2013年 新春知事対談

最終更新日 2013年1月9日ページID 022331

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 このページは、平成25年1月6日(日)にFBCテレビで放送されたおはようふくい730「ふくいの味を召し上がれ!」の内容をまとめたものです。
 ふくいの食に関わるゲストを招いて、「ふくい味の週間」をふりかえりながら、全国に誇れる福井の食の県外PRや食を活用しての誘客活動について、西川知事が語ります。
 ゲストは、昨年の全国高校生食育王選手権大会で、優勝を果たした奥越明成高校のチーム「明成☆」を代表して巽希恵さん、越のルビーゼリーでふくいの食を全国発信した農家の麻王伝兵衛さんです。

(好きな食べ物)
【司会】
 福井の食の豊かさは全国に誇れるものです。まずは皆さんに好きな食べ物を伺っていきましょう。巽さんは何が好きですか。
【巽】
 祖母がつくった地元の野菜が大好きです。私は大野市に住んでいます。祖母が畑で里芋や大根、カブなどを大切に育てています。特に里芋の煮っ転がしが大好きです。
【司会】
 大野の里芋はかむほどに「もっちり」してきて、おいしい秋の味覚ですね。
 麻王さんはいかがでしょうか。
【麻王】
 やはりミディトマトの越のルビーです。
 それと、今の時期だと、カニとか魚、海の幸が一番おいしいですね。
【司会】
 福井県は本当に、大地や海の恵みが豊富ですよね。
【麻王】
 そうですね、本当にこれだけ恵まれた土地というか県は、なかなかないのではないかと思います。
【司会】
 最後に西川知事はいかがでしょうか。
【知事】
 私はもともとお餅が大好きですから、お正月は、雑煮をずっと1週間ぐらいいただきます。通常は、朝御飯は福井一番のおいしいコシヒカリにワカメをかけて、そして、3年もの のらっきょうを小さい皿に乗せていただきます。
 また、巽さんのおばあちゃんと同じように、私は家庭菜園をやっていて、年間20種類以上の野菜を作っています。今ちょうど白菜や大根のシーズンですが、こういった完全有機無農薬の野菜をあわせていただいています。

(ふくい 味の週間)
【司会】
 やはり福井県はおいしいものに恵まれていますよね。こうした福井のおいしいものを集めた「ふくい 味の週間」を昨年11月11日から1週間にわたって開催して、大変盛り上がりましたけども、西川知事、この催しのねらいを教えてください。
【知事】
 福井にはおいしいもの、すばらしいものがありますが、県民の皆さんが当たり前だと思っているため、意外と知らないですし、県外の人たちによく知られていません。ぜひ、こういう問題を直したいという思いがあります。
 そこで、収穫のシーズンである11月の1週間を「ふくい 味の週間」として、まとめて様々なイベントを展開しました。これは、福井の食を「学び、味わい、楽しむ」というねらいです。他の市町でも様々なことをやっているので、どんどん盛り上げていって、うまく連携してやりたいと思います。
 巽さんが出場して優勝した、全国食育王選手権、食の甲子園ですね、これも大きなイベントです。学生や生徒の皆さんの交流も大事ですし、全国の皆さんに福井の食を知っていただきたいというねらいがあります。

