開催日:平成20年11月21日

1 個別的案件

〈報告事項〉

・ 処分実施の報告
 県警察から、不正給油を行った警察官に対して、懲戒処分(停職3月)を実施した旨、口頭報告があった。

2 包括的案件

〈審議事項〉

(1)新公益法人制度に係る協議対応
 県警察から、本年12月1日から民法による公益法人制度が廃止され、これに替わる公益法人制度改革3法の施行により新公益法人制度が運用開始されることに伴い、知事の権限に属する公益法人関係事務を警察本部長に補助執行させることについて知事から公安委員会に対して協議の申し入れがあり、県警察の考えとしては、仮に警察本部長が同事務を補助執行した場合、新公益法人制度においては公安委員会関係の事業を行う法人の申請、変更及び取消処分等に係る事務が『公益認定等委員会』の答申に縛られることとなるので、警察の裁量権の入り込む余地がなく公益法人制度改革の本来の趣旨に反しないこと、また、当該法人の運営と警察行政との整合性を保持し相互の連携を確保する上において、事業内容を一番知り得た警察で処理することが最も適当であることから、従来どおり同事務を警察本部長が補助執行することについて問題がない旨説明し、審議の結果、同申し入れに同意することを決定した。
 各委員から、新公益法人制度の概要等について確認があり、県警察から
「従来の公益法人制度の問題点としては、法人の監督事務が、各主務官庁の裁量権に委ねられていたために基準にばらつきがあったが、新公益法人制度では、基準が明確に定められているなど各主務官庁の裁量権の入り込む余地がなくなった。従って、警察本部長の行う補助執行についても、裁量権の及ばない事務的なものとなる。」、「公益認定等委員会の委員には、弁護士や公認会計士等5名が知事から委嘱されている。そして、公益法人に係る処分等の監督事務は同委員会の判断により決定し、同委員会からの答申に従わなければならない。」
旨、説明するとともに、各関係機関及び全国の対応状況、並びに既存の公安委員会関係法人の今後の動向等について併せて説明があった。
 委員から
「公安委員会として知事からの協議内容に合意することで回答願いたい。」
旨の発言があった。

