知事記者会見の概要(平成20年12月25日(木))

最終更新日 2008年4月16日ページID 007518

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平成20年12月25日(木)
10:30~11:00
県庁 特別会議室

 
記者会見


【知事】
 いよいよ今年も年末になり、年末記者会見となります。今日は、「景気・雇用対策」、「年末に当たって」の2項目になります。
1つは景気・雇用対策ですが、国内の様々な業種の産業の業績が深刻化しており、県内においても企業の規模、業種を問わず、景気・雇用情勢が厳しい状況になっています。我々としては、この情勢に対応するため、経済団体、労働団体、金融関係者を集めて、県内企業の経営状況、雇用状況の収集を随時行うとともに、雇用対策連絡会議、経済対策連絡会議を開き、施策を順次実行に移しているところです。

 今ほども経済対策連絡会議を行ったところですが、12月補正予算においては、経営安定資金の中に、借入れの際の保証料軽減をする緊急保証支援を50億円計上したところです。しかし、保証枠50億円のところ、12月以降、本資金の申し込みが予想を上回って増えており、先週段階で40億円の利用があります。そのため、本日の連絡会議において、この50億円を150億円増額し、全体として200億円に拡大することを決定しました。専決処分をし、議会へ後ほどご報告をすることになると思います。

 雇用対策ですが、現在、主として非正規社員の雇い止めということが表れ始めています。先週18日に雇用対策連絡会議を開いたところであり、相談体制の強化、就職説明会の開催など、当面の雇用対策を決定しました。これから年末になりますが、県のジョブカフェや国のハローワークは、マッチングをするための相談窓口を年末30日まで延長することにしています。

 また、本日の午後には、相談機関が一丸となって雇用不安を解消していくための労働相談窓口全体の協議会を設けたいと思っています。協議会には、労働局、弁護士会、社会保険労務士会など7つの専門機関のほか、県下全17市町が参加する予定になっています。この協議会では、雇用、そして、具体的にどちらに勤めたらいいかというマッチングの情報を共有するとともに、合同相談会など連携を進めていきたいと思います。

 また、これから、国の様々な雇用対策の政策を地方団体で実行に移すことになります。先ほどの会議でも説明したところですが、それぞれ何十億円ずつのものが4つのカテゴリーになっていますので、ハード、ソフト、それから、1年で使えるもの、数年で基金のような形で実行する制度があります。有効に現場で使うことが大事であり、これが雇用につながる必要がありますので、本日、副知事を中心にプロジェクトチームをつくって、できるだけ総合的に有効に、その事業が使えるような対策を講じていきたいと思っています。

 これからも離職・求職状況などを迅速につかみ、国の支援なども活用し、県として来年度の予算も始まりますので、経済・雇用対策の方向づけをしながら、可能なものから速やかに実行していきたいと思っています。

 次に、2つ目のテーマである年末に当たっての事柄です。
 今年1年を振り返って、まず第一に挙げたいことは、何十年来の県民の悲願であった北陸新幹線の整備の方針が大きく前進したことです。

 先週16日に、整備新幹線に関する政府・与党ワーキンググループにおいて、金沢-福井間、敦賀駅部の新規着工、南越駅部の調査、設計が合意されました。

 また、昨日決定した21年度政府予算においても、未着工区間について、工事費につながる着工調整費、高度化事業等が計上されています。これは、県内整備に向けた大きな前進であり、県民の皆さんをはじめ、県選出国会議員、県議会議員、沿線市町、様々な経済諸団体など各界各層が一丸となった長い間の活動の結果であり、心から感謝申し上げたいと思います。

 しかし、認可に向けては、まだ財源の検討が残されており、手続きがありますので、我々としては手綱を緩めることなく、来年のできるだけ早い段階において認可・着工が実現するよう総力を挙げて努力を続けていきたいと思います。

 今後は、認可をどう受けるかという、これまでの国への要請とはレベルが違う具体的な手続きに入りますし、予算をどれだけどう確保するか、そして、それぞれの福井県内の現場で、駅や線路などをどのようにして整備していくかという具体のまちづくりに入りますので、新しい考え方と体制でこの問題に臨む必要があると思っています。

