「SATOYAMA国際会議2013 in ふくい」県民シンポジウム 知事クロージングスピーチ

最終更新日 2013年9月24日ページID 024555

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 このページは、平成25年9月14日(土)に福井県国際交流会館で行われた、「SATOYAMA国際会議2013 in ふくい」県民シンポジウムでの知事クロージングスピーチをまとめたものです。


 クロージングスピーチということであり、お礼を込めまして全体を総括してご挨拶申し上げます。後ほど、高校生の最後のメッセージもありますので、全体としてお聞きいただければと思います。9月8日から始まった「SATOYAMA国際会議2013 in ふくい」も、このシンポジウムをもって、いよいよ終幕を迎えることになりました。

 この会議の開催にあたり、ご協力・ご指導をいただいた国連大学高等研究所や環境省をはじめ、たくさんの方々に感謝を申し上げます。【写真】知事スピーチ

 1週間、SATOYAMAイニシアティブ第4回定例会合とその関連イベントを福井県内の各地域で開催し、28の国・地域から里山保全・再生の専門家が集まり、県内外の子どもから年配の方まで、延べ2,000人以上の参加をいただき、盛況のうちに国際会議を終えることができました。

 たくさんの方々の支援をいただき、1週間の会議を無事終えることができましたことに、お礼申し上げます。

 1週間を振り返りますと、初日の9月8日には越前市文化センターで「福井こども環境教育フォーラム」が開かれ、1,000名の方が参加されました。県内20の学校と石川県からも2校が参加して22校の小学生から、学校周辺の里山里海湖をフィールドとしながら、生物調査あるいは保全活動の成果が発表されました。

 子どもたちの率直で鋭い視点から発せられる主張には、我々大人がはっとさせられるものも多かったと思います。1週間の国際会議のオープニングを飾るにふさわしい、たくさんの児童からの問題提起が行われたと思っております。

 同じく8日からは「里山ステイ」が行われました。外国から28名の方々が参加し、県内の全17市町に滞在をしていただき、福井の里山を堪能されました。

 参加者は「いわゆる『里山』に実際に滞在してみて、これまで里山を議論してきたが、はじめて日本の里山のイメージをつかむことができた。貴重な機会だった」との感想を話しておられます。

 その他の参加者にも、福井県の里山にある美しい自然、食べ物、人情を実体験として感じ取っていただけたのではないかと思っております。

 11日からは、わが福井が誇る勝山の恐竜博物館に全国の里山保全のリーダー7名を招き、200名の方が出場して、環境省との共催により「全国『里の達人』サミット」を開催しました。

 その冒頭で講演をいただいた進士五十八先生(東京農業大学名誉教授)からは「これからの里山保全・活性化には、都市と農村の共生が必要」である、また「『楽しく、面白く』が、里山活動をずっと続ける秘訣」、などの指摘があったところです。他の「達人」からのアドバイスと併せて、今後の里山政策におおいに活かしていきたいと思います。

 今回の福井県開催の特徴として「エクスカーション」がございまして、12日には64名皆さんの参加を得て、このSATOYAMAイニシアティブ定例会合では初めてとなるプロジェクトを実施したところでございます。

 福井県を代表する里山里海湖である、越前市の白山地区と三方五湖を視察いただきました。白山小学校の子どもたちが熱のこもった発表をし、英語の歌がありました。武内副学長からもお褒めの言葉をいただきました。我々としても心強く直接激励したい気持ちになりました。

 それから、コウノトリ呼び戻す農法米で作った里山弁当、三方五湖のシジミ汁の味、素晴らしい眺めなど、きっと参加者の皆様の心に強く印象を刻んだのではないかと思います。

 そして12日には180人の参加を得て、あわら温泉にて意見交換の場としてレセプションを開きました。今回は特別に環境省から田中副大臣にお越しいただき、国連大学高等研究所の武内上級副学長をはじめ、IPSI-4の参加者の皆様、様々なバックアップをしていただきました県議会議員の方々、県内各市町の市町長、里山保全団体の皆様など多種多様な方々が参加する、まさに「SATOYAMA」的な心暖まる会であったと思います。その際には、八田の獅子舞とか、福井が誇る三国節とか、私も外国の参加者と一緒に踊ってみましたが、易しそうに見えて大変難しい踊りということが分かりました。子どもたちにも郷土の踊りとしてマスターしてほしいと思ったところです。

 それから昨日13日には新しい試みとして、石川県の谷本知事にお越しいただいて、国内において里山保全に取り組む101の団体により、「SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク」の設立総会が開かれました。このネットワークにおいて、谷本知事と私が共同代表を務めさせていただくことになりました。今後もこの大役に応えられるよう、努力してまいりたいと思います。幸い隣県同士でありますので、仲良く進めていきたいと思っております。

 そして、昨日から今日の午前中にかけて、メインの「国際パートナーシップ定例会合」がこの国際交流会館において行われました。

 今回の会合では、新たに越前市、若狭町、企業として山田兄弟(けいてい)製紙の3団体に新たに加盟いただき、加盟団体数は155になったと聞いております。この有意義な活動の輪が広がったことを喜びたいと思います。

 また、「公開フォーラム」では6つの地域における里山管理の経験の共有がなされたのち、それらを題材にして地域の視点から見た里山の保全と活用の在り方について、ディスカッションが行われたわけであります。ディスカッションから得られた教訓や結論については、この後、国連大学と環境省、福井県の共同声明として発表していきたいと思います。

 終わりになりますが、このように振り返ってみると、本当に盛り沢山の1週間でありました。福井県の、あるいは日本の里山保全の歴史に新たな1ページを加える1週間になったのではないかと思っております。

 この1週間を通して、我々は参加者の皆さんからたくさんの「知恵」と「元気」をいただきました。この「知恵」と「元気」をしっかり吸収して、先ほどスピーカーとして杉本副知事からも紹介のありました、来月に発足する予定の「里山里海湖研究所」を中心に、一層、里山里海湖の活性化を進めていきたいと思います。

 海外あるいは県外から参加いただいた皆様方には、日本の典型的な里山に触れる貴重な経験をご提供できたのではないかと思っております。それぞれの国や地元に帰られた際には、この福井において経験された、里山の美しさや、食べ物のおいしさ、人の温かさ、そういうことを、ぜひ周りの皆さんにお伝え願いたいと思います。

 最後になりますが、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップのますますのご発展と、本日ここにお集まりの皆様方のお幸せを心から願いましてお礼のことばとさせていただきます。ありがとうございました。

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