開催日:平成20年4月11日

1 個別決裁

(1)平成19年度県下留置施設「実地監査」の実施結果について
 「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第18条の規定に基づき、平成19年度における県下留置施設に対する実地監査の実施結果報告があり、これを決裁した。
(2)平成20年度県下留置施設「実地監査」の実施要領について
 「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第18条の規定に基づき、平成20年度に実施する県下留置施設に対する実地監査の実施要領報告があり、これを了承した。
(3)交通事故に係る知事専決処分について
 平成20年2月に発生した警察職員による交通事故について、地方自治法等の法令に基づき、知事専決処分の手続を経て和解を図る方針である旨の報告があり、これを了承した。
(4)ストーカー行為者に対する「警告」の実施について
 本年3月13日、越前市内の男性に対し、ストーカー行為等の規制等に関する法律に基づき「警告」を実施した旨報告があり、これを了承した。
(5)県外特別派遣部隊の援助要求に対する同意について
 原発警備に係る第87次県外特別派遣部隊の援助同意を受け、これを決裁した。
(6)監察点検担当公安委員の事務を補助する「補助者名簿」の作成について
 警察法第43条の2で規定される公安委員会の指示する監察の点検に係る事務補助者名簿について原案のとおり了承した。
(7)公安委員会宛照会文書の受理について
 福井県公安委員会宛の日本弁護士連合会からの照会文書を4月7日付けで受理した旨報告があり、これを了承した。

