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最終更新日:2009年06月18日

職場のトラブルQ&A24 ~転籍命令の拒否~

 子会社に転籍してほしいと言われましたが、労働条件が今より悪くなるのではないかと思うので、拒否したいと考えています。業務命令として受けざるを得ないのでしょうか。

 転籍とは今の会社との労働契約を終了し、新たに別の会社と労働契約を結ぶといった人事異動ですが、それは、労働者の同意(承諾)がなければ、認められないとされています。
 例えば労働契約、就業規則、労働協約で「転籍を命じることがある」といった規定があったとしても、個別に本人の同意がない限り転籍はできません。
 転籍命令に応じられないのであれば、その意向を会社に伝えて話し合いましょう。
 もし、会社側の転籍の必要性などを聞いた上で、条件次第では転籍してもよいと思われたら、労働条件を明確にしてもらい、不利益がある場合には代償措置について会社と十分に話し合うことが必要です。
 また、有給休暇日数の継承や、退職金の算定方法など、必要なことは同意する前に必ず確認しましょう。

解説

 出向・転籍について、従来は、企業グループの形成・発展の過程での、子会社・関連会社への経営・技術指導や従業員の人材育成・キャリア開発等を目的とするものが一般的であるといわれていました。
 しかし、最近では増加した高年齢者の処遇を目的としたもの、余剰人員を子会社・関連会社に吸収するための雇用調整を目的としたものなど、人員再配置や効率化の手段として利用されるようになっています。
 また、企業組織の再編において、特定部門を別会社化し、その部門の労働者を別会社に移すため転籍を行うというケースも増えています。
 これらの場合でも、労働者の個別的な同意がないときは、転籍を命じたり強要することはできません。ただ、転籍を拒否したとき、転籍拒否者に対する整理解雇が問題になることが考えられます。
 なお、整理解雇の要件を検討し、会社の主張を退けた裁判例として、以下のものがあります。

  1. 転籍拒否を整理解雇基準とするのは客観的合理性がなく無効である。(神戸地裁判決 平成2.6.25 日新工機事件)
  2. 特定部門の子会社化と当該部門の従業員の移籍が行われた際に、移籍を拒否した1人を解雇したケース。裁判所は、子会社化および移籍という施策自体には経営上の合理性があるとしても、大半の従業員が移籍に応じた以上、会社はすでに経営規模の縮小を達成しており、残る1人を解雇するまでの必要性がないとし、また、会社側の「他の労働者が転籍に応じているからといって転籍に応じない労働者を解雇しなければ不公平」という主張を排斥した。(最高裁判決 平成6.12.20 千代田化工建設事件)
  3. 営業所を閉鎖して当該営業所の業務を別会社にゆだねることとし、全員解雇を行って移籍を求めた事案について、解雇回避努力義務違反 があり、人選の合理性もなく、組合との協議義務にも違反して解雇無効とした。(那覇地裁判決 昭和60.3.20 アメリカンエキスプレス事件)

参考

 

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