機構改革および人事異動に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2014年4月1日ページID 026316

印刷

 このページは、平成26年4月1日(火)に県庁正庁で行われた、機構改革および人事異動に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 本日、平成26年度の機構改革と人事異動を実施し、幹部職員に辞令を交付しました。

 今日から新たなスタートですが、今回の機構改革と人事異動に関し、皆さんに心がけていただきたいことについてお話しします。

 【写真】知事あいさつ

 今年の夏には舞鶴若狭自動車道の全線開通する予定です。北陸自動車道や中部縦貫自動車道との直結が実現します。また、来年の春には北陸新幹線が金沢まで開業します。福井県の立地条件が格段に向上し、人やモノまたは様々な情報の交流が活発になります。

 

 4年後の平成30年秋には「福井しあわせ元気国体」が約50年ぶりに開催されます。今から様々な準備をしなければなりません。施設の整備、競技力の向上はもちろんですが、福井の生活の仕方や暮らしの良さを全国に知ってもらうには大事な機会ですので、全力を挙げて取り組まねばなりません。

 

 一方、福井県の生活や健康を支える農林水産業については、米政策の見直しなど大きな転換期を迎えています。その中で、安心して仕事ができるよう農業を成長産業へ進化させなければなりません。

 

 また、人材が福井県の誇りであり頼みの綱でもあります。全国トップレベルの小中学生の学力、教育の良さ、それ以前の幼児教育から高等学校までの18年教育、さらには就職・結婚・子育てなどをライフサイクルの中にうまくつなげなければなりません。

 

 こうした考え方に基づいて、今年度の機構改革と人事異動を行いました。

 

 人事異動に当っては継続性を重視し、人事ローテーションを長期化し、できる限り安定して業務を進められるようにしました。

 

 また、女性職員や若手職員の感性・能力を活かすため、女性職員や若手職員を管理職やグループリーダーに配置し、活躍してもらえるように考えました。

 

 組織の話をしましたが、あくまでも仕事は個々の職員がします。いかに組織全体で力を発揮するのか、一番大事なことは全体性を持つことです。今ほど申し上げた課題は、一つひとつの部局では解決することはできません。部局間の協力が必要です。例えば、国体についてもいろいろな仕事の組み合わせが必要で、道路の整備もあれば健康、教育とも関連します。広報宣伝も必要で、県庁の組織全体がかかわります。自分たちだけで物事を考えて仕事をしてはならないのです。

 

 よくフロンティアという言葉は、我々の仕事からは遠いと考えがちですが、実は身近なところにフロンティア、可能性があります。皆さんの足元にあります。各部局の間、各課の間にあります。今あなたたちが立っているその間にあると思ってください。狭いようで広くて深い隙間があると思うべきです。そこがフロンティアなのです。そのように実感していただきたいのです。

 

 もう一つは、役立つ情報を収集する、あるいは対外的に福井の魅力を知らせるということです。今後、ますます地域間競争が激しくなります。日本と外国の間での競争もありますが、大都市と地方との関係、北陸でも富山県と石川県との関係の中での競争関係です。もちろん協力も必要ですが、緊張感を持って、互いに切磋琢磨をしながら、福井県としてプライドを持って仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 

 内外の事例、民間の手法、世の中の動きなど、色々な情報を努力して集める、つまり情報収集力が必要です。情報は遠いところにもあれば、身近なところにもあります。皆さんがはっきりした問題意識を持つことにより、世の中の情報をしっかり眺められます。単に世界中飛び回ってもだめで、意識をはっきり持ってほしいのです。体の調子が悪いと病院の看板がよく見えますし、お腹がすいているとレストランの看板がよく見えます。常に高い問題意識を持って、どこに大事な情報があるかをしっかり掴んでください。

 

 あわせて、情報を収集するだけではなく、情報をいかに大都市などに知らせるかが大事です。つまり情報の売り込みが大事です。そうすると逆に情報を掴むこともできます。単にイベント、催しを開催するだけではなく、きめ細やかに知らせるということで情報が掴めます。情報収集と売り込みは表裏一体と思って、仕事に臨んでください。

 

 先ほど、NHK連続テレビ小説「花子とアン」をテレビで見ました。「赤毛のアン」を日本語で初めて訳して紹介した明治生まれの文学作家 村岡花子さんの生涯を描いています。村岡さんは明治20年代の生まれで山梨県出身です。家はとても貧しく、米は田一反あたり5俵取れますが、うち3俵は地主にとられてしまいます。ほとんど学校にも行けません。お父さんは行商をしており、家に帰って自分の娘が尋常小学校の一年生に入ったはずなのに、行っていないことに驚いて、学校に入れます。妹をおんぶして授業を受けます。

 

 行商のお父さんは、東京や横浜に日用品などを売りに行き、東京と山梨を行き来します。行商を通して情報を持っているので、娘を東京のミッション系の女学校に入れようと思い、まずは地元山梨の教会で勉強させようとします。

 

 片田舎に住んでいただけでは、この家族は有益な情報を掴めなかったはずなのですが、お父さんが東京などに足を運んで情報を持っていたから、自分の娘を女学校に行かせようという大アドベンチャーができたのです。村岡花子さんが日本に「赤毛のアン」を紹介できたのは、お父さんが行商をして情報を持っていたこと、最初の一歩はこの一点に尽きるのではないかと思います。つまり、我々もあらゆる手段で情報を掴んで仕事をすることが必要です。決して情報に疎くなってはならないのです。

 

 また、英会話の番組をよく聞くのですが、「挑戦をする」は英語でchallengeと言います。しかし「挑戦しろ」という意味はchallengeにはなく、Give it a goと言います。それにgoを与えよという英語が「挑戦せよ」という意味になります。皆さんにこの言葉を送りたいと思います。また、ビジネス英語になりますが、「お金にする」という言葉を英語で言うと、Monetizeです。このビジネスをいかに儲かる仕事として計画できるかは英語では「How do you plan to monetize business」と言います。

 

 職員の皆さんに、「Give it a go」と「Monetize」という2つの言葉を送りますので、組織を挙げて、この大きな転換期に頑張っていただきたいと思います。

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、までメールでお送りください。

お問い合わせ先

(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)