつくっていく。これが大事だと思っていますので、このお城イベントもそうですし、将棋タイトルの誘致などもそうだということで、やはり継続させること、最大化することに力を入れていきたいと思っています。

 

【記者】

 今回の予算を「ふくい新時代の幕開け予算」とされていましたが、この新時代の福井県というのはどのような姿になるとお考えでしょうか、あるいはどう変えていこうとお考えなのか聞かせてください。

 

【知事】

 法人も含めた県民のみなさんが、より自分の発想で、自分の立場でどんどんどんどん物事を前に進めていけるような状況にしていくということが大事なのではと思っています。

 要は北陸新幹線によって多くの人が、東京や沿線から訪れていただく、また福井というのが多く取り上げられるようになる。さらには中部縦貫自動車道も2年後には開通していくと、今度は物も含めて中京方面からたくさん来るようになる。さらに将来、新大阪まで新幹線が繋がると、たくさん交流をしていろいろなビジネスチャンスも広がってくる。こういうときに、今まで公、例えば社会のサービス全体を考えたときも、行政がサービスを提供するなど、こういう発想になりがちだったのですが、そういう発想から少し離れていって、我々は民間がやろうとしているサービスもしくは民間のみなさんがどんどんこうやっていきたい、チャレンジしたいということを応援することで、そこのところに応援することで、自転して社会のサービス・供給が増えていく、社会がもっと発展していく、そういうことにポジションをだんだん移していけるようにしていかないといけないのかなと考えています。それが大交流時代であり、これから福井県の高速交通網が整備されることによる効果を受けた福井県のあり方だと考えていますので、そういったことのスタートの年だというような意味で、「ふくい新時代の幕開け予算」だと申し上げています。

 

【記者】

 住宅耐震化の予算と人手不足のことでお伺いします。耐震改修というのは、財政上の課題や過去の整合など、あと資材である点で引き上げというのは少し難しい点もあったかと思うのですが、それでも改めて引き上げた背景を教えていただきますでしょうか。

 

【知事】

 これは明らかというか、能登半島地震を見ていて、やはり多く倒壊、これから細かいデータは出てくると思いますが、やはり耐震基準を満たしているかどうかというところが、昭和56年の基準を満たすか、2000年以降の基準を満たすかというところは、命を救うという意味で、とても大きな分かれ目になっているということをみなさんも実感されていると思います。

 その震災後、地震後、多くのみなさんからも、こうした耐震診断、もしくはこの補助制度についてのいろいろな問合せも増えている、こういうことを踏まえて、短期間で何とかこれを仕上げていこうと、今の県の目標としては、令和7年度末で耐震化された住宅の比率は90%にしていくという計画でやっています。足元多分85%を少し超えたぐらいになっているのではと思いますが、それをさらに9割まで上げていかなくてはいけない。こういうような趣旨で、やはり少しでも安心度を高めていくという意味で今回やらせていただいたということです。

 先ほども申し上げましたが、150万円ほどで低コスト工法だと、120平米ぐらいまで平均的に住宅の整備はできますし、150万円を使ってやれば、かなりの住宅が耐震化できる。しかも、もしくはこの部屋だけは何とかしたいということもできるようになるということで、みなさんの状況も踏まえて今回の制度を仕組ませていただいていますので、こういった啓発活動を含めて、しっかりとやらせていただくことで、この耐震化率を一気に上げていければと思っています。

 

【記者】

 人手不足のことでタクシー運転手や薬剤師など様々な予算化があると思いますし、これまでも予算化してきて多少改善してきた点もあると思うのですが、一方で予算措置とか、行政支援だけでも解決できない課題も非常にあると思います。新幹線開業で人手が必要になるなかで、改めて現状認識等を教えていただければと思います。

 

