「福井元気宣言」(Ⅰ 元気な産業)
Ⅰ 元気な産業
厳しい景気の中で、福井県の農林水産業を含む産業活性化は直ちに取り組むべき最優先の課題であり、大胆な政策が必要です。産業の活力や若者の働く場がなければ、「福井の元気」はありえません。地域に夢や希望をもたらすには、何よりも産業の活性化が不可欠です。
幸い福井県民は勤勉で働き者で、蓄積された技術など、福井飛躍の潜在力は大きいと考えます。
元気な福井をつくるため、私自らが先頭に立って地域経済を必ず活性化します。
1 経済対策の緊急発動
厳しい雇用情勢の中で、雇用の場づくりに全力で取り組みます。労・使・政などから清新な人材を集め、諮問会議「経済社会活性化戦略会議」をつくり、年内に戦略構想を策定します。また、戦略構想をスピードと決断で実行します。
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○経済社会活性化戦略会議の設置経済社会活性化戦略会議を設置し、戦略構想を年内に策定。
ビジョンの具体化プランは、検討が終了した段階で、やれるものから即時、実行。
また、それぞれの政策の期限を明確化し、戦略会議がプランの推進状況を監視。 -
○15,000人の雇用創出
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○公共工事の地元発注の促進公共工事の分離・分割発注により、さらに地元発注を促進。
2 ものづくり・新産業創出等
「経済社会活性化戦略会議」で検討すべき課題の各論として、特に本県にとって重要な課題が「ものづくり・新産業の創出」です。
そのため、経済のグローバル化の急激な進展などのもとで、厳しい環境に直面している本県の産業を活性化するための政策を、全力で展開します。
福井県は、繊維をはじめ日本の産業発展の原動力となってきました。「小さな世界企業」が多いのも本県の特徴です。このような本県のものづくりの潜在力を、最大限、引き出します。
また、21世紀の本県を支える新たな産業を創出します。そして、県産品利用を県民の皆さんとともに展開します。
第一は、新しい技術開発による産業の高付加価値化です。
産学官連携を強化し、先端的なものづくり技術の開発、付加価値の高い新商品の開発・販売を支援・強化します。
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○産学官共同研究企業数を倍増繊維、眼鏡、機械、農林水産分野など本県の優位性・独自性のある分野や、環境、医療・福祉、生活分野、情報・通信、バイオなど、今後、発展の可能性が高い先端分野に的を絞った産学官の共同研究の推進。
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○最先端技術開発を通じて地域産業を活性化
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県工業技術センターを拠点に産学官連携で、昨年、本県が世界で初めて成功した“レーザー発振技術”を早急かつ具体的に本県の地域産業の高度化・活性化に結びつけるなど、最先端技術開発を通じて本県地域産業を活性化。
第二は、やる気のある企業や創業に対する強力なバックアップです。
福井県は「社長」の輩出率は全国一であることからも、福井人のやる気は、全国どこにも引けをとりません。
しかし、チャレンジする企業は技術ややる気があっても、資金、人材、販路や経営ノウハウといった経営資源がネックになっているケースが多く、このため、「出る杭の育成」をコンセプトに、チャレンジする企業や創業に対し、あらゆる面で強力に応援します。
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○5,000の新規創業を達成○1年以内に県産業支援センターの運営体制の充実○県信用保証協会の運営体制の充実、制度融資の拡充強化
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○1年以内に福井青山291の機能拡充
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○1年以内にデザインセンターの産業支援機能の充実
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○県産品を公共事業などに活用
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○知事自ら「セールスマン」となって大都市圏や海外に県産品を売込み
第三は、ひとづくりです。
福井人のチャレンジ精神や優れたものづくり技術を開花させるには、ビジネスで勝ち抜く経営ノウハウが不可欠です。
このため、本県の次世代の地域経済を担う人づくりのため、「ビジネス・スクール」を開きます。
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○ビジネス・スクールを開設
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本県の産業振興に大きく貢献するビジネス・スクールを開設。
(ビジネス・スクールの具体的役割)・企業家をめざす若者や県内企業家に経営ノウハウを教授・実学に徹し、経済界の要望に応えることを最優先・グローバルな視野で経済を見る目を養成 など
第四は、新たな販路開拓です。
「東アジア・マーケット開拓戦略」を取りまとめ、本県の高付加価値商品を武器にして、積極的に中国をはじめとする成長著しい東アジア市場を開拓するとともに、県海外事務所の機能を選択と集中により、実効あるものにします。
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○東アジア・マーケット開拓戦略の策定と実施
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富裕層が1千万人以上ともいわれる中国をはじめ、東アジア市場における高付加価値商品に対するニーズを把握し、本県における新たな商品開発・販売戦略を策定し、本格的に実行。
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○県海外事務所機能の再構築と上海事務所の充実強化
第五は、先端産業の誘致です。
本県産業の活性化・構造改革の推進のためには、先端産業の誘致が効果的であり、私自らがセールスマンとなり、誘致を推進します。
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○大胆な企業誘致の展開
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(誘致の主なターゲット)・ITを含む先端技術産業・下請けなどの誘発効果の高い製造業・雇用創出効果が高い情報サービス産業・バイオ、福祉、環境などの新成長産業
