開催日:平成21年4月24日
1 包括的案件
〈審議事項〉
(1)「安全・安心ふくい」実現プランの策定
県警察から、『安全・安心ふくい』実現プラン(案)の策定趣旨について「本県における刑法犯認知件数は、平成15年以降6年連続で減少し、刑法犯検挙率も全国上位を維持するなど指数治安の回復傾向を維持したが、昨年実施した県民アンケートの結果を見ると、多くの県民は、治安が良いと感じてはいるものの、子どもに対する声かけ事案や住宅侵入犯罪、街頭犯罪など身近で発生し得る犯罪に不安を感じていることから、治安向上の実感を一層高めることが求められている。このため、県、県公安委員会、県警察が共同で策定した『福井治安向上プラン』をより発展させた新プランを策定し、同プランに基づく施策・事業を強力に推進して指数治安の回復傾向を維持するととともに、県民の不安を払拭し体感治安の向上を目指す。」旨説明し、審議の結果、同プランに掲げる次の基本目標及び取組項目について2年を目途に取組むことを決定した。
また、4月28日に知事と警察本部長が記者会見し、決定した同プランを県民に公表する旨の説明があった。
【基本目標】
@ 県民が不安を感じる犯罪等の取締りを強化するとともに、子ども、女性を犯罪被害から守るやさしいまちづくりの推進
A スロードライブの推進とともに、高齢者の交通事故防止、飲酒運転根絶対策を強力に推進し、交通事故の減少を目指す
B 治安情勢の変化に的確に対応するため、若い世代の早期戦力化を一層強化するなど、力強く頼もしい警察を確立
C みんなで力を合わせ、地域ぐるみで安全安心な福井の実現を目指す
【取組項目】
@ 子ども、女性を守るまちづくりの推進(5項目22施策)
A 県民が不安を感じる犯罪や災害等への対応(7項目32施策)
B 地域住民との連携の強化(3項目7施策)
C 交通事故のない社会の実現(3項目20施策)
D 力強く頼もしい警察の確立(5項目9施策)
委員から
「今後、県民アンケートで施策等の効果検証を行う際には、新プランに掲げた各施策について県民が認識しているかを問えば、施策が更に浸透すると思うので配慮願いたい。」
旨の発言があった。また、委員から
「一般道路の最高速度が引き上げられる動きがあるようだが、新プランに掲げる『スロードライブの推進』との整合性はとれるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「規制速度の引き上げについては、現在、検討段階にあるのは事実であるが、道路環境は一律ではなく、必ずしも全ての一般道路が引き上げられるとは限らない。また、スロードライブを推進する趣旨は、速度の出し過ぎによる事故が多いため、法定速度の範囲内まで走行速度を抑えようとするものであり、例えば、法定速度60キロ規制の道路を30キロ走行に規制するということではない。」
と説明し、委員から
「本来は観光地をゆっくり回ってもらうという意味でスロードライブという言葉を使用するようになったと思うのだが、誤った受け取り方をする者もいると思うので留意願いたい。」
旨の意見があった。委員から
「県民の体感治安の向上と指数治安の回復傾向を維持するため、同プランに基づき各施策を実施願いたい。」
旨の発言があった。
〈報告事項〉
(2)偽ブランド商品の販売店主らを商標法違反で現行犯逮捕
県警察から、本部生活環境課及び福井警察署の合同捜査により、海外有名ブランド「ルイ ヴィトン」の偽造品を販売目的で店に陳列していた経営者ら2人を商標法違反で現行犯逮捕した旨の報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
委員から、事件概要等について確認があった。
(3)「光」と「音」によるパトロールの実施と出発式
県警察から、重大事案に発展するおそれのある声かけ事案等を抑止する目的で、本年4月27日から「光」と「音」によるパトロール事業を実施することについて報告があり、同事業は、県内5箇所のモデル地区において、委託された各市町のシルバー人材センターの会員が2人1組で青色夜光チョッキと青色停止灯を装備し、NHK連続テレビ小説の「ちりとてちん」のテーマ曲をバックに犯罪防止広報のアナウンスを流しながら徒歩でパトロールを実施するもので、事案発生の多い午後5時から午後8時までの間に警察署と連携してパトロールを実施することで付近住民の注意喚起と犯罪抑止に効果が期待できる旨の説明があった。
また、各委員は、パトロールで使用する資機材等の使用方法や「光」と「音」による効果等を実演を通じて確認した。
委員から
「帽子は着用しないのか。」、「パトロールの要領や受傷事故防止対策等は指導しないのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「同資機材は、共同で使用することを前提としており、帽子については、サイズや衛生上等の問題もあって作製しなかった。」、「パトロールの方法等について事前の研修を行った。」
と説明し、委員から
「パトロールをする人が事故等に遭わないように指導願いたい。」
旨の発言があった。委員から
「「光」と「音」によるパトロールは、犯罪の抑止に大いに期待が持てる。」
旨の発言があった。
(4)小型警ら車(ミニパト)に対する識別標識の表示
県警察から、各種事件事故等の発生の際に警察用航空機と小型警ら車が空陸一体となった緊密な連携が図れるよう、本年5月1日から小型警ら車の天井部に識別標識を表示するとの報告があり、使用される識別標識記号と表示方法、上空からの視認検証結果及び警察用航空機と警ら用無線自動車との連携による検挙事例等について説明があった。
委員から
「天井標識は、記号と色を変えて車を識別するとのことであるが、上空から容易に識別できるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「車両の天井部が狭く1文字しか表示できないが、色の識別は容易で、記号と色の組み合わせにより十分識別できる。」
