開催日:平成21年7月10日(移動公安委員会〜機動隊)

1 庁舎内視察

機動隊長の案内により庁舎内の視察を行い、勤務員を激励した。

2 機動隊の概況報告

 県警察から、機動隊の事務概況報告があり、隊発足の経緯、体制、機能別部隊編成及び活動内容、近年の出動状況、重点取組事項、各種特殊車両や特殊装備の保有状況、その他平成23年完成予定の新庁舎の概要等について説明があった。
 委員から
「機能別の部隊は、各隊員が兼務しているのか。」、「近年、犯罪捜査の面で他県との連携が必要になってきているが、訓練も他県と連携しているのか。」
等の質疑があり、県警察から
「一人の隊員が複数の機能別部隊を兼務している。」、「北陸三県や中部管区内での合同訓練あるいは専門的技能に優れた大規模県との合同訓練を実施している。」
旨の説明があった。また、委員から
「隊員の年齢制限はあるのか。」、「隊員にはどのような警察官が選抜されるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「隊員は、体力面を考慮し、概ね20歳代が中心となっている。」、「隊員は部隊活動のほか、柔・剣道などの特練生を兼ねていることから、武道等に優れた警察官が選抜されている。」、「機動隊は特殊な訓練や活動を行う関係上、隊員の生命を守るために、指揮する幹部には機動隊経験者を配置している。」
旨の説明があった。委員から
「日々の訓練等で大変だと思うが、今後の活躍を大いに期待している。」、「大規模災害発生に伴う活動など、ますます機動隊に対する県民の期待と要望が高まっていくと思う。」
旨の発言があった。

3 包括的案件

〈報告事項〉

(1)福井治安アカデミー演劇祭の開催
 県警察から、本年7月20日に福井市内の響きのホールで開催される『福井治安アカデミー演劇祭(BOUHANシアター)』の概要報告があり、福井県内における自転車盗被害の特徴は、毎年約1,500件前後の高い水準で発生しており、その中でも特に高校生の被害や無施錠被害が多いことから、高校生を重点とした青少年の自転車盗難に対する被害防止意識と規範意識の高揚を図る対策を講じる必要があること、また、同演劇祭は、県内高等学校から選抜された演劇部が自転車盗や万引きなどをテーマとした創作劇を高校生自らが企画・上演して防犯意識の高揚を訴えることなど、同演劇祭を開催するに至った経緯、目的及び開催内容等について説明があった。
 委員から
「創作劇のテーマは、統一されているのか。」、「演劇祭の上演にかかる経費等について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「テーマは各学校に一任しているが、基本的には自転車盗か万引きに関して生徒の規範意識を高揚するための内容でお願いしている。」、「広報用ポスターやチラシの作成、会場借上げ料、照明設備、道具類、表彰の副賞など、演劇祭の開催にかかる一切の経費は、県内の防犯関係団体等からの協賛によるもので、司会・進行などの運営は全て高校生が自主的に企画する。」
旨の説明があった。委員から
「『福井治安アカデミー演劇祭』という名称及び企画は、インパクトがありすばらしい。関連高校の生徒のほか中学生など、たくさんの人が見に行くのではないかと思う。」、「大変良いアイデアだと思う。今後の励みになるよう、参加校に対する賞揚等に配慮願いたい。」
旨の発言があった。
(2)平成21年上半期の少年非行の概要
 県警察から、平成21年上半期の少年非行の概要報告があり、非行少年等の補導状況と主な非行の特徴点、少年の非行防止及び健全育成を図るための今後の取組施策等について説明があった。
 委員から
「少年による万引きが増えているとのことであるが、規範意識が稀薄化しているのではないかと思う。引き続き少年の非行防止活動と健全育成活動を推進願いたい。」
旨の発言があった。
(3)平成21年6月末における刑法犯認知・検挙状況
 県警察から、平成21年6月末の刑法犯認知・検挙状況報告があり、罪種別、手口別、警察署別の主な特徴点等について説明があった。

