知事記者会見の概要(平成20年3月31日(月))
平成20年3月31日(月)
13:00~13:45
県庁 特別会議室
(北陸新幹線について)
【知事】
・北陸新幹線については、3月までに財源の見通しを得て、敦賀までの新規着工の結論など、全力傾注して出されるということを文書にも書いてありました。我々としてもそういうことで努力し、期待していました。
・また、政府・与党の皆さんも、いま申し上げた方向で、我々の度重なる要請の場においても、そういうご発言のことをおっしゃってこられた。
・しかし、今日、年度末になったけれども、その約束が果たされないということであります。昨年夏以降のいろいろな経緯も踏まえますと、このことは県民の政治に対する信頼に関わることであり、誠に遺憾なことと言わざるを得ません。また、政府の信用に関わる問題であります。
・我々が、県民のご理解も得て、県内各界一致協力し、今回の国の決定に期待を掛けてきたわけですが、結果が出ないのは極めて残念ですが、一方で、このプロジェクトは、非常に長い大きな長期の事業であることも事実です。
・何十年もかけている事業であり、予算のスケールも8千億円を超えるプロジェクトです。通常のプロジェクトから比べますと桁の違う事業であります。
・ 簡単に右から左へと結論が出にくい事業であることもまた事実かと思います。スケジュールどおりにならず、ある程度、期間に誤差があることはあると思います。そういう中で、我々としては、これまで地元として懸命に全力で、年度末までに向けて頑張ってきました。
・ そこで、これまで努力していただいた県議会、あるいは市町、首長、議会の皆さん、経済界、また直接この問題の決定権を持っている国会議員の皆さんとともに、今一度、地元を再結集し、今後の運動について相談を進め、我々地元を固め、意思も統一しながら、更なる働きかけをしなければなりません。
・また、併せて、これは北陸全体の事柄でもあり、北陸3県の足元が崩れてはいけないことであり、3県の協力体制を強める必要があります。
・明日から4月になりますが、私自身、直接、石川・富山両県に対し、結束が緩まないよう要請をし、北陸新幹線の敦賀まで、また、さらに将来は関西への方向ということですが、長期的にみて3県の利益に繋がるということについて、十分理解を求めるなどの働きかけをしていきたい。
・なお、今回、政府・与党において結論が出せないという問題があったわけですが、このことは、道路財源など今日は様々な課題、異例の政治情勢があるとはいえ、また、財源の長期的な工面、見通しが十分立てきれていないということがあるかとは思いますが、我々としては新幹線の日本における高速交通システムの重要性を国において十分確認をしていただき、この位置づけを求めるものです。
・国として考え方をはっきりさせて、財源確保の十分な政治的な交渉力をもって臨み、一方で福井駅部の工事が、この1年後には完成しているはずですから、そうしたことを踏まえて、早期に方針が出せるよう強く求め、また、期待をしたい。
【記者】
・ 今後の運動の進め方として、作戦を変更するようなところはありますか。
【知事】
・ 国会議員の先生方から状況もまだお伺いしていませんから、説明を求めなければいけませんし、全力で取り組んできた皆さんと集って、意思統一をして、前向きにこの問題の解決に望むということです。
【記者】
・ 具体的には整備期間の延長といったことも出ていますが、知事のお考えは?
【知事】
・ 今回、そこまでの話が全体として出ていませんから、それを具体的に申し上げる場ではない。
・ともかく、何とかして財源を確保して結論を出したいというのが、政府・与党の関係者の皆様のお気持ちかと思いますから、それを十分確認をしたうえで、できれば早く方針が出るように望みたい。
・様々な財源というのは、ないわけではなくて、見えはするけれども、それをいかに交渉して獲得するか、また一方で公共事業をどうするかという問題、そういうものも含めて方針を出すための努力、我々としては、地元としても十分な情報の共有と気持ちを合わせて、これは県民の願いでもありますから、そういうことをしたい。
【記者】
・ 先週末に冬柴国土交通大臣が、記者会見で記者の質問に答えるという形で、現時点では難しいのではないかと言われましたが、政府・与党として結論が出せないという以上に、今の段階で方向性も出さないことについては、どうお考えですか。
【知事】
・ 今の段階でどうかは私は推測できませんが、できないということではなくて、何とかしてやりたいという気持ちの中で、こういう政治情勢での現状になっているのだと思う。その中でできるだけ早く意見を統一して、また意見も十分聞いて、方向が出るように努力してもらいたいというのが現状です。
【記者】
・ 何らかのメッセージも出せないという状況で、知事の言葉で言う政府、政治への信頼ではないですけれども、やはり県民としては何らかの方向性を出す、それに至らないまでも、何らかのメッセージが出されるのではないかという期待があったかと思いますが。
【知事】
・ 意味のない方向性ではいけないわけです。大きい事業であり、瞬間的に、1週間、1か月という議論ではないと思いますので、3月末を目途としてこられたと思いますが、おそらく体制を立て直されて、目途をつけて進まれると私は思いますし、そういう期待をしています。
【記者】
・ 県民の期待も裏切られた形になったわけですけれども、早く方針を決めて欲しいという思いを直接知事が上京されて、政府・与党にお伝えに行かれるというお考えは?
【知事】
・ それはもちろん必要ですけれども、その前に、地元として一回十分に集ってご相談をし、考えをまとめて結集していかなければならない。
・ 皆さんそのつもりだと思いますし、当然のことだと思います。そうしたうえで、遅れることなく働きかける、あるいはご意見を聞く必要がある。
【記者】
・ 次の財源確保の時期というと、概算要求が始まるまでですか。
【知事】
・ 常識的にはそういう時期があると思いますが、そうしたことであるかどうかも含めて、協議したり相談することになる。
・ しかし、皆さん、解決したいという方向は一致しているはずで、何とか結果が出るようにしたい。
・ 現に、福井駅部も新年度中に完成ですから、1年以内には、来年の今日までには完成してしまいますから、間を置かずに事業が進められるように方針が出ないといけない。
【記者】
・ 安倍前首相が参院選のときに約束したわけですけれども、与党に対する知事としての不信感というのは?
【知事】
・政治への信頼の問題ということですね。
【記者】
・敦賀の河瀬市長が、「もんじゅのカードを切る。」という発言がありましたが、それに関して知事のお考えは。
【知事】
・敦賀市民といいますか、嶺南、若狭の皆さんのお気持ちを表す、市長さんの考えを表明された、いわば当然の考えを示されたのかなと私は受け止めています。
・しかし、私自身は全体として、この新幹線の成果を県民全体の力で、全自治体の力で、結果を皆さんと一緒に出す立場にありますので、全力で取り組みたいということです。
・首長さんのお考えというのは、あわらはあわら、福井は福井、また、越前市は越前市としてお持ちだと思いますから、それは差もあると思います。そういうものを十分踏まえながら全力で全体の結果を出したいというのが私の立場です。
【記者】
・先ほど政治に対する信頼の問題という言い方をされましたが、わかり易く言うと政治に対する不信感を生む、不信という言葉で表現しても構わないですか。
【知事】
・言葉遣いはよくわかりませんが、普通に思う考え方は私の言ったとおりです。
・信頼というのは、継続的な中で実現されるということが重要ですので、すぐにどうこういうことではなく、長期的にきちんと約束したことが守られる、これが政治ですから、そのように思います。
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