普及指導活動方針について

最終更新日 2018年8月15日ページID 008640

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1 奥越地域の農業振興ビジョン

  TPP交渉や日欧EPAの発効、米政策の見直し等、国内外で農業をめぐる情勢は厳しさを増している。その中、県では平成31年3月に「新ふくいの農業基本計画」を策定し、本県農業を取り巻く新たな課題や状況に対応しながら、産業振興と地域振興の両面から農業政策を推進していくこととしている。
 本年度は、奥越地域の特色を活かした農業の推進を図っていくとともに、課題の改善を図っていき新計画が目指す収益性の高い農業と魅力ある豊かな農村の実現に向けて普及活動を展開する。


 ≪今年度の取組概要≫

・中山間地域である奥越地区では大規模稲作農家や集落営農組織への農地の集積が進んだが、その一方で経営を継承する担い手の減少や集落営農組織でのオペレーター不足がみられている。このような中、より効率的な作業の実施や、人員確保にむけて、面的な農地集約を可能とする法人組織の広域化を関係機関が連携して推進し、集落の農地を守る人材育成やルールづくりを推進する。

・地域の水田農業を支える安定した生産体制を構築するため、認定農業者や集落営農組織など多様な担い手による地域農業の継続および経営の安定化や改善に向けて支援する。また、次代を担う若い農業者を育成・確保するため、就農計画の作成や青年農業者の掘り起しと、組織活動を支援するとともに、個別担い手に対して重点的に指導・支援に取り組む。

・奥越の4大特産の中心であるサトイモについては、年々栽培面積、栽培者の減少の原因となっている作業負担の軽減を図るため、栽培の省力化、機械化を図るとともに、連作障害の原因と考えられるセンチュウに関する調査研究をすすめ、その対策を講じることにより生産量を維持し、全国ブランドにふさわしい品質を確保する。また、魅力ある加工商品の開発と販売を農商工連携により推進し、全国に情報を発信する。

・ネギは、越冬ネギの本格栽培による長期出荷と排水対策等による高品質、高生産を推進するとともに、コスト削減を図る。また、遊休調整機械のリストアップを行い、小規模栽培者に対して機械化の推進を図る。

・ナスは収量不安定要因(病害虫、防風)の除去するために、高齢農家でも導入しやすいIPM防除技術の検証を行うとともに、高価格作型(トンネル栽培)の実証を行う。

・キクは、次世代を見据えた生産出荷体制の構築を推進するとともに、病害虫の指導体制の整備を行い、加工小菊「ミディマム」の広域産地体制の整備を図る。

・圃場排水対策の構築により、大型機械を導入した水田地帯での大規模園芸(サトイモ、ジャガイモ)のモデル経営体の育成を図る。

・「いちほまれ」ブランドを全国に定着させるために、良食味で生産性の高い米づくりを確立するために、初期生育の向上と無効分げつ抑制対策を図り、高品質、高収量の確保を行う。

・「コシヒカリ」を全国トップレベルの高品質米生産に向けた意識形成を図り、モデル経営体(食味値85、整粒歩合80、味度値85)を育成する。

・ふくいオリジナル酒米「さかほまれ」の大吟醸酒の醸造に適した高品質栽培技術の構築を図り、酒造組合との連携により、福井県産の大吟醸酒の製造を目指す。

・後継者をターゲットとした革新技術と熟練技術の組み合わせによる水稲栽培技術の水準向上を図る。

・「いちほまれ」をはじめとした良食味米や酒米の種子籾の生産安定を図り、県下最大の種子籾産地の確立を図る。

・県を代表する酪農地帯として、魅力ある酪農経営の実現を目指して、牛群検定成績、繁殖管理指導を活用した飼養管理の改善を行うともに、後継者への経営継承の推進を図る。また、6次産業化導入も推進する

・奥越管内各市における農産物直売所(道の駅)の整備に伴い、果樹等少量多品目農産物の生産する生産者の育成を図る。集落住民と関係機関が一体となり、「山際境界づくり」を地域と連携して行い、有害鳥獣の防除を進める。

 

2 「新ふくいの農業基本計画」の概要

  奥越地域の農業・農村を着実に推進するため、初年目となる「新ふくいの農業基本計画」のもと、現場での課題解決を第一に考えた普及活動を展開する。


(生産・販売の拡大)
  1 米やそばの全国トップブランド化
   (1) いちほまれのトップブランド化
    ・奥越産米(コシヒカリ)の品質向上対策
    ・いちほまれの品質向上
    ・酒造組合と連携したふくいオリジナル酒米「さかほまれ」の高品質栽培

  (2)  スマート農業の導入による次世代農業の創出
   ・集落営農の負担を軽減する新技術導入支援

  (3)  地域に受け継がれたそば(在来種)の日本一のブランドに育成

 
 2 園芸作物に対する消費者の評価向上と生産拡大
  (1) 水稲と園芸の複合経営の拡大
   ・産地振興に向けた関係機関の連携促進
   ・サトイモの規模拡大促進と品質向上、販路拡大
   ・ネギ産地の基盤強化
   ・ナスの高齢・小面積産地のブランド維持
   ・加工用小ギク「ミディマム」広域産地体制の整備

  (2) こだわり農産物の高付加価値化


 3 アジアを中心とした農産物の輸入拡大
  (1) 新たにアジアへの輸出に取り組む県内事業者の拡大

  (2) 多収品種に限定して超早播き直播を導入し、輸出用米を生産


 4 消費者ニーズに合わせた無農薬生産の拡大と技術の確立
  (1) 米の大規模有機栽培技術の確立、園芸の無農薬生産技術の実証


(農村の魅力創出・交流促進)
  5 他産業と連携した新ビジネスの展開
   (1) 「里山里海湖ビジネス」の拠点づくりで交流人口を倍増

   (2) 食品加工業と連携した新たな6次化商品の開発


  6 農村コミュニティの活性化と農村文化の昂揚
   (1) 農地を委託した農家が農業生産活動に参加する仕組みづくり

   (2) 農地、水を守り、農ある風景や農村文化を次世代に継承
    ・鳥獣害対策の推進


(若い人材の確保・育成)
  7 儲かる集落組織・若手経営者の育成
   (1) 大規模法人(規模40ha以上、売り上げ5千万円以上)を拡大
    ・法人の広域連携の推進
    ・次世代の地域リーダー育成

(2) 経営の多角化により家族型農業の収益向上
 ・農業経営相談所を活用した重点対象者育成
 ・GAPの推進

(3) 畜産経営の安定
 ・魅力ある酪農経営の実現

 

  8 園芸カレッジを核とした新規就農者の増大
    (1) 園芸カレッジを核とし、市町と連携した「農業人材育成拠点」を各地域に整備

    (2) 県立大学と連携したふくい型人材育成

 

(ふくいの食育・地産地消)
  9 「知る」「つくる」「買う」ことを通じ、すべての県民が参加する地産地消
   (1) 農産物直売所、販売店等を通じた地産地消の拡大
    ・直売所向け生産体制の育成、新規品目育成

   (2) 学校給食等への県産農林水産物等の利用促進

   (3) 自産自消から地産地消へ
    ・6次産業化導入農家の育成


10 「家庭」(企業」「学校」で学ぶ食育
  (1) こどもや保護者・祖父母への食育推進
   ・元気な奥越地域の農業・農村を着実に推進するため、最終年となる「ふくいの農業基本計画」の達成に
    向けて、現場での課題解決を第一に考えたプロジェクト型普及活動を展開する。

  

 

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