【知事】

 おっしゃるとおり、これは全国的にもそういう状況が近づいていると思いますし、特に福井県は有効求人倍率が1.95倍や1.94倍と、全国1位がずっと続いている状況ですので、全国でも先を行っている状況なのかと思っています。そういうことでいろいろな手段も講じさせていただいたなかに、例えば一つ、県立大学の文系新学部の創設、地域政策学部をつくっていくことも、県内に少しでも多くの人に残っていただくような素地をつくっていこうと考えているところです。また外国人のみなさんにもお出でいただいて、なおかつ長く居ていただく、福井県人となっていただけるような政策も今回も準備をさせていただいている。

 そういうようなことで、またUターンIターンをしやすいような環境をつくる、この辺も全国でも本当に福井県は、有数というか、トップクラスのいろいろな制度を整えさせていただいています。

 さらには安心安全で子どもを育てることもできる。社会全体が、こうなっていくといいなというような方向を目指して、福井県社会をつくって、これを発信させていただくことで、福井県に留まっていただく、一旦外へ出てもまた帰ってくる。こういったことを、しっかりと実現していきたいということで、政策も組ませていただいていますし、これを実際に、何とかそれが実現できるように、運営もしていきたいと考えています。

 

【記者】

 昨日、関西電力から県内原子力発電所に乾式貯蔵施設の設置計画が示されました。工期も含め、かなり具体的だったと思うが、知事の受け止めを伺います。また、改めてどういった点を評価しながら、事前了解の判断をするのか、考えを伺います。

 

【知事】

 これは具体的に、要は乾式貯蔵施設を作るという計画なので、そういう意味では具体性があって、2030年頃と言って、使用済燃料対策ロードマップに書かれている中間貯蔵施設への搬出をするためにスムーズにやる。その搬出をスムーズにする前段階として、できるだけ安全性を高めるということで、電気を使わなくても安全に冷却ができるキャスク方式の乾式貯蔵を行うということで、具体的な提案があったと思っています。

 内容については、これから精査させていただき、大きくいつも言わせていただいているが、申請の了承の段階と、実際の事前了解という2段階あると思うので、申請了承というのはこれまでも、大きな安全性とか、大きな課題があるかなど、そういったところをまず精査しながらやっていくということなので、安全専門委員会で見ていただいて議論いただくとか、あとは県議会や市町の意見、さらには原子力環境安全管理協議会の議論を踏まえながら判断していくということかと思います。

 いずれにしても、今出たばかりなので、内容についてはこれから精査をさせていただこうと思います。

 

【記者】

 福井市の多目的アリーナの建設計画が民間の方から示されました。計画の工費も想定よりも増えているなかで、かなり県や市の補助金に頼った計画になっているかと思います。民設民営の在り方も含めて、どのような対応を県としても取っていくのか、その点についてもお聞かせください。

 

【知事】

 基本計画案は私も拝見させていただきました。大変苦労に苦労を重ねているということを実感しています。何といってもここ2、3年で、一気に物価の高騰などがありましたし、こういうなかで非常に運営のことも考えていらっしゃると思います。作ることに終始するのではなく、いかにしてこれを運営していくのかということに腐心された計画だと思っています。それだけに、実現可能性が高いというか、これを何とかしていけば、何とかこの施設が効果を発揮できるのだろうという期待感も一方で持ったところです。

 こういうといけませんが、公設でホールやアリーナのようなものを作っていく場合というのは、往々にして作る計画になっています。作った後は、その中を使っていただく方というのはもちろん想定はしていますが、現実にどれだけ連れて来られるかということは、言ってみれば相手次第という状況になります。民設民営の良さが出ていると思うのは、この運営を自分たちでやっていく、当然自分のものですから、借金も払わなくてはならないということです。あの施設ができるということで、30年で返すとすれば、30年間はあそこの施設を、しっかりと埋めていくというか、運営ができる環境を作っていくということの計画案だと認識をしています。この計画というのは、公設でやることに比べて、先ほど申し上げましたが、民間が力を発揮することを、行政が応援することで自転をしていく。例えばブローウィンズが大変活躍をしています。これも、その中の一つの使われる要素として入っていくわけですが、こういったものをアリーナとともに同時に用意しているわけです。さらに伺っていますと、あの中でコンサートなども40公演用意するというようなこと、これもプロモーターとどんどん詰めながら、準備を進めているとも伺っています。

