No.18 積雪前の防除剤散布で斑点米が激減!(H25.10.29)

最終更新日 2013年5月27日ページID 024748

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  カスミカメムシ類は、イネ科植物の種子をエサにして増殖します。カスミカメムシ類が原因の斑点米を減らすには、越冬時の発生量を減らすことが重要ですそこで、水田周辺の雑草地にDBN粒剤を散布し、越冬世代のカスミカメムシ類の発生源を断つ新たな防除技術を開発しました。

 

アカスジカスミカメ 斑点米
最も発生が多いアカスジカスミカメ アカスジカスミカメによる斑点米

 

◆適切な散布時期と散布量 

  DBN粒剤は、11月中旬以降に散布した場合が、翌年のイネ科雑草の再生時期が遅くなり、6月中旬まで発生が抑えられました。また、散布量は、8kg/10aで雑草の発生抑制効果が長く持続しました。


◆カメムシ類の発生抑制効果

 積雪前にDBN粒剤を散布した畦畔では、6月下旬に雑草が再生しても、カスミカメムシ類(第1世代)の発生はほとんどみられず、無散布に比べ、高い発生抑制効果がみられました(表1)。

 

表1 DBN剤散布の有無とカメムシ類の発生量    

調査地 DBN剤を散布 カスミカメムシ類
12月上旬 成虫 幼虫
南越前町
157
福井市
55 12

注) 調査月日:2011年6月25日

  調査方法:20回往復すくい取り調査  単位:頭

 

◆防除の効果 

  新たな防除体系(積雪前のDBN粒剤散布1回、除草1回、水田内殺虫剤散布1回)は、慣行防除体系(草刈り3回+水田内殺虫剤散布2回)よりも、斑点米の発生率が少なく、1等米の検査基準である0.1%以下になりました。また、防除コストも、慣行防除体系(約4,500円/10a )に比べ、1,500円低減することができました。さらに、新技術の導入により、農作業の分散と省力化、農薬の使用回数の削減も可能です(図1)。


新しい防除体系


◆今後の展開

  高速道路の雑草地にも活用できるよう試験を行っています。また、一圃場レベルよりも広域的な処理の方がより高い効果が期待できることから、集落単位での実証試験にも取り組んでいます。

 

問い合わせ先

有機環境部(担当:高岡誠一)

 

 

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