平成24年末に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2013年1月7日ページID 022319

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 このページは、平成24年12月28日(金)に県庁で行われた、職員に対する平成24年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 今年の仕事納めにあたり、一言ごあいさつを申し上げます。

 さて、今年は県内外また国内外におきましても、大きなさまざまな局面の転換期があったかと思います。
 県内においては、長年の悲願でありました北陸新幹線の県内着工認可が38年ぶりで決定しました。また、大飯原子力発電所3、4号機の再稼働の問題など、直面する課題について的確なる判断を行う仕事もありました。
 そして、年末に政権交代が行われ、県内から4名の国会議員が選出され、重要な職責を担っていただくことになったところです。
 諸外国におきましても、アメリカではオバマ大統領が再選され、また中国や韓国、あるいはフランスなどにおきましてもリーダーの交代がなされました。
 こうした中、今回発足しました安倍新政権は、新しい金融政策、国土強靭化など金融あるいは財政支出などを伴う新しい経済対策を打ち出そうとしております。是非とも新しい内閣は、ここ数年来続いてきた大都市中心の政治あるいは地方軽視の政策を見直し、日本の活力を取り戻す大きな構想を作り、それを基にしてより現実的な政策を着実に実行していただきたいと願っています。
 そして福井県としても、内外におけるこうした大きな情勢の変化の中で、県民の皆さん、市や町、関係する団体と力を合わせ、そして県庁の中で職員の気持ちを同じくして、新しい課題に対応しなければならないと考えている年の瀬です。 それでは、県政のこの一年を振り返ってみたいと思います。
 大きく総括しますと、一つは長年の大きな課題が決着し、また極めて困難な課題が我々に立ち向かってきて、我々が力を合わせて解決しようとした年であったかと思います。

 まず、最初に申し上げた今年1年の目覚ましい成果の第一は、北陸新幹線の敦賀までの認可着工であったと思います。6月には国土交通省から工事実施計画の認可を受けました。そして8月19日には建設促進のための県民大会が開かれまして、1,000人を超える関係者が参加し、着工をともにお祝いしたのであります。
 認可を得るまでには長年にわたる我々の先輩方そして県庁職員が汗を流してこの問題に取り組みました。改めてその御労苦をねぎらいたいと思います。しかし、一方で喜んでいるばかりではいけないわけであります。

 現在の計画では、敦賀開業は金沢開業から10年余り遅れるという現実があります。
もちろん金沢開業によって福井も立地条件は良くなりますが、一方で北陸三県の中で格差が生ずる問題があります。こうしたことをできるだけ避けるためにも、敦賀まで極力早い開業が必要です。
 福井県ではこうしたこともありますので、これまで全国には例はありませんが、実際に工事を行う鉄道・運輸機構と建設事業の推進のための会議を定期的に設け、スピーディに議論を行って、新幹線事業の推進、そして地元のいろんな考え方、問題点を明確に説明し、また、工事にあたっても地元の企業ができるだけ参画できるような対応を進めたいと考えており、すでに年末にはそうした第一回の会議も行われました。

 北陸新幹線は、以前から我々が主張しておりますが、日本海国土軸を構成する最も重要な社会基盤であり、国土軸のインフラストラクチャアであります。大阪までつなげなければ北陸新幹線の最終的な目標は果たせません。フル規格による全線整備を今後とも国に求めていきたいと考えます。

 高速交通体系につきましては、新幹線のほか、今年は中部縦貫自動車道の岐阜県境までの15㎞、和泉・油坂峠間が新規に事業化されました。これも大きな成果だと思います。全線開通に向けまして、大きく前進しました。
 そして、勝山・大野間、これは7㎞余りですが、年度内の開通が見通されるわけであります。現在、トンネルが3つありますが、全て貫通するなど、工事が順調に進捗しております。

 また一方で、若狭地域の重要な課題である舞鶴若狭自動車道についても、北陸自動車道と接続する敦賀ジャンクションの橋梁部分の架設が完了するなど、26年度のできるだけ早い全線開通に向けて仕事が進んでいると思います。

 このほか、地域道路としては国道158号「奈良瀬~境寺バイパス」も完成し、大きく便利になり、また、周辺の景観も変わってきたなという印象があります。関連する道路についても皆さんとともに積極的に進めてまいります。

 以上、大きく交通体系の話をいくつかいたしましたが、そのほか、本年度中に行われた他の成果をお話したいと思います。

 環境の分野で一例を挙げますと、「SATOYAMA国際会議」。これは国際的な会議でございまして、第4回にあたりますが、来年9月に福井県で開くことを決定しました。この会合には国内外から研究者やメディアの皆さんが来県すると思います。福井県の子どもたちにも積極的に参加してもらい、福井県の里地・里山の魅力、また、福井のおいしい食べ物や景観などを内外に発信する機会としたいと考えます。

 産業の分野ではさまざまな課題がありますが、敦賀港の利活用が進んだ年でした。外国貿易のコンテナ貨物量は3年連続で過去最高を更新し、総取扱量は5年前の約5倍になっております。
 11月には中国との定期コンテナ航路が6年ぶりに復活しております。いずれも職員の積極的なポートセールスの結果であり、来年もこの流れを是非加速していただきたい。