 さて、今年は福井県が様々な点で注目を集めた年ではなかったかと思います。11月には小学館のDIMEトレンド大賞特別賞を受賞するなど、いわゆるブランド、あるいはPR、知名度という点で話題になった年であったと思います。様々な分野で皆さんが努力され、熱心に頑張られたものが集まった結果と思います。
 1つは、「ちりとてちん」の効果もあり、特に今年上半期に宿泊客が前年比に対して約10%増加したということもあり、大きな流れが1つできたと思います。

 それから、今年は米大統領選挙の年でもあり、オバマ氏への様々な応援活動、副大統領候補の眼鏡など話題が相次ぎ、産業面でもよい影響が出たと思います。

 さらに、学力テストにおいて、福井県が昨年に続いて全国最上位の成果を上げ、全国から調査なども来ていただいているところです。これは、生徒、学校、地域、家庭という、皆さんの総合力だと思います。これからも、学力、教育の優れた点、子育ての優れた点を紹介・PRしていく必要があると思います。

 また、南部陽一郎先生がノーベル物理学賞を受賞されたのも大きな朗報で、ニュースであったと思っています。数年前から福井県としてサイエンス教育、つまり、理科や数学の教育を充実していこうという矢先であり、ある意味で大変力強く励みになるニュースをいただいたと思っています。これからもこうした科学技術教育を充実していくことが大事で、子どもたち全体の自然、環境、あるいは命、道徳などの教育にも関わると思いますが、そうしたことのベースになる教育内容になると考えています。

 5つ目ですが、「ふるさと納税」制度が幸い本年度から福井県提案の制度として全国でスタートしています。納税者自らが納税地を選択できる、そして自治体においても行政、政治の競争をするというきっかけになる制度だと思っています。制度はこれから継続するわけであり、まだ1年足らずですが、全国でも様々な努力がなされています。

 制度の提唱県として、全国のモデル的な役割を担っていくために、「ふるさと納税情報センター」を8月に開設し、全国にそれぞれの自治体の活動ぶりをお知らせしているところです。それについても、さらに充実し、また今月が終わると1年近くの状況が出ますので、そうしたものをまとめるなどして、年明けにはまた新しい情報を入れながら進めていきたいと思います。

 なお、福井県へのふるさと納税は、昨日、24日現在ですが、県と市町全体で692件、6,710万円の寄付を受けているという状況であり、全国としては最上位、トップクラスではないかと思います。

 いただいたご寄付については、新年度の事業に活用することを考えており、当初予算の編成の中で皆様のお気持ちをどのような成果に使うかということを一生懸命議論していきたいと考えます。また、活用の結果については、ホームページなどで公表し、寄付者や県民に対し分かりやすい形で明らかにしていきたいと思っています。
次に、新年に向けてですが、来年についてはまた来年にお話をしなければなりませんが、来年は2期目の折り返し点になりますので、これまでの成果を踏まえながら、さらなる飛躍を期していきたいと思います。

 特に、当面の課題として、現下の厳しい景気・雇用情勢があります。これについて、私が就任した当初の段階と局面は違いますが、状況としてはよく似ているわけですので、県民が安心して「暮らしの質」を実感できるように、2月補正あるいは当初予算の編成を通じ、また県民の皆さんのご期待に沿えるように、様々な具体的な経済・雇用対策を頑張っていきたいと思います。何といっても企業あるいは県民の方々がそれぞれの分野で、この厳しい中ではありますが、何とかしのいでいただき、次の展望を見出す必要があろうかと思いますので、そのような気持ちで臨みます。

 また、北陸新幹線の整備については先ほど申し上げましたように、こうした厳しい中ではありますが、大きな朗報です。この認可についても進め、これが大きな意味での福井県の将来の基本的な経済・国土政策になるものと思っています。

 さらに、6月7日には第60回という節目の全国植樹祭が一乗谷朝倉遺跡で天皇・皇后両陛下ご臨席のもとに開かれますので、全国から集まる方々に十分福井の良さを味わっていただくように願っています。

 総じて今年後半は厳しい情勢も表れていますが、明るい話題も一方でありますし、また、将来につなげる希望も出ていますので、来年も県民の皆さんが夢と希望を持てるような1年にしていくつもりで臨みたいと思いますので、よろしくお願いします。


