経常収支比率って?

最終更新日 2012年4月10日ページID 000040

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<計算式>

経常収支比率
= (経常経費充当一般財源等) ÷ (経常一般財源等 + 減収補てん債特例分 + 臨時財政対策) × 100

 

 日々の職務の合間に勉強を欠かせない福井くん。今日は住民の方から質問があったのですが、うまく説明できなかったようです。


【福井くん】
 もう一度確認してお電話します・・・。

【課長】
 福井くん。ずいぶんと落ち込んでいるがどうしたんだい。

【福井くん】
 実は課長。今住民の方から経常収支比率について問い合わせがあったので、用語集を片手に説明しようとしたんですが、うまく説明できなくて・・・。

【課長】
 そうだなあ。われわれ職員は当たり前のように使っている言葉だけど、普段の生活ではなじみがないからなあ。

【福井くん】
 何かわかりやすい例えがあるといいんですが。

【課長】
 おおざっぱに言ってしまえば、一般家庭のエンゲル係数みたいなものかな。

【福井くん】
 あ。それなら僕も聞いたことあります。家計の中での食費の割合のことですね。係数が高ければ高いほど食費以外の嗜好品にお金をかけられないってことですよね。

【課長】
 そうだね。どんなに家計が苦しくても、最低限の食費は毎月かかるからね。都道府県や市町村など地方公共団体も同じで、毎年かかる経費ってものがあるから、それが毎年自由に使える収入に対してどれくらいあるかって見る比率だね。

【福井くん】
 ですが課長。計算式を見ると、分子にも分母にもややこしい言葉が並んでいるんですよ。経費の割合っていいながら、分子も分母も「財源」って言葉がついていますし。ここがなかなか説明しにくいところでした。

【課長】
 うん。そこがミソなんだよなあ。
 地方公共団体の収入や支出には、さまざまな性格のものがあるからね。全国の団体の財政状況を比較するためには、特殊な事情はなるべく除いてあげないとだめだよね。そこで収入と支出の中身をそれぞれ色分けして、一般的な部分を抜き出して計算するから、ややこしい用語がでてきてしまうんだよ。

【福井くん】
 具体的なイメージがわかないんですが。

【課長】
 そうかい。ではまず一般財源と特定財源、これはわかるね。

【福井くん】
 はい。一般財源は使い道が決まっていなく、自由に使えるお金、特定財源は使い道が決まってしまっているお金ですね。

【課長】
 具体的には何があるかな。

【福井くん】
 はい。一般財源には税収とか、国からの地方譲与税などがありますね。あ。あと、地方交付税も大事な一般財源です。
 特定財源には、国からの補助金とか、地方債、事務手数料、施設の使用料などがありますね。

【課長】
 そうだね。経常収支比率はその団体の台所事情をみるものだから、使い道が決まっている特定財源は考えないで、自由に使える一般財源で見ることにしているんだよ。
 ちなみに、「一般財源等」とあるけど、これは、特定財源の中でも、使用料、手数料、財産収入のうち、自由に使用できる部分は一般財源と同様に考えているんだよ。

【福井くん】
 なるほど。そうですよね。いくら特定財源がたくさんあっても、使い道が決まっているから財政に余裕あるとはいえないですもんね。

【課長】
 そう。次に、経常って言葉があるけど、これはわかるかな。

【福井くん】
 そうですねえ。線引きは難しい気もしますが、毎年度出てくるものが経常、特定の年度にだけ出てくるものが臨時ですね。
 ということは、毎年度収入される一般財源等が「経常一般財源等」、毎年度かかる経費が「経常経費」ですね。

【課長】
 わかってきたじゃないか。特に施設の建設や災害復旧事業などは毎年決まってあるわけでないからね。こういう臨時的なものは、経常収支比率の計算からは除いてやっているんだよ。

【福井くん】
 そうですよね。年度によってばらつきがあるような経費が含まれていたのでは、他の団体との比較もできませんよね。

【課長】
 そうだね。では分子の「経常経費充当一般財源等」、分子にありながら財源って文字が入っている、これが難しかったんだろ。

【福井くん】
はい。そうなんです。

【課長】
 今、自由になるお金の中でどのくらいの経費がかかっているか、というのを見ているんだよね。経常経費の中には、自由にならない特定財源を使って支払った部分もあるから、それを除いてあげないといけない。そこで出てくるのが、経常経費に充てた一般財源等、つまり、「経常経費充当一般財源等」ってことなんだ。

【福井くん】
 あ。そういうことですか。

【課長】
 じゃあ、最後に、減収補てん債特例分と臨時財政対策債、これも住民の方にはなじみがないかもしれないが、説明できるかい。

【福井くん】
 ええっと、減収補てん債特例分は普通交付税の基準財政収入額と実際の収入額との差を埋めるために発行するもので建設事業以外に充てることができる地方債、臨時財政対策債は普通交付税の不足分を埋めるために発行する地方債ですよね。

【課長】
 まあそんなところかな。分母の経常一般財源等の中には、地方税や、普通交付税があるけど、普通交付税の不足分については地方債で埋めることになっているんだ。その分は通常の地方債とは違って使い道が決まっていない一般財源だから、分母に含めてあげないといけないんだよ。

【福井くん】
 ありがとうございました。今度は説明できそうで一安心です。

【課長】
 そうか。それはよかったが、数値を理解しただけで満足してはだめだぞ。年度間の推移や、他の団体との比較をして、どこが問題なのかを理解して対策を考えるのがわれわれの仕事だ。

【福井くん】
 わかりました。(またお説教だ・・・。)

 

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