 こういうところが本当に民設民営の強さだなと思っていまして、これのところをしっかりと、これからもちろん内容については、あの中では、50億程度、国と県と市で補助してくれないか、また空いている期間を県や市で使うことに応援してほしい、などもありますし、またいろいろな工夫ができると思います。例えば有利子負債のところも、低利融資のようなことをやる制度もありますので、こういったいろいろ角度から、我々としては要請されたことを踏まえて、福井市とも相談しながら、また議会でしっかりと議論をしていただきながら、これの応援の仕方について考えていきたいと思っています。

 

【記者】

 アリーナ構想の質問について、応援の仕方について考えていきたいという答えだったのですが、前向きに捉えていると私は受けとめたのですが、その前提で聞きます。改めてイニシャルの50億円の行政支援という規模感についてのお考え、先ほどの苦労したんだなという言及があったのですが、改めて規模感についての受けとめと、今後縮減を求めていく等対処されていくのかお考えを聞かせていただきたいと思います。

 

【知事】

 105億円に対して50億円ということが大きいか小さいかといえば大きいと思います。一方で内容をこれから精査しないといけませんが、ある意味ぎりぎりの考えなんだろうと思います。福井県での規模のところで、運営として自立して何とかやっていこうということで、言ってみれば借金を全部返して、しかも運営費で黒字を出しながら借金を返してるわけですので、内容の精査は必要ですが、内容的には大変厳しい中で決断をしていただいていると思っています。

 全体として見ても、例えば30年間で見たときに、実際にかかる経費が運営費も含めて315億円。そのなかで185億円は自分のところで、例えば、毎年の7億円の経費についても、4億円あまりは自分でしっかりと稼いでやっていきますと、こういうような中ですので、正直言うと、この厳しい福井県の中で、公設であってはそうなかなかうまくいかないところをしっかりと担ってくださろうとしてると思います。

 まちづくりを本格的に自分がやろうという民間の企業が現れてくださっている、SPCや民間がそういったことを担ってくださろうとしていることが非常に私は価値があると思っていまして、まちづくりを一緒に担うパートナーをいかにして一緒にやっていけるのかということをこれから中見ながらよく我々としても検討していくということかなと思います。行政としても、しっかりと応援していくことは大事なんだと思っています。

 

【記者】

 とはいえ、行政の方から援助する、どういう形かわかりませんが、支援、援助、補助されるということは、一定程度その公共性が求められる話だと思いますが、県民理解、具体的には県議会の理解だと思いますが、その公共性の理解をどう得ていくのかという点について、いかにお考えでしょうか。例えば、特にこういう機能を評価しているとか、お考えをお聞かせください。

 

【知事】

 これはまた精査が必要ですが、基本計画案の中では、年間58万人で56億円の経済波及効果があるということですし、内容を見ても例えばコンサートが先ほど申し上げました40公演というのは、いまサンドーム福井でも10数公演ぐらいだと思います。

 これをプロモーターにも声をかけながら、福井駅前という本当に地の利がいいと思いますので、こういうところへ呼んでくる。そうすれば当然のことながらその人たちは、夜だったら泊まるということが十分にあるわけですし、特に若い人たちが来る可能性が高まる、にぎわいが出てくるということです。またコンサートに限らず、いろいろなイベントも開けるようになりますので、県が例えばそれを借り上げる日があるとすれば、その日の中で、例えばハンドボールのブルーサンダーや、フットサルの丸岡RUCKなどの試合も楽しんでいただけるような環境ができて、県民のみなさんがスポーツに親しめる、観るだけではなくそこで何かすることも出てくると思います。公共施設として整備すべきもの、最近内閣府や国もしきりと言っていますが、今まで公共施設は、公というのは行政がつくるPFIにしても、基本的には最終的に行政が持つという前提になってましたが、行政が所有をしないで、公共施設を整備していく手法が大変推奨されています。

