職場のトラブルQ&A56 ~パートは昇給できない?~
問
今の会社にパートタイマーとして勤めて10年になります。最初3年は昇給があったのですが、その後は同じ金額のままです。同じような業務に従事している正社員の方は、定期的に昇給があるようですが、パートタイマーの場合はなくても仕方がないのでしょうか。
答
平成20年4月、改正パートタイム労働法が施行され、事業主は、パートタイマーを雇用する際、基本的な労働条件に加え、「昇給、退職手当および賞与の有無」を文書で交付することが、また、現に雇用している者から求められた場合には、待遇の決定にあたり考慮した事項などを説明することが義務化されました。
さらに、パートタイマーであっても、正社員と業務の内容、責任の程度、人事異動の有無などが同じである場合には、賃金などでの差別的な取扱いが禁止されました。
また、正社員と同じでなくとも、賃金の決定にあたっては、正社員とのバランスを考え、パートタイマーの職務の内容、能力、経験などを踏まえて決めるよう努力しなければならなくなりました。
パートタイマーを含め常時10人以上の労働者を使用する事業所では、パートタイマーにも適用される就業規則を作成し周知しておく必要があります。就業規則にて昇給等を確認されるか、事業主や給与の担当者に、あなたの賃金の決定方法、昇給の有無を尋ねてみては、いかがでしょうか。
解説
パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象であるパートタイム労働者は、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員など)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者とされています。例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「臨時社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、パートタイム労働者としてパートタイム労働法の対象となります。フルタイムで働く方については、「パート」と呼ばれていてもパートタイム労働法の対象とはなりませんが、これらの方についても、雇用管理にあたってこの法律の趣旨が考慮されるべきであることに留意してください。
改正パートタイム労働法(平成20年4月施行)のポイントは次のとおりです。
1 雇入れの際、労働条件を文書などで確認しましょう。
労働基準法では、労働者を雇い入れる際には、労働条件を明示することが事業主に義務付けられていますが(※)、改正パートタイム労働法では、これらに加えて、「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」の3つを文書の交付などにより、速やかに、パートタイム労働者に明示することが義務化されています(第6条)。
※労働基準法上、特に「契約期間」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の時刻や所定時間外労働の有無、休日・休暇」「賃金」などについては、文書で明示することが義務付けられています。
2 雇い入れ後、待遇の決定に当たって考慮した事項を説明してもらえます。
事業主は、雇い入れ後、パートタイム労働者から求められたとき、そのパートタイム労働者の待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明することが義務付けられています(第13条)。
<説明義務が課される事項>
労働条件の文書交付等、就業規則の作成手続、待遇の差別的取扱い禁止、賃金の決定方法、教育訓練、福利厚生施設、通常の労働者への転換を推進するための措置
3 パートタイム労働者の待遇はその働きや貢献に応じて決定するよう求められています。
①職務の内容(業務の内容と責任の程度)、②人材活用の仕組みや運用など、③契約期間の3つの要件が通常の労働者と同じかどうかにより、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇の取扱いについて規定されています(第9条~第11条)。
また、事業主は「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者」の待遇を差別的に取り扱うことが禁止されています(第8条)。
4 パートタイム労働者から通常の労働者へ転換するチャンスがうまれます。
事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、次のいずれかの措置を講じることが義務付けられています(第12条)。
・通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する。
・通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム労働者にも応募する機会を与える。
・パートタイム労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設けるなど、転換制度を導入する。
・その他通常の労働者への転換を推進するための措置
5 パートタイム労働者と事業主の苦情・紛争の解決の仕組みがととのえられました。
事業主がパートタイム労働者から苦情の申出を受けたときは、事業所内で自主的な解決を図るように努めなければならなくなりました(第19条)。
また、紛争解決援助の仕組みとして、①都道府県労働局長による助言、指導、勧告、②均衡待遇調停会議による調停が設けられました(第21、22条)。
参考
このページのお問い合わせ先:労働委員会事務局
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電話番号:0776-20-0597 FAX番号:0776-20-0599 e-mail:roui@pref.fukui.lg.jp






