平成25年度新採用職員辞令交付式 知事あいさつ

最終更新日 2013年4月7日ページID 023086

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 このページは、平成25年4月1日(月)に県庁正庁で行われた、平成25年度新採用職員辞令交付式での知事あいさつをまとめたものです。

 今日は、ここに95名の新採用の皆さんに対し、ごあいさつを申し上げます。厳しい試験を突破され、男性が58名、女性が37名となっております。県職員となられたことに対し、心からお祝いと歓迎を申し上げます。

 県政の状況を申し上げますと、昨年は、北陸新幹線が、整備計画決定から38年余という長い歳月を経て、敦賀までの着工が決定した記念すべき年になりました。将来の福井県の発展に向け、大きく前進した年です。皆さんはその翌年に採用されたということを記憶願いたいと思います。今後は、交通ネットワークの県内整備を着実に進めます。2年後の平成26年度には北陸新幹線が金沢まで開業しますし、舞鶴若狭自動車道が全線開通し、北陸自動車道を通って、中部縦貫自動車道の永平寺までつながり、嶺南・嶺北が一体化します。【写真】知事あいさつ
 こうしたことから、今年は特に、福井県への観光、あるいはふるさと福井の発信、人づくりの強化など、職員が一丸となってこうした仕事を進めるべき年です。さらに、平成30年には福井国体があります。国体に向けまして、広報、県民活動、運動公園や各市町の競技場などの施設の整備、選手の競技力の向上などの仕事を本格的に進める必要があります。
 このように、皆さんが採用されてからの5年、10年は、福井県にとって極めて大事な時期ですので、こういったことを心において、仕事に当たってください。

 そこでまず公務員として心がけてほしいことですが、地方自治が進展する中、地方公共団体は、地域の課題を自分の判断と責任で解決する時代でありますし、ますますそのことが強調されると思います。
 福井県を取り巻く環境も、今申し上げましたとおり大きく変化しています。皆さんは、一人ひとり高い使命感と、法律、規則、そしてルールを守るという倫理観を持って、こうした局面に臨んでほしいと思います。

 そのためにも、これから申し上げることを実行してください。

 一点目は、失敗を恐れず、挑戦することです。自らの能力や限界を広げ伸ばす努力を惜しまず、前を向き積極果敢に挑戦してほしい、また失敗することを恐れないでほしいということです。
 この「挑戦する」ことの意味には、新人の皆さんには若干の翻訳が必要です。失敗を恐れないということは、人前で恥ずかしい思いをしたくないという気持ちを捨てること、と理解した方がわかりやすいでしょう。この気持ちを強く思って仕事をしますと、思い切り仕事ができませんし、逆にかえって恥ずかしい仕事をしなければならないことになると思います。
 思い切って、周りの思惑にあまりナーバスにならずに素直に仕事を進めるという気持ちでやってください。これが新採用から5年ぐらいの段階における「失敗することを恐れない」という意味です。
 皆さんにはまだ全体がよく見えないということがありますから、それを補うため、周りの人の考えをよく聞いてほしいと思います。自分でも勉強をし、行政の対象がどういうものかを早くつかんでほしいと思います。
 例えば皆さんアルバイトをしたことがあるかと思いますが、コンビニやレストランでアルバイトをしますと、自分は何をすべきか、すぐに全体像が見えますしすぐマスターできると思います。しかしながら、県庁の仕事はそういうわけにはいきません。分野が広いうえに法律の問題や仕組み、住民との関係がありますから、全体の把握は容易ではありません。ですから、それをできるだけ早くつかんでほしいと思います。
 そのためには、よく言葉に出して仕事をしてください。黙ってやらないこと。できるだけ話さないで仕事をしようなどと思っているかもしれませんが、それでは困ります。自分が言葉を出せば、「君はこういう思いを持っているんだろう」とか、「これはいい」とか「これは違う」とか、周りからも言ってくれますが、黙って言葉少なく仕事をすると先に言ったような失敗します。注意してください。よく話す言葉に出すということを心がけてほしいと思います。それから、命じられた仕事だけでなく、他の仕事も進んでする、そして工夫する、世間的に言えば「気がつく」職員になってほしいのです。これらのことも「挑戦する」ということの別の翻訳になります。
 恥ずかしいを避ける気持ちを、やめること、よく「気がつく」こと、これが皆さんのチャレンジの第一のステップであると考えてください。