 それを地方都市で実現するとすれば、非常に全国的にもモデルケースになって、しかもそれが自立していく。先ほども申し上げましたが、とてもこれが大事だと思うのは、これが建つことは単にブローウィンズが活躍するだけでなく、この建物を30年間ずっとまわしていくということを自分で覚悟を決めて、それに手を出す、乗り出すということですので、こういうところは大事にしなくてはいけないですし、それは非常にまちづくりに活きてくると私は思っています。

 

【記者】

 乾式貯蔵施設の事前了解について、今後、内容を精査していくとのことですが、そもそも乾式貯蔵について知事はどのように考えているのでしょうか。

 

【知事】

 乾式貯蔵について、私の認識としては、使用済燃料の貯蔵の方式として、湿式、プールによる貯蔵と乾式があるということ。いずれも当然、安全性は確保されているということ。もう一つ、乾式は、今回の関西電力の話の内容として言えば、中間貯蔵施設に出していく。

構造的に合理的だと思うのは、中間貯蔵施設にそのまま持って行って、そのまま置けるものを作ると言っているので、そうすれば当然のことながら、中間貯蔵施設ができたときに、滞りなく建屋から出して、それを運んで行って、ぽっと持っていける。そういうような構造を持ったもので、電気などがなくても自然で冷却できるという安全性が高いという主張をされています。それは規制委員長もそういった趣旨のことを言われているので、そういったものなのかなと思っています。

 

【記者】

 今回の乾式貯蔵施設の設置目的は、あくまで貯蔵容量の増強ではなく、中間貯蔵施設に円滑に搬出するためのものと、関西電力は主張されていますが肝心の持っていく場所、中間貯蔵施設の県外計画地点すら示されていない状況の下、持っていく方法論を先に提案していることについて、知事はどう思っているのでしょうか。

 

【知事】

 もちろん物事は、行き先が決まってというのが一般的な考え方として当然あると思うし、それがあるべきだということの議論としては分かります。一方、現状として中間貯蔵施設、今、関西電力が持ち出せる中間貯蔵施設は現状ないという状況で、2030年頃にはそれを稼働できるようにするというのが、先般示された使用済燃料対策ロードマップの中に示されています。そういう中で、まだ行き先のところは決められないが、今も申し上げたが、それができたときには可及的速やかに、安全に保管したうえで合理的に運べるという考え方そのものは、合理性があると思います。

 

【記者】

 県民や県議会議員の中には、持っていく場所が決まっていない中で乾式貯蔵施設の設置を認めると、関西電力としては原則として全体の貯蔵容量は増やさないと言っていますが例外にも言及しており、結果的に県内での使用済燃料の貯蔵容量が増えてしまうのではないかという懸念や、例外規定を行使して約束をなし崩し的にしてしまうのではないかという不安もありますが、どうお考えでしょうか。

 

【知事】

 不安がまったくないかと言えば、そこはここまでの間もいろいろな形で不安をできるだけ抑えながら乗り越えてきているということはあります。ここのところは前回の10月の段階でも確認していますが、使用済燃料は必ず再処理するという国の約束、そういう考え方もされているし、また使用済燃料について、これから持ち出すということのロードマップも示されています。また原則として、例外のことを言われていますが、ここのところも基本的には自然災害などがあって、電力需給がひっ迫するような状況があって、そういったやむにやまれぬ、他律的なことが起きて、社会全体としての役割を果たさなくてはならないときだけ、置くことがあるかもしれないという例外です。少なくとも六ヶ所の施設の工期の遅れとかいったことは例外扱いしないということです。そういう考えも示されているし、我々もそういう考え方であるので、まさに原則としては、例外はないと思っています。

 

