開催日:平成21年12月11日

1 包括的案件

〈審議事項〉

(1)平成22年福井県警察運営指針、特別重点及び運営重点(案)
 県警察から、平成22年福井県警察の運営指針、特別重点及び運営重点(案)の策定趣旨について「本県の治安情勢は、平成15年以降、刑法犯の認知件数は減少傾向にあるが、県民は、いまだ身近で発生する事件・事故に不安を感じており、治安向上の実感をより高める必要がある。このため、平成22年は、全警察職員が日本一治安の良い福井の実現を目指して策定した『安全・安心ふくい』実現プランに基づく各種治安対策を着実に推進し、『指数』と『体感』の両面で治安の向上を図り、県民が治安の向上を実感できる社会の実現を目指す内容とした。」旨の説明があり、審議の結果、次のとおりとすることを決定した。

  ○ 運営指針 「県民が安全で安心して暮らせる社会の実現  〜力強い・信頼される警察〜」
  ○ 特別重点 「2010年APECエネルギー大臣会合開催に伴う総合対策の推進」
  ○ 運営重点 「街頭犯罪等抑止対策の推進 〜見える・見せる警察活動〜」
            「子ども、女性を犯罪被害から守る諸対策の推進」
            「組織犯罪対策の強化及び重要犯罪等の徹底検挙」
            「交通死亡事故の抑止及び飲酒運転対策の推進」
            「テロの未然防止及び緊急事態対策の推進」
           「初動警察の強化等精強な第一線警察の構築」
 委員から、
「来年のAPECエネルギー大臣会合の開催に伴う総合対策の推進については最重点課題だと思う。」、「『安全・安心ふくい』実現プランに基づく各種治安対策については、その効果を随時検証しながら着実に推進していただきたい。」、「初動警察の強化等では通信機器の整備や通信指令担当者の優秀な人材確保等にも配慮願いたい。」、「この運営指針等に基づき、日本一治安の良い福井の実現を目指していただきたい。」
旨の発言があった。
(2)平成22年福井県警察の月間等、年間行事計画及び月別広報重点(案)
 県警察から、平成22年の福井県警察の月間等、年間行事計画及び月別広報重点策定の趣旨や主な特徴点等について説明があり、審議の結果、原案のとおりとすることを了承した。
 委員から
「福井県警察のAPEC対応については、6月のAPECエネルギー大臣会合までではないのか。」
旨の発言があり、県警察から
「11月に横浜で開催されるAPEC首脳会議が最重点課題として位置づけられており、全国警察から相当数の応援の下、実施される。本県で開催されるAPECエネルギー大臣会合は、その前段として位置づけられている。」
旨の説明があった。委員から
「広報については、警察の活動内容を積極的かつ戦略的に県民に知らせて、理解を得ることが必要だと思う。」、「警察業務の効果的推進のため、各部門ともに更に隣接県との連携強化を図られたい。」
旨の発言があった。


〈報告事項〉

(3)全国規模の密売組織の摘発
 県警察から、本部組織犯罪対策課及び福井警察署等の合同捜査により、携帯電話サイトを開設しエクスパックなどを利用して覚せい剤を全国に密売していた被疑者3人を逮捕した旨の報告があり、事件概要及び逮捕経緯等について説明があった。
 各委員から、事件概要等について確認があるとともに、
「福井県内で覚せい剤が蔓延しないか心配である。被疑者に対する突き上げ捜査をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)市営住宅から暴力団幹部を排除
 県警察から、越前市と越前警察署との連携により、県内で初めて市営住宅に入居していた暴力団幹部を越前市営住宅条例の適用に基づき退去させた旨の報告があり、退去経緯等について説明があった。
 各委員から、県内における暴力団組員の市営住宅居住実態等について確認があるとともに、
「暴力団員の排除に当たっては、毅然とした態度で対応することが大切だと思う。」
旨の発言があった。
(5)振り込め詐欺撲滅強化推進事業の進捗状況
 県警察から、現在、推進中の振り込め詐欺撲滅強化推進事業の進捗状況報告があり、本県及び全国における振り込め詐欺被害状況、並びに本年9月にスタートした「振り込め詐欺撲滅巡回指導員」による戸別訪問事業の進捗状況と「ボイス広報装置」の設置状況等について説明があった。

