結核について

最終更新日 2024年1月12日ページID 027702

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“結核”は昔の病気ではありません。今も多くの方が患っている、国内最大の感染症の一つです。このページでは、結核に関する基礎的な知識や対策、法律で定められた事項などについて紹介しています。


目 次

 1.結核とは

 2.結核の現状

 3.結核対策

 4.感染症法に基づく医師・病院管理者の届出

 5.結核定期健康診断の実施と報告

 6.各健康福祉センターの連絡先とホームページ
 

トピックス

9月24日から9月30日までの1週間は「結核予防週間」

 厚生労働省では、毎年9月24日から9月30日までの1週間を「結核予防週間」と定めています。
 結核患者がなかなか減少しない最大の原因は“ 結核への知識・関心の低下” にあると考えられています。そこで令和5年度は、「いまも1日平均28人が結核と診断されています。」をスローガンに、早期受診・早期診断の重要性をはじめとした結核予防に関する普及啓発活動を実施することとしています。
 令和4年の福井県の新規結核患者のうち、約93%が60歳以上の高齢者でした。高齢者の結核を予防し、早期発見するには、家族や周囲の"気づき"が大切です。
 身近な方で、咳が止まらない、痰が出る、身体がだるい、微熱があるなどの症状が2週間以上続くことに気付いたときは、医療機関を受診するようお声かけください。
参考:厚生労働省ホームページ   

長引く咳は“風邪”・・・“結核”かも!?

 咳が止まらない、痰が出る、身体がだるい、微熱がある。こんな症状が2週間以上続くなら、それは結核によるものかもしれません。早めに病院で診察を受けることをお勧めします。
 「結核を患うと病院から出てこれなくなるから、病院には行きたくない」という心配の声を聞くことがあります。しかし、結核は薬をしっかり飲めば治る病気で、入院が必要な場合も、1~2か月(標準的な場合)で退院することができますのでご安心ください。
 結核は周囲の方に感染させる恐れのある“感染症”です。周囲の方のためにも、結核が疑われる症状がある場合には病院を受診しましょう! 

複十字募金運動に御協力ください!

 結核の撲滅と肺がんやその他の胸部疾患をなくすため、結核予防会や各都道府県ごとにおかれている結核予防会支部において、事業資金を集めることを目的とした募金活動を実施しています。
 福井県では、この運動をはじめとする様々な結核対策を結核予防会福井県支部等と協力しながら進めていますので、県民の皆様のご理解、ご協力をお願いします。
 ・運動期間:令和5年8月1日から12月31日まで(募金は運動期間外も受け付けています。)
 ・募金・問い合わせ窓口:公益財団法人福井県健康管理協会(結核予防会福井県支部) TEL:0776-98-8000
 ※募金いただける方は0776-98-8000にお電話ください。振込手数料が無料となる振込用紙をお送りします。
 ※募金に関する情報は、こちらを参照ください。(公益財団法人結核予防会ホームページ)
 

結核とは

 明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」や「亡国病」と恐れられていた病気であり、死亡原因の第1位でした。しかし現在では、医療や生活水準の向上により、薬で完治できる病気となり、令和3年には、結核罹患率(新登録結核患者数を人口10万対率で表したもの)10.0未満とする結核低まん延国の水準を達成しています。
 しかし、結核は過去の病気というわけではありません今でも年間約1万人以上の新しい患者が発生し、約1,700人の方が命を落としている日本の重大な感染症の一つです。
※詳しくはこちらのホームページを参照ください。(国立感染症研究所ホームページ)

症状

 主な症状は、咳が2週間以上続く、痰(タン)が出る、急に体重が減る、体がだるいなど、風邪にも似た症状です。「風邪かな?」と思った場合でも、症状が長期化する場合には医療機関を受診しましょう

