開催日:平成20年8月7日

1 包括的案件

〈審議事項〉

(1)「自転車盗抑止総合対策」(案)
 県警察から、自転車盗の発生件数は毎年約1,500件と高水準で推移し、本年も6月末現在で686件(対前年比44件増加)と多発している現状に鑑み、今後、特に、福井県の将来を担う青少年の規範意識、自己防衛意識を向上させるための取組みが急務であり、このため、県、教育委員会、警察をはじめ関係機関・団体が力を結集し、統一メッセージの下、自転車盗を「させない、しない」という意識を県民に浸透させる総合的な対策を講じる旨の説明があり、審議の結果、次のとおり決定した。

  【自転車盗抑止総合対策】
   @ 関係機関・団体との連携
     ○ 関係機関・団体による緊急対策会議等
     ○ 防犯ボランティア団体による見回り活動の強化
   A 学校における対策
     ○ 学校駐輪場の実態調査
     ○ 生徒参加型の活動の促進
     ○ 規範意識の向上
     ○ 優良生徒会の表彰
   B 管理者による対策
     ○ 鍵かけ広報の実施
     ○ 巡回強化
     ○ 環境美化
   C 広報啓発
     ○ 各種広報媒体の活用
     ○ 各種月間の活用
 委員から、自転車盗の実態について確認があるとともに
「自転車盗の約6割が無施錠被害であることから、学校や教育委員会を通じ生徒に対して鍵かけを徹底することや、積極的に自転車盗被害防止等に取組んだ優良生徒会を表彰する施策は非常に良い施策だと思う。また、警察の取締りだけでなく生徒参加型の活動は、子ども達自身に主旨を理解していただく意味でも大変効果があると思う。」
旨の発言があり、県警察から、自転車盗被疑者の約8割が少年で占めている現状を踏まえ
「被疑少年の多くは自転車を盗むという意識よりも借りるという感覚が強いのだと思う。罪悪感がなく規範意識が欠如しているところに大きな問題点があると認識している。」
旨の説明があった。委員から
「駐輪場の環境美化を図ることが肝心だと思う。また、説明のとおり『ちょっと借りるだけ』という意識の者が多いのだから、駅等で実施している傘の無料貸し出しのように、自転車についても無料貸し出しできれば、自転車盗も減少するのではないか。」、「実施期間の選定理由について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「自転車の貸し出しについては、既に警察内部において検討したが、本来の目的である規範意識の向上には必ずしも結びつかず本末転倒になりかねないと考えている。」、「実施期間は学校の新学期に合わせており、9月から12月までの4ケ月間集中的に実施して刑法犯認知件数を6年連続で減少させることにチャレンジしたい。」
旨の説明があった。委員から
「まずは自転車に鍵をかけさせることが大事なことだと思う。例えば、学校の協力を得て駐輪場に鍵のかけていない自転車があれば、校内放送で注意してもらったり、防犯登録から持ち主を調べ直接個別に指導したりするなど、盗られないための工夫をする必要があると思う。また、自転車の鍵かけの重要性や自転車盗が犯罪であることを地道に啓蒙することが必要だと思う。」、「今日審議した総合対策に基づき、各施策を実施願いたい。」
旨の発言があった。

〈報告事項〉

(2)警察改革の推進状況
 県警察から、本年7月24日に警察庁が国家公安委員会に対して報告した警察改革の推進状況の主な内容について報告があった。
 また、本県における平成20年中の推進状況については来年2月、公安委員会に報告の上、検証を受ける旨の説明があった。

