このページは、平成２２年３月３日（水）に美方高等学校で行われた、美方高等学校卒業証書授与式での知事あいさつをまとめたものです。

　おはようございます。ご紹介いただきました西川一誠でございます。
　美方高校卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。そして、３年間教育をしていただきました美方高校の先生方に、心からお礼を申し上げます。今日はご家族の方も出席されております。ご一緒にお祝いをさせていただきます。

　今はちょうど梅の季節であります。私の家の梅も、４日前にぽつぽつと白い花を咲かせました。おそらく三方五湖周辺の梅園も、皆さんの卒業をお祝いして花を咲かせているのではないかと思います。

　皆さんは３年間、この美方高校で学ばれたわけですが、この間、福井県では、２年前になりますが、福井県出身の南部陽一郎先生がノーベル物理学賞を受賞されました。素晴らしいことであります。

　また、昨年、今年と福井県の小・中学生が、全国の学力や体力のテストで日本一の成績を収めました。皆さんが小中学生の頃はそういったテストはありませんでしたが、皆さんもきっと日本一だったのだと思います。

　それから昨年は、新型インフルエンザが流行しました。美方高校でも、文化祭、校内レガッタ大会、修学旅行、そしてさまざまな試験があったと思います。健康に注意をしながら、いろいろな行事を立派にし終え今日を迎えられました。その時は大変だったでしょうが、こうして今日の日を迎えられますと、かえってこれから懐かしい思い出になってくるのではないでしょうか。

　ちょうど校舎の玄関に入りますと、生活情報科の上山さんが全国ファッションデザインコンテストで大賞を受賞したということで、彼女がデザインした斬新な衣装が並んでいました。それからキャンパス内に卒業生の早川さんの横断幕もありました。陸上の世界クロスカントリー大会の日本代表に最年少で選ばれた方です。

　卒業生諸君は勉学やスポーツ、文化、さまざまな分野で頑張ってこられました。合唱部やブラスバンドの諸君には、昨年の全国植樹祭の際に縄文ロマンパークで合唱や演奏をしていただいたはずです。

　このように美方高校はすばらしい学校だと思います。決して大きな街にある学校ではありませんが、多少田舎と言っては恐縮ですが、田園の中にあって、みんなが力を合わせて立派に学校を築いてこられたのだと思います。私も嶺北の丹生高校という、皆さんと同じような感じの学校を卒業しましたので、こういう環境がよく分かります。刺激が少なかったという感じもしますが、卒業して何年か経ち何十年か経つと、かえって友達や同級生とのつながりも深いですし、良い思い出になっています。

　さて、せっかくですから、諸君にお願いといいますか、頭に入れておいてほしいことを一つ申し上げます。

　皆さんは卒業すると「もう大人になった」という気分になると思います。もうこの式に出席されている段階でそういう気持ちになっているかもしれません。しかし、決して「大人になった」と思わないようにしてほしいのです。
　普通に言われていることとは反対の話をしますが、若い人たちは大人になったと思って一方で子どもっぽい行動をすることが一番よくありません。その逆をしてほしいのです。
　「まだ子どもなんだ」と思ってください。長い人生の中ではいろいろなことでやり直しもできますし、また多くの人たちから沢山アドバイスをもらって頑張ることもできます。そういう子どもなんだと思ってください。
　そして、行動は大人のようにしてください。是非、子どもの心で大人の行動をしていただきたい。

　私自身も皆さんより５０歳ぐらい年上ですが、まだ子どもの気持ちで毎日生活しています。行動はできるだけ大人のようにしたいと思うのですが、どうしても時々子どものような行動になる時があります。

　皆さんはこれから長い人生を過ごすことになります。校長は８０年とおっしゃいましたが、人生１００年になるかもしれません。

　どうか身体を大事にし、毎日一つひとつ着実に、今日より明日、今年より来年と、少しでも良くなるように頑張ってほしいと思います。

　皆さんの晴れの門出を心からお祝い申し上げまして、私の祝辞といたします。本日はおめでとうございました。