開催日:平成21年10月15日
1 業務説明
・ 地方警務官を対象とする人事評価制度の実施県警察から、本年10月1日から実施される地方警務官を対象とする人事評価制度の概要等について説明があった。
2 個別決裁
・ 自動車運転代行業の認定申請認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
3 包括的案件
〈報告事項〉
(1)貸金業者による出資法(高金利)違反事件の検挙
県警察から、大野警察署及び生活環境課との合同捜査により、顧客数名に対して高金利又は超高金利で金銭を貸し付けていた大野市在住の元貸金業の被疑者を「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」違反で検挙した旨の報告があり、事件概要等について説明があった。
各委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「高利貸しの事件化は困難であると思うが、景気の悪化により同種犯罪の発生が予想されるので取締りを強化願いたい。」
旨の発言があった。
(2)タクシー運転手に対する強盗殺人未遂事件の発生
県警察から、本年10月8日に、福井市内の国道8号上において発生したタクシー運転手に対する強盗殺人未遂事件については、その後の捜査により、容疑者を特定し全国に指名手配したものであるが、本事件発生の翌日、新潟県内において自動車盗で逮捕された被疑者が同容疑者であることが判明したため、新潟県警の事件処理を待って被疑者を強盗殺人未遂罪で再逮捕する旨の報告があり、事件概要等について説明があった。
各委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「幸いにして被害者の命には別状なく良かったが、県民にとっては大変怖い凶悪な事件であった。犯人を割り出したことは捜査員の努力であり、県民の一人として大変感謝している。」
旨の発言があった。
(3)第362回(9月)定例県議会の開催結果
県警察から、本年9月9日から10月6日までの28日間の会期で開催された9月定例県議会の概要報告があり、可決成立した提出議案、公安委員会(警察)関係の主な質問及び警察本部長の答弁状況等について説明があった。
また、予算特別委員会において、県職員をはじめとする警察職員の再就職に係る現状や今後の対応についての見解を求められたことを受けて、現在、警察行政の一層の公正性を図るための要綱等の導入について検討中である旨の説明があった。
委員から
「政権交代により県議会にも少なからず影響がでているようだが、我々とすればこれまでどおり襟を正して県民の安全・安心のために頑張らなければならず、今後ともよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)平成21年度上半期被疑者取調べ監督制度の運用結果
県警察から、平成21年度の上半期における被疑者取調べ監督制度の運用結果報告があり、被疑者取調べ及び取調べ監督の実施状況について説明があった。
また、今後は、取調べ監督業務や監督対象行為等に係る指導教養を継続して実施するなど、制度の一層の定着化を図る旨の説明があった。
委員から
「裁判員裁判制度が導入されたが、例えば被疑者が公判において取調べ担当者から便宜供与を受けたなどと証言した場合、裁判に影響するのか。」
旨の質問があり、県警察から
「公判において被告人が便宜供与を受けたなどと証言した場合、それが事実であれば、裁判に影響する可能性があると考えられるところであるが、現状、取調べにあっては、適正に効果的な方法で行われているものと認識している。」
旨の説明があった。委員から
「被疑者取調べ件数は相当数あり、その殆どについて取調べ監督が実施されたということであるが、極めて困難を要するのではないか。」
旨の質問があり、県警察から
「取調べ監督官は本部のほか各警察署にも配置し、体制は整っている。また、取調べ状況管理システムにより、取調べのスケジュール等が事前に登録されているので、取調べ監督官はそれを確認しながら効率的に実施できる。」
旨の説明があった。委員から
「今後とも適正な取調べを指導願いたい。」
旨の発言があった。
(5)執務資料「職務倫理教養ハンドブック」の発行
県警察から、警察職員としての誇りと使命感を醸成するために、各所属の教養担当者が効果的な教養に資する執務資料「職務倫理教養ハンドブック」[基本編・属性編(若年職員編)]を発行した旨の報告があり、同ハンドブックの構成、特徴及び教養担当者等の反響等について説明があった。