~ 質 疑 ~


【記者】
 新幹線の件です。福井までということで方向性が出たということで大きな前進と感じると思いますが、財源が集まらなければ認可ができないという話でもあり、それを先送りと見る見方もあるようです。その点についてはどのように判断していますか。

【知事】
 新幹線は、認可と財源が論理的に裏腹になっており、どちらが絶対的に先でなければならないということはありませんが、通常の国の仕事の仕方としては大体並行して措置をするということです。まだ認可の手続が終わっていませんので、認可を年内に受ければ、いわゆるハードの事業が起こり得るということで、そのために必要な予算を9億円計上したのだと思います。金子国交大臣も財源については確保できているという発言もしていますから、その点については、認可を急いで事柄を進めれば、財源が確保できると思います。

 これは政治や行政が安定した形で実行されなければなりませんが、できるだけ早く認可を受けられるように、我々も国交省と具体的に事務的な手続きをしていくことになります。地域ごとに、早くできたところから認可を受けられるようなタイプのものだと思います。スキームは3線一緒に年末に決めましたが、基本的に横並びでやる必要はない事柄ですので、結果はどうであれ、できるだけ急ぐように、この年末からやり始めようと思います。

【記者】
 先日の建設促進同盟会の中で知事が盛んに述べていたのは、今やるべきことと将来やるべきことの仕分けをしなければいけないということだと思います。早期認可に関してはかなり意義あることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【知事】
 レベルが幾つかあり、早期認可、予算の確保と見通しをつけること、それから福井駅までを、北陸3県、一種の切磋琢磨の関係にありますから、できるだけ間を置かないで、ほぼ同時期での開業を目指しています。そこを努力することが一番大事なことです。それから、同じレベルで敦賀駅の整備について、認可を受けたわけですので、急がなければなりません。それが1つのレベルです。

 次は、福井と敦賀の間の全体の認可、これを次の段階として急がなければなりません。さらに次の話として、敦賀から先はどうなるのだろうかということが議論としてあるということです。大ざっぱに分けますと3つありますから、今1つのことをやらなければいけない時に、こちら側をもちろん考えなければなりませんが、混雑をさせて、ごっちゃにして、いろいろ気にはなるかもしれないけれども、やるということがエネルギーの分散になりますし、また無益なことですから、そういうことで分けてやるということです。これは当然のことだと思いますし、皆さんもそうだと思います。

 ただ、新幹線というのは、当事者はよくこのことを理解する事業ですが、いつもそのことをお考えになっておられない方は、その間の経緯やいろんなことで頭だけで考えられることがあるでしょうから、そうしたことを絶えず修正しながら、こうだ、そうだなということで、みんなで意思を統一し、気持ちを同じくして進めていくことが大事だと思っています。前回の会議でも、ご報告と、お礼ももちろんありますが、時々気持ちを同じにしながらやっていくということで申し上げました。

【記者】
 関連ですが、並行在来線の議論については、例えば、この3つの仕分けの中であれば、どの辺に入るということですか。

【知事】
 非常に大雑把に言いますと、初めの2つに少し重なるのではないかと思います。これについても様々な考え方がありますから、福井県としていろんな問題に慎重に取り組まなければなりません。とりあえず頭だけで物を考えてはいけませんので、北陸、他の富山、石川の様子なども見ながら進めていきたいと思います。まだ認可も取っておりませんから。

【記者】
 知事はかねてから北陸新幹線の財源問題について、これは政治力の問題だという話をしていたと思うのですが、これだけ経済環境も悪化していると、必ずしもそうとは言えないのではないかと思いますが、どう考えますか。政治力の問題であるという考え方については、今も変わりはないのでしょうか。

【知事】
 新幹線のように国土全体のネットワークを形成する事業は、日本の経済にも役立つ事業だと思いますし、国の大きな予算の中でこの事業が軽視されたり、あるいは財源が滞るようなことがあるべき事業では決してないと思いますので、まさに政治的な判断を加えて遂行する事業だと思います。

