平成31年「仕事始め式」知事あいさつ

最終更新日 2019年1月4日ページID 040398

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 このページは、平成31年1月4日(金)に県庁で行われた、職員に対する平成31年「仕事始め式」知事あいさつをまとめたものです。


 皆さん、新年あけましておめでとうございます。新しい年をお元気でご家族ともどもお迎えになったことと思います。心からお慶び申し上げます。いよいよ今日から仕事始め、新しい年、皆さんとともに力を合わせて頑張っていきたいと思います。

 さて、今年は「己亥(つちのと・い)」という年に当たります。これは、十干十二支の説明によると「来るべき時に備えて準備を整えている状態」ということです。北陸新幹線の4年後の開業や中部縦貫自動車道の開通、まちづくり、その他様々な課題、そして少子高齢化、地方創生の中で福井をいかにモデル的な地域にするか、今まさにわが福井県が大事な状態にある中でのこの己亥ではないかと思います。

 特に昨年は皆さんの一致協力した頑張りにより国体・障害者スポーツ大会が成功裏に終幕を迎えました。これは県民の大きな誇りであり、これから福井県の発展、振興のための大きな力になるものです。そういう絶妙のタイミングであるので、時間を大切にし、タイミングを大事にして一致協力して仕事を進めていこうではありませんか。

 「己亥」は60年ごとに回ってきます。ちょうど皇太子さまのご成婚があり、長嶋が天覧試合でサヨナララホームランを打ったという年です。岩戸景気や東海道新幹線の建設着工ということがある一方で、伊勢湾台風という天災もありました。ひと昔もふた昔も前の時代だということを想像してください。

 このように1年1年の積み重ねが10年になり、20年になり、50年、60年になると大きく世の中が変わっていくということです。こういうことを考えながら、わが福井県のこれからの10年、50年、場合によっては100年先を考えるということを念頭において仕事を進めていただきたい。

 今年の春には天皇陛下のご退位と皇太子殿下のご即位が予定されており、元号が変わり、気分も一新すると思います。皆さんも新しいことにどんどんチャレンジし、県政を進めていただきたい。

 特に高速交通網の早期整備の加速について、北陸新幹線については、敦賀開業を確実にすると同時に、大阪までの着工について、しっかりとした道筋をつけなければなりません。そのほか、並行在来線や地域鉄道、道路整備などすべての問題について、タイミングよく仕事をし、産業や観光、農林水産業の振興、福祉、教育などに力を尽くす必要があります。

 その中で「国体・障スポ」の経験を生かしながら「文化・スポーツ元年」といいますか、芸術や文化、産業など、様々な分野において福井に人を呼び込み、また福井に本拠をおいて世界に挑戦できる社会を実現しなければなりません。
 これは技術や人材、いろいろな知識や情報を福井の地で確保しながら世界に向け働きかけていくことが重要ですので、そうしたことを念頭に一緒に仕事を進めていただきたい。

 こういう時代に我々はどうすべきかということについて、お正月に読んだ本の内容を交えながら、話をしたいと思います。 

 まず、「あらゆる重要な仕事は希望にもとづいてなされる」と書いてありました。そして「その仕事を最もよく理解しうるのは通常は同じ世代でも次の世代でもない。」とありました。つまり、「同世代」や「子どもの世代」は、ある程度理解できるけども、十分理解できない仕事もあるということです。

 どういうことかというと「孫の世代」が初めて理解をし、恩恵に浴し、この仕事がどういう意味であったかを理解するということです。大きな仕事ほどこういうことを言われると思います。50年に一度、100年に一度の大きな仕事は一生懸命するけども、必ずしもすべての意味を我々自身、そして子どもの世代も理解できないかもしれないということです。

 福井県のように3世代が同居し、家庭の中で意思疎通を図り、いろいろなことを話し合い、希望に基づいて幸福を求める、こういう福井県だからこそ、長い目で仕事をし、そのことをおじちゃん・おばあちゃんからお父さん・お母さん、本当は孫の時代に理解され、日の目を見る、成果が上がるということかと思います。

 昨年は大きな事業を成し遂げましたし、これから4年間、5年10年と大きな事業が待ち受けているので、これをしっかり受け止めて仕事を進めてください。

 それからもう一つ、リーダーシップに関係することです。もちろん私自身が先頭にたってリーダーシップを発揮して仕事を進めていかなければなりませんが、皆さんもそれぞれの立場でリーダーシップを発揮していただけなければなりません。それこそが県庁全体のリーダーシップの発揮になります。

 その時に、「どうしたらうまく仕事が成功するか」という「方法(How to)」が気になりますが、さらに大事なことがあると江戸時代中期の荻生徂徠(儒学者)が書いています。
 我々は目先の知恵や才覚で、すぐ仕事をいかにうまくやり遂げるかと思いがちですが、もっと大事なことがあって、どういう心がけの人物がその仕事をするかによって、同じ仕事をするにしても随分出来栄えや将来への影響が違うと言っています。

 我々は仕事や体験を通じて自分たちを鍛えながら、心がけをよくしながら、仕事に臨む、そうすると同じことをするにしてもその成果や仕上がりは格段に違うということです。目先の創意や工夫、やり方も大事だけれども、皆さんが県庁の仕事を通じて人格をきたえあげ、そして県民の福祉の向上のために頑張るという経験をしていただきたい。
 このことは皆さんの人生、人間関係にとっても極めて意義のあることであり、県民の期待だと思います。

 この2つのことを皆さんにお伝えしたいと思い、仕事始めに臨みました。

 皆さん方には健康に留意され、ご家族ともども力を合わせてよいご家庭、そして仕事を通じて福井県民の福祉の向上のために、そして希望につながる仕事に自覚をもって臨めるこの1年していただくことをご祈念して、本年の挨拶といたします。

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