平成25年「仕事始め式」知事あいさつ

最終更新日 2013年1月10日ページID 022339

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 このページは、平成25年1月4日(金)に県庁で行われた、職員に対する平成25年「仕事始め式」知事あいさつをまとめたものです。

 新年あけましておめでとうございます。皆さん、そしてご家族もお元気で新年をお迎えになられたことと存じます。元旦は雪、2日は少し曇り、3日には雪が降ったということであり、雪のお正月になったかと思います。あまり外には出られなかったかもしれませんが、それぞれ新しい決意と抱負のもとに、この新しい1年の仕事についての計画を立てながら、今日の仕事始めを迎えたことと思います。是非とも、この新年、元気で一緒に仕事をしてまいりましょう。

 昨年は北陸新幹線が約40年ぶりに敦賀まで認可着工決定という画期的な出来事がありました。これは県民全体、様々に関係されている方々の大きな努力の賜物です。県庁だけの話としても、今日ここにいる職員はもとより、先輩方の長年にわたる仕事の結果でありまして、有効にこれからの福井県の発展のために活かさなければなりません。3月になりますと、北陸トンネルの工事に着手できるという状況にもなるはずです。できるだけ手立てを尽くしてこの期間を画期的に短縮して、その成果が表れるための努力が必要です。
 また約2年後になりますと、新幹線も金沢まで開業しますし、同時に舞鶴若狭自動車道が小浜から敦賀まで北陸道と直結し、さらに中部縦貫自動車道が永平寺までつながり、また、今年度中には大野・勝山も事業が完了するということでありまして、大きく立地条件が変わってまいります。これをなんとしても活かさなければならないと思います。

 合わせて、福井国体が約5年後の開催であり、その準備も必要です。既に、施設の整備、あるいは選手の競技力の向上など、さまざまな準備も進めていますが、こうした問題について着実に、これは県庁だけでできるものではありません。市や町、団体、関係者の協力のもとで初めてできるわけであります。また、国体を開催するだけが目的ではありません。これによって、福井県全体がスポーツや住民参加、あるいは福井の良さを多くの人に知っていただく、その前提として我々も福井のことをもう一度学び直すという努力が重要であります。

 そういう状況の中で、今年のテーマを正月に考えたところ、次のような言葉になると思います。また、皆さんなりにご自身のお考えを合わせていただいて、自分のテーマを作ってほしいと思います。
 「明るく強いふるさと福井」を作っていくという言葉にしました。「明るく」というのは、明るい心、気持ちで故郷を作ろうということです。
 「強い」というのは、活力、「活力」に弱い活力と強い活力があるのかということはあるのかもしれませんが、強い活力をもってふるさとを作っていかなければならない、こういう時期だと思います。活力をさらにもう少し説明しますと、自らの力、相撲でいいますと「地力」を発揮するということになると思います。「地力」についてもう少し説明しますと、皆さんの仕事の分野としては、産業や文化、教育、環境、健康などを総合化して政策を進める。これによって、大きな力をつけていく。バラバラではない、一つ一つではない、無関係に行わないということでしょうか。そういうことによって、こうした地方の力に「地力」を総合的に課題として設定して、これにチャレンジする年ではないかと考えたのであります。例えば、今お話ししたこと以外に、産業につきましても、単に中小企業の振興ということだけではなくて、農林業をどのように産業としてこれから活かすか。非常に大事なことでありますし、他のものづくりと連携させなければなりませんし、観光とも深く係わります。今年はSATAYAMA国際会議もあります。こういう環境とか、景観などいろいろなものに係わってくる課題です。総合化して仕事をするといろいろな課題が明らかになり、また、これがつながってくると思います。

 そして、是非ともそれを進める場合には、「決断」と「実行」という言葉がありますが、決断というよりもむしろ「決意」、ここ数年の政治を見ると、いろいろな決断というのがそれなりにありましたが、どうも残念なことに、長期的な視点がなかったり、思いつきのようなことがあったり、できないような決断もあったわけであります。決意をしっかり、じっくりと腰を据えて、決意をはっきりさせて、実行するということだと思います。

 10年程前は、大事なことを国任せにしないということがよく言われて、我々が地方の力でやっていこうということでありましたが、最近は大事なことを地方任せにしているという国の政治も数年来見えたわけであります。是非とも我々は、自らの決意や実行のもとに、人任せにしない、国にはやるべきことを求め、地方自治体として、福井県は福井県として、もっとしっかり進めていくという構えで臨んでいくべきだと思っております。