 二点目は、常に学び続けることです。たゆまぬ自己研鑽を心がけてください。社会人になったからこそ、「学び」をスタートさせてほしいのです。研修はもちろん、テレビ、ラジオなど学ぶための媒体はたくさんあり、現在ではすごく親切にできていますから、きっと皆さんの期待に応えてくれます。
 今朝、県庁へ来るときに、ラジオで易しい英語のトレーニングをする番組が流れていましたが、聞いただけでは易しいと言っても、すぐに口にすぐ出せるかというと出せないものです。ですから、皆さんには着実な勉強を続けてほしい。少しずつ、あせらず。途中でやめると意味がありません。コツコツと勉強を積み重ねることによって、皆さんに様々な可能性が出てくると思います。例えば中国の事務所へ行くとか、外国へ行くとか、いろいろな機会があるわけですが、いざという時に備えてほしいと思います。
 県でも、外国語や経済学など、様々な学ぶ機会を設けていますので、積極的に参加してください。そして自分を磨いてほしいと思います。【写真】辞令交付

 三点目でありますが、情報に敏感であることです。
 最近ではパソコンで多くの情報を入手することができますし、1日パソコンと向かい合っていても、仕事をしているように見えますが、それでは受身の仕事です。積極的な仕事ぶりとは言えないのです。様々な情報を、ソースをしっかりつかんで、自分なりに勉強をしてほしいと思います。新聞を細かい記事までじっくり読むのも意外におもしろいと思います。最近の新聞は役に立つことがたくさん書いてあります。
 また、できるだけ現場に出向いて、多くの人と出会って、話を聞き、現場でしか得られない多くの情報を吸収していただきたい。常にアンテナを高くして、様々なことに関心を持ち、幅広い情報を取り入れて、自らを成長させるようにしてほしいと思います。
 あまりパソコンに向かいすぎないことです。パソコンから情報は取れますが、体系的な勉強にはなりません。例えば、県職員として恐竜のことは常識としてよく知っておかなければいけないと思います。恐竜は何億年前にいて、いつごろ滅んだかということはパソコンでも調べられると思いますが、しっかりした本を1冊読んでいないと、調べてもすぐ忘れます。断片的に仕事をしていてははっきりと頭に入りません。ぜひとも気をつけてほしいと思います。

 最後に、県政の本年の状況を申し上げますので、聞いてください。

 今年は、9月に福井県で「SATOYAMAイニシアティブ国際会議」が開かれます。生物多様性、我々の生活の循環性を、福井県が国際会議を開いて、これから先頭に立って守っていこうというわけであります。
 それから、「恐竜王国ふくい」のブランド化のため、今年度から野外博物館の整備を開始し、県立大学に「恐竜学研究所」を開設して、レベルを高めていきたいと思います。
 また教育の分野では、全国トップクラスの学力・体力を維持している福井県でありますので、「福井型18年教育」をさらに進めます。特に中高一貫教育校の開校を重視するとともに、外国語教育の強化を図っていきます。
 いずれにしても、こうしたすばらしい財産が福井県にはありますので、皆さんの力で盛り上げてほしいのです。

 以上、申し上げましたが、失敗を恐れないこと、学び続けること、情報に敏感であること、この三つを記憶してください。そして今日のこの気持ちを忘れることなく、これからの皆さんの県庁の仕事にぜひとも活かしていただきたいと思います。

 以上、私からの歓迎の言葉にいたします。

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