【記者】
 敦賀以西の話は、認可が得られるまではしばらく封印するということですが。

【知事】
 本来であれば、敦賀までの全体の認可があるべきだと我々は要請していましたから、それが先です。何かその間のことをやるには、こちらが必要だという議論ではないと思います。当然、敦賀までの認可は、またあるべきであると思います。その先を考えないとか、そうしたことをいう意味ではありません。仕事の進め方として、原因と結果、条件と目的が逆になってはいけないわけで、そこは皆さんが意思を統一していると思います。

【記者】
 国の方では、敦賀駅部の認可についての検討は地域で話して考えるべきということも言っているようですが。

【知事】
 そうではなくて、敦賀から先も延ばす必要があるだろうという考えでしょうから、それをどうしたらいいかというのは早目に考えたらいいだろうと思います。それは別に悪くない話です。それと、何かそれが条件になるとか、そんなことでは全然ないと思います。国もそんなことはないと言っていますから。

【記者】
 景気・雇用対策について、ほかの自治体でもありますが、県議会でも議論が出ているように、仕事を失った人に対する県職員の臨時職員としての採用と、県営住宅に入居という2点については、今のところどう考えていますか。

【知事】
 絶えず状況を前もってある程度の幅で考えながら、いろんなことの準備は必要ではありますが、今の段階では、住宅はまず雇用促進住宅です。それから、具体的な需要というのは、まだそんなに今の段階では上がってきておりませんので、そういうものに間に合うように、あるいはどれぐらいの需要があるかによって対応が必要だと思います。市町営住宅や県営住宅についても状況がどうなのかというのは十分把握しながら事態に当たるということかと思います。

【記者】
 職員としての採用というのはどうお考えですか。

【知事】
 今のところ、まだそこまでに至る状況ではありません。一部の市においては、そうした用意もしていますが、全体の状況をみて、そういう事態になるのであれば、やらなければいけませんが、今の段階ではまだそういう状況ではないだろうと思います。むしろ、他の介護や農業・漁業など、将来につながるような部門についての職場を探して、斡旋して用意しておくという状況ではないかと思います。

【記者】
 先日、北陸新幹線の建設促進同盟会の中で、まちづくりを県としても進めていくという話がありました。そうなりますと、福井市の話の中で、西口の再開発とか乗り入れの問題とか、そういったことも協議することになると思いますが、今、西口の再開発ビルについて、市の方は結論を年明けまで先送りというか、結論が出ない状況の中で、そのことについてどのようにお考えでしょうか。

【知事】
 まだ市とか市の議会の中でもいろいろ意見があってはっきりしない部分がありますから、そういうものをよく見なければなりません。いずれにしても新幹線の方針が大体出ましたから、それを受けてどういう体制で臨んでいくかというのは、これは市も県も同じだと思いますが、これから新年度の予算や新しい組織などを通じてやっていくということになると思います。今の段階でどうだとはちょっと申し上げられません。

【記者】
 新幹線について、今の話にもありましたが、沿線のまちづくりという面で、先日の同盟会の中でも、今のお話の中でも、新しい体制で臨んでいく必要があるという話でしたが、どのような体制というお考えですか。

【知事】
 市も同じかと思いますが、年が明けて、予算や県の組織などいろんなことを考えなければなりません。これまでは、要望する、要請をして認可をかち取るということが主眼の体制でしたが、これからは、方針がほぼ出ていますので、工事などの物事をどうやって進めるかというレベルになりますから、局面が異なりますので、そういう体制にしなければならないのではないかと思います。どのようなタイミングでするかというのはもちろんありますが。

【記者】
 ふるさと納税について、これまでの成果についてはどのように評価されていますか。

【知事】
 これについては、初年度としては相当の金額かと思います。実際、ご寄付をお願いすると、いろんな手続面ももっと直さないといけないのですが、例えば、確定申告が要らなくて済む方法はないか、上限の1割をもう少し上げられないか、あるいは、納め方について1回で納められる方法はないかといったことです。納めるというと税金になりますが、ご寄付を願うというやり方があると、もっと伸びると思います。そうした中では、なかなか、5,000万も6,000万も普通の時にご寄付をいただけるかといえば、そんなことはないですよね。ほとんどないものがいただけるわけですから、これは大変ありがたいことですし、500件、600件という件数ですので、大事にして、次につなげていきたいと思います。これから毎年あることですので、制度も直して、寄付の文化を広めたいと思います。