 あと何点か、職員の皆さんに申し上げたいことがあります。

 一つは、一人一人が責任を持って仕事を進めてほしいということです。これから予算や組織の見直しの作業が始まります。新しい組織とかシステムを考えなければなりませんが、この新しい年に向けて、一人一人が責任を持って仕事を進めるということです。どういうことかというと、ここ数年、皆さんの提案とかアイデアとか、いろいろな考え方をいただくことがありますが、どうしても既存の枠組みの中で議論をしている。それに何か少し加えたような感じのものでした。絶対いけないというわけではありませんが、それでは十分な仕事はできません。例えて言いますと、少し背伸びをしてほしいということになります。気持ちの中に自分は背伸びをして自分の仕事をしているという感じを持ってほしいのです。人一倍頑張っているという気持ちがなく、普通に仕事をしていますと、普通の成果は現われません。結果は普通以下、平均以下というのが私の経験です。気を緩めると平均以下の仕事しかできませんので、是非とも背伸びを意識して元気に仕事をしてほしいというのがまず一点目です。ですから、自分で限度というのを勝手に引かないで、まあこの位かなということを言わないで、背伸びをしながら目標を決めて、自分で仕事を達成してほしいということが一つです。

 2点目は、皆さんのこれまでの実績あるいは努力の発揮といいますか、これは他の県に決して引けを取らないと思っております。いろいろな成果が出ています。しかし自らこのことを反省してみて、どの程度自分で始めた実績なのかということを考えてみて下さい。誰かから言われたからやったとか、そういうことがかなり多いのではないかと思います。自ら考えてやってほしいのです。全般的に、今までもそうですが、停滞感があると思います。仕事の分野でも何となく感じてきているかもしれません。県民もそんなことを思っておられるかもしれません。これを打ち破るためには、是非とも今申し上げましたような基本に立ち返って、新しい大きな転換期に当たりますので、そういう気持ちで仕事に臨んでほしいと思います。いろいろな失敗があります。不注意で失敗したり、あるいは油断をして失敗といったことがありますが、仕事を一生懸命やり過ぎて失敗をしたという例は、あまり県庁内で見たこともないし聞いたこともありません。大いにそういうことはあっていいわけですので、背伸びをしながら、やって欲しいものです。

 3点目ですが、日本はこれまでは追いかける立場でありましたが、今はもう目標がなくなって、追われる立場になったというようなことが言われています。しかし我が福井県は、決してそんな状態ではないと思います。追い付き、追い越せという立場にあると思います。いい素材がたくさんありますが、宝になっていない。素材の持ち腐れといいますか、そういうものがたくさんあります。売れる商品に十分なり切っていない、そういう工夫がまだまだ足りない、そうした例です。さらに知られていないものが多いわけです。いいものがその中にはあるけれど知られていない。知っていただく努力が足りない。福井県の名前がブランドとして十分付いていないものが多いわけです。

 お正月、そうした中で、テレビを見ていますと、テレビのお正月番組でも、福井の品物とか、あるいは観光地が出ているのが2つ、3つあって、大変うれしく思いましたが、しかしなおなお福井の名前が付いていない、あるいは知られていない品物が多いと思いますので、是非とも、そういう努力をしてほしいと思います。
 観光ということを大事にしていますが、観光だけではなく、福井でないとできないとか、福井に行ってみなければいけない、単に物見遊山ということではなくて、そういう福井に人々がもっと来る土地柄にしなければならないだろうと思います。

 職員の心構えを2、3申し上げましたが、一人一人が責任を持って背伸びをしながら、限度を引かずに挑戦してほしい。むしろやり過ぎても何の問題もない。福井県の状況は決して思っているほど、そんなに楽観視できるような状況では決してない。そういう使命感を持ってほしいと思っております。

 お正月にテレビで歌舞伎を見ていました。「義経千本桜」という歌舞伎です。義経が八艘飛びをして大活躍する歌舞伎かと思っていましたら、違いました。義経が宝物にしている鼓、これは狐の皮でできているのですが、この名品の鼓を狐の子供が奪い返しに来るというお芝居です。子供の狐が手練手管、説得、演技、あらゆることをして、義経の気持ちを変えて、最後にはその鼓を取り返して去って行くという面白い歌舞伎です。俳優も大変でありまして、新体操ぐらいの筋肉運動をする歌舞伎を演じなければならない。あらゆる努力をして、目的を達成しているということを見まして、仕事のことがちょっと頭の片隅にありましたので、普通のことでは目的は達成できないということかなと思ったのであります。

 いろいろと申し上げましたが、私からは以上であります。どうか皆さん、この1年、健康に気をつけていただきまして、課題にチャレンジし、しかるべく成果を出していただくことを期待して、新年のごあいさつにいたします。
 

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