感染と発病

 結核は、結核菌によって主に肺に炎症がおこる病気(結核のうち約80%)で、結核菌の混ざったしぶきが咳やくしゃみと一緒に空気中に飛び散り、それを周りの人が直接吸い込むことによって感染しますが、吸い込まれた結核菌の大半は、鼻やのど、気管支などの粘膜に付着し、繊毛の働き(繊毛運動)によって体外に排出されるため感染は成立しません。繊毛運動の低下などの理由で菌が体外に排出されず、肺の奥まで菌が侵入してしまった場合に感染が成立します。
 ただし、感染しても必ず発病するわけではありません通常は免疫力が結核菌の増殖を抑え込むため、症状が出たり、まして他人に感染させる恐れはありません。免疫力が低下している場合など、結核菌の増殖を抑えきれなくなると結核を発病しますが、発病しても、すぐに他人に感染させるというわけではありません
 また、肺以外の結核(結核のうち約20%;結核性髄膜炎、結核性胸膜炎など)は、他人に感染させることはありません。

予防

 結核の予防には、普段から健康的な生活を心がけ、免疫力を高めておくことが重要です睡眠不足や偏食はやめましょう。また、抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症になりやすく、重症の場合、命を落とすこともあります。予防するためにはBCG接種が有効です。お住いの市町からの案内に従って、遅くとも1歳までに接種を受けてください。
※BCG接種については、こちらも参照ください。(厚生労働省ホームページ「結核とBCGワクチンに関するQ&A」)

検査と治療

 結核に感染したかどうかは、インターフェロンγ(ガンマ)遊離試験(IGRA)という血液検査やツベルクリン反応検査(ツ反)をすることで検査できます。IGRAやツ反の結果、感染が疑われる場合には、エックス線検査などで発病の有無を調べます。(年齢や過去の病歴によっては、IGRAやツ反をせずに胸部レントゲン検査を実施する場合があります。)エックス線検査で結核性病変が確認された場合、喀痰検査で他人に感染させる恐れがあるかどうかを調べます。
 結核の患者は、検査の結果によって次のように分類され、それぞれで治療の方法が異なります。(あくまで代表的な場合で、画像所見の状況や自覚症状の有無、他の検査結果、周辺の環境によって、必ずしも次のとおり分類されるとは限りません。)

  IGRAまたはツ反 エックス線検査 喀痰検査
1.潜在性結核感染症(LTBI)患者 陽性 異常なし  
2.他人に感染させる恐れがない結核患者 陽性 結核性病変 塗抹陰性
3.他人に感染させる恐れがある結核患者 陽性 結核性病変 塗抹陽性

  LTBI患者と他人に感染させる恐れがない結核患者については、外来診療で治療することができますが、他人に感染させる恐れがある結核患者については、他人に感染させる恐れ(感染性)がなくなるまでの期間(標準的な場合で1~2か月程度)、結核病床を有する医療機関に入院して治療を受ける必要があります。感染性がなくなったことが確認できれば、退院して外来で治療を継続することになります。

 抗結核薬による治療は、最短で6ヶ月(あくまで個人差があります。)で完了しますが、完了後も万一の再発を早期に発見するため、定期的に健康診断(管理検診)を受ける必要があります。健康福祉センター(保健所)の職員から受診の案内があったときには、案内に従って管理検診を受けてください。

 もし、治療途中で抗結核薬の服薬をやめてしまうと、抗結核薬が効かない結核菌(多剤耐性結核菌)となる場合があり、治療が困難となってしまうことや、まん延した場合の対策が難しくなってしまうことがありますので、処方された薬は確実に服用してください
 しかし、長期間確実に服薬することは非常に難しいことです。そのため、医療機関や健康福祉センター(保健所)の職員などが直接服薬確認療法(DOTS)によって、患者の確実な服薬を支援する事業を進めています。
 

結核の現状

1.新規の結核患者数(人口10万人あたりの罹患率)

令和4年 令和3年 令和2年
全国 福井県 全国 福井県 全国 福井県
10,235人
(8.2)
42人
(5.6)