3 福井の豊かさを支える農林水産業
農林水産業は、福井の命と豊かさを足元で支えている大切な産業です。地域の伝統・文化の源であり、環境保全など多様な役割を担っています。農林水産業を活性化し、そこにたずさわる人々が誇りを持って働けることは、本県にとって最も重要な課題のひとつです。
また、“安全・安心”を福井の最大のブランド力として、福井自慢のおいしい食べものを売り出します。
農業
やる気のある農家や法人を育成し、市場重視・自己責任の原則に対応できる効率的な農業経営により生産性向上を図ります。また、熟年農業者や女性農業グループの育成により農業を活性化します。さらに、県産品利用の促進に加え、食の安心・安全という観点からも「地産・地消」を強力に推進します。
農家の努力が報われるとともに、安全・安心な食の提供などから消費者の笑顔が農家に見えることでやりがいにつながり、楽しんで農業ができ、夢の持てる農業経営「福井楽農」を実現します。
生産者の顔が見える安全・安心な食づくりを行うとともに、環境調和型農業を推進します。
農山漁村地域の雇用を創出し地場産品の消費拡大を図るとともに、地域住民の誇りや環境意識を高めるため、「福井型学び体験する旅」として、自然を体感する「エコ・ツーリズム」や、農村での「グリーン・ツーリズム」を推進します。
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○農業生産法人数・認定農業者数を1.5倍に
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○地域における生産組織を育成し、農業経営の低コスト化の推進と品質向上に様々な支援を実施
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○農山漁村文化の伝承や加工品づくり等の担い手として期待されている熟年農業者のグループ化を促進
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○女性農業グループを育成し、女性の持つ優れた感性を活かした農業経営を推進
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○福井型食生活を県民に提案し、地元のファーマーズ・マーケットなどを通じて生産者が県民に安心できる食を提供する「地産・地消」を強力に推進
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○県産食材給食実施校を3倍に
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○「いつ誰がどこで生産し、どういうルートをたどったのか」が消費者に分かる「生産者の顔が見える」システムを確立し、“安全・安心”を福井の最大のブランド力として育成
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○化学肥料や農薬を使わない安全で安心な有機農産物の生産を拡大するため、家畜排泄物や生ゴミなどの未利用有機性資源を堆肥化するための施設整備を促進
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○環境調和型農業の普及促進と流通体制の整備
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○鳥獣被害対策の強化
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○「福井型学び体験する旅」として、自然を体感する「エコ・ツーリズム」や、農村での「グリーン・ツーリズム」を推進
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(エコ・ツーリズム)
観光客が森や田園等に説明者と分け入り、動植物などの自然を観察し、生態系を体感する観光。
(グリーン・ツーリズム)
観光客が農家に宿泊し、地域の郷土料理、自然、農作業を楽しむ観光。
※エコ・ツーリズム、グリーン・ツーリズムともに、欧米で余暇を自然との対話の中から、自己実現として楽しむため発展してきた観光形態。
林業
森林は二酸化炭素削減等の大気保全や、水源かん養、治山・治水、野生鳥獣保護などの公益的・多面的機能を持っていますが、木材需要の低迷のため、放置されたままの森林が増加するとともに、林業従事者の所得が大幅に減少し、森林の公益的・多面的機能に深刻な影響を与えています。このため、本県の森林を大切に保全するとともに、その利用再生を通じて雇用の場を創出することが急務であると考えます。
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○県産材の利用率を50%以上に
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○森林の機能区分に応じた森林保全・整備を推進
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○意欲のある林業者を支援
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○森林地域におけるエコ・ツーリズムの推進
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○県木である松のマツクイムシ被害防除を推進
水産業
水産業は、漁獲量の減少、海外からの安価な水産物の流入、消費者の魚離れなど、厳しい状況にありますが、一方で、安全・安心な海産物に対して、消費者の強いニーズがあります。
このため、資源を育て、地の利を活かす水産業(つくり育てる漁業)を展開するとともに、流通システムや地域ブランドの確立により、消費者のニーズに的確に応え、安全・安心な食づくりを推進します。
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○「漁業者の顔が見える」流通システムを確立
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○「越前がに」などのブランドを育成し、水産物を高付加価値化
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○水産物の「地産・地消」を推進
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○つくり育てる漁業・漁業者自らによる資源管理を促進
「福井元気宣言」
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