開催日:平成21年9月4日

1 包括的案件

〈審議事項〉

(1)犯罪被害者等早期援助団体の指定(案)
 県警察から、本年8月10日付け、公益社団法人『福井被害者支援センター』からの犯罪被害者等早期援助団体の指定申請を受けて、「民間の被害者支援団体が被害者支援の事業を円滑に実施するためには、公安委員会の犯罪被害者等早期援助団体の指定を受け、公的認証を得、社会的信用を高める必要がある。また、早期援助団体として指定されることにより、被害者等の同意の下で警察から同団体への被害情報の提供が可能となるため、犯罪被害者等は被害に遭った早い段階から安心して適確な援助を受けることができる。同団体の実施事業としては、犯罪被害者等支援の必要性に関する広報活動及び啓発活動、犯罪被害等に関する相談、犯罪被害者等給付金の裁定の申請補助及び物品の供与又は貸与、役務の提供その他の方法による犯罪被害者等の援助がある。申請法人の『福井被害者支援センター』は、非営利法人であり、提出された申請書類に基づき事前審査を行った結果、法律に規定されている要件にいずれも適合していると判断される。」旨の説明があった。
 委員から
「犯罪被害者等は、どの段階から援助を受けることができるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「事件の被害者の中には、恐怖心から一人で外出することができない場合もあるので、例えば、買い物や裁判所等への付き添いなどの援助を早い段階から受けることができる。」、「犯罪被害者等早期援助団体として指定を受ける一番のメリットは、被害者等の同意があれば、同団体は警察から直接情報の提供を受けることができるので、早期に能動的な被害者へのアプローチができるところにある。」
旨の説明があった。また、委員から
「早期援助団体に指定後、事業を継続する上で新規に職員を採用する場合があると思うが、公安委員会として体制の変更状況を把握できるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「犯罪被害者等早期援助団体は、雇用状況等の届出事項に変更がある場合は、法律の規定に基づき公安委員会に対する報告又は承認を受ける義務がある。」
と説明し、委員から
「それ以外の定期的な報告義務規定や公安委員会の同団体に対する権限等について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「公安委員会は、犯罪被害者等早期援助団体の援助事業の適正な運営を図るために必要があると認めるときは、犯罪被害者等早期援助団体に対し、財政の状況又はその事業の運営に関し報告又は資料の提出を求めることができる。また、同団体は、毎年度、事業計画、推進事業及び収支決算等について定期的に報告する義務がある。」
旨の説明があった。また、委員から
「全国での指定状況はどうか。」
旨の質疑があり、県警察から
「現時点では25都道府県で指定されている。」
旨の説明があった。委員から
「申請法人の犯罪被害者等早期援助団体の指定は、犯罪被害等の心身におよぶ負担を早期に軽減し、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるために必要不可欠だと思う。」
旨の発言があった。
以上、審議の結果、申請法人を犯罪被害者等早期援助団体として指定することを決定した。

〈報告事項〉

(2)広域車上ねらい事件の被疑者2人の検挙
 県警察から、本年8月28日に、本部捜査第一課、機動捜査隊、福井南警察署、あわら警察署及び坂井警察署の合同捜査により、本年6月以降、県下のスポーツ施設等の駐車場において断続的に発生していた広域車上ねらい事件の被疑者2人を現行犯逮捕した旨の報告があり、事件概要及び逮捕経緯等について説明があった。
 委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「警察航空隊との連携による広域車上ねらいの犯人逮捕で、県民へのアピール効果も大きいと思う。」
旨の発言があった。
(3)平成21年度9月補正予算(案)の概要
 県警察から、本年9月県議会に提出される平成21年度9月補正予算(案)の概要報告があり、APEC警備対策費、車両等整備維持管理費、ヘリコプター技能証明資格取得経費、大野警察署空調設備改修工事及び各種システム改修経費など、主な予算内容について説明があった。
(4)平成21年海浜警備実施結果
 県警察から、平成21年の海浜警備実施結果報告があり、7月18日から8月17日までの1ケ月間における県内の海水浴客数及び出動警察官総数、水難事故の発生状況及び特徴、各沿岸警察署等における水難事故防止対策の実施状況及び主な事件検挙事例等について説明があった。

