開催日:平成20年4月25日

1 包括的案件

〈報告事項〉

(1)片町地区における客引き事件の検挙について
 県警察から、繁華街における環境浄化総合対策を推進している中、福井市片町地区における通称「カラス族」と呼ばれる客引きの取締り要望を受けて、生活環境課と福井警察署の内偵捜査の結果、風俗店経営者及び従業員の計3人を風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反(客引きの禁止)で逮捕した旨の報告があり、事件の概要、逮捕経緯等について説明があった。
  また、今後も、客引きを含めた悪質な風俗営業者の違反行為に対し、徹底した取締りを行う旨の説明があった。
 各公安委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「今後とも、一般人が安心して通行できる街の雰囲気づくりをお願いしたい。」
旨の発言があった。
(2)街頭犯罪等抑止対策の推進状況(1月〜3月)について
 県警察から、本年1月から3月までの街頭犯罪抑止対策の推進状況等について報告があり、主な特徴点として、刑法犯認知件数の減少傾向が鈍化していること、街頭犯罪等8類型(前年との比較)では、車上ねらい、忍込み、自転車盗が減少したものの空き巣が増加したこと、車上ねらいと自転車盗が相対的に多いこと、女性・子どもに対する犯罪が増加したことなどの説明があった。
 なお、今後の対策として、「指数治安」向上の面からは、全刑法犯認知件数の約3割を占めている自転車盗及び車上ねらいを重点とした抑止対策を実施し、また、「体感治安」向上の面からは、女性・子どもの安全・安心確保対策の継続、防犯ドクター活用の拡大、高齢者に対して振り込め詐欺や交通事故防止の広報啓発活動等を実施する旨の説明があった。
 公安委員から、
「リュウピーネットによる犯罪情報発信は、以前と比べて多くなったように思える。」
旨の発言があり、県警察から
「できるだけ早く犯罪情報を提供して注意を喚起し、犯罪予防に努めている。また、自転車盗や車上ねらい等の特徴として無施錠被害が多いことを踏まえ、今後は、この点の説明を十分行っていかなければならないと認識している。」
旨の説明があった。公安委員から
「学校にも働きかけて自転車の鍵掛けを徹底してはどうか。」
旨の発言があり、県警察から
「学校と連携しながら、学校や駅の駐輪場等を重点的にパトロールするとともに、鍵掛けの指導、チラシの配布等による広報など、無施錠被害防止対策を更に推進する。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「最近、振り込め詐欺が多く、また、巧妙化しているように思う。」、「自転車事故の安全対策として、ヘルメット着装を徹底する必要がある。」
旨の発言があり、県警察から
「ほとんどの中学生は学校の指導によりヘルメットを着装している。また、努力義務ではあるが保護者は幼児にヘルメットを着装させるよう法律が改正される。」、「ご指摘のとおり、防犯的な観点だけでなく、交通事故防止も併せて各部が総合的に取り組んで行く。」、「振り込め詐欺等は、巧妙で、まさに身近な犯罪である。現在、如何にこれに対応するかについて、県警内でプロジェクト的な形で検討している段階にある。」
旨の説明があった。
(3)けん銃110番報奨金制度の実施について
 県警察から、全国的なけん銃使用事件の多発及び銃器犯罪に関する情報収集が困難になっている状況に鑑み、本年5月1日から全国一斉に、けん銃110番報奨金制度を実施して広く国民に銃器犯罪に対する情報提供を促す旨の報告があり、制度の概要、通報の方法、報奨金額、過去のけん銃押収状況等について説明があった。
 公安委員から
「通報者が、後に暴力団等の報復を受けることのないように対応する必要がある。」
旨の発言があった。また、公安委員から
「報奨金の予算は、どこの予算なのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「国の予算である。この制度は、全国一斉のもので、通報者が通報した場合、110番と同じように発信地域を管轄する都道府県警察に通報される仕組みとなっている。」
旨の説明があった。公安委員から、
「是非、効果を上げていただくとともに、安全を守っていただくようお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)春の交通安全県民運動の実施結果等について
 県警察から、本年4月6日から4月15日までの10日間の日程で行われた春の交通安全県民運動の実施結果等について報告があり、期間中の主な特徴点としては、県内の交通事故発生状況が、総事故件数564件(対前年比45件増加)、死者数1人(対前年比3人減少)、負傷者数98人(対前年比39人減少)であったこと、4月13日に鯖江署管内において死亡ひき逃げ事件が発生し現在捜査中であること、また、交通取締状況では、交通三悪(飲酒、無免許、速度)の件数が大幅に減少したこと、その他、特異・強制事件の捜査状況等の説明があった。
 公安委員から、
「交通取締件数に計上される点数違反とは、どのような違反のことをいうのか伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「シートベルト違反などの反則金の伴わない違反である。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「交通事故を抑止するためには、交通指導取締りのほか安全運転の意識付けを徹底することが大事なことであり、意識付けを向上させる施策も併せて実施していただければありがたい。」
旨の発言があった。
(5)ゴールデンウィークにおける総合的交通事故抑止活動について
 県警察から、ゴールデンウィーク中における交通渋滞及び交通事故抑止のために警察官を集中運用して、総合的交通事故抑止活動を強化する旨の報告があり、実施期間、取締重点及び路線、取締体制、交通渋滞解消対策等について説明があった。
 公安委員から、
「交通渋滞等の広報については、NHK等の報道機関の協力を得ることはできないのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「大規模な交通規制等については、報道機関の協力を得ているが、通常の交通渋滞情報については、道路交通情報センターから広報を行っている。なお、同期間中における過去の例を見ても、問題となるような渋滞は発生していない。」
旨の説明があった。
(6)メーデー等の取組みについて
 県警察から、第79回メーデー等の取組みについて報告があり、各団体の取組み概要、これに対する警察措置等の説明があった。
 公安委員から、
「恒例のことで大変だと思うが、よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(7)平成20年度警察官募集活動について
 県警察から、平成20年度の警察官募集活動の概要報告があり、大量退職、大量採用の時代を迎え、民間企業の雇用拡大及び少子化による就職適齢人口の減少等の影響により警察官の採用が厳しい情勢の中、リクルーター体制の拡充、大学に対する協力依頼、警察学校での説明会の開催、年頭視閲式を活用したリクルート活動など、優秀な人材を確保するための各種対策を強力に推進することや、平成21年度採用警察官の公示数及び試験日程等の説明があった。
 公安委員から
「採用警察官の公示数は、退職予定者数と同数なのか。退職予定者数が途中で増えた場合、中途採用を行うことがあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「公示数については現段階の試算であり、今後、退職者数が増えた場合、中途採用を行うのではなく、採用区分ごとに公示数の調整を行う。」
旨の説明があった。公安委員から
「是非、優秀な人材を確保できるようお願いしたい。」
旨の発言があった。
(8)福井県警察が行う会計の監査実施結果等について
 県警察から、福井県警察の行う監査に関する訓令に基づく平成19年度中の会計監査実施結果及び平成20年度会計監査実施計画の報告があり、平成19年度中の会計監査実施結果については、重点項目であった捜査費及び契約とも概ね適正に執行されており一部書類の記載誤り等に関し是正を指導した旨、また、平成20年度の会計監査実施計画については、捜査費及び旅費を重点項目に関係所属に対して監査を実施する旨の説明があった。併せて、平成19年度に警察庁が行った会計監査実施結果についても報告があった。
 各公安委員から、監査の概要等について確認があるとともに
「必要なものについて適切に執行するよう、管理監督をしっかりお願いしたい。」
旨の発言があった。
(9)第4四半期の監察結果について
県警察から、平成19年度第4四半期における警察庁長官が行った総合・随時監察及び中部管区警察局長が行った総合・随時監察並びに警察本部長が行った総合・特別監察の実施結果の報告があり、いずれの監察についても特に非違事案に直結するような指摘事項はなかった旨の説明があった。
 公安委員から、
「非違事案のことに関して、特に気を配られていることが分かった。今後も、警察の権威を保つ意味でも、その点よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。