【記者】

 福井県としては長年、使用済燃料の県外搬出を求め続けている立場ですが、現状は持っていく場所が決まっていません。ロードマップでは2030年頃に操業開始という目標は堅持していますが、不確実さは否めません。今後、乾式貯蔵の申請の了承に対する議論が始まると承知していますが、設置に向けては、改めて中間貯蔵施設の県外計画地点をいつまでに示せとか、乾式貯蔵での保管期限を何年と約束を交わすとか、考えを伺います。

 

【知事】

 最終的には申請了承と事前了解とありますが、事前了解のときには本当に作るということになるので、このときまでにいろんなことの確認は最終的にしていくのだろうと思います。その中身については、今計画が出てきたところなので、今後引き続き検討していくと考えています。

 

【記者】

 六ヶ所の再処理施設の完成が遅れているという報道が1月末に出ていましたが、24年度上半期が非常に厳しい状況が見込まれていると思います。関西電力が例外を設定していますが、もし乾式をつくることで、逆に県内の使用済燃料が増えることになった場合、昨年10月の知事の判断は非常に大きく、これまでの県外搬出とは逆の流れになってしまうことになると思います。その場合に、知事の責任の取り方は考えていますか。

 

【知事】

 非常に今の話は前提が多く、こうであったら、ああであったらということを言われていますが、そうならないということの確認をずっとしながらやってきています。今、その点についてお答えする時でないと思います。

 六ヶ所の完成時期も、6月という時期はちょっと現実的でないということは言われていますが、上半期のできるだけ早期にということについては旗を降ろさないと、全力でこれを実現できるようにやっていくとの話でもあるので、そういったことの前提でこれからも仕事をやっていくということです。

 

【記者】

 昨年10月の関西電力のロードマップは、六ヶ所の施設の完成、それからフランスへの搬出量の積み増し、2030年頃の中間貯蔵施設の操業開始は、仮定の話ばかりで成り立っています。これを一定程度評価して、判断されていたわけなので、ぜひ今回に限らず、今後も仮定の話にも答えていただけないでしょうか。

 

【知事】

 守らなければというところが、それは守らないということがないようにしていくことが大事なのだと思います。大切なことは、約束を守っていただくことだと思いますので、そのために私たちは相手との確認をしながら進めていますので、その約束が破られたときに何々というのではなくて、約束を守るべき人が守るのだと思います。

 

【記者】

 今回の件について、約束は必ず守られるものだと考えているのでしょうか。

 

【知事】

 守っていただくのだと思います。

 

【記者】

 中間貯蔵施設の計画地点の確定のときもそうでしたが、フランスへの搬出で同等の意義があるなど、このようなごり押しが容易に通ってしまう状況だと、福井県に対してはどんなことでもごり押しで行けるのだと関西電力は自信を深めていると思います。自ら設定した例外規定があるようなので、空いた貯蔵プールは使わないなど、そういったことが本当に守られるのかは非常に疑問を感じていますが、知事はどのように考えるのでしょうか。

 

【知事】

 しっかりと監視をしながら守っていただくと思っています。

 

【記者】

 今後県議会であったり安全専門委員会もしくは、いろいろな場で考え方であったり議論されて、総合的な判断を知事が最終的に下すと思いますが、第一段階目の申請の了承の判断を出すタイミングもしくはスケジュール感というものは今持っているのでしょうか。

 

【知事】

 今申請が出されたばかりで、そういう意味ではこれから検討ということになります。いずれにしても安全専門委員会や安管協、議会、立地の市町など、こういったところで確認するべきことがいくつもあります。そういった議論を見ながらと思っているので、スケジュール感が特にあるわけではありません。申請了承と事前了解というのは、ある程度の事柄の違いがあると思っています。そこのところは、適宜よく判断をしていく。最終的には安全性が一番重要なので、そういう意味では、規制委員会の審査も重要な要素であると思います。こういった物事をよく意見を伺いながら総合的に判断していきます。

 

【記者】

 今、了承を出すタイミングのスケジュール感はないとのことでしたが、昨日示された関西電力の乾式貯蔵の計画で、高浜の最初に申請する1基目の工期が25年から27年だったと思います。工期の25年が始まりになるなど、そういうところも考慮しない回答期限になるのでしょうか。