〈報告事項〉

(2)留置業務競技会の開催結果
 県警察から、本年11月13日に開催した留置業務競技会の結果報告があり、開催目的(留置実務の技能向上と士気の高揚を図り、適正な留置業務を推進)、競技概要(総合留置施設及び委託留置施設の2グループに分けて、各署1チーム・3名編成で知識及び技能の総合評価)及び競技結果(第1位〜あわら署・坂井署、第2位〜福井署・永平寺署)等について説明があった。
 また、同競技会を通じて、各警察署の留置担当官が、互いの実技競技を確認し合うことで、適正かつ基本に徹した留置業務の重要性等を再認識し、留置事故防止の意識向上に資する競技会となった旨の説明があった。
 委員から
「実技競技には、いろいろな想定が考えられるが、今回の想定を選んだ理由は何か。」
旨の質疑があり、県警察から
「留置事故は、被留置者が外に出たときに最も危険性が高まることから、今回の想定を被留置者の検事調べの際の護送要領とした。」
旨の説明があった。委員から
「留置施設を視察した際、留置担当官の発する大号令等を目のあたりにして厳正な規律に驚いた覚えがある。」
旨の発言があり、県警察から
「留置担当官の中には女性警察官もいるが、厳正な規律が自然と身につくものである。」
旨の説明があった。委員から
「今後も、このような競技会を通じて、勤務の重要性を再認識し、事故のないようお願いしたい。」、「同競技会の実施状況を警察学校の初任科生にも見学させれば生きた教養になると思うので、検討願いたい。」
旨の発言があった。
(3)出会い系サイトの概要
 県警察から、11月14日の移動公安委員会において委員から質疑のあった出会い系サイトの概要報告があり、出会い系サイト利用犯罪の現状(出会い系サイトに関係した事件の被害者の多くは中・高校生の女子であること、被害児童のアクセス手段の96.5%が携帯電話であることなど)、本年12月1日に施行される改正出会い系サイト規制法の概要(事業者に対する規制強化内容及び児童による利用防止措置強化内容等)、今後の方針等について説明があった。
 また、各委員は、実際にインターネットで出会い系サイトにアクセスした場合のシステムの状況確認を行った。
 委員から
「出会い系サイトには、無料のサイトもあるということだが、なぜ無料になるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「同サイトには広告を出しているので、アクセス件数が多いサイトは無料でも営業できる。」
旨の説明があった。委員から
「今後、どれくらいの事業者の届出が予想されるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「福井県内では今のところ把握できていない。」
旨の説明があった。また、委員から
「公安委員会の監督権限等について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「公安委員会が事業の届出を受けた場合には、欠格事由に該当しないか確認して不適格事業者を排除するとともに、届出後も事業者に対し報告又は資料の提出、指示、事業停止命令、事業廃止命令等を行うことができる。」、「事業者等に対する罰則規定があるので、基本的には違法なサイトがなくなるはずである。」
旨の説明があった。委員から
「これだけ多いとチェックするのが大変だと思う。」、「改正法施行後の対応をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)年末・年始における総合的警察活動の推進
 県警察から、年末に発生が危惧される金融機関等に対する強盗や振り込め詐欺を防止するために、金融機関等への立ち寄りの強化及び防犯体制の指導を行うとともに、雑踏事故防止のための施設関係の指導、あるいは交通死亡事故抑止のための取締りを強化するなど、年末・年始における総合的警察活動を推進する旨の報告があり、主な対策、推進期間(平成20年12月1日から平成21年1月15日までの間)、12月12日に実施予定の県下一斉警戒日の概要(知事、公安委員会委員長等による激励など)等について説明があった
 委員から、県下一斉警戒日の概要等について確認があった。
(5)交通事故・事件における逮捕状況
 県警察から、当県における本年10月末での交通事故・事件の逮捕状況報告があり、本年の特徴点(飲酒絡みの逮捕件数やひき逃げ事件が減少したこと)及びその原因(平成19年9月に施行された道路交通法の一部改正により飲酒運転やひき逃げの罰則が強化されたこと)等について説明があった。
 また、現在、飲酒運転取締強化月間を推進中であるが、年末になると飲酒の機会が多くなることから、引き続き、年末まで飲酒運転取締りを実施する旨の説明があった。
 委員から
「飲酒絡みの事故・事件が減少していることについては大変良い結果だと思う。しかし、他県では凶悪な飲酒ひき逃げ事件が発生しており、本県においても油断はできない。」、「本年の逮捕件数65件の中には同乗罪等は含まれているのか。」
旨の質疑等があり、県警察から
「いわゆる周辺3罪といわれる同乗罪、酒類提供罪、車両等提供罪は、8件であった。」
旨の説明があった。委員から
「二日酔いでの朝の事故は多いのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「運送会社の二日酔いに関係する報道が強くなったこともあって、以前よりかなり減少した。」
旨、説明し、委員から
「タクシー運転手から聞いた話だが、毎朝二日酔いでないかチェックされているとのことであった。」
旨の発言があった。また、委員から
「未解決事件はあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「今年に入り2件のひき逃げ死亡事故を現在捜査中である。」、「大阪の事件を見ても分かるように、罰則の強化が逆に逃げる原因の一つにもなっていて、大変難しい面がある。」
旨、説明し、委員から
「これだけは逃げ得を許してはいけない。まだ、年末まで安心できないので、引き続きよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(6)元厚生省事務次官ら連続殺傷事件に伴う対応
 県警察から、本年11月18日に埼玉県で発生した元厚生省事務次官ら連続殺傷事件に伴う当面の警察の対応等について口頭説明があった。
 委員から
「福井県内には、元次官はいるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「元幹部はいないが、当分の間は、関係施設等に対する警戒及び連携強化を図って行く。」
旨の説明があった。委員から
「年末になり業務多忙な時期で大変ではあるが、よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(7)全国警察けん銃射撃競技大会の結果
 県警察から、本年11月18日に警視庁術科センターで開催された全国警察けん銃射撃競技大会において、本県から出場した機動隊の高木淳警部補が個人戦の私服警察官けん銃の部において優勝した旨の報告があり、大会概要、競技方法、過去の実績等について説明があった。
 委員から、大会概要等について確認があり、県警察から
「本県では、過去にも現在の学校長が全国優勝するなど歴史的にも伝統がある。」
旨の説明があった。委員から
「大変、嬉しい報告である。本人にもよろしく伝えて欲しい。」
旨の発言があった。

3 運転免許の処分関係

本日(11月21日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

4 業務説明

・ 警察署再編に係る業務進捗状況
 県警察から、警察署再編に係る業務進捗状況報告があり、永平寺警察署との再編を考慮した第2次警察署再編プラン(案)により所要の業務を推進する旨の説明があった。

5 個別決裁

(1)警察本部長に対する情報公開請求の決定等
 警察本部長に対する情報公開請求(10月28日付け)について、公開決定等の報告があり、これを了承した。
(2)福井県警察の組織等に関する規則の一部改正
 公益法人制度改革関連三法及びオウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律の施行に伴い、福井県警察の組織等に関する規則を一部改正することについて報告があり、これを決裁した。
(3)「犯罪被害者等の支援に関する指針」の制定
 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく「犯罪被害者等支援に関する指針」が告示されたことについて報告があり、これを了承した。
(4)オウム真理教犯罪被害者等給付金支給「審査基準」の作成
 オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律及び同施行規則の施行に伴い「審査基準」を設定することについて報告があり、これを決裁した。
(5)平成20年10月中の警察あて苦情の受理・処理状況
 平成20年10月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況について報告があり、これを了承した。
(6)風俗営業者に対する行政処分に係る聴聞の実施
 福井市内の風俗営業に係る行政処分(営業取消処分)について、被処分者に対する聴聞を原案のとおり実施することを決裁した。
(7)処分基準の改定
 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い「処分基準」を新設することについて報告があり、これを決裁した。
(8)自動車運転代行業の認定申請
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(9)平成20年第11次交通規制の実施
 合計76箇所の平成20年第11次交通規制を原案のとおり決裁した。
(10)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成20年10月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。
(11)県外特別派遣部隊援助要求の同意
 原発警備に係る第94次県外特別派遣部隊の援助同意を受け、これを決裁した。

公安委員会の開催概要(〜平成20年〜)へ
前回(平成20年11月14日)へ
次回(平成20年12月5日)へ