2010年 新春知事対談

最終更新日 2010年1月2日ページID 010575

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 このページは、平成22年1月2日(土)に放送された福井テレビ新春知事対談番組の内容をまとめたものです。
 全国から高い評価を受けている福井の自然環境・生活環境の豊かさを守り育み、次の世代へとどのように受け継いでいくか。県民の皆さんと一緒にどのようなことをしていけばよいのかについて、福井鐡工(株)代表取締役社長の佐野洋介さんと西川知事が対談しました。

(自転車活用のススメ)知事あいさつ1

【司会】
 県は、環境にやさしい乗り物である自転車の推進に力を入れていますが、自転車をどのようにお使いですか。

【知事】
 よく使いますよ。天気のいい日に通勤に使うこともありますし、近くに家庭菜園を借りていますので、今頃ですと大根や白菜を運んだりするときに使っています。
 健康にもいいですし、あまりお金もかかりませんしね。CO2対策にもなるということで、自転車は非常に使いやすいと思います。
 環境問題というとちょっと身構えるようなところがありますけれども、もう少し身近なところで、楽しみながらできるということでは自転車がいいと思いますね。

【司会】
 楽しめて健康にもよいという自転車ですが、その反面、全国に比べて、福井県は自動車の多い県でもあるんですよね。

【知事】
 福井県は1世帯当たりのクルマの保有台数が日本一多い県で、通学や通勤で使っている割合も8割です。全国平均と比べると、自動車の走行距離が日本全体の平均よりも1割多く車に乗っているという結果が出ていますから、もう少し車に頼らないよう、自転車などを利用するとよいのではないかと思っています。

【佐野さん】
 私も高校卒業と同時に自転車も卒業してしまった一人です。しかし、最近は自転車での通勤も始めています。風の匂いを感じながら走るのは気持ちがいいので、会社としてもカーセーブ運動に取り組み、週に一度は自動車をやめて自転車で通勤しましょうという活動をしています。また、自転車の楽しさを知ってもらおうと「カフェ・バイク」という少し変り種の自転車を一台作りました。
 実は、これは、西川知事からヒントをいただいて作ったものです。


(乗って楽しいカフェ・バイク)

【知事】
 飛行機の機内誌に、オランダのカフェ・バイクが載っていました。これは、自転車をこぎながらコーヒーが飲めるという5、6人乗りの自転車なのです。非常に面白いと思い、誰か作ってくれないかと思っていましたら、早速、佐野さんの会社が作ってくださったのです。

【司会】
 ユニークな自転車だと、作るのが難しかったのではないですか。

【佐野さん】
 難しいというよりは、どちらかというと、いつもの仕事でのモノづくりとは違うモノづくりの楽しさを感じたというのが当たっています。
 通常の仕事では、橋梁や水門、建物の耐震補強、建設機械などを中心にやっており、その技術を活かして、いろいろなモノづくりをしています。さすがに自転車は作ったことがなかったので、自転車が趣味の製造の責任者に、自転車は作れるかと聞きましたら、意外に簡単に作れますよということだったので、作ってみようということになりました。

【司会】
 完成したカフェ・バイクですが、知事も乗られましたよね。

【知事】
 昨年11月、足羽川激特事業が完了し、綺麗な河川敷が完成しました。そこで、みんなでコーヒーをいただきながら乗りました。こぎながら飲むのも慣れるとなかなか気持ちがいいものですね。楽しかったですよ。全体が屋台のように動き出すのです。会話も楽しめます。


(おもしろ自転車について)

【司会】
 「カフェ・バイク」のような一風変わったエコな自転車は、他にもあるのでしょうか。

【知事】
 3年前に帝人株式会社のご協力をいただき「エコ丸くん」という7人乗りの丸い自転車と「エコ8くん」という直列の8人乗りの自転車をオランダから輸送していただいて、いろんなイベントで使っています。
 県民の皆さんに貸し出しをしていますので、大いに役立てて欲しいと思います。
 年末には「ふくいナイトビュー」ということで、福井駅前周辺をライトアップする事業を行い、県庁前広場に電飾をした「カフェ・バイク」を飾りました。県民の皆さんに知っていただき、大いに使っていただきたいと思っています。


(自転車道の整備)

