知事記者会見の概要(平成21年4月10日(金))

最終更新日 2009年4月16日ページID 008318

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平成21年4月10日(金)
13:00~14:00
県庁 特別会議室

 
記者会見


【知事】
 まず、観光営業部の関係から申し上げます。

 これから全庁的に総合力を発揮して営業を行うためには、すべての部と課が意識して情報を一緒に持って、さまざまなブランド、個々の県産品のセールスをする必要があります。活動を積極的に行うことが必要ですので、総合的に営業活動を推進する組織として「営業戦略会議」を新たに設けることが必要と考え、4月21日に第1回の会議を開く予定です。必要に応じて、これから随時開くということになると思います。観光営業部長が議長になり、全部局長、東京、大阪の事務所長、嶺南振興局長で構成する庁内の組織です。私どもも随時参加することもありますが、ともかくみんなでやっていくことになると思います。

 それで、どんなことをまずしなければならないかということですが、まず営業の基本的な方針、手法についての意思統一を図る必要がありますし、情報のいろいろな入手、現場主義ということもありますので、そうしたことを共通に、職員全体が意識して実行することになるわけです。一種の営業指針といったものを第1回目の会議で確認するのが通常の方法ではないかと思います。そして、新しい売り方だと思いますが、いろんな方法がありますし、これだけで十分というものでもありません。メニューが決まっているわけではありませんが、従来の販路開拓支援に加え、関係団体とも連携、協議は必要ですが、本県企業の県外への営業活動に一緒に同行するという「共動営業」を検討する必要があると思います。どのようなスタイルでやるかというのはありますが、一例としてはそういう手法です。

 それから、職員が営業マインドを習得することが必要ですので、営業力の向上研修という特別研修を集中的に実施したいと思っています。こうしたことも含め、この会議の中で全庁的な営業を強化したいと思います。そのほか、平成21年度の具体的なブランドの活用や県産品の販路開拓などについて、とりあえず今実行しなければならないことをまとめて、第1回目の会議で整理をすることになるだろうと思います。

 2つ目は、国の追加経済対策についてです。先ほど経済対策連絡会議を行った直後であり、追加的にあまり申し上げることはないかもしれませんが、特に雇用対策、融資などの経営安定化対策は国の対応の中でははっきりしているので、これを進める必要があると思います。それから、新幹線などの基盤整備、高速道路、環境対策なども方向がかなり明確に出ておりますので、そうしたことを福井県としていかに実行するかということではないかと思います。そうした意味のことを先ほど各部局長にも話したところです。国の予算編成作業や今後の審議状況も踏まえながら、これから6月議会などもありますので、こうした補正事業をどのように進めていくかをこれから検討し、作業もしていきたいと思います。新年度の予算の前倒し発注、景気刺激策、また、さまざまな交付金などを使った雇用対策などについても引き続き実行していきたいと思っています。

 3つ目は、今月13日(月)に行われることですが、福井県と中日本高速道路(株)との間で包括的提携協定を結びたいと思います。県内の観光産業の振興、高速道路の利便性の向上、利用拡大などを目的にしており、具体的には、地域との協力による観光PR、さまざまな郷土の文化などのイベントを高速道路の関係施設を利用して行うものです。その第一弾として、4月18日(土)と19日(日)、南条サービスエリアで北陸道の春まつりを実行し、秋には秋まつりを実行する予定です。また、6月には植樹祭が開かれますので、県内外のサービスエリア、パーキングエリアにおける植樹祭のPR、あるいは高速道路周辺の景観づくりなども協定の中に含まれると思います。この春から土日祝日は千円で自由に高速道路を使えるという大幅な割引が開始されていますので、恐竜のPRなどを行い、サービスエリアやパーキングエリアにおいて観光ポスターの掲示や観光パンフレットも配布したいと思います。そのほか、具体的な分野としては、防災、環境貢献などについて実行していきたいと思っています。

 4つ目は、これまでも大手企業との展示商談会を実施しており、先ほどは観光営業部の関連で個別に共動営業もやっていくという話をしましたが、今年度は自動車分野で日産自動車、家電分野では三洋電機、さらに、住宅関連分野として、これは新しい分野ですが、大和ハウス工業と展示商談会を行う予定です。これまでの実績としては、18年11月にトヨタ自動車、20年2月にデンソーと行っています。何億円かの商談も成立していますが、昨年度のスズキ、コマツ、シャープについては、現在、商談が進行中です。今年度の展示商談会は大体秋頃から行われますので、この4月から参加企業を募集する予定です。なお、観光営業部もできましたので、具体的な方法については従来と違う方法になるかもしれません。