 

【知事】

 これからの議論を伺いながらということになりますが、経済活動を止めようとしているわけではないので、こちらは確認すべきことをしながら、もっと熟慮が必要であれば当然いろいろな議論を重ねてやっていくし、25年の始期と言われたが、そこのところを私は必ずしも見ていなかったが、そういったものを超えてでもやるというのはあると思うし、だからと言って最初から遅れてもいいというようなことでもないと思います。ここは議論の状況を見ながら、よく判断をしていきたいです。

 

【記者】

 インバウンドの誘客についてお伺いします。これまでインバウンドに関心をなかなか持ってもらいにくい、持たれても来てもらえなかったことがあると思います。その理由の分析を改めてお伺いしたいのと、今回を含めてこれまでのインバウンド予算がその解消に十分に寄与していると、また、すると考えているのかお聞かせください。

 

【知事】

 インバウンドがなかなか進まなかったことの一つの大きな理由は、やはりあまり知られていなかったというところは本当に大きいと思います。これは日本国内でも、福井県は知名度がなかなか高い方ではないとも思っています。そういう中で、さらに新幹線も無いと、外国のみなさんも新幹線の経路を上手に使いながら回られているということが今まで見ていると多かったかなと思っています。今回、予算と関わらず新幹線が開通するということで、東京駅で福井・敦賀は示される状況にまずなってくるということと、また、ジャパン・レール・パスで、新幹線乗り放題で福井まで来られるようになる、そういうことでいろいろな形でPRもされると思います。

 また先般、「ワシントン・ポスト」に出ていましたが、人ごみを避けて行ける素晴らしい観光地として、世界の12か所の中の1か所に福井が選ばれていたというようなことでは、日本の中でも非常にスピリチュアルな場所だと宣伝もしていただいています。インバウンドについても大変、新幹線効果がまず一つ大きいと思っています。

 そのうえで、福井県は、一つは鶏が先か卵が先かで、県内のインバウンドが少ないからお店の、例えば免税措置などはなかなか進まないというようなことがありましたのを、先にこちらは整備をしてしまおうということでお声がけもさせていただいて、そういった充実も図らせていただきます。

 また、これから例えば具体的に、上海便なども活用して、浙江省との間でいろいろとやりとりもさせていただいていますので、そうした浙江省だけでも6540万人の人口がありますので、非常にそういったところに誘客をかけていくということも、具体的に今回の予算で進めようとしています。それに限らず、台湾や香港、そのほか欧米の富裕層も含めて、さまざまな形で予算措置もさせていただいていますので、そういうことを使いながらですね。あとはやはり本当に新幹線というのがもう効果発揮してくれる。行きやすいなということも感じていただけると思いますので、こういうことで、何とか今度こそ上げていきたいと思っています。

 

【記者】

 能登半島地震に関連してお伺いします。三重県の一見知事や宮城県の村井知事が被災地への訪問方針を示していますが、杉本知事は現時点で能登地域、被災地に訪れる計画、予定はありますか。

 

【知事】

 2月10日に馳知事にお会いをさせていただこうと思っていまして、もう少し前に、実は新田知事と一緒に行こうという話をしていましたが、三者の日程が合わず行けなかったので少し遅くなりました。私も馳知事のところへしっかり行って、事情をよく伺いながら、応援できることをさらに進めていく。また我々も一生懸命、今のところ福井県民のみなさんには、ボランティアバスもすぐにいっぱいになるくらい一生懸命応援いただいていますが、こういったこともお伝えしながら、またさらに応援させていただくということを持ち帰って、お話もしながらやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 もし可能であれば、日程や目的、行き先などもう少し詳しく教えていただけますか。

 

【知事】

 もう少し後での発表になると思います。

 