【司会】
 自転車に乗りやすい街にするために取り組んでいることはあるのでしょうか。

【知事】
 福井県の自然は山と平地がはっきりしており、割合平坦なところが多いので、自転車は使いやすいと思います。私たちも、もう少し車道のほかに歩道をたくさん整備して、楽しく乗れるようにしないといけないと思います。
 大規模なサイクリングロードも県内に4つの地域(*)ごとに設けています。こういうものをどんどん整備していくことが必要だと思っています。
 足羽川の河川敷では、工事用の道路を自転車用道路として整備しました。永平寺と福井の間を行き来することができます。
 (*)サイクリングロード
    ・永平寺福井自転車道、・北潟湖ハミングロード
    ・丹南ふれあいスポーツレクレーション道路・小浜大飯高浜自転車道


(環境を守るために)

【司会】
 自転車は、CO2を出さないので環境にもよいと思いますが、昨年度策定された「福井県環境基本計画」では、自転車の利用を進めているそうですね。

【知事】
 「ストップ乗りすぎプロジェクト」と言っていますが、自動車にあまり乗り過ぎないと同時に、自転車に乗る習慣を復活させようということです。皆さんから使わない自転車を提供してもらい、それを緑色に塗って、いろいろ自由に使えるように「みどりの自転車」として駅や観光施設などに配備しています。
 また、車の利用を減らすため、自動車の走行距離を削減しようという運動を進めており、全国で初めて走行距離を測定して減らしているのです。昨年、企業の方に応援いただいてチームごとに削減の実験などを行いました。
 これによって、およそ6万キロの削減をしていますから、一台であれば10年分くらいの走行距離を実験として減らしたということになるのではないでしょうか。

【司会】
 一人ひとりが環境に対しての思いをもつことは大事ですが、佐野さんは日頃いかがですか。

【佐野さん】
 個人的には「残さず食べる」ということに気をつけています。
 会社としては、環境方針を定めて、いろんな環境影響・悪影響を低減させようという活動をしています。整理整頓からはじまって、良い製品を効率よく作るということが環境への負荷も少ないということで、基本的なことを地道に繰り返してやっています。
 個別な話としては、太陽熱を利用した橋梁の凍結抑制であるとか、橋のリサイクルにも関わることができました。橋の上の道路は、普通の道路に比べると大変凍りやすい。そこで橋の上に蓄熱財を入れたパイプを敷き詰めてその上を舗装する。すると昼間に太陽熱を蓄えて、橋の上の水分が凍る直前で、蓄熱財から熱が出て、凍結を抑制するといったものを福井県の雪対策・建設技術研究所と共同研究でやってきました。


(日本APECエネルギー大臣会合開催に向けて)

【司会】
 今年6月に福井市で日本APECエネルギー大臣会合が開催されますが、エネルギーや環境について考えるきっかけとなるのではないでしょうか。

【知事】
 APECでは、太平洋を取り巻く日本を含めた21の国と地域が参加して、エネルギー政策や様々な研究開発が協議されますから、非常に面白い会議になると思いますね。福井県でこういった国際的な高いレベルの会議が開催されるのは初めてです。
 また、せっかくですから、福井のブランド、伝統や文化なども知ってほしいと思っています。
 それから子どもたちのAPECも開きます。外国の大使にも事前に来福をねがい、子どもたちにそれぞれの国の紹介をしていただいたり、幅広くフォーラムや国際セミナーなどをやっていきたいと目論んでおります。


(APECジュニアフォーラム)

【司会】
 子どもたちに、この機会にエネルギーや環境について学んでもらいたいですね。

【知事】
 3月には「APECジュニアフォーラム」を開きます。それぞれの国の様々な課題を勉強してもらうと同時に、環境問題にも取り組んでほしいと思います。この結果をAPECの本来の会合のときに、子どもたちに紹介してもらうと面白いと思い、今準備をしている最中なのです。


(今年の抱負)

【佐野さん】
 これからデフレ経済の転換ということで、きちんとマインドを切り替えていかないといけないと思っています。具体的には、大きな仕事だけでなく、手間のかかる小さい仕事も重視していかないといけません。
 インフラ関係の仕事をしていますが、環境の影響もあり、新しいものをどんどんつくるというよりは、既存のものを長寿命化させようといった動きがありますので、そういったものにも対応していきたいと思っています。厳しい経済環境ですが、明るく前向きに真剣になっても深刻にならずということで取り組んでいきたいと思います。

【知事】
 政治、経済さまざまなものが大変動期にあります。「ふるさと福井」が新しくなり、これが新しい日本を創っていくという動きをより一層強めていく必要があります。これからの福井県のおよそ10年後を見越したビジョンをつくり、これによって方向性を出していきたいと思っています。

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