旨の説明があった。
(5)暴力団の現状と対策
県警察から、暴力団の現状と対策について報告があり、全国及び県内の暴力団勢力や暴力団犯罪の取締り状況等の説明のほか、今後も暴力団壊滅に向けた各種対策を強力に推進する旨の説明があった。
各委員から、暴力団の現状等について確認があるとともに、
「警察署との連携による取締り体制の強化をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(6)春の交通安全県民運動の実施結果
県警察から、本年4月6日から同15日までの10日間の日程で行われた春の交通安全県民運動の実施結果報告があり、運動期間中の交通事故発生状況、事故増加の主な要因と特徴点、交通取締り状況、特異・強制事件の捜査状況及び期間中に実施した主なイベント等について説明があった。
【運動期間中の主な交通事故発生状況】
○ 総事故件数 650件(対前年比86件増加)
○ 人身事故件数105件(対前年比11件増加)
○ 死者数0人(対前年比1人減少)〜平成13年以来8年ぶり
○ 負傷者数126人(対前年比23人増加)
(7)メーデー等の取組み
県警察から、第80回メーデー等における各団体の取組み概要と警察措置等について報告があった。
委員から
「所要の体制で警戒措置をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(8)福井県警察初動警察強化推進委員会の設置及び初動警察刷新強化の推進
県警察から、近年の無差別殺傷事件の相次ぐ発生や突発大規模災害の発生等に伴う警察事象の多様化・スピード化に対応するため、本年3月3日に「福井県警察初動警察強化推進委員会」を設置し、初動警察刷新強化の取組みを部門横断的に推進するとの報告があり、今後、同委員会ワーキンググループを中心に、特に、初動警察活動の要となる通信指令機能の強化や人材育成等の各施策を重点的に推進するとともに、委員会や幹事会において各施策の進捗状況等の検証を行っていく旨の説明があった。
委員から
「通信指令室長の職の格上げを図らなければ、初動警察の強化にはならないのではないか。」
旨の質疑があり、県警察から
「今回の定期異動で通信指令室長を管理官級に格上げしたところであるが、委員ご指摘のとおり、更に指揮権を強化すべきかについては、全国の状況等を勘案しながら検討していきたい。」
旨の説明があった。委員から
「通信指令が適正に機能するよう体制強化を含め十分に検討願いたい。」
旨の発言があった。
(9)福井県警察が行う会計の監査実施結果等
県警察から、福井県警察の行う会計の監査に関する訓令に基づく平成20年度中の会計監査実施結果及び平成21年度会計監査実施計画の報告があり、平成20年度中の会計監査実施結果については、重点項目であった捜査費及び旅費ともに概ね適正に執行されていたものの一部書類の記載誤り等に関し是正を指導した旨、また、平成21年度の会計監査実施計画については、捜査費及び契約を重点項目として関係所属に対して監査を実施する旨の説明があった。
委員から
「捜査費や旅費の執行に関し、実務担当者だけに任せているようなことはないのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「必ず責任者である上司まで報告を徹底させるなど、組織のチェックシステムは整っている。」
旨の説明があった。
(10)平成20年度第4四半期監察結果
県警察から、平成20年度第4四半期における警察庁長官が行った総合・随時監察及び中部管区警察局長が行った総合・随時監察並びに警察本部長が行った総合監察の実施結果報告があり、いずれの監察についても特に非違事案に直結するような指摘事項はなかった旨の説明があった。
委員から
「引き続き厳正な監察を実施願いたい。」
旨の発言があった。
2 運転免許の処分関係
本日(4月24日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。
3 個別決裁
(1)「安全・安心ふくい」実現プランの策定本日の包括的案件で審議した「安全・安心ふくい」実現プラン(案)について、原案のとおり決裁した。(2)定期監査結果に基づく措置の報告本年2月6日付けで福井県監査委員より報告のあった定期監査における指摘事項に関する措置結果報告について、原案のとおり決裁した。
(3)運転免許取消処分に対する異議申立て平成21年3月に運転免許の取消処分を受けた者から、運転免許の取消処分に対する異議申立書の提出があり、これを受理した旨の報告を受け了承した。
(4)平成21年3月中の警察あて苦情の受理・処理状況平成21年3月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況について報告があり、これを了承した。(5)平成21年第4次交通規制の実施合計67箇所の平成21年第4次交通規制を原案のとおり決裁した。
(6)福井駅西口交通広場等の交通規制平成21年4月29日から30日にかけて供用開始予定の福井駅西口交通広場、福井駅西口交差点及び福井駅前交差点、並びに廃止予定の福井駅前広場、JR福井駅北口交差点及びJR福井駅南口交差点の交通規制を原案のとおり決裁した。
(7)自転車防犯登録業務にかかる事項の変更承認の届出福井県自転車軽自動車商協同組合から登録業務にかかる事項の変更承認の届出があり、これを受理した旨の報告を受け了承した。
(8)公安委員会宛電子メールの対応公安委員会宛電子メール(4月10日及び4月14日付け受理)の対応等について説明を受け、これを決裁した。
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