【記者】

 地震の関連で何点かお伺いします。避難所整備や耐震の防災対応は、予算でも付けられていると思いますが、その他の地域防災計画の見直しや、現場の職員派遣もあっていろいろ教訓などあったかと思います。県内で何か体制を拡充したり、見直しを図ったり、何か検討していることがあれば教えてください。

 

【知事】

 現状、すぐ地域防災計画のどこを直すなどを、実務的に進めているかもしれませんが、とりあえずは、この後国や石川県なども含めて、いろいろな振り返りなどあると思いますので、本格的にはそれを見ながらということかと思っています。

 また今回の地震では、例えば道路啓開に非常に課題があったり、家屋がたくさん倒壊したり、通信手段がズタズタになって連絡がとりにくいというようなことであったり、備蓄が足りないのではないかというような議論もあったと思います。道路啓開についても、啓開の計画、こういった大きな地震等の災害があったときの啓開計画も着手していますので、こういったものも早急に作っていきたいと思います。

 また、先ほども申し上げましたが、家屋の倒壊防止、県内は能登半島のような状況ではありませんが、これをさらに目標の90%に向けて進めていく、というような具体的な取り組みをさせていただき、また当座の部分にしても、例えば、先ほど申し上げた通信手段が途絶されるというようなことについて、国としても計画を持って、すぐに300台ほど被災地に衛星携帯電話を持ち込むというようなことをしていましたが、福井県内でも、今回県独自にまた要請しながら、現地に持ち込んでいるというような実績もありますので、こういったことは、早急にまとめながら、すぐに生かせる、もういつ何が起きるか分かりませんので、今の段階で我々が知見として得ていることについては、県として独自の考え方はある程度まとめながらやっていくのかと思います。

 応援計画を考えるということと併せて、応援計画を考えるということは、自分たちが何か起きたときのためにもなるということにもなりますので、本格的なことはもう少し後かもしれませんが、できることからやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 関連して原発の避難道路について、家屋倒壊等で5~30キロの屋内避難計画の原則が大丈夫なのかという意見もあります。とはいえ道路整備にはかなりお金もかかるので、すぐには難しいですし、省庁の縦割りなどもあると思いますが、避難計画の実効性を高めるうえで、今後必要になってくることや現状の認識等あれば教えてください。

 

【知事】

 原子力との関係で言えば、内閣府を中心に国がこれから新しい知見などを踏まえて、避難計画等の見直しについてご議論をしっかりいただくことが必要だと思っています。今回、知見の中でもやはり、道路がまず複数ないといけない。特に原子力災害の関連する場所が、こういったことの知見もありましたし、さらにできるだけ強固にしていないといけないということがあると思いますので、原子力制圧道路などの複数化は、福井県内はかなり進んできていますが、いずれにしてもその他に強固にしていくことも重要だと思いますので、こういったことは今年度からも引き続き、同時並行で今までもやってきたしこれからもやっていくという事も進めていきたいと考えています。

 

【記者】

 地震の関連で伺います。知事の発表で、新幹線の開業効果を最大化したいとありましたが、地震もありキャンセルが相次いで、福井県として被災感情に配慮して発信の仕方等もかなり気を使う部分もあるかと思いますが、一方で復興に向けた期待の声もあります。改めて開業が迫って、開業が福井や北陸にとってどのような意義があって、どのように発信したいかお考えを伺います。

 

【知事】

 地震の当初は福井県内でもキャンセルが相次いで、1月中ぐらいで大体4万人分のキャンセルがあり、13億4000万円ほどの被害があったというようなこともありましたが、例えばこの1週間で見れば、通常のキャンセルはあると思いますが、さらにキャンセルが大きくなっている、キャンセル被害というようなことの報告は受けていないということで、大分落ち着いてきたと認識をしています。

 そういうなかでこれまでも被災地に配慮した形、もしくは石川県との話し合いで一時延期しているようなプロモーション活動などもありますが、これからは徐々に、特に3月16日に向けてスピードアップしていくと思っています。