 5つ目は、ふるさと帰住対策です。4月下旬から、Uターン就職求人開拓員を福井商工会議所のUターン情報センターに2名配置し、県内企業を訪問するなどして、就職希望者の状況を踏まえて新規求人を開拓してもらいたいと思っています。

 次に、5月2日に、サンドーム福井で行われる雇用セミナーに合わせて、東京、名古屋、大阪からのUターンバスを、4月25、29日、5月1日に無料運行する予定です。3月に1回実行していますが、やはり連続した日取りでやった方が使いやすいということです。

 そのほか、ふるさと納税などの政策についても、これから観光営業部で具体化する必要があると思いますので、今日はまだ具体的なことを追加的には申し上げられませんが、私からご報告することは以上です。


~ 質 疑 ~


【記者】
 「営業戦略会議」のメンバーには、外部の方も入りますか。

【知事】
 自分たちで営業を実行するための会議と位置づけていますので、現在は外部の人を入れるようにはしていません。ただ、これから外部の皆さんとのいろんな意見交換をしたり、アイデアをもらったりする場としては、これと別に経済対策連絡会議などがありますから、そうした場で、さらに次元の異なる議論が必要ではないかと思います。

【記者】
 先ほども経済対策連絡会議がありましたが、改めて、現在の雇用状況等について知事の考えをお聞きします。

【知事】
 北陸全体としても、さまざま情報をとってみると厳しい状況ですので、今、何としても、県としてできるあらゆることをここでやる必要があるだろうと思います。県の予算案、あるいは国の今回の追加経済対策などについても方向は出ましたが、実際に現場でお金を出したり、あるいは雇用のいろんな助成金が受けられるといったものも4月以降ですので、そうしたことを遅れることなく急ぐと同時に、状況をよく見て、福井県としてやれることを全力でやっていきたいと思っているのが、今の私自身の気持ちであり、心がけです。

【記者】
 ふるさと納税について、今日も報道で出ていましたが、大阪府の橋下知事のファンと名乗る80代のおばあさんが府庁に1億円を持参して、ふるさと納税したという話がありました。提唱者として感想はいかがですか。

【知事】
 日本中でふるさと納税の件数や金額が増えるということが大事ですから、どの都道府県であろうと、そうしたものが広がるのはいいことだと思います。もっと広がるためには、前から申し上げている制度の改善も必要です。熱心な県もありますし、全都道府県でやってもいいのですが、5,000円は控除できないなど、限度額や確定申告の手続きといったものをこれから直していく努力を進めていきたいと思います。

 ふるさと納税情報センターがさまざまな情報を継続的に提供したり、収集していますので、その機能をもっと高めて、ふるさと納税のいろんな情報、経理的な話や具体的なまちづくりといった情報も収集して、役に立つ機関にするように、2年目以降も頑張っていきたいと思います。

【記者】
 観光営業部について、新年度になって実際に動き始めたわけですが、これは全庁的に職員の皆さんが営業マインドを持つことが必要だと思います。その中で、観光営業部に期待する役割を改めてお聞かせください。

【知事】
 各部、課・室には、営業的な要素はあります。ほとんど営業的なことをする課も現にあるわけです。企業誘致や、農林関係であれば販売開拓課などが現にあるわけですから、そうしたところがより実績が上げられるような先導役を果たしてほしいと思います。こうしたことがよい循環だと思いますが、あそこがやっているから私たちはやらなくてよいというのではなくて、あそこがいろいろ応援もし、話もしてくれるから、自分たちも、ということで、よい循環ができるようにしなければなりません。観光営業部が業績を上げることも重要ですが、その業績が自分たちの業績というよりも、各部の業績につながるというのが理想の形です。そうしたことを、みんなで口に出すか出さないかはともかく、心がけてやるのが目指すべき理想の方向だと思っています。

【記者】
 先般、県内の企業が、新入社員の大半について、通常と違って自宅での研修を実施しています。これに対する感想と、特に今後の雇用情勢等、新卒者の就職活動に与える影響をどのように考えているかお聞かせください。