  【平成21年6月末の刑法犯】

    ○ 認知件数 3,135件(対前年比199件減少)
   ○ 検挙件数 1,441件(対前年比12件減少)
   ○ 検挙率    46.0%(対前年比2.4%増加)
   ○ 検挙人員   718人(対前年比87人減少)
   ○ 逮捕人員   216人(対前年比18人増加)
 委員から
「県内における振り込め詐欺被害は減少傾向にあるが、県警では振り込め詐欺の被害抑止と犯人逮捕を一層強化するため、振り込め詐欺撲滅対策本部を設置した。他県においても同様の体制で取り組んでいるのか。」
旨の質疑等があり、県警察から
「各県でも同様の体制で取り組んでいるが、当県の体制の特徴として、その外、本部だけではなく各警察署レベルでも関係機関・団体と連携したネットワークを新たに構築し取組みを強化している。」
旨説明し、委員から
「振り込め詐欺撲滅の成果が上がることを期待している。」
との発言があった。また、委員から
「刑法犯の検挙率が更に向上するよう頑張って欲しい。」
旨の発言があり、県警察から
「福井県の刑法犯検挙率は全国で5番目に高い数値を示しているが、委員ご指摘のように今後も更に検挙率の向上に努める。」
旨の説明があった。委員から
「下半期も実績向上に向け引き続きお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)検視体制の充実・強化
 県警察から、本年3月の組織改編で一層緻密かつ適正な死体取扱業務を推進するために強化された検視体制の現況報告があり、検視の目的、体制、活動内容及び体制強化後の活動実績等について説明があった。
 委員から
「検視係はどのような勤務体制か。」、「検視官の現場臨場率が昨年同期と比較して倍以上になったということであるが、検視官が現場臨場しない場合もあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「検視係は、基本的には、朝6時30分から夜10時までの間、3班6名体制による時差勤務を行っている。また、夜10時から朝6時30分までの間は、総合当直からの招集に対応している。」、「明らかに犯罪性のない死体は、警察署で検視を行っているので、検視官が現場臨場しない場合もある。」
旨の説明があった。委員から
「検視体制を強化した成果が表れているようであり、引き続き実績向上に努められたい。」
旨の発言があった。
(5)次世代安全運転支援システム(DSSS)事業
 県警察から、次世代安全運転支援システム(DSSS)事業の概要報告があり、同システムは、カーブの前方等、ドライバーの視認困難な場所の交通状況を路側に設置した車両感知器から通行車両に伝えることにより、ドライバーの認知・判断の遅れ等による出会い頭事故や追突事故等を未然に防止することを目的としており、県内では、出会い頭衝突防止・一時停止規制見落とし防止支援システム3箇所、追突防止・信号見落とし防止支援システム2箇所の計5箇所について、現在整備箇所を精査中であり、平成22年度から運用開始予定である旨の説明があった。
 各委員から、システム概要等について確認があるとともに、
「同システムに対応できる専用のカーナビを装備しなければならないことから、普及には時間がかかるのではないか。」、「システムの設置箇所は、どのように選定するのか。」
旨の質疑等があり、県警察から
「現段階でのシステムに対応できるカーナビの搭載率は5%に満たないようであるが、今後、徐々に普及していくと思われる。」、「整備箇所は、交通事故の発生状況等を勘案し、見通しの悪いカーブや坂道において一定の基準を満たした場所に設置することとしている。」
旨の説明があった。委員から
「次世代対応カーナビの普及に努める必要があると思う。」
旨の発言があった。
(6)北朝鮮の弾道ミサイル発射等に伴う県警察の対応
 県警察から、本年7月4日に北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたことに係る福井県警察の対応状況等について報告があった。
 各委員から、警察の対応状況等について確認があるとともに、
「北朝鮮の動向については読み切れない部分が多いと思うが今後も情報収集等に努めて欲しい。」、「有事の際の自衛隊との連携も考慮する必要がある。」、「原子力発電所を多数抱えている福井県の特殊性から、有事における即応態勢の維持をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(7)新型インフルエンザの県内発生に伴う警察措置
 県警察から、本年7月5日、初めて県内で新型インフルエンザが発生し、7月8日には2人目が発症したこと、また、発生に伴う警察措置及び今後の対応等について報告があった。
 委員から
「今回の新型インフルエンザの特徴として潜伏期間が長いようであるが、毒性が低いので季節性のインフルエンザよりも死亡率が低く、通常の処置で対応できている。」、「今後の対応をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。

4 運転免許の処分関係

 本日(7月10日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取等の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決裁した。

5 個別決裁

・ 集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成21年6月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。

6 訓練視察

 機動隊員(爆発物処理隊)による爆発物処理訓練を視察した。

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