(全国高校生食育王選手権大会)
【司会】
 全国に福井の食を広めるためには、まず、私たちが地元福井の食の魅力を知ることというのも大事です。そのために、「ふくい 味の週間」では、小中学生には味覚の授業が、また、調理師を目指す高校生には有名シェフによる特別授業が行われたほか、県内の飲食店やレストランでは特別メニューが提供されました。
 巽さん、全国高校生食育王選手権大会を振り返っていかがですか。
【巽】
 ほかのチームの定食は華やかだったんですが、地元の野菜をふんだんに使い、毎日食べてもあきないものを目指しました。会場にいらした50歳くらいのおじさんが、「本当に食べたいのはこれだ」と言ってくれたのは、とてもうれしかったです。大会は地元大野の食材の魅力を見直すきっかけになりました。
【司会】
 大会後に何か変化はありましたか。
【巽】
 大会での優勝をきっかけに、地元の小学生の親子を対象とした料理講習会を開催することが決まりました。今までは、家では作るよりも食べる側だったんですが、講習会に向けて自分自身の調理の技術をさらに高めたいと思い、祖母に伝統料理を教えてもらったり、家でも料理をするようになりました。
【司会】
 食べるのはもちろん良いですけども、食べてもらう喜びというのがありますよね。
 さて、大会では食に関するクイズがありましたが、どのような問題だったかといいますと、こちらです。
 「揚げ物を行う際、衣を落として油の温度を調べることができますが、180度の油に衣を落とした場合の反応として、正しいものは次のうちどれでしょうか。
 A、ちょっと沈み、すぐに浮く B、下まで沈んで、ゆっくり浮き上がる
 C、沈んだままになる     D、沈まずに衣が表面で散る。」
 さて、麻王さん、突然ですが、いかがでしょうか。
【麻王】
 正直あまり自分でやったことがないんですけど、Aで。
【司会】
 正解です。
【麻王】
 本当?ありがとうございます。
【司会】
 Bはですね、160度ですね。Cは140度以下、Dは200度の油の反応でした。
 こういった問題が出されましたが、巽さんのチームの出来はいかがでしたか。
【巽】
 10問中6問正解だったと思います。
 例えば、「一日に必要な果物の量は200グラムである」などの問題については、学校の授業で習っていたため、答えることができました。どのチームも苦戦していたため、かなり差をつけることができたと思います。
 また、冷蔵庫の材料でお弁当のおかずを考える競技では、お弁当のメニューを考える授業を受けていたのがとても役に立ちました。
【司会】
 勉強をしたり、経験がないと難しい問題ばかりでしたか。
【巽】
 そうですね、難しかったです。
【司会】
 西川知事、学校でのこういった学びというのが生かされていますね。
【知事】
 そうですね、お子さんたちが小さいころから食のことをよく知る、また、味覚もしっかりしていないと大きくなっても栄養などに関心が持てないですから教育が大事だと思います。
 特に福井県は、全国にあまり例がないと思いますが、栄養士さんに栄養教諭になっていただいて、学校で食をしっかり教育しているという先進的な県だと思います。
 それから、学校給食が福井県は有名になっています。これには、いくつか理由がありますが、例えば、これは珍しいと思いますが、福井の中学3年生全員がカニの解禁の直後にせいこがにを学校給食にあわせて食べます。
 それから、最近は福井の学校給食のレシピ本も出版されたりして、相当内容も充実し、有名になってきていると思います。給食を中心に勉強したり、あるいは内容を充実したりという動きを強めていきたいと思います。
【司会】
 せいこがにの食べ方など、地元の食材について知っていると、大人になっても県外の人にしっかりと福井の食のことを発信できますよね。
【知事】
 そうですね、みんな大騒ぎして楽しんでいるようですよ。
【司会】
 私からすると中学3年生でせいこガニが給食で食べられるとは、うらやましいと思いますね。そんなふうに福井の食に幼いころから触れているということですよね。

(優れた食を県外へ)
 さて、昨年、全国に知られるようになった福井の食といえば、麻王さんの越のルビーゼリーがありますね。麻王さん、とってもシンプルで粋なパッケージですよね。
【麻王】
 自分でも言うのも何ですけど、ほんとうに格好いいデザインで、赤と白の紅白がお正月にもあっていて、めでたい感じですね。
【司会】
 おめでたいスイーツですよね。これによって越のルビーを広くアピールできたと思いますが、巽さんも西川知事もこのゼリーを召し上がったと伺っているんですけども、巽さん、お味はいかがでしたか。
【巽】
 トマトなのに青臭みもなくとてもおいしかったです。フルーツのように甘みがあっておいしかったです。
【司会】
 巽さんはトマトはお好きですか。
【巽】
 大好きです。
【司会】
 それじゃ、ますますファンになっちゃった?
【巽】
 そうですね。
【司会】
 西川知事はいかがでしたか。
【知事】
 大変おいしかったですね。越のルビーというのは、福井県が開発した最高級ブランドです。それとお菓子屋さんが力を合わせて、麻王さんの愛情、情熱たっぷりの農家としてのお力がここにぐっと込められているという感じがして、すばらしい商品ができたと思います。
【司会】
 越のルビーが丸ごと1つ入っているので、とてもインパクトもあるし、食べごたえもありますよね。
【知事】
 ボリューム感もありますよね。
【司会】
 麻王さん、皆さんの感想を聞いていかがですか。
【麻王】
 自分が褒められているようで恥ずかしいですけど、本当にうれしいです。今回、お菓子屋さんと僕たち生産者が組むことで自分一人ではできなかったことができて、それを県内のみならず、全国の人に食べていただいて気に入ってもらえたことが何より一番うれしいことですね。
【司会】
 反響が大きくて、ますます農業へのやりがいというのを感じられたんじゃないですか。
【麻王】
 「これからもおいしい越のルビーをつくらなきゃ」という意味で、ちょっとプレッシャーにはなりますが、誇りに思って、ますますやる気が出てきています。
【司会】
 本当に福井の食というのは、大きな可能性を秘めているということですよね。
【麻王】
 越のルビーに限らず、福井にはいろんなおいしい食材がたくさんあるので、それに一工夫したり、ほかの人たちと手をつなぐことで、より可能性が広がると思います。
【司会】
 これからの商品開発にも期待が膨らんできます。
 西川知事、県でも食を県外に売り込んでいくためにさまざまな支援をしていますよね。
【知事】
 そうですね、販路の拡大が大事ですね。大都市の百貨店、料理屋やレストランなどに福井のおいしい食材を地産地消から地産外消という形でPRをし、今、一生懸命売り込んでいます。
 また、福井のことを知っていただくためには、情報サイトを充実して、それぞれのお店の方、農家の方がそれをうまく使っていくことが大事です。そこで、「ふくいドットコム」といった情報サイトをリニューアルして、新しい形で今展開をしています。様々な情報を提供し、よく利用していただけるように努力したいと思います。値段がちょっと高くても、買っていただける商品をつくるのも大きな方向として大事だと思います。