また、今後は、中高年職員編や特捜勤務員編など属性に応じた続編を追加作成し、効果的に活用することで職務倫理教養の一層の充実を図る旨の説明があった。
各委員は、実際に同執務資料の内容を確認するとともに、
「職務倫理は捉えにくく大変難しいものであると思うが、これ程までによくまとめられたと思う。正に労作である。今後、属性別に続編を発行するとのことであるが、特に中高年は気が緩みがちであり、よろしくお願いしたい。」、「警察職員は国民の模範にならなければならずそれだけに倫理教養は大切だと思う。この執務資料を有効に活用し、非違事案の防止に努めていただきたい。」
旨の発言があった。
(6)「光」と「音」によるパトロール等アンケート結果と今後の取組み
県警察から、重大事案に発展するおそれのある声かけ事案等を抑止する目的で、本年4月27日から実施している「光」と「音」によるパトロール等について、本年8月に、同事業のパトロール隊員やモデル地区安全安心モニターなど県民約1,800人を対象に実施したアンケートの主な調査結果報告があった。
また、今後は、同アンート結果を踏まえ、更に「光」と「音」によるパトロールの地域への浸透、リュウピーネット登録会員の加入促進及び自主防犯ボランティア活動の活性化に努める旨の説明があった。
【「光」と「音」によるパトロールに対する調査結果】
○ 「好感触を得ている」〜隊員36人のうち回答のあった35人全員
○ 「認知度」 〜27.3%
○ 「安心感」 〜90.0%
○ 「継続の必要性」 〜96.7%
【リュウピーネットに対する調査結果】
○ 「認知度」 〜27.3%
・ うち加入率 〜37.1%
○ 加入効果あり 〜82.5%
○ 加入効果なし 〜14.0%
【青色回転灯パトロールに対する調査結果】
○ 見たことがある 〜49.3%
【自主防犯参加意識の調査結果】
○ 参加したい 〜47.4%
委員から
「青色回転灯パトロールのアンケート結果は、車の台数の多い地域ほどよく目にすると答えているのではないか。」
旨の質問があり、県警察から
「大野には車が1台しかないが、約6割の人が見たことがあると答えていることから、相当活発な活動をしていることが伺える。今後、パトロール方法等について調査し、好事例として紹介したい。」
旨の説明があった。委員から
「人通りの多い場所と少ない場所とでのパトロール、或いは時間帯によっても認知度が違ってくると思う。「光」と「音」のパトロール時間帯は決まっているのか。」、「自主防犯ボランティア活動に参加を希望する人が意外と多いのに驚いた。」
旨の質問等があり、県警察から
「「光」と「音」によるパトロールは、夕方5時から8時までの時間帯で2時間のパトロールをお願いしている。」、「今後、自主防犯ボランティア活動の参加希望者の掘り起こしに努めたい。」
と説明し、委員から
「「音」はかなり遠くまで聞こえて効果があると思うので、車によるパトロールでも積極的に活用すべきである。」
旨の発言があった。委員から
「「光」と「音」によるパトロールのアンケート結果から、必要性を望む声が非常に高いことが判明した。是非、継続して実施願いたい。」、「今後の活動に活かせるアンケートの分析である。今後は、この結果を踏まえ、なお一層の自主防犯活動の促進や広報活動等をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(7)少年警察ボランティア活動を紹介するDVDの作成・活用
県警察から、子どもの規範意識の高揚と犯罪被害から子どもを守るために活動している「少年警察ボランティア」を紹介し、県民の少年警察活動への理解を深めるとともにボランティア活動への参加促進を図るため、広報啓発資料(DVD)を作成する旨の報告があり、各委員はダイジェスト版を視聴して広報内容を確認した。
委員から
「少年警察ボライティアの構成や活動内容等について伺いたい。」
旨の質問があり、県警察から
「警察本部長が嘱託する少年警察協助員360人(うち15人は特別少年警察協助員を兼務)及び公安委員会が委嘱する少年指導委員50人を総称して少年警察ボランティアと呼んでいる。少年警察協助員及び特別少年警察協助員の任務は、少年補導や非行集団の解体など少年の非行防止活動を業務としており、また、少年指導委員は、主に風俗関係における少年の補導活動等を任務としている。それぞれ職種は問わないが、選考基準を満たす者の中から特に少年の健全育成に熱意のある人を選考している。」
