FM福井「Life Is」

最終更新日 2013年1月18日ページID 022380

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 このページは、平成24年11月30日(金)放送のFM福井の「Life is」での知事の発言をまとめたものです(インタビュアーはFM福井の飴田彩子アナウンサーです)。

【飴田アナ(聞き手)】
  今日のこの時間は福井県知事 西川一誠さんをスタジオにお迎えしています。
  今日は北陸新幹線についてお話を伺ってまいりたいと思います。
  さて、かねてから福井県の懸案でした北陸新幹線が、今年に入りましてようやく前進しました。まずは西川知事のご感想からお伺いします。
【知事】
  計画が決まってから40年近くを費やして敦賀までの着工が認可され、ようやくスタートラインに立つことができたと考えています。また、長年にわたる県民の皆さんのご協力とご努力の成果に感謝しなければなりません。

【聞き手】
  永年の悲願が叶ったと言いますか、一歩前進ということですね。
  改めてお伺いしますが、現在北陸新幹線はどういう状況なのでしょうか。
【知事】
  北陸新幹線は、東京から長野、そして北陸を通って、最終的には大阪まで行く「東京-大阪」間の日本海側のルートです。長野まではオリンピックがありましたので整備が済んでいますが、金沢までが平成26年度末に完成の見込みです。
  県内の工事については、平成21年に福井駅の部分、800メートルだけが整備されていますが、このたび「線路」としての整備がようやく決定しました。敦賀までの開業は平成37年度の予定ですが、これをできるだけ早く前倒ししていくことが大きな課題です。

【聞き手】
  いろいろなことが期待されていると思うのですが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
【知事】
  金沢まで整備されることで、福井県と東京は複数のルートで結ばれ、また北関東や信越とは乗換えなしで直結され、移動時間も非常に短縮されると思います。
  例えば、福井から大宮までですと1時間くらい短くなりますし、高崎だと1時間半、長野までは2時間半も短くなりますから、これが敦賀まで開業すればさらに時間短縮の効果が表れると思います。
  先日、宇都宮に用事があって行きましたが、やはり新幹線ができていますとずいぶん違いますし、ああいう地域との連結ができるということはいいことですね。
  さらに、北陸新幹線と従来からの東海道新幹線による「環状ルート」が形成されますから、利用客は北回り、南回りのルートを選択できるようになります。
  敦賀までの開業は平成37年度の予定ですが、それから数年しますとリニア中央新幹線も開業する見込みですから、福井県の立地条件として、名古屋までのリニアのルートなどについても頭に入れて、計画を作っていくことが大事ではないでしょうか。

【聞き手】
  夢が広がるという感じがしますけれども、乗換えがなくなる、時間が短縮されるというのは非常にありがたいですし、とてもわかりやすい効果だと思います。
  都市圏との交流が増えていくと、どういった影響があるのでしょうか。
【知事】
  移動が便利になりますと、互いの交流や観光客が増え、消費あるいは宿泊などの波及効果が期待されます。
  それから、新幹線ができることによって企業を誘致したり、あるいは店舗や工場、企業の支店などが県内にできることになれば雇用の拡大にもつながりますし、芦原温泉や敦賀、武生などでは再開発が行われたり、商業施設の進出、民間投資などが進み、いろいろな元気づけにつながっていきます。

【聞き手】
  その際、気になりますのが、一部の意見ではストロー現象と言うのでしょうか、そうした懸念もあると伺っていますが、その辺りはいかがですか。
【知事】
  これは新幹線などが整備されるときにはどこでも議論されるようです。しかし、ストロー現象というのは、まず日帰りができたり、大きい都市に吸い取られるんじゃないかということですけれども、全国的に見ますと、やはり新幹線ができるか、できないかというのは圧倒的な違いであり、できることによるメリット・デメリットはプラスだと基本的には思います。
  すでに全国的には快速鉄道や高速道路の整備によってバスやマイカーの利用も進み、都市間の競争が激しくなっています。こうした競争力を見ながら新幹線をうまく使っていくというのが大事でしょう。特に新幹線は20分、30分ごとに大量のお客さんを運べる交通手段ですから、新幹線があることはその地域の立地条件に大きく影響すると思います。これが10年、20年、50年と毎日が何年も続くわけですから、やはり福井県としてこれを大事な交通手段にして、他の地域に負けないようにしていかなければならないと思います。