2 包括的案件

〈報告事項〉

(1)逮捕少年被疑者の逃走未遂事案の発生について
 県警察から、既に各公安委員に対して速報済みであった、4月9日に福井南警察署で発生した勾留中の少年被疑者の逃走未遂事案の概要等について報告があった。
  事案の概要は、同署2階取調べ室で坂井警察署員の取調べを受けていた同被疑者が、署員2名の隙を見て逃走を企て、取調べ室から出て階下に至る階段の所で同署員に取り押さえられたもので、同施設の出入り口は常時施錠されており、施設外への逃走はできない設備になっていたものの、取調べ中に同被疑者に対して逃走する隙を与えてしまったことなど、当時の状況等について詳細に説明があった。
 また、事案発生後、直ちに全所属に対し、取調べを含む少年事件の適正捜査の徹底について指示するとともに、今後、同事案の詳細な検証を行い、巡回教養等による再発防止を図って行く旨の説明があった。
 各公安委員から、事案概要等について確認があるとともに、
「被疑者は、福井南警察署に委託留置されていたとのことであるが、坂井警察署の留置施設が一杯だったからなのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「看守勤務は24時間体制となるので、小規模署では長期の運用が難しく、留置時間が48時間を超える場合は、体制の整った大規模署の総合留置施設に委託することとしている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「報告を受けて、内部的に見た場合、施設外への逃走は不可能であると分かっているが、新聞報道等を見た県民の心情としては、不安を抱き、警察に対する信頼が失われることにもなるので、今後、再発防止を徹底していただきたい。」
旨の発言があり、県警察から
「今後、今回の状況をしっかり検証して、県警全体として対処し、再発防止を徹底する。」
旨の説明があった。
(2)「スクールサポーター」制度の導入について
 県警察から、本年4月から県内4警察署(福井、大野、鯖江、越前)にスクールサポーターを配置し、県内の中・高校に派遣して、生徒の非行防止や犯罪被害防止のための教育支援等を行う旨の報告があり、スクールサポーターの経歴、主な職務、制度導入により期待される効果等について説明があった。
 公安委員から、
「この制度は、全国的に実施されているのか。」、「スクールサポーターの活動範囲について伺いたい。」、「スクールサポーターは、警察署長の指揮下にあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「同制度は、既に43都道府県で実施されている。」、「スクールサポーターの活動範囲は、基本的には、配置警察署管内の中・高校であるが、必要に応じて他の警察署管内の学校へも派遣できるよう考慮していきたい。また、将来的には、各警察署に配置されることが望ましい。」、「スクールサポーターは、配置警察署の生活安全課に勤務することとなり、警察署長の指揮下にあるが、本部の生活安全部少年課とも連携して業務を遂行する。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「スクールサポーターが警察署の生活安全課に配置されているということで、学校の中のことはもちろんのこと、学校以外のことについても横の連携が取れるので、効果があると思う。」、「特定の先生やスクールサポーターのみに任せてしまうのでは逆効果になることも考えられる。学校の他の先生とも連携を密にしながら、一体感を持ってやっていただければ非常に効果があると思う。」、「子ども達や地域にとっても、制度が有効に機能するよう期待している。」
旨の発言があった。
(3)福井市大宮5丁目における実父殺人事件の検挙について
 県警察から、本年4月8日に福井市大宮5丁目で発生した実父殺人事件は、消防からの110番通報を受けて現場急行した福井署員が被疑者宅において同人を殺人未遂で緊急逮捕し、その後、被害者である実父は搬送先の福井総合病院で死亡した旨報告があり、犯行状況、逮捕経緯等について説明があった。
 公安委員から、事件概要等について確認があり、県警察から
「現在、動機等について捜査中である。事件発生当初は、犯人が逃走していることを想定して周辺検索等の初動捜査も併せて実施した。」
旨の説明があった。
(4)敦賀市内における連続忍込み事件の検挙について
 県警察から、平成20年3月以降、敦賀市内において一般住宅等を対象に連続発生していた忍込み事件は、非番を返上し交番所長とともに自主的に捜査夜警を実施していた新人地域警察官の職務質問により被疑者を緊急逮捕した旨報告があり、逮捕事実、逮捕経緯、犯行手口等のほか、逮捕した地域警察官には、本部長即賞が授与された旨説明があった。
 公安委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「怪しいと思う『警察の勘』を養うのは、なかなか難しいのではないか。」、「新人警察官と交番所長とペアで行動していたということだが、一人では危険だし、上司と同行していたということが非常に良かった。」
旨の発言があり、県警察から、
「大量退職時代に入り、若手警察官の力を如何につけていくかが大切であると認識している。このため、交番所長等のベテランとペアを組ませ、基本となる職務質問等の技術の伝承を行っている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「連続事件が解決できて良かった。お手柄である。」、「地域警察官は、本部長即賞を受けたということであり、今後の励みになると思う。」
旨の発言があった。
(5)県営住宅からの暴力団排除について
 県警察から、平成19年4月に東京都町田市で発生した暴力団組員によるけん銃発砲立てこもり事件に代表される暴力団員による不正入居や傷害事件等が全国で発生している中、暴力団員によるこれらの不法行為等の未然防止を図り、県営住宅の入居者及び周辺住民の生活の安全と平穏を確保する目的で、県営住宅から暴力団員を排除するための協定書を県と締結した旨報告があり、協定内容、県営住宅条例の改正内容、協定書の特徴、今後の警察の対応等について説明があった。
 公安委員から
「入居申込の際に、どのように説明するのか。また、入居申込者全員に対して暴力団員であるかどうかの確認を行うのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「暴力団員は入居も同居もできないし、後で暴力団員であると判明した場合には、明け渡しを請求することができる旨を事前に書面で説明する。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「県営住宅で定着すれば、他の市営住宅等でも同じように効果が期待できる。暴力団排除について、いろんなところから手がけていくことは、非常に良いことだし、このように既存のところまでメスをいれてもらえれば、非常にありがたい。」
旨の発言があった。
(6)自転車通行環境整備モデル地区事業の実施について
 県警察から、歩行者・自転車が安全に通行できる自転車通行環境の整備を広めていくため、本年4月から平成22年3月までの間、全国98箇所の指定地区において自転車通行環境整備モデル地区事業が実施される旨報告があり、福井県では「福井市大和田地区」と「敦賀市川西・川東地区」の2地区が指定されたことや、同整備事業の概要、自転車通行環境の整備手法等について説明があった。
 また、今後は、同モデル地区の整備前、整備後の通行実態の調査を実施し、整備効果や問題点の検証を行い整備事業の継続、追加、変更を検討するとともに、モデル地区以外の道路においても道路管理者と連携して積極的な整備に努めていく旨の説明があった。
 なお、昨年の自転車乗車中の交通事故死者数は、全体の約2割を占めていることから、これを減少させるために、今後、自転車対策にウェイトを置いた各種対策を講じていく旨の説明があった。
 公安委員から、事業概要等について確認があるとともに、
「最近、高校生が傘をさして自転車を運転する姿をよく目にする。」、「越前市では、来日外国人の自転車通勤が多いのだが、最近、自転車の交通マナーが良くなったように思う。」
旨の発言があり、県警察から
「高校生の自転車運転マナーの向上については、今後も教育委員会への協力依頼と併せて街頭指導等を積極的に実施していく。」、「来日外国人に対する交通教室も実施している。」
旨の説明があった。 公安委員から
「歩行者も、自転車に乗る人も、自動車に乗る人も、それぞれが交通ルールを守ることが大事なことであり、そのための環境整備も併せてやっていただければ、非常に良いことだと思う。」
旨の発言があった。

3 個別的案件

〈審議事項〉

・ 異議申立ての審理について
 放置違反金の納付命令に対する異議申立(平成20年2月19日受理)について審議し、「棄却する」旨の決定をするとともに、決定書(案)を決裁した。

4 運転免許の処分関係

本日(4月11日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

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