旨の説明があった。委員から
「ダイジェスト版は、児童に話しかけるようなナレーションになっていたが、対象は子どもなのか。そうであれば、「規範意識」などの難しい表現は使わない方が良いと思う。対象が絞り切れていないように感じた。」、「学校のPTA総会などでも活用できるのではないか。」
旨の発言があり、県警察から
「目的は、少年警察ボランティアの活動等を紹介し、ボランティア活動参加の裾野を広げることも視野に入れているため、主に成人を対象としているが、子ども達にも非行防止教室等において視聴させたいと考えている。確かに小学校低学年には少し難しい内容だと思うので、今後、カットの内容の変更を含め活用方法等について検討する。」
旨の説明があった。委員から
「このような広報啓発資料を活用して、広く県民に活動内容等の理解を求めることが大切なことだと思う。更に内容等を検討願いたい。」
旨の発言があった。
(8)振り込め詐欺撲滅のための強化推進期間の実施
県警察から、本年10月15日から11月14日までの間を全国一斉の振り込め詐欺撲滅のための強化推進期間に設定し、取締活動や予防活動を更に強化する旨の報告があり、福井県における振り込め詐欺被害の現状、期間中の検挙・抑止目標及び期間中における主な強化推進事項等について説明があった。
【福井県の振り込め詐欺被害】
○ 平成20年上半期 〜28件46,200千円
○ 〃 下半期 〜28件31,300千円
○ 平成21年上半期 〜18件32,640千円
○ 〃 下半期(10月14日現)〜 3件 1,060千円
各委員から、振り込め詐欺の犯行手口や被害防止諸対策等について確認があるとともに、
「振り込め詐欺撲滅のための各種施策を強化したことにより、昨年と比べて被害が相当減少した。また、今年度導入した「振り込め詐欺撲滅巡回指導員」の戸別訪問による広報啓発活動も期待できるのではないか。これからも振り込め詐欺撲滅のため頑張って欲しい。」
旨の発言があった。
(9)病院職員に対する不当要求等対応講習の実施状況
県警察から、本年9月18日、県内の病院では初めてとなる福井県済生会病院での職員に対する不当要求等対応講習の実施結果報告があり、同講習の実施目的、受講者数及び主な講習内容等について説明があった。
また、今後も、ロールプレイング方式による暴排講習会の実施に努め、県民の暴排意識の高揚と暴力団等反社会的勢力からの不当要求行為等による被害の未然防止を図る旨の説明があった。
委員から
「不当要求等の対応要領については、頭では理解していても、いざという時に全く反応できない。今回のロールプレイング方式による実戦指導は、自信につながったと思う。」、「金融機関における不当要求事案等は、これまでの警察による指導を実践しているため、減少している。」、「少しでも多くの人が不当要求等対応要領等を会得してもらうためにも、同講習を継続して実施していただきたい。」
旨の発言があった。
(10)「いきいき診断ファインドライブ」講座の実施状況
県警察から、85歳以上の高齢運転者の安全運転を支援する「いきいき診断ファインドライブ」講座の実施状況報告があり、同講座は、高齢運転者対策の一環として本年7月1日から実施しているもので、可搬式の運転シミュレータを活用して運転適性診断を実施し、受講者に身体機能の低下を自覚してもらうとともに、診断結果に基づき個別指導を行うこと、また、現在までに10回開催し164人が受講していることなど講座の概要説明のほか、県内における高齢者の交通事故の実態及び受講者に対するアンケート結果等について説明があった。
委員から
「高齢者に対して身体機能の低下を意識づけることが大切なのだと思う。特に福井県は高齢者人口が多く、高齢者による交通事故も多発していることから、今後も継続した高齢者対策をお願いしたい。」
旨の発言があった。
4 個別的案件
〈審議事項〉
・ 運転免許取消処分に対する異議申立て運転免許取消処分に対する異議申立て(平成21年9月受理)について審議し、「棄却する」旨の決定をするとともに、決定書(案)を決裁した。
5 運転免許の処分関係
本日(10月15日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。
6 業務視察
各委員は、刑事部鑑識課及び科学捜査研究所を視察して職員を激励した。
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