【聞き手】
  確かに交通が不便な地方のままだと、埋没してしまうといいましょうか、取り残されてしまう、そういったことも懸念されますよね。
【知事】
  明治時代に全国で国鉄が整備されていきましたけれども、「自分たちは要らない」、「あっちの町に通してくれ」などという地域がいくつかあったという話をお聞きします。しかし、その後100年近くが経過してどうだということになりますと、やはりちゃんと交通の恵まれた地域のほうが発展しているというのが実態だと思います。ですから、まずは金沢までの開業に向けて、いろいろな準備をしておく必要があります。

【聞き手】
  新幹線が走るとなると観光という面でも期待できますし、やっぱりビジネスの分野でも期待ができるということですね。
【知事】
  新幹線の整備は、ただ工事が済めば終わりということではなく、新幹線ができることによっていろいろなチャンスが生まれますから、今から将来をにらんだ新しい投資の機会を逃さないようにしなければなりません。
  また、金沢まで開業する際には、金沢と福井の格差の問題がありますが、今のうちにそういうことに備えておくことが、福井や南越、そして敦賀までの開業の際にもよい影響が表れると思いますので、沿線の市や町の企業や住民の皆さんと十分相談して、まちづくりをこれから考えて実行していただきたいと思います。

【聞き手】
  新幹線が開通することを見越して、将来を考えておきましょうということですね。
【知事】
  将来を考えて、そして行動するということだと思います。
  まず手始めに2年後の金沢までの開業に向けて、金沢まで来たお客を福井まで、例えば恐竜博物館や、あるいは芦原温泉などに迎えられるよう準備をすることです。
  それから、敦賀まで延伸した場合の効果が活かせるよう、それぞれの市や町が自分たちで考え、継続的にまちづくりなどのプロジェクトを進めることが大事です。
  そこで、県では先般の9月県議会に諮り、市や町を応援する予算を計上しました。具体的には、沿線の市や町が行うまちづくりの検討を3年間支援するものです。

【聞き手】
  北陸新幹線の開業は福井県の高速交通として必要というだけではなくて、私たち県民にとっても大きく飛躍していくチャンスであるということですね。
  ここまでは北陸新幹線が開通することによるメリットなどについてお話をお伺いしてきましたけれども、ここで1曲お届けします。

♪音楽「運が良けりゃ」(「マイ・フェア・レディ」より)♪

【聞き手】
  お送りした曲は、西川知事からのリクエストナンバーです。
  「マイ・フェア・レディ」の中から「運が良けりゃ」という曲なのですが、これは花売り娘イライザの父親アルフレッドによって歌われる曲です。
  「マイ・フェア・レディ」といえばオードリー・ヘップバーン主演で映画化されましたよね。

  それでは引き続き、西川知事にお話をお伺いしていきます。
  さて、いよいよ福井県でも新幹線の工事が始まるということなのですが、このチャンスを活かすためにも、一日も早い敦賀までの開業が望まれますね。
【知事】
  6月29日に敦賀までの着工が認可になり、8月19日には起工式を行いました。これから用地取得などが本格化します。現在は、新幹線を建設する鉄道・運輸機構が沿線の各地区で事業の説明を行っています。年内には地元への説明を終えたいということで、了解が得られた地域からルートの中心線を示すための「杭打ち」が行われます。そして、9月には鉄道・運輸機構の福井鉄道建設所がオープンしました。新幹線の建設事業を円滑に進めるためには、何といっても用地を早く取得することが大事です。そこで、県としては今後この事業を行う鉄道・運輸機構から用地買収の業務を受託して用地の確保を進めていきますが、敦賀までの早期開業のためには県民の皆さんのご理解とご協力がぜひとも必要ですので、このことをお訴えしたいと思います。

