開催日:平成20年11月7日

1 包括的案件

〈報告事項〉

(1)振り込め詐欺撲滅強化推進期間(10月)の対策結果
 県警察から、『振り込め詐欺撲滅緊急対策』に基づく同強化推進期間(10月から12月までの3ケ月間)1ケ月間の取組結果報告があり、本年10月末における本県の振り込め詐欺被害状況(警察をはじめ各関係機関・団体が各施策に取り組んだことにより増加傾向にあった福井県の振り込め詐欺被害が10月中には減少に転じたことなど)、期間中の主な取組み施策、今後の対策等について説明があった。

  【振り込め詐欺被害状況】
   《1月〜10月》
      ○ 認知件数       50件(対前年比18件増加)
      ○ 被害金額 約6,960万円(対前年比約3,960万円増加)
   《うち10月中》
      ○ 認知件数        3件(対前年比2件減少)
      ○ 被害金額 約  240万円(対前年比約80万円減少)
 委員から
「10月中は、成果が上がり大変良かった。警察でATM設置箇所の集中警戒や広報啓発活動等を実施していただいているが、銀行でも行員が腕章をして警戒等にあたった。それでも騙される人がいるのが現状なので、引き続き被害者を出さないよう全体で対応していくしかない。」
旨の発言があった。また、委員から
「被害者の年齢層や性別について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「被害者は必ずしも高齢者とは限らず、手口によっても違う。たとえば融資保証金詐欺や架空請求詐欺は、比較的若い年齢層の被害者が多く、また、還付金等詐欺の場合は女性の被害者が多い。そして、若い人ほど被害を防止するのが難しいという面がある。」
旨の説明があった。委員から
「11月、12月についても引き続き成果が上がるよう、よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(2)自転車盗難防止等緊急対策の実施状況
 県警察から、本年9月から実施している『自転車盗難等緊急対策』の経過報告があり、本年10月末における自転車盗発生状況(警察をはじめ各関係機関・団体が取り組んでいる各施策の効果が顕著に現れ自転車盗発生件数が減少していることなど)、主な取組み施策、今後の方針等について説明があった。
 また、今月13日には、第2回自転車盗難防止等緊急対策会議を開催して、同緊急対策の中間推進状況について検証するとともに、効果のあった取り組みの紹介や意見交換により、関係機関・団体の連携を図る旨の説明があった。