  【警察改革の推進状況】
   ○ 不祥事案の防止と幹部を始めとする職員の意識改革
   ○ 「警察改革要綱」の着実な実施と充実
   ○ 公安委員会の管理機能の一層の充実強化と警察改革の推進状況の不断の検証
   ○ 治安再生に向けた取組み
 委員から
「報告内容については了解した。なお、県警察における警察改革の推進について、公安委員会に助言、意見を求めるものがあれば、積極的に申し出ていただきたい。」
旨の発言があった。
(3)リュウピーネットの現況
 県警察から、地域における自主防犯活動に役立つ防犯情報や交通安全情報をリアルタイムに発信するため、平成16年9月から運用開始したリュウピーネットの現況報告があり、情報の発信件数(平成17〜18年中は150件程度であったが、平成19年中は277件、本年7月末で171件発信)、登録会員数(本年7月末で7,519件)、本年の発信情報の主な特徴(「子どもを犯罪から守る情報」が94件で最も多く、次いで「犯罪情報」が26件、「手配情報」が24件と続いていることなど)及びリュウピーネットによる効果(県民の自主防犯意識の向上、自主防犯パトロールの活性化、検挙情報の発信による県民の体感治安の向上)等について説明があった。
 また、県教育委員会との意見交換会で委員から指摘のあった、県教育委員会との情報の共有体制の強化については、県教育委員会からの不審者情報発信をリュウピーネットに一本化することで合意を得て、現在、具体的な要領等を協議中である旨の説明があった。
 委員から
「私もリュウピーネットに加入しているが、頻繁に情報が送信されてきており、犯罪につながるおそれのある声かけ事案等が日常茶飯事に発生していることを知って正直驚いている。」、「今後、リュウピーネット情報を見て、逆に模倣犯が増えることも予想されるので注意願いたい。」、「私も丹南ケーブルテレビを経由して情報を得ているが、かなりの量の情報が発信されていると承知している。よく老人の行方不明者情報が発信されてくるが、無事発見されたとの情報を受けると安堵する。今後、犯人逮捕の情報が多く入ることを期待している。」
旨の発言があった。また、委員から
「リュウピーネットの各種広報媒体との連携状況について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「各地区のケーブルテレビや学校、公民館等にも情報を発信し協力を得ている。」
旨の説明があった。委員から
「リュウピーネット情報を広く県民に知らせることが大切であり、色々と工夫して会員登録を促進していただきたい。」
旨の発言があり、県警察から
「現在、登録件数1万件を目標に、あらゆる機会を通じ広報に努めている。」
旨の説明があった。また、委員から
「県教育委員会からの情報がリュウピーネットに一本化され情報共有体制が強化されることで、更に声かけ事案等に対する連携が図られることを期待している。」
旨の発言があった。
(4)振り込め詐欺対策室会議の開催
 県警察から、本年8月6日に警察本部において振り込め詐欺対策室会議を開催した旨の報告があり、開催の趣旨(捜査活動や抑止活動を通じて分析した犯罪実態に関する情報を共有し、振り込め詐欺撲滅に向けたより効果的な諸対策を推進していくこと)、振り込め詐欺の発生状況(全国的に発生件数及び被害金額が増加)及び主な特徴(福井県の認知件数及び被害総額は全国で2番目に少ないことなど)等について説明があった。
 委員から
「外国からの振り込め詐欺があると聞いたことがある。」
旨の発言があり、県警察から
「振り込め詐欺は、主に首都圏からの犯行が多く、被害が広域にわたるため他県との合同捜査が必要となる。また、最近は、外国からの犯行もあるように捜査が難しくなってきている。」
旨の説明があった。委員から
「他県では振り込め詐欺防止のCMがあると聞いたことがある。」
旨の発言があり、県警察から
「福井県の振り込め詐欺被害が少ない要因に、被害に遭いにくい県民性があると思う。それを被害防止のための広報に活用することもできるのではないかと考えている。」
旨の説明があった。委員から
「被害者は、実に巧妙な犯行に騙されてしまうのだと思う。」
旨の発言があり、県警察から
「生々しい実際のやり取りを公表すれば注意を喚起できると思う。」
旨、説明し、委員から
「特徴ある犯行の手口やシナリオをできるだけPRして欲しい。」
旨の発言があった。委員から
「各金融機関では、警察からの要請を受けて振り込み詐欺の被害を防止するためにATM内で携帯電話を使用しないよう注意を喚起するなど全面的に協力している。」
旨の発言があった。
(5)地域交通安全活動推進委員の活動状況
 県警察から、県公安委員会が委嘱する地域交通安全活動推進委員の活動状況報告があり、地域交通安全活動推進委員制度の概要及び平成19年中の主な活動内容等について説明があった。
各委員から、制度の概要等について確認があるとともに
「同委員には、より多くの人に経験していただく必要があると思うので、今後は、その点を考慮して推薦していただきたい。」、「夜間に高齢者が自転車を無灯火で運転しているのが目立つので徹底して欲しい。」
旨の発言があった。
(6)第48回北陸三県警察学校対抗柔道・剣道大会の開催
 県警察から、本年8月11日に福井県立武道館において第48回北陸三県警察学校対抗柔道・剣道大会が開催される旨の報告があり、開催目的及び大会概要等について説明があった。
 委員から
「術科技術を向上し力強い警察官を育成するためには必要なことであり、誇りにもなると思う。是非、福井県での大会を盛り上げていただくとともに、今後も同大会の継続実施をお願いしたい。」
旨の発言があった。

2 運転免許の処分関係

 本日(8月7日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取等の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

3 個別決裁

(1)平成20年7月中の警察あて苦情の受理・処理状況について
 平成20年7月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況についての報告があり、これを了承した。
(2)自動車運転代行業の認定申請について
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(3)警察職員等の援助要求及び同意について
 第28回全国豊かな海づくり大会に伴う新潟県公安委員会からの警察職員の援助要求及びこれに対する援助同意について決裁した。
(4)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成20年7月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。

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