(食を活用した誘客)
【司会】
 また、実際に全国の皆さんには福井に来てもらって、この福井の空気の中で福井の食というのを堪能してほしいですよね。
 また、食は全国から人を呼び込む力がある、その素材が福井県にはそろっていますね。巽さんは、「あれを食べに行こう」と思って遠くまで出かけたことはありますか。
【巽】
 お金も交通手段もないので、おいしいものを食べに行くことはないのですが、雑誌やテレビでおいしいものを見ると食べに行きたいなと思います。働くようになったら、ぜひ、行ってみたいです。
【司会】
 やっぱり食べに行くおいしいものというのは、行き先を決める重要なポイントになりますか。
【巽】
 そうですね。
【司会】
 麻王さん、多くの皆さんに福井県に訪れてほしいですよね。
【麻王】
 僕が野菜を作っているのがあわら市ですが、あわら市はあわら温泉があって、特に今の時期、冬に旅館でカニなどを食べた後に、僕たち農家がカニ殻を集め、乾かし、砕いて肥料にして、それを今度畑に戻して越のルビーなどの野菜をつくっています。
 それを「カニからトマト」とネーミングして、あわら温泉の旅館の女将さんにお中元や贈答用で、全国に送っていただいたりと、いろんなところとつながってやっています。
【司会】
 カニの殻を肥料にして作った越のルビーというのはいかがですか。
【麻王】
 土が全然変わってきてよくなるうえに、リサイクルも兼ねていて、冬においしいカニが、夏場にはまたおいしいトマトになって返ってくるということをアピールできます。
【司会】
 味に変化はありますか。
【麻王】
 新しくハウスを建てたんですが、そこの土地にカニ殻を入れたおかげで今までのハウスと同じような、それ以上のおいしいトマトになりましたね。
【司会】
 西川知事、平成26年には北陸新幹線が金沢まで開業ということで、これは福井まで足を延ばしてもらうチャンスですよね。
【知事】
 約2年後になりますけれども、新幹線の金沢開業、それから、舞鶴若狭自動車道も開通しますから、ぜひ、交通手段をうまく使ってたくさんの人に来ていただきたいと思います。
 特に、越前がには今のシーズン、大勢の方が福井を目指して観光に来られますし、あわら温泉があり、そして、食ということで素材はそろっています。
 ぜひ、旅館の皆さんやホテル、観光業の方、そして、農林水産業関係の皆さんが交通がよくなるのだと考え、このチャンスにチャレンジしていただくことで福井の食がどんどん盛り上がっていくと思います。
 特に金沢開業では、北関東や甲信越地域が2時間近く身近になります。また、中国、四国地方も非常に近い地域になりますから、大勢来ていただけると思います。
【司会】
 これをチャンスに、「福井にはこういったおいしいものがあるんだ、こういったいいところがあるんだ」ということを発信していきたいですよね。
【知事】
 新幹線が開業した、あるいは道路ができてから考えていくのではなく、今から準備を着々と進めることになるかと思いますね。
【司会】
 全国から人を呼び込むために、我々、県民一人ひとりが福井県のPR隊ということですよね。我々県民も、福井県の食について、もっともっと親しんで、そして、県外の人にもしっかりと伝えられるように、発信していきたいと思います。

(今年の抱負)
【司会】
 最後に、皆さんに今年の抱負をお聞きします。巽さん、いかがでしょう。
【巽】
 学校や家で学んだことを活用し、地元の素材を生かした料理の腕をさらに磨きたいです。そして、地元で開催される料理講習会のように、地域とのかかわりを大切にした活動をしていきたいです。
【司会】
 また、活動の場も広がりますね。
 麻王さんはいかがですか。
【麻王】
 まずは、おいしい野菜をつくるのが前提ですが、自分で作るだけでなく、もっと巽さんのような若い世代に、農業や野菜などの食に興味を持ってもらえる取組みをして、憧れるような農家になっていきたいですね。
 また、僕たち若手農家の仲間がただ野菜をつくって売るだけでなく、それをもっと欲しがっているお菓子屋さんや旅館、レストランなどの人たちを結びつけられるコーディネーターとしての役割も果たせたらいいなと思っています。
【司会】
 最後に西川知事、食に関しての今年の抱負をお願いします。
【知事】
 何といっても農家、水産業など食を直接支えている方を応援したいと思います。それがまた、食の教育や観光などにつながっていくと思います。
 福井県は、食育を最初に唱えた石塚左玄先生が生まれた地ですから、食育や昨年始めた「ふくい 味の週間」などをどんどん盛り上げていきたいと思っています。

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