平成26年「仕事始め式」知事あいさつ

最終更新日 2014年2月14日ページID 025727

印刷

 このページは、平成26年1月6日(月)に県庁で行われた、職員に対する平成26年「仕事始め式」知事あいさつをまとめたものです。

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。

 今回のお正月休みはかなり長かったわけですが、それぞれのご家庭や行事などを通じて有意義なお正月を過ごされたのではないかと推察します。
 この新しい一年、気持ちを一緒にしながら、元気にがんばっていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします。

 さて、お正月に気分を変えようと「易経」をやってみました。易経では棒の線がつながっているのが陽、真ん中で切れているのが陰です。下から積み上がる6本の線の64通りの組み合わせになります。これによって世の中のことを見たり、自分のこれからの行動をどうするかなどを解釈するものです。
 易の考えで一番大事なのは、下から5番目と言われていますが、これが前後の陰陽の関係からどうなっているかが極めて重要です。この5卦目が良いことが肝心なのです。
 皆さんの立場は、県庁全体や出先機関などそれぞれの組織で、5番目の位置にいると考えられます。上には上司、下には様々なレベルの部下。ここで何をなすべきかということをお考えいただきたいと思います。なすべきことをなすというのが、本当の「中庸」の考え方です。どっちつかず、ほどほどは、中庸の真意ではありませんので、このことを念頭に置いて話を聞いてください。

 今年は、この夏にも舞鶴若狭自動車道が全線開通します。また、来春までに北陸新幹線金沢開業、さらに中部縦貫自動車道と北陸自動車道の接続が実現します。福井県の立地条件が格段に向上します。そのほか子どもたちの学力・体力等は全国最上位であり、良くなってきています。いわば昨年まででいろいろな準備が整ったところです。これは皆さんの努力の成果です。大きな舞台装置ができたとも言えます。

 新年はこうした成果に立って、次に発展する新しい段階に立ち行かなければならない年になります。マニフェスト「福井新々元気宣言」に掲げる政策の実行を加速する必要があると思います。新年度の方向性を言葉にするなら、福井の力、宝、something、everything、allなど、いろいろを輝かせていくことが大事だと思います。「輝かそう福井の力」ということになると思います。見えないもの、まだ結びついていないもの、を目に見える形で輝かせていこうというこのスローガンのもとに、新しい年を進めていきたいと思います。

 皆さんが仕事を進める上では、3つの観点を大事にしてほしいと思います。
 1つは、これまでの仕事に手を加えたり他の施策と一緒にして動かすこと、そのままになっている仕事を役に立つ形に変えたり引き上げたりしてほしい。
 2つめは、仕事のやり方やタイプを革新化すること、今までしていなかったことを仕事に付け加えてほしい。
 3つめには、県庁内いろいろな組織がありますが、県庁全体でまとまった形で総合化を図る工夫をしてほしい、と思います。

 こうした観点は、県庁の中だけだと考えつきにくいものです。積極的に外へ出て、その分野の専門家と会ったり良い資料や情報に当たったりして、新しい発想や最新の知見を常に取り入れるよう、日々努力してもらいたいのです。

 次に、具体的な事柄について述べます。
 まず、嶺南・嶺北の相互交流の活発化について。新しい年の一つの大きな地域テーマになると思います。
 舞鶴若狭道の全線開通は、単なる高速交通道路の完成というにとどまらず、北陸から関西圏や中部圏、福井県内の南北・東西が高速体系で結ばれることになり、このことを十分活かさなければならないものです。
 今年7月からは「海湖と歴史の若狭路」観光キャンペーンが実施されます。県外から多くの観光客を呼び込むことはもちろん、それ以上に県民同士の相互交流がもっと活発になされなければなりません。
 このため、この夏にオープンする「野外恐竜博物館」などについても、いかに嶺南を含む県内各地域の子どもたちが来てくれるかというような観点が必要です。
 リニューアルする「若狭歴史博物館」や「海浜自然センター」についても、逆に嶺北の子どもたちや県民が数多く訪れるようにする仕組みを考え、実行しなければなりません。
 例えば、福井市内など嶺北で開催しているイベントや行事等を嶺南でも開くなど、地域的な総合化を実施してほしいと思います。

 2つめですが、石川や富山、滋賀県、関西など周辺府県との切磋琢磨が一層クリアになります。
 福井県としては、他県にない全国無二のブランドには、「恐竜」や三方五湖の「年縞」など新しい素材が出てきております。もともとの素材は立派だけれども、その実力を十分発揮できていないものが多いと言われています。
 例えば「恐竜」については、奥越地域だけの資源にしないで、県都の福井駅にどのようにアピールできるか、さらには金沢や小松空港等でいかに見せるかという考え方が大事です。

 それから三つ目、農業、伝統産業等における人材の育成・誘致についてです。
 少子化による人口の自然減少は正月の新聞やテレビでも話題に上がっていますが、これに福井県として率先して取り組まなければなりません。
 福井県の活力、大都市から地方への人口や資源の導入が重要です。農業や伝統産業などの分野では特に重要な課題です。
 幸い昨年から具体的に規模を持った動きが出てきており、高浜町における大規模園芸施設では、ミディトマトなど生鮮食料品を出荷し始めております。伝統産業についても就職希望者が増えています。農業、伝統産業についての新しい方向性を出していく必要があると思います。

 次は、教育環境や子育て環境の充実です。
 現在の都市と地方の関係を考えると、福井県のような「地方」は、教育の分野などで地域の特長を活かして、存在感を高めていくことが必要だと思います。
 幸い、「学力・体力」は全国最上位を継続しています。
 毎年、多くの県外の人たちが県内を訪れ、教育環境を勉強してもらえる県になりました。
 来年4月には中高一貫校の開校とともに、英語教育の充実などがあります。単に子どもたちの弱点を補強するだけではなく、子どもたちの良いところをほめながら教育する新しい方向性も重要だと思います。
 また、子育ての面においては、0歳から3歳までの子育てを家庭ですることとしています。これには家庭と企業が支える仕組みをいかに構築するかが重要です。国の施策もこうした方向性が出されています。もちろんこれは地方だけではできません。
 正月の新聞を見ますと、大都市から地方に景況を広めていくという従来型の発想が感じられますが、あまり良い考えではないと思います。国の中央の力も重要ですが、教育や子育てなどの分野で地方から出力することが我々の大事な役割と思っていますので、子育てを大事な問題の一つとして進めていきたいと思います。

 次に、アジアへの展開についてです。
 この年末年始、タイの様子を見てきました。課題がないわけではありませんが、昔の日本の高度成長と同じように元気な様子が感じられました。それぞれの国の発展段階は違いますが、アジアへの激励をしながら、福井県として物事を進めることがますます重要だと思いました。

 いずれにしても、春からは新しい税制の影響も出てきます。経済対策などにも新年度予算で十分考慮しながらあらゆる施策を総合的に進めていくことが重要ですので、ぜひ皆様方にはそういう観点で仕事を進めてほしいと思います。

 この新しい一年、いよいよ福井県が新しい段階にステージアップする年だと思います。みんなで力を合わせて、組織の中でなすべきことをなしていくことが重要です。「輝かそう福井の力」をテーマにこの一年に臨みたいと思います。

 この一年皆さんがんばっていただきますようお願いを申し上げまして新年のごあいさつといたします。
 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、までメールでお送りください。

お問い合わせ先

(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)