11,519人
(9.2)

51人
(6.7)

12,739人
(10.1)

63人
(8.2)


2.60歳以上の新規登録患者数(新規の結核患者に占める60歳以上の患者の割合) 

令和4年 令和3年 令和2年
全国 福井県 全国 福井県 全国 福井県

7,570人
(74.0%)

39人
(92.9%)

8,384人
(72.8%)

40人
(78.4%)

 9,234人
(72.5%)

55人
(87.3%)


3.結核による死亡者数(人口10万人あたりの死亡率 )  ※死亡者数(死亡率)は人口動態調査による

令和4年 令和3年 令和2年
全国 福井県 全国 福井県 全国 福井県
1,664人(1.4)  6人(0.8) 1,845人(1.5) 11人(1.5) 1,909人(1.5) 13人(1.7)

 
 過去10年の年次推移についてはこちらを参照ください。(PDF形式:128KB)
 

結核対策

 県では、医療費の公費負担や結核患者全員を対象としたDOTSの推進などにより、結核の完治を支援し、新たな結核患者の発生を防ぐとともに、医師からの届出に基づき、患者の周辺にいる方(濃厚接触者)の調査や健診をすることで、新たな感染者の早期発見や発病予防のための治療推進などの対策を実施しています。

医療費の助成

1.入院(結核以外の疾患の治療のための入院を除く。)治療が必要な患者
 他人に結核を感染させる恐れがあり、保健所長が入院を勧告した患者については、次の医療に必要な費用の全額を公費負担します。(感染症法第37条関係)
 ただし、本人及び同一生計の家族の収入に応じ、費用負担の一部を負担していただく場合があります。
(1)診察
(2) 薬剤、治療材料の支給
(3) 医学的処置、手術およびその他の治療
(4) 病院への入院およびその療養に伴う世話その他の看護
 費用の負担を受ける場合には、住所地を所管する健康福祉センター(保健所)に医療費公費負担申請書を提出していただく必要があります。入院することになった場合は、入院する医療機関または健康福祉センターにご相談ください。
2.通院治療の患者

 他人に結核を感染させる恐れがなく、通院で結核の治療をする患者については、厚生労働大臣が定める基準(「結核医療の基準」(PDF形式:191KB))に基づき、次の医療に必要な費用の100分の95に相当する額を公費負担します。(感染症法第37条の2関係)
(1) 化学療法
(2) 外科的療法
(3) 骨関節結核の装具療法
(4)(1)~(3)の医療に必要なエックス線検査および結核菌検査
(5)(2)(3)の医療に必要な処置その他の治療
(6)(2)(3)の医療に必要な病院、診療所への収容(食事の給与および寝具設備を除く。)
 費用の負担を受ける場合には、住所地を所管する健康福祉センター(保健所)に医療費公費負担申請書を提出していただく必要があり、また、医療機関は、県から結核指定医療機関の指定を受けている必要がありますので、結核の治療を受けることになった場合は、通院予定の医療機関または健康福祉センター(保健所)にご相談ください。

濃厚接触者の健康診断(接触者健診)

 他人に感染させる恐れのある結核患者が発生した場合、その患者の同居者や長時間一緒にいた方、狭い空間で一緒にいた方など(濃厚接触者)は結核に感染しているかもしれません。そのため、健康診断(血液検査(IGRA)やツ反、レントゲン撮影など)を実施し、感染しているかどうかを調べます。その結果「感染の疑いあり」となった方は、医療機関で精密検査を受けていただくことになります。
 精密検査の結果で結核の「発病」が確認された場合には、その状況に応じて、入院または通院で治療を受けていただきます。「発病」が確認されなかった場合は、潜在性結核感染症の治療を受けるか、レントゲン撮影により経過を観察するか、どちらかの対応となりますので、医師の診断に従ってください。
 