 農林水産業については、これからの福井の地域を盛り立てていく大きな産業政策の一つになるはずです。「五月半ばの適期田植え」や全農地のエコファーマー化をこれまで進めてきましたが、その成果が着実に表れております。一等米比率についても、全国よりも14%も高い比率になっております。取引量あるいは取引価格も上昇しております。

 また長期的には、新しいコシヒカリの開発に取り組んでおり、高温に適した遺伝子部分の特定も着実に進み、「ポストこしひかり」の開発に向けて努力をお願いしたいと思います。

 また、お米につきましては、福井の「こだわり米」が全国で好評です。たくさんの種類がありますので、これを今回、商標登録し、「にっぽんのふるさと福井」という統一名称による販売も開始した1年でありました。

 さらに、食に関心の高い現状を踏まえて、11月には「ふくい 味の週間」を初めて開きました。まだ1年目でありますが、学校における「味覚の授業」、調理師を目指す高校生を対象とした特別授業、県内の飲食店やレストランにおける特別メニューなども提供され、最終週の土日には「ふくい味の祭典」という形にして、産業会館を中心に県内外から3万人の来場者がありました。今年の「ふくい 味の週間」をしっかり評価をしながら、新しい年に向けてさらに充実を図る必要があります。

 また、教育の分野では、「福井型18年教育」の実現に向けて、大きく2つの体制づくりを進めました。

 5月には「学力向上センター」を設け、小中高校の枠を超えて、英語やサイエンス教育など教科別の授業そのものを充実させる努力を進めています。
 特に高校教育がこれから重要でありますので、高等学校中心に各学校での自主的な努力等も重要です。
 特に職業系高校においては、どうしても新しい時代に対応できない授業内容になっている部分がありますので、大学また企業や農家などとの連携を深めながら、より高いレベルの職業系教育を進める必要があります。
 そして11月には、幼児を中心とした教育支援センターを設けました。すでに具体的なプログラムもできており、県生活学習館内にセンターを設け、幼稚園あるいは保育所の先生方のトレーニングを中心としたプロジェクトを進めていきたいと考えます。

 さらに、平成30年には第2回目の福井国体が行われます。今年の「ぎふ清流国体」では、これまで30位台くらいの順位でしたが、ようやく20位台に仕上がってきました。順位をどんどん引き上げていくことによって、開催地にふさわしい成果を最終的に獲得したいと考えます。
 また、今年は大会の愛称やスローガンを決定した年でもあります。愛称は「福井しあわせ元気国体」、また、スローガンは「織りなそう 力と技と美しさ」に決定しました。
 来年は、いろんな準備を強化し、また競技力を向上するとともに、1月からはマスコットキャラクターを募集するなど、機運を盛り上げてまいります。

 さて、二つ目の大きな課題について、また、その対応の様子について申し上げます。

 今年は特に国の原子力政策と福井県との関係が注目された年であります。政府の政策が曖昧な状況にあって、我々は厳しい局面にありましたけれども、こうした問題に県民の皆さんのお声もいただきながら、的確に対応を進めた年でした。

 大飯原発3、4号機の再稼働につきましては、6月に総理官邸で再稼働の同意を伝えるまで、いろいろな協議を進めました。
 再稼働後も「特別な監視体制」の中で原発の安全性を確保しながら、県職員も昼夜問わず安全確保にあたりました。
 こうした努力が県内また県外からも福井県の原子力行政に対する信頼性を高めたものと思っております。

 なお今後でありますが、敦賀原子力発電所あるいは大飯原子力発電所の断層に関する判断、また、再稼働に向けた新たな安全基準の策定など、新しい政権の下でもこの問題に的確に対応する必要があります。

 資源の乏しい日本であります。また、エネルギー政策は国の安全保障に深く係わる問題であります。国の力を落とすことなく、長期的なしっかりした視点に立って、新しい政権においては、エネルギー政策を進めることを強く期待もし、要請もいたします。

 現在、原子力問題に関連して、嶺南地域の経済や雇用については、さまざまな課題が生じております。6月、9月の補正予算等で実情を把握しながら雇用あるいは金融、企業への個別のきめ細かい支援なども進めております。実情をよく把握しながら政策が効果的に発揮できるよう、新しい年に向けて、皆さんには気を引き締めて臨んでいただきたいと思います。

 なお、原子力防災につきましては、年末に広域的な避難について議論に着手いたしました。まずは原子力発電所の一番影響の大きい5㎞圏についてしっかりした避難基準、そして防災訓練ができるような体制を整えながら、広域的な問題にも取り組む必要があると思います。

 そのほか、さまざま申し上げたい点がありますが、引き続き新しい年に臨んでまいる必要があると思います。

 いよいよ、明日からは年末年始の休みに入ります。今年も6日間の休みになると思いますが、どうか健康にご留意されながら、十分に鋭気も養っていただきたいと思います。
 また、交通事故等さまざまなことが起こる可能性がありますから、十分に公務員の立場を理解、自覚して、また、新しい年を迎えていただきたいと思います。

 仕事納めに当たりまして、ごあいさつを申し上げ、この1年間のお礼に代えさせていただきます。

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