【記者】
 今年1年を振り返ってどんな年でしたか。

【知事】
 なかなか厳しい状況ではありますが、やりがいがあり、その効果も出た1年ではなかったかと思います。将来の展望ですね。もっとも、経済対策は社会的な課題ですから、こうした嵐にいかに立ち向かっていくかということはもちろんありますが。

【記者】
 一言で言えば、厳しかったが、やりがいがあったということですか。

【知事】
 おっしゃるとおりです。

【記者】
 「もんじゅ」が最終のプラント確認試験がトラブルなどで遅れ、2カ月余り進展のないような状況で年を越しそうな様相ですが、そういった状況をどのように受けとめていますか。

【知事】
 これは、一つ一つ責任を持ってやっていただくより方法はありませんし、年末に文科省にも幹部の方にそのようなことを申し上げているところです。さらに保安院との調整もいろいろあると思いますが、一つ一つ着実に進めていただいて、もちろんスケジュールが決まっていて一応の予定はありますが、そのとおり行くというものではないかと思いますので、物事を着実に進めながら前進させていくということだと思います。

【記者】
 着実に進めていったとしても、現在、原子力機構がまだ堅持している来年2月までには2カ月余りしかないと思います。現実問題としてはかなり厳しくなっていると思いますが、改めて知事として運転再開についてどのように考えていますか。

【知事】
 今の段階では申し上げようがないですね。

【記者】
 着実に進めていってほしいということですか。

【知事】
 そう思います。

【記者】
 仮にスケジュールが変わるようなことがあれば、早期に示されるべきだという考えですか。

【知事】
 それはできるだけ早く、もちろん、考えがあるのであれば。しかし、今のところそうしたお話はありませんから。また、体制も充実してもらわなければいけませんね。

【記者】
 中部電力の浜岡原発の方で、1、2号機を廃炉にし、新たに6号機をつくるという話があると思います。県内でも30年を超える原発が多数あり、40年近くなる原発もあります。今後の県内の原発の運転については、どのようにお考えでしょうか。

【知事】
 高経年化の原子力発電プラントについては、それぞれ国の基準も出ており、一つ一つそのプラントごとに判断をしていくということです。その場合に、高経年化も大きなファクターとして論じていくということになっていますが、一方、日本原電については3、4号機ということで動きがあるわけですが、美浜などは古くなっていると思います。プラントの運転検査については、関西電力といいますか、一義的には事業者が、全体の安全性を基本に、いろんなメンテナンスのコストなどもあると思いますが、そうしたものを総合的に判断して決定すべきものです。県としては、事業者が第一義に考えていくものに何かあれば判断を加えるという立場ということです。

【記者】
 福井鉄道について、29日に名古屋鉄道が増資を行うことで、1つの区切りというか、10年間かけて福鉄が再生する取組みがスタートすることになると思いますが、どのような形で再生していけるかについて改めて知事のお考えを伺います。

【知事】
 新幹線の方針も大体出ましたし、そうなりますと、幹線鉄道と地域鉄道という関係も非常に明瞭になりましたから、それを受けて、福井鉄道やえちぜん鉄道についても、これから必要な整備もしなければなりませんし、利用客の増加、それから、まちづくりのための鉄道としての貢献といったことが要ると思います。例えば、えち鉄と福鉄の相互乗り入れであるとか、駅前の方針、これは間もなく出るのではないかと思いますし、それから、それぞれの沿線の整備、パーク・アンド・ライド、あるいは駅舎の整備など、福井県にはそうした鉄道がまちなかと郊外で残っていますから、大事にして、みんなで維持していくという時代になるのではないかと思います。

【記者】
 経営体制として、今までは名鉄がれっきとした経営母体としてあったわけですが、これが経済団体であったり、まちづくり団体であったり、複数にわたって株を持つ形になりました。そうした経営体制になったということについてはどういう評価をされていますか。