感染症法に基づく医師・病院管理者の届出

 感染症法では、医師は、結核と診断したときは、直ちに所管する健康福祉センター (保健所 )に届け出ることが義務付けられていますので、届出基準を参照の上、定められた様式で届け出てください。
 また、病院管理者は、結核患者が入院または退院したときは、7日以内に、健康福祉センター(保健所)に届け出ることが義務付けられていますので、様式にて届け出てください。
 なお、ご不明な点がありましたら、各健康福祉センター(保健所)にお問い合わせください。
 ・届出基準(厚生労働省ホームページ)
 ・結核発生届(様式)(PDF形式:217KB)
 ・結核患者入退院届(様式)(Word形式:25KB)
 

結核定期健康診断の実施と報告

 感染症法第53条の2の規定により、学校、病院・診療所、助産所、介護老人保健施設、社会福祉施設等は結核の定期健康診断を実施し、健康福祉センター(保健所)に報告しなければなりません。

 下記の実施義務者は、健康診断を実施した翌月の10日までに様式にて報告してください。

 ・結核健康診断月報様式(Excel版)(Excel形式:69KB)記載例あり

 ・結核健康診断月報様式(PDF版)(PDF形式:226KB)

  [記載例]  学校(PDF形式:229KB) 小中学校(PDF形式:229KB) 施設(PDF形式:229KB)

         介護老人保健施設(PDF形式:229KB) 医療機関(PDF形式:229KB) 市町(PDF形式:229KB)

 ・提出先(PDF形式:175KB) (福井市に所在する施設は、福井市保健所に提出してください。)
 

実施義務者・対象者・実施時期

実施義務者 対象者 実施時期
学校(※1)長 業務に従事する者 毎年度

大学、高等学校、高等専門学校、専修学校または各種学校の学生または生徒

(修業年限が1年未満のものを除く。)

入学した年度
病院、診療所、助産所、介護老人保健施設の長 業務に従事する者 毎年度
刑事施設の長 20歳以上の被収容者 20歳に達する日の属する年度以降において毎年度
社会福祉施設(※2)の長 業務に従事する者 毎年度
65歳以上の入所者 65歳に達する日の属する年度以降において毎年度

※1 専修学校および各種学校を含み、幼稚園を除きます。
※2 社会福祉法第2条第2項第1号および第3号から第6号までに規定する施設
   第1号:生活保護法に規定する救護施設更生施設
       生計困難者を無料または低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設
   第3号:老人福祉法に規定する養護老人ホーム特別養護老人ホーム軽費老人ホーム
   第4号:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害者支援施設
   第6号:売春防止法に規定する婦人保護施設
 

各健康福祉センターの連絡先とホームページ

 結核対策についてや、各種届け出についてなどでご不明な点がありましたら、最寄りの健康福祉センター(保健所)にお問い合わせください。

健康福祉センター(保健所) 所管市町 電話番号(代表) 担当課 ホームページ
福井健康福祉センター 永平寺町 0776-36-1116 地域保健課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/fukui-hwc/
坂井健康福祉センター あわら市、坂井市 0776-73-0600 地域保健課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/sakai-hwc/
奥越健康福祉センター 大野市、勝山市 0779-66-2076 地域保健福祉課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/okuetu-hwc/
丹南健康福祉センター 鯖江市、越前市、
池田町、南越前町、越前町
0778-51-0034 地域保健課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/tannan-hwc/
二州健康福祉センター 敦賀市、美浜町、
若狭町(旧三方町)
0770-22-3747 地域保健課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/nisyuu-hwc/
若狭健康福祉センター 小浜市、高浜町、
おおい町、
若狭町(旧上中町)
0770-52-1300 地域保健課 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/wakasa-hwc/

※福井市については、福井市保健所(0776-33-5184)が所管しています。

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お問い合わせ先

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電話番号:0776-20-0349 ファックス:0776-20-0643メール:hoken-yobo@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
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