このページは、平成２５年４月５日（金）に福井県立大学交流センターで行われた、平成２５年度福井県立大学入学式での知事祝辞をまとめたものです。

　みなさんおはようございます。本日は桜咲く春らしい素晴らしいお天気です。この桜花爛漫の日に、平成２５年度の県立大学入学式が挙行されるに際し、一言この大学の設立者としてお祝いを申し上げます。

　本年は県内外から、４３３名の新入生の諸君を福井県立大学に迎えることができました。我が福井県としても大きな喜びです。

　そして難関を乗り越え晴れて県立大学に入学された皆様に対し、心からお喜びを申し上げます。また、今日まで深い愛情をもって今回入学された諸君を育ててこられたご家族の皆様に対しましても、心からお祝いを申し上げます。おめでとうございます。

　さて、県立大学は、平成４年に県民の皆様や経済界からの期待を担い、「魅力ある大学」「個性ある大学」「開かれた大学」という建学の精神を掲げて開学しました。現在では、経済学部、生物資源学部、海洋生物資源学部、看護福祉学部と４学部を擁する総合大学として、教育、研究そして地域貢献に努め、多くの人材を輩出しております。
　卒業生は、福井県内はもとより全国で活躍をいただいております。

　昨年は地域経済研究所に新たにアジア経済部門を設立し、成長著しいアジア地域の経済研究を高めることによって、県内企業のアジア進出への支援体制を整えました。県内経済界からの一層の期待に応える県立大学を目指しているところです。

　また、今年は県立大学に恐竜学研究所を開設しました。世界的に高い評価を得ている恐竜博物館の研究部門の学問的レベルをさらに高めるため、発掘現場を持つ大学の研究機関としての強みを活かし、各大学や研究機関と研究・交流を深め、恐竜の研究を進めていきます。勝山市にある恐竜博物館に行ったことがない方もいらっしゃると思いますが、素晴らしい博物館ですのでぜひとも一度行っていただきたい。カマラサウルスという草食恐竜、１５メートル級の巨大な恐竜が展示されています。県立大学には恐竜学という講座がありますので、単位が取りやすいかどうかはともかく、ぜひ受講してもらいたいと思います。

　本日入学された皆さんには、この県立大学において、学生としての自覚と誇りを持って行動し、幅広い教養や深い専門知識をしっかりと身につけていただくとともに、生涯の友達をつくってほしいと思います。

　せっかくの機会ですので、今日は皆さんに先輩としての助言を一言申し上げます。大学は今までと違い、多くの時間をご自身の自由な意思で使うことができます。もう試験はさらばというわけにはいきませんが、高校時代と違って、自由に自分で目標を持って優先順位をつけて、いろんな勉学に励むことができると思いますので、そういうつもりで学んでほしいと思います。

　しかし、「光陰矢の如し」でありまして、４年間はあっという間に過ぎます。実に１０日ほど前にここで卒業式があったためにそう感じたのかもしれません。ちょうど皆さんの４年後の姿ということになります。素晴らしい華やかな卒業式でした。あっという間に時間は過ぎますので、時間を大事にして勉学に励んでいただきたいと思います。

　特に県立大学では、学長を中心にして語学教育の充実などを進めております。語学はこれから大事ですので、４年間のうちに粘り強くコツコツと、たゆまず、焦らず、英語のレベルアップにがんばってほしいと思います。

　それから、県外から入学された方が多数おられると思いますが、福井県は子どもたちの学力や体力が日本一の県です。また、女性の労働力と言いますか、働いている人たちが最も多い県であります。さらに、この県立大学の先生をしていた人の研究によってお米のコシヒカリの発祥の地でもありますし、日本一幸福な県だとも言われております。ぜひともそういったことについてもご関心を持って、学生生活を満喫していただきたいといます。

　私から申し上げる点は以上でありますが、先日高校の卒業式でいろいろお話がありました。高浜虚子、有名な俳人ですが、この人が卒業式で高校生に贈った言葉があります。ちょうど皆さんにも当てはまると思います。卒業式すなわち入学式になります。その俳句を言いますので、ご記憶を願って学生生活の参考にしてください。「これよりは　恋や事業や　水温む」。水ぬるむというのは季語です。恋というのは男女間の恋愛であり、より広くは友情関係です。事業というのは社会に出ていろいろなビジネスをがんばれという俳句の意味ですか。皆さんにとっては事業というよりも授業だと思いますが。自己流に翻訳しますと「これよりは　恋や授業や　入学す」といった方がよろしいかも知れません。つまり、いろいろなことを楽しんで、大いに勉学にも励んでほしいと思います。
　皆様が４年間の学生生活を楽しんでいただけるよう心から念願してお祝いの言葉といたします。