2 個別的案件

〈審議事項〉

・ 異議申立ての審理について
 放置違反金の納付命令に対する異議申立(平成20年2月19日受理)について審議し、「却下する」旨の決定をするとともに、決定書(案)を決裁した。

3 運転免許の処分関係

本日(4月25日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

4 個別決裁

(1)警察本部長に対する情報公開請求の決定等について
 警察本部長に対する情報公開請求(4月8日付け)について、公開決定等の報告があり、これを了承した。
(2)交通事故に係る知事専決処分について
 平成19年11月及び12月に発生した警察職員による交通事故について、地方自治法等の法令に基づき、知事専決処分の手続を経て和解を図る方針である旨の報告があり、これを了承した。
(3)平成20年3月中の警察あて苦情の受理・処理状況について
 平成20年3月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況についての報告があり、これを了承した。
(4)自動車運転代行業の認定申請について
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(5)平成20年第4次交通規制の実施について
 合計48箇所の平成20年第4次交通規制を原案のとおり決裁した。
(6)県外特別派遣部隊の援助要求について
 原発警備に係る第89次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(7)公安委員会宛照会文書の回答について
 4月7日付けで受理した福井県公安委員会宛の日本弁護士連合会からの照会文書に対する回答案を決定した。
(8)公安委員会宛電子メールの対応について
 公安委員会宛電子メール(4月14日付け受理)の対応等について説明を受け、これを了承した。

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