   ○ 出動警察官数 延べ3,937人(対前年同期比 48人増加)
   ○ 海水浴客数  約60万4千人(対前年同期比 約18万6千人減少)
   ○ 水難事故発生状況
    ・ 遊泳中       12人(うち死者数4人、負傷者4人、救助4人)
    ・ 魚釣り、潜水中    6人(うち死者数1人、負傷者4人、救助1人)
    ・ その他(サーフィン等)3人(うち死者数0人、負傷者1人、救助2人)
 各委員から、主な検挙事件の概要等について確認があった。
(5)平成21年上半期におけるサポート活動の概要
 県警察から、平成21年上半期における少年に対するサポート活動の概要報告があり、サポート活動の主な内容は、少年相談や少年補導を行った際に、助言・指導により問題解決を図り、更に専門的な関わりを継続して行う必要があると判断した場合には、保護者の同意の下、少年自身へのカウンセリングや保護者等への指導、学校や交友関係等の環境調整などを継続して実施すること、また、上半期において継続的にサポートを要した少年は、20人中12人が中学生であることや少年の問題行為の多くは、深夜徘徊や不良交友等の「不良行為」であること、そのほか主な活動事例や体制等について説明があった。
 また、今後、継続補導中の少年等に対して立ち直り支援活動への参加促進を図るとともに、新たに福井工業大学馬術部と連携した大学生ボランティアによる「立ち直り支援活動」を実施するなど、少年に対するサポート活動を計画的かつ積極的に実施する旨の説明があった。
 委員から
「昨年からサポート活動を継続して実施している少年は何人か。」、「サポートを受けた少年は、女子が圧倒的に多いようだが、サポート活動を担当する職員は女性が多いのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「昨年からサポート活動を継続している少年は3人いる。」、「サポート活動を担当する少年警察補導員は、殆どが女性である。」
旨の説明があった。また、委員から
「スクールサポーターと連携しているのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「少年警察補導員とスクールサポーターは、日頃から緊密に連携している。」
旨の説明があった。委員から
「いろいろな悩みを持った少年がいると思うので、しっかり立ち直るようきめ細かなサポート活動を引き続きお願いしたい。」
旨の発言があった。
(6)固定灯火標識のLED化事業
 県警察から、平成21年度6月補正予算で地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業の一環として計上された大型固定灯火標識のLED化事業の概要報告があり、同事業の目的は、夜間における横断歩道標識の視認性を高め、ドライバーが遠方からでも横断歩道の存在を認識できるように、これまでの蛍光灯型固定灯火標識をLED型固定灯火標識に高度化して横断歩行者の安全環境を確保するもので、県内の345基の固定灯火標識のうち、設置後20年以上経過し腐食が目立つ25基をLED型標識に更新する旨、また、LED化の利点として、夜間の視認性が格段にアップすること、長寿命光源によるランニングコストが削減されること及び電力量が省エネになることなどの説明があった。
 各委員は、新旧の標識の視認性等について、実際に現物の点灯状況等を比較しながら確認するとともに、
「それぞれ1基どれくらいの値段か。」
旨の質疑があり、県警察から
「蛍光灯型は15万円位、LED型は30万円位であるが、長期的にはLED型の方が利点が多いと考える。」
と説明し、委員から
「LED型の信号機も非常に明るく、大変見やすい。」
旨の発言があった。
(7)第78期初任科生の近況
 県警察から、平成21年度第78期初任科生の学校生活における近況報告があり、今期生の主な特徴、年間教養計画、日課時限、学習教科及び主な学校行事等について説明があった。
 委員から
「社会人経験者が44%とのことであるが、その殆どは大学卒の短期生なのか。」、「他県警の警察官であった者も入校しなければならないのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「社会人経験者は長期生の方が割合は若干多い。」、「他県警の警察官で辞職して間がない場合には、特例として学校入校を免除される場合もあるが、基本的には警察学校に入校して、再度教育を受けることになる。」
旨の説明があった。また、委員から
「初任科生に対して各部門への配置希望をとるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「毎年、全警察官から配置希望を調査して、適性等に応じて配置している。初任科生の場合は、原則として卒業後、交番で勤務しながら基本を学び、適性に応じて各部門に配置換えとなる。」
旨の説明があった。委員から
「本年4月、入校式に出席した際、皆、気構えがしっかりしていると感じた。あれから相当成長したのではないかと楽しみである。初任科生は将来の県警察を担う大事な宝なのでしっかり育成願いたい。」
旨の発言があった。

2 個別的案件

〈審議事項〉

・ 運転免許更新処分に対する異議申立て
 運転免許更新処分に対する異議申立て(平成21年7月受理)について審議し、「棄却する」旨の決定をするとともに、決定書(案)を決裁した。

3 運転免許の処分関係

 本日(9月4日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

4 個別決裁

(1)平成21年8月中の警察あて苦情の受理・処理状況
 平成21年8月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況について報告があり、これを了承した。
(2)地域交通安全活動推進委員の辞職及び新規委嘱者の推薦
 勝山警察署長から地域交通安全活動推進委員の辞職願の副申及び後任候補者の推薦を受けて、辞職を承認するとともに、後任候補者を同委員に委嘱することを決裁した。
(3)自動車運転代行業の認定申請
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(4)自動車運転代行業の認定取消に係る聴聞の実施結果
 福井市内の自動車運転代行業者に対する行政処分(認定取消処分)に係る聴聞の実施結果報告があり、被処分者を同行政処分とすることを決裁した。
(5)公安委員会あてメールの対応
 公安委員会あてメール(8月27日付け受理1件、8月31日付け受理2件)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

5 業務報告会

 警務部から、各所属の主な分掌事務や重要課題等について報告があった。

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