【知事】
 地域鉄道の運営形態はさまざまあるとは思います。えちぜん鉄道とは違って、福井鉄道は、今おっしゃられたような現状の法的な組織を残しながら、みんなで支え合っていこうということですが、これは1つの新しい方向であり、その中でみんなで頑張ってもらうということです。特に新しい福井鉄道の経営陣の皆さんが大車輪をやっていかなければならないということでしょう。全力で頑張っていただくということです。

【記者】
 また、チェック機関に県が入るという話も議会などで出ていたかと思いますが、福鉄の経営に対するチェック機関について、県としてはどのような役割が果たせるとお考えでしょうか。

【知事】
 やはり、市や町がさらに地域の鉄道を支援する自治体としてありますから、県の立場は、さらにそれを全体にバックアップするということかと思います。バックアップするから財政負担が少ないというわけでは決してありませんので、相当の負担をしながら応援していこうということです。これは県民全体の理解というのが必要ですが、その理解の中で最大限応援ができればと思っています。

【記者】
 国体について、先日、懇話会から報告書が提出されて、議会の方からも要望書が出されましたが、今後のスケジュールについて考えをお聞きします。

【知事】
 国体については、基本的には報告書の内容を見させてもいただいていますが、これから十分検討して、懇話会の意見も十分尊重しながら判断しなければならないと思います。
 
 いずれにしても、県民の皆さんの理解を得て、役立つようなものでなければなりませんし、最近の国体のいろんな流れ、こうした経済情勢、福井県の財政状況、また、競技の方法など、お金がどうだとか、無駄がないようにとか、いろんなことがありますので、そうしたものを全体に考えて判断したいと思っています。

【記者】
 拉致問題について、先日、新潟県に事務局を置いている「拉致被害者を救出する知事の会」に知事も参加されるというご意思だと思いますが、結構大規模な、30都道府県以上の規模になるかと思います。福井県も拉致被害者の会というのがありますが、その中でどのような役割を果たしていきたいと思っていますか。

【知事】
 福井県は幸いにして地村さんご家族が帰国され、社会に復帰されて頑張っていただいています。そうした経験や実績を十分踏まえながら、特定失踪者をはじめ、まだ解決されていない方も福井にはいらっしゃいますから、そうした立場を生かして参加をしていきたいたいと思います。

 もちろん、他県には、拉致されてまだ戻っておられない方が新潟県をはじめたくさんおられますし、そういう意味では厳しい状況ですので、共通する部分と、福井県は既にそうした経験があるということでみんなと一緒にやらなければいけないだろうと思います。

【記者】
 中部縦貫自動車道の大野・油坂道路について、政府予算案でも全国枠ではちょっと厳しいかなという気もします。年明け以降、県としては大野・油坂道路についてどのような運動の方針を持って行動していこうと思っていますか。

【知事】
 道路財源の一般財源化など、そうした一般的な傾向が今あるわけですが、必要な高速道路体系は確保しなければならないということでこれまでやってきました。年内に新幹線の動きも大体確定しましたので、年明けから中部縦貫自動車道にさらに全力を尽くしたいと思います。特に国交省などの個別のいろんな議論が出てくると思いますし。

【記者】
 先ほどの美浜1号機について、中部電力が浜岡原発と同じ敷地に高経年化を迎えたことで何かつくるという話がありますが、これについてはどのように考えていますか。

【知事】
 私自身は現場も見ていませんし、それぞれの判断かと思います。福井県は福井県として県民益に立って判断をする立場ですから。

【記者】
 まずは関電が早く方針を出しなさいということですか。

【知事】
 方針というのか、私たちが何かそれをどうしようという立場にあるわけではありませんから、まず事業者の判断を受けての事柄になります。

【記者】
 西口再開発について、具体的に福祉会館という案が出ていますが、これについて、県民の一人として、そうした選択肢もあるとか、どのような感想を持っていますか。

【知事】
 いろいろ市の方でお考えになっているでしょうから、そのうちの1つかなとは思いますが、また十分にお考えも聞かないといけませんし、いずれにしても、人がたくさん集まるようなものでなくてはいけませんからね。

【記者】
 案として出す前に、県に相談のようなものはあったのでしょうか。

【知事】
 それは市がまずお考えになることであって、基本的には、何か事前にどうだというものではないと思います。

 

── 了 ──
 

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