  【自転車盗発生状況】
   《1月〜10月》
      ○ 認知件数  1,257件(対前年比7件減少)
   《うち9月〜10月中》
      ○ 認知件数    283件(対前年比32件減少)
 委員から
「教職員、生徒等が学校駐輪場での鍵掛けの実態調査を行ったということだが、福井市内だけで行ったのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「同調査は、県下の全高校で行ったもので、全体として鍵掛け率は相当よいことが判明した。今後は、100%を目指したい。」
旨の説明があった。委員から
「半数近く鍵を掛けていないと思っていたが、意外と鍵掛け率が高いことに感心した。」
旨の発言があり、県警察から
「調査時期が鍵掛けを呼び掛けた後に行っているので比較的高い鍵掛け率になったものと思われるが、鍵掛けが浸透してきている証拠であると認識している。」
旨の説明があった。委員から
「学校以外でも鍵を掛ける習慣をつけさせることが大切だと思う。引き続き同対策を推進して、刑法犯認知件数が減少することを期待している。」
旨の発言があった。
(3)狩猟期間における諸対策の推進
 県警察から、狩猟期間中(本年11月15日から来年2月15日までの間)に猟銃による事故を防止するための諸対策を推進する旨の報告があり、期間中のパトロール体制、取締重点、過去の事故発生状況、猟銃等所持者及び狩猟登録者の実態、当面の銃の安全管理対策等について説明があった。
 委員から
「パトロールの実施方法等について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「特に民家に近い河川等の猟場及びその周辺での重点パトロールを行い、公道上からの発射や民家に向けての発射など違法発射をしていないか、また、銃や実包を車両内に放置していないかなどについて確認する。」
旨の説明があった。また、委員から
「狩猟をする人は、狩猟禁止区域等の確認をどのように行っているのか。特に県外から狩猟に来る人は、狩猟禁止区域等の区別がつかないのではないか。」
旨の質疑があり、県警察から
「立て看板や県が発行している『鳥獣保護区等位置図』等で確認している。県外から狩猟に来る人は、福井県知事の狩猟登録を受ける必要があり、その際に狩猟禁止区域等について周知徹底している。」
旨の説明があった。委員から
「県警が作成した狩猟事故防止広報チラシ等をフルに活用して事故防止に努められたい。」
旨の発言があった。
(4)関西電力美浜線21号鉄塔倒壊による業務上過失致死傷被疑事件
 県警察から、本年9月15日に発生した関西電力美浜線21号鉄塔倒壊による業務上過失致死傷被疑事件(敦賀警察署に捜査本部を設置)の捜査経過報告があり、事故の概要及び事故原因究明に向けた今後の捜査方針等について説明があった。
 委員から、事故の概要等について確認があった。
(5)坂井市内の元産業廃棄物中間処理施設における火災の発生
 県警察から、本年10月25日に坂井市春江町地籍の元産業廃棄物中間処理施設で発生した火災の概要報告があり、施設等の被害状況、交通機関への影響、今後の捜査方針等について説明があった。
 各委員から、火災概要等について確認があるとともに
「原因究明をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(6)鯖江市内のゲームセンターにおける強盗事件の検挙
 県警察から、平成19年8月19日に鯖江市内のゲームセンターで発生した強盗事件は、その後の捜査により本年10月27日に被疑者2名を逮捕した旨の報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
 委員から、事件の概要等について確認があった。
(7)広域車上ねらい事件の検挙
 県警察から、本年5月30日に美浜町で発生した車上狙い事件の被害品(クレジットカード)を使用して金券を詐取した被疑者を6月25日に詐欺罪で逮捕し、その後の長野県警との共同捜査により、3管区8府県下における広域車上ねらい事件等約500件(被害総額530万円相当)を検挙し、更に捜査中である旨の報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
 各委員から、事件の概要等について確認があった。
(8)町役場職員に対する恐喝事件の検挙
 県警察から、本年10月22日に南越前町役場職員から現金を脅し取った行政対象暴力事案の被疑者を逮捕した旨の報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
 また、今回の事件を受けて、南越前町及び越前市に対して「行政対象暴力への対応要領」等について暴力排除講習会を開催するとともに、各自治体に整備されている不当要求排除要綱に基づく不当要求防止委員会制度が機能していなかったことを重く受け止め、今後、事件の背景や動機、問題点等を分析してその結果を暴力排除活動に反映させ、行政機関に対する不当要求行為が絶無となるよう努力する旨の説明があった。
 委員から、事件の概要等について確認があるとともに
「組織で対応していれば、何ら問題がなかったと思うが、残念である。今後も、行政に対する指導をしっかりお願いしたい。」
旨の発言があった。
(9)県内過去最高の大麻を押収
 県警察から、本年9月25日に福井市内で大麻等を自己栽培し所持していた夫婦を逮捕するとともに、約1.2キログラム(県内過去最高)の大麻等を押収した旨の報告があり、大麻事案の現状、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
 各委員から、事件の概要等について確認があるとともに
「大麻の規制について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「大麻の所持は規制対象となるが、大麻の吸引は罪にはならない。また、種子と茎は規制対象外となる。これは、かつて日本が繊維産業において大麻の栽培を奨励していた時期があり、栽培をする人の体内に自然に入ってしまうので、このような規制になったようである。」
旨の説明があった。委員から
「大麻については社会問題化しており、全体的な見直しが必要だと思う。」、「あまり罪の意識がないところに問題がある。」
旨の発言があった。
(10)暴力団幹部の変死事案
 県警察から、福井市内において暴力団幹部の変死事案が発生した旨の口頭報告があり、事案概要、今後の捜査方針等について説明があった。
(11)全国初、新開発『光る毛糸』で夜間の交通事故防止
 県警察から、夜間の歩行者や自転車利用者の交通事故防止に役立てることを目的に、全国で初めて、新開発の『光る毛糸』を使用した編み物教室等により交通安全広報に努めている旨の報告があり、当県の夜間における交通死亡事故の実態(運転者の前方不注視による事故が全体の約8割を占め、また、被害者は、反射材を付けておらずほとんどの人が黒っぽい服装であったことなど)、光る毛糸の開発に至った経緯(夜間外出時には、視認性に優れた反射機能のあるものを着用することが交通事故防止上大切であるとの考えから、反射材の有効な活用方法等について模索し、地元反射材メーカーに提案したところ、編み物用の『光る毛糸』の開発に至った)、マスコミや全国の反響、今後の方針(交通安全イベントや編み物教室等において製品の活用を促し交通事故防止に努める)等について説明があった。
 また、各委員は、編み物教室で『光る毛糸』を使用して製作したマフラーや帽子等の視認性を実際に暗闇で光をあてて確認した。
 委員から
「視認性があるので効果があると思う。福井発の安全な反射材が交通事故の減少に少しでも役立てれば大変に良いことだと思う。」
旨の発言があった。

2 運転免許の処分関係

本日(11月7日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

3 個別決裁

(1)警察本部長に対する情報公開請求の決定等
 警察本部長に対する情報公開請求(10月10日付け)について、公開決定等の報告があり、これを了承した。
(2)警察職員等の援助要求及び同意
 第11回全国農業担い手サミットに伴う三重県公安委員会からの警察職員等の援助要求及びこれに対する援助同意について決裁した。
(3)風俗営業者に対する行政処分に係る聴聞の実施
 福井市内の風俗営業に係る行政処分(営業取消処分)について、被処分者に対する聴聞を原案のとおり実施することを決裁した。
(4)自動車運転代行業の認定申請
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(5)地域交通安全活動推進委員の辞職承認
 平成20年9月30日付けで越前地域交通安全活動推進委員から辞職願いが提出されたことについて報告を受け、解嘱することを承認した。
(6)福井県公安委員会規則の一部改正
 公益法人制度改革関連三法の施行に伴う福井県公安委員会規則の一部改正について報告があり、これを決裁した。
(7)一般国道8号敦賀バイパス供用開始に伴う交通規制の実施
 一般国道8号敦賀バイパスの供用開始(平成20年11月15日施行)に伴う交通規制を原案のとおり決裁した。
(8)県外特別派遣部隊の援助要求
 原発警備に係る第95次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(9)公安委員会宛苦情の対応
 福井県公安委員会宛の苦情申出(8月26日付け受理)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

4 防衛白書の説明

自衛隊福井地方協力本部長から、「平成20年版防衛白書」の説明等を受けた。

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