【聞き手】
  鉄道・運輸機構が工事を行うということですが、スムーズに進むといいですね。
【知事】
  事業主体の鉄道・運輸機構には、できるだけ早く完成するようにお願いしています。
  しかし、単に「できるだけ早く」という陳情をするだけのことでは行政的といいますか、お役所的なことになってスムーズには進みません。そこで、事業が円滑に進むよう、工事の計画や進捗状況、そして、大きな事業ですから地元の企業の皆さんへの恩恵も必要です。そのため、地元企業への発注などについて、鉄道・運輸機構と福井県が定期的に相談する協議の場を設けました。新幹線は全国各地で整備されてきましたが、こうした協議の場を設けるのは、福井県が初めてだと思います。
  11月7日にその第1回会合を開き、現在機構が行っている説明会での住民からのご意見やご要望、それから今後の用地取得などの進捗について協議をいたしました。
  そして、大きい工事については、例えば延長が約20キロの「新北陸トンネル」や、全国で初めて新幹線と普通の道路を一体的に整備する「九頭竜川橋りょう」など、工期が長くかかるものはできるだけ早く着手して、工事が早く進むように努力していきたいと考えています。

【聞き手】
  しっかりした話し合いの場を設けて、早く進めようとすることはとても積極的なことですね。しかも福井県独自のものということで、西川知事らしさがこの辺りにも出ているのかなという感じがいたしました。
  ところで、気になるのが並行在来線なのですが、今の北陸本線がJRから経営分離されてしまいますと、私たち県民にとって不便になってしまうのではないかと心配されておりますけれども、その辺りについてはいかがでしょうか。
【知事】
  おっしゃるように並行在来線は毎日の通勤や通学など、県民の皆さんの日常生活に欠かせない重要な鉄道ですから、当然に存続させなければなりません。
  在来線のダイヤや運行本数などはこれから検討することになります。ただ、例えば「サンダーバード」や「しらさぎ」との調整にあまり悩まなくてよくなるのですから、例えば通勤・通学時間帯の運行を増やすとか、快速電車を運行するなど、現在の特急優先のダイヤから生活中心のダイヤに編成し直すなど、県民の利便性を第一に取り組んでいくことになります。

【聞き手】
  「県民の足」である並行在来線もしっかりと対策をお願いしたいと、これは県民皆さんの思いではないのかなと思います。
  これまで北陸新幹線についてお話を伺ってきましたけれども、最後に、北陸新幹線の敦賀までの開業に向けて、県民の皆さんへメッセージをお願いできますでしょうか。
【知事】
  北陸新幹線は1年でも早く敦賀まで開業することが大事ですから、十分な予算の確保や用地取得、それから先ほど申し上げました工事の工程管理を互いに努力することが大事です。
  そして、新幹線をバネに福井県を元気にしていくことが重要です。
  市や町の行政だけではなく、企業、県民のお一人お一人がこれを活かしていくんだと、他の地域との競争に打ち勝っていくんだという意識を持って、個性のあるまちづくりや、企業を誘致するなどの方法論をよく考えていくことが大事だと思います。
  北陸新幹線は将来に関わる事業ですから、将来を担う若い人たちがこれから頑張っていただくときに、新幹線があれば、若い皆さんのパワーは大きいですから決してよその地域には負けないと思います。そして、こうした福井の発展を支える重要な基盤を、今から我々が準備していくにあたり、県民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと思います。

【聞き手】
  将来に向けて街をどのようにつくっていくのか、それが県民一人ひとりの想いにかかってくるわけですね。
【知事】
  そういうことです。前向きで積極的に新幹線の整備に取り組むことが極めて大事だと思います。

【聞き手】
  今日は、北陸新幹線の整備効果や開業に向けた取組みについてお話を伺ってきました。
  お客様は、福井県知事 西川一誠さんでした。どうもありがとうございました。
【知事】
  ありがとうございました。  

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