 2月の終わりには、例えば福井県との県境に近い石川県の小松市や加賀市、白山市の観光協会と一緒に、二子玉川でプロモーション活動をさせていただいたり、また石川県と共催する予定でしたが、新宿の西口で観光と物産展、1月に考えていたものを延期しており、石川県はまだ準備できないという状況のようで、福井県単独で開きます。しかし、石川県のものをできるだけ持って行ってあげたり、「がんばろう北陸」や「北陸を応援してください」ということを一緒に福井県が発信をする場として、これは3月の開業後になりますが、させていただこうと思います。

 ここからは正直言って、もちろん被災地のみなさんがお困りになられるようなことは全く考えませんが、ある程度そういった意識は持ちつつも、やはり開業効果を北陸全体として最大化できるように、福井県が引っ張っていく、国内の応援を受ける、そういうものを引っ張っていく立場として、頑張って結果として徐々に被災地に沁み出していくような応援もできればということで、これからもしっかり新幹線開業に向けた、準備をさらにPRも含めてやらせていただこうと思っています。

 

【記者】

 過度なキャンセル等々はせずに、落ち着いた段階で福井や加賀などにしっかり来て欲しいというようなご認識でしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおり、まずは福井ということを申し上げつつ、北陸にぜひお越しくださいというような形で北陸全体の応援もさせていただこうと思っています。

 

【記者】

 先ほどの質問に関連してですが、例えば2月10日に馳知事ともお会いになるということですが、知事ご自身が、例えば新宿でされるイベントなどに、福井の顔としてトップセールスで立たれて、北陸、福井をアピールするということは考えていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

 チャンスがあればするということは十分可能だと思います。なかなか日程が合わないので、いつも私が行ってやっていますので9月30日にもやりました。日程次第かと思います。決して否定しているわけではないです。いろいろな企画をして、例えば変な話ですが私が行くよりは、先日の大宮のように、あわら温泉女将の会のみなさんに行っていただいてやっていただく方がきっといいとは思います。いずれにしても機会があれば積極的にすることはやらせていただこうと思います。

 

【記者】

 北陸新幹線の敦賀以西の話ですが、京都市長選挙が先日投票行われまして、少し福井とは離れた選挙ではありますが、自民党や立憲民主党などが推薦されている松井さんが、共産党が支援されている候補に勝たれました。敦賀以西で京都の問題は大きなものかと思いますが、選挙結果に対する受け止めと、敦賀以西に関して国や関係自治体への主な働きかけと今後の活動の考え方を改めてお聞かせください。

 

【知事】

 松井市長にはご当選本当に心からお祝いを申し上げたいと思います。しかしそれと京都市、京都府の問題とお話でも言われましたが、あまり府や市ということとは違って、やはりどこでもいろいろと慎重になられる方もいらっしゃいますし、新幹線の延伸については課題がいろいろあることは認識をしています。おっしゃられている中身としては、少しそれが進みやすくなったという趣旨かと思いますが、そういったことも含めてとにかくいろいろな課題についてはしっかりと国や機構によくご説明もしていただきながら、また大事なことは、来年度当初予算に向けても、北陸新幹線事業推進調査費が2億増額されて調査が継続するということになっていますが、しっかりと調査を進めていただいて、その効果や成果を出して、これをもって早くルートを決めていただきながら、いろいろと不安に思っている方もしくは沿線のみなさんにご理解いただけるような活動を、しっかり国としても行っていただきたいと思います。また我々北陸新幹線建設促進同盟会、私も会長をさせていただいていますので、引き続き関西地域含めて機運の醸成をしっかりと行っていきたいと考えています。

 

【記者】

 少し言及いただきましたが、京都市長がお1人でやるものでは決してありませんが、選挙結果を受けて事業が進みやすくなった、環境が少し整ったという認識はありますか。

 

【知事】

 私の個人的な認識として言えば、環境的には、反対されるというよりはいろいろ考えていただける状況かと思っています。

 

 

 

                                            ―― 了 ――

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)