【知事】
 個別企業のことではありますが、厳しい経済環境の中でお約束した社員の採用はしっかり守りながら、何とかして次の展開を図りたいという選択ではなかったかと思います。そうした厳しい選択の中で努力されたのではないかと私は思っています。したがって、我々としては、県のいろんな雇用関係の予算もありますし、そうしたものを国の予算と同時に有効に使っていただく必要がありますし、決められた約束は果たしていかれることを期待しています。また、北陸全体でも類似のことをやらざるを得ない企業もあるようですが、今、非常に見通しのつかない時期でしょうから、そうした中で何とかして次の方向を出していただきたいと思っています。

【記者】
 今回の「ふくいUターンバス」は、改めてこのゴールデンウィークに運行するということですが、今こうした状況の中、福井県から首都圏などに行った大学生の就職活動のやり方も変わりつつあると思います。そうした中で、このUターンバスを出すことについて、改めて知事の思いをお聞かせください。

【知事】
 ふるさとに帰ってもいいとか、帰りたいという気持ちはあると思うのですが、その取っかかりやきっかけが少なく、アクセスがなかなかしにくいのが実態だと思います。もちろんできるだけ情報はたくさん出したいのですが、例えば、情報が全体に3割の人に行き届いても、それを実行する人は、その中の1割ぐらいになってしまうというおそれがありますから、できるだけ行動に移しやすい形のやり方がこのUターンバスではないかと思います。そうしたものがあるのだから乗ろう、帰ってみようという趣旨ですので、そうした話がだんだん広がっていくと役に立つでしょうし、もっとこういうものがたくさん要るのであれば、やらなければいけないということです。福井で育った子どもたちや、福井で何か仕事をしたいという人たちのためのバスですから、こういう方法は、お金を惜しむことなく応援をするという気持ちであり、それが大事ではないかと思っています。

【記者】
 今回はゴールデンウィークに実施するということですが、今年度は随時、回数を増やして定期的にやるという考えはありますか。

【知事】
 具体の状況を見ないといけません。3月末に1回見ていますが、5月がまた1つのチャンスだと思いますので、利用された皆さんのご意見なり、ご家庭の人たちの意見などもよく聞いて、様子を見たいと思います。

【記者】
 今回の経済対策の中で、新幹線については、福井の早期着工はちょっと難しいとう話がありましたが、国の対応と、今後、知事が国の対応に望まれることをお聞かせください。

【知事】
 昨日、一昨日と、北陸新幹線についての要請をしました。これは経済対策にも絡んでいて、県議会、関連する福井市、敦賀市長などと一緒に要請しました。今回の経済対策は、当面、本年度の対策として計上予定と思いますので、あの事業はこれから3年ぐらいのスケールでいろんなことをやろうということですから、できるだけ早く、まず認可を決定しないと、お金が入れにくいし、その対象にもなりにくいと思います。認可を強く要請して、関係する皆さんにはそれを強く意識していただいたし、できるだけ早くこうしたことを進めなければならないだろうという気持ちは持たれたと思います。というのは、従来ある事業をみんなこうやって少しずつ増やしているのでは、なかなか民間の需要も起きませんし、新しい構造の変化は生じません。ですから、基盤整備で遅れていて、少し応援すれば大きく変わるようなところは、福井県の立場からすると北陸新幹線だと思っています。国はそうしたものをもっと弾力的に工夫してやるということですから、これからもできるだけ早く実現できるように強力にお願いしていきます。場合によっては、今の中でも何かお金が投入できないかということもあり、なかなか厳しいかもしれませんが、それも一応申し上げました。というのは、あの辺は区画整理もやっていますので、土地がかなり買えるような様子ですから、そうしたことも申し上げました。

【記者】
 長野県の商工会議所が、北陸新幹線の名称を長野北陸新幹線へと改称する運動をしているところですが、これに石川の谷本知事が不快感を示しておられるようです。知事のお考えはどうでしょうか。

【知事】
 名前は北陸新幹線だと私は思っています。いろいろなお気持ちはあるかもしれないとは思いますが、まずできるだけ早くできないといけません。

【記者】
 先週の4月8日、北陸3県の繊維クラスターということで、知事も経産省に行かれたと思いますが、地方