  【振り込め詐欺被害の認知状況】
   ○ 福井県(全国最少認知件数3位)
    ・ 被害件数      23件(対前年同月比 −31件)
    ・ 被害額   3,410万円(対前年同月比 −3,700万円)
   ○ 全国
    ・ 被害件数   6,776件(対前年同月比 −12,643件)
    ・ 被害額 約88億970万円(対前年同月比 −175億5,908万円)

  【巡回指導員による戸別訪問事業の進捗状況】
   ○ 訪問予定世帯数 30万6,559戸
   ○ 訪問済み世帯数 16万6,079戸(進捗率54.18%)

  【ボイス広報装置の設置状況】
   ○ 県内無人ATMを管理する12金融機関 300個
   ○ 県内ATM設置のコンビニエンスストア 250個
 委員から
「振り込め詐欺撲滅強化推進事業の各種対策が功を奏し、振り込め詐欺の被害が激減した。」
旨の発言があり、県警察から
「福井県の振り込め詐欺被害は全国で3番目に少ない状況にある。」
旨の説明があった。委員から
「福井県は共稼ぎ世帯が多く預貯金残高も全国上位であることから振り込め詐欺被害の対象になりやすいのではないかと思う。ボイス広報装置は最終的にどれくらい設置する予定なのか。」
旨の質問等があり、県警察から
「最終的には県下の全ての無人ATMに設置する予定である。」
と説明し、委員から
「最近はコンビニ設置のATM利用者が増加している。」、「コンビニには店員が常駐しているにもかかわらず被害に遭う者が多い。コンビニの従業員に対して振り込め詐欺被害を防止するための教育マニュアルを備え付けるなどの対策が必要だと思う。」
旨の発言があり、県警察から
「ご指摘の点については、コンビニ防犯協会等を通じて指導をお願いしたいと考えている。」
旨の説明があった。また、委員から
「巡回指導員による戸別訪問事業の進捗率が上がれば、更に被害が減少すると思う。」、「事業所等に対しては、朝礼や昼食等の時間を利用すれば効果的だと思う。」
旨の発言があり、県警察から
「巡回指導員には、事業所での朝礼等を利用して説明を行うよう指導している。」
旨の説明があった。委員から
「今後も振り込め詐欺被害の撲滅のためご努力願いたい。」
旨の発言があった。
(6)改正銃刀法(12月施行分)の概要
 県警察から、本年12月4日に施行される改正銃刀法の概要報告があり、主な改正内容及び県警察の対応等について説明があった。

【主な改正点】
○ 所持許可の厳格化
  ・ 欠格事由の追加
  ・ 欠格期間の延長
  ・ 保管設備の審査の厳格化
  ・ 同居親族の欠格事由の拡大
○ 制度の新設
  ・ 認知機能検査
  ・ 技能講習
  ・ 年少射撃資格制度
  ・ 猟銃安全指導委員制度
○ その他
  ・ 申請書に添付する医師の診断書
  ・ 猟期前の射撃練習
  ・ 実包所持状況の記録
 委員から
「欠格事由に『自殺のおそれがある者』の項目が追加されたとのことであるが、それをどのように判断するのか。」
旨の質問があり、県警察から
「申請者に関して近隣・職場調査を行うとともに、既存資料により過去の家出・保護状況等を確認するなど調査結果に基づき総合的に判断する。」
旨の説明があった。委員から
「新設の猟銃安全指導委員にはどのような人を委嘱する考えなのか。」
旨の質問があり、県警察から
「各警察署長から、猟友会等で指導的立場にある人の推薦を受けて、その中から選考することになる。県下で25人程度を考えており、公安委員会からの委嘱となる。」
と説明し、委員から
「猟友会等の協力が不可欠だと思うので候補者推薦に当たっては、しっかりと連携していただきたい。」
旨の発言があった。委員から
「実包所持状況の記録が義務化されたとのことであるが、その状況をどのように確認するのか。」
旨の質問があり、県警察から
「年に一回、各警察署において実包の購入、消費等の状況を帳簿や疎明資料で確認する。」
と説明し、委員から
「年1回の検査で、確実に確認できるのか。」
旨の発言があり、県警察から
「実包はそれほど頻繁に使用するものではなく、また、購入状況等の疎明資料を添付することとなっているので、特に確認作業に支障を及ぼすようなことはないと考えている。」
旨の説明があった。委員から
「法の改正内容を積極的に広報して県民に周知徹底していただきたい。」
旨の発言があった。
(7)平成21年11月末における刑法犯認知・検挙状況
 県警察から、平成21年11月末の刑法犯認知・検挙状況報告があり、罪種別、手口別、警察署別の主な特徴点等について説明があった。

【平成21年11月末の刑法犯状況】
○ 認知件数 6,016件(対前年同期比295件減少)
○ 検挙件数 2,852件(対前年同期比81件減少)
○ 検挙率   47.4%(対前年同期比0.9%増加)
○ 検挙人員 1,419人(対前年同期比106人減少)
○ 逮捕人員   454人(対前年同期比48人増加)
 委員から
「刑法犯認知件数が7年連続で減少するよう、残りわずかの間頑張っていただきたい。」、「今年は自転車盗が大幅に減少したことが大きなプラス要因となっている。」
旨の発言があり、県警察から
「自転車盗抑止総合対策等を強力に推進したことが減少につながったと考えている。」
旨の説明があった。各委員から
「侵入窃盗が前年よりも増加しているので、夜間のパトロールを強化するなど犯罪抑止に努めていただきたい。」
旨の発言があった。
(8)年末の交通安全県民運動の実施
 県警察から、12月11日から12月20日までの10日間の日程で実施される 「年末の交通安全県民運動」の概要報告があり、運動の目的、スローガン、運動の重点、指導取締り体制及び期間中に実施する主なイベント等について説明があった。

   【運動の重点】
    @ 高齢者の交通事故防止
    A 雪寒期の交通事故防止
    B 飲酒運転の根絶
    C 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
    D 交通安全スロー・シグナル・シャイン(3S)運動の推進
 委員から
「雪が降っても白バイは出動するのか。」
旨の質問があり、県警察から
「降雪期は危険なので白バイは出動せず、パトカーでの指導取締りとなる。」
旨の説明があった。委員から
「寒い中大変だと思うが、特に飲酒運転等の危険で悪質な違反の取締りを徹底していただきたい。」
旨の発言があった。
(9)「09”もんじゅを廃炉へ!全国集会」警備実施結果
 県警察から、去る12月5日に敦賀市内で実施された「09”もんじゅを廃炉へ!全国集会」に伴う警備実施結果報告があり、反対派の動向及び警備実施状況等について説明があった。
 各委員から、反対派及び推進派の動向並びに警備実施状況等について確認があるとともに、
「大規模な集会であったが、万全な警備により大きな混乱もなく無事終了して良かった。今後も違法行為に対しては、取締りを徹底していただきたい。」
旨の発言があった。

2 運転免許の処分関係

 本日(12月11日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

3 個別決裁

(1)平成22年福井県警察運営指針、特別重点及び運営重点
 本日の包括的案件で審議した「平成22年福井県警察運営指針、特別重点及び運営重点(案)」について、原案のとおり決裁した。
(2)平成22年福井県警察の月間等、年間行事計画及び月別広報重点
 本日の包括的案件で審議した「平成福井県警察の月間等、年間行事計画及び月別広報重点(案)」について、原案のとおり決裁した。
(3)警察本部長に対する情報公開請求の決定等
 警察本部長に対する情報公開請求(11月16日付け1件)について、公開決定等の報告があり、これを了承した。
(4)平成21年11月中の警察あて苦情の受理・処理状況
 平成21年11月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況について報告があり、これを了承した。
(5)銃砲刀剣類所持等取締法に基づく指定医の指定
 銃砲刀剣類所持等取締法第4条の3第2項及び第12条の3に基づく指定医の指定について、原案のとおり決裁した。
(6)自動車運転代行業の認定申請
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(7)県外特別派遣部隊の援助要求に対する同意
 原発警備に係る第106次及び第107次県外特別派遣部隊の援助同意を受け、これを決裁した。
(8)県外特別派遣部隊の援助要求
 原発警備に係る第108次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(9)警察職員等の援助要求及び同意
 三重県公安委員会からの警察職員等の援助要求及び同意について、原案のとおり決裁した。
(10)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成21年11月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。
(11)公安委員会あて電子メールの対応
 公安委員会あて電子メール(11月19日付け受理1件、12月1日付け受理1件)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

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