第13回福井県科学学術大賞受賞者
やまだ かずのり 山田 和則 セーレン株式会社研究開発センター商品開発第一グループ長 <略歴> 昭和63年 近畿大学理工学部数学物理学科卒業 昭和63年 セーレン株式会社入社 平成18年 同社研究開発センター商品開発第一グループ主管 平成26年 現職 |
よしむら ふじよう |
よしだのりひこ 吉田 憲彦 |
うめだひろゆき 梅田 博之 |
すずきゆかり 鈴木 由香利
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業績名 『本革を超えた車輌内装用新素材の研究開発と事業化』
材料や工程の研究開発を行い、これまで両立が難しかった高い耐摩耗性とソフトな触感を両立させた合成皮革「QUOLEⓇ」(クオーレ)の製造を実現しました。さらに、これまでの製造工程に比べ有機溶剤を半減、CO2を65%削減するなど、環境に優しい製造工程を実現しました。カーシートとして、トヨタ、レクサス、日産等多数の自動車メーカーに採用され、50車種以上、年間生産約600万台を誇り、県の産業界にも大きく貢献しています。
≪開発研究の内容、成果≫
これまでの合成皮革は、繊維基材に表皮層を直接接着させる乾式工程と、基材にクッションの役割を持つミクロポーラス層を形成させた上に表皮層を接着させる湿式工程の2種類がありました。乾式工程は、耐摩耗性に優れるもののミクロポーラス層がないため触感が悪く、湿式工程は、ソフトな触感を実現しているものの耐摩耗性に課題があるうえ、有機溶剤を多く使うため環境への負荷も大きいものでした。
セーレン株式会社のグループは、材料となる樹脂の設計や構成、基材を開発したことにより、高い耐摩耗性とソフトな触感を両立させた新素材「QUOLEⓇ」(クオーレ)の製造を実現しました。特に、接着層とミクロポーラス層を兼ねる層を開発したことがポイントとなりました。また、従来のように多量の有機溶剤を使わないため、環境への負荷も少ないものになっています。
さらに、同社の「ViscotecsⓇ」(ビスコテックス)技術との融合により多彩な表現が可能となるとともに、高度加工技術の展開により遮熱機能、防汚機能などを付与することも可能となりました。
発売と同時に「本革を超えた新素材」として注目され、カーシートとして多数の自動車メーカーに採用されています。現在全50車種以上、年間約600万台に搭載され、車輌内装用の合成皮革として年間200億円以上の売り上げを誇り、同分野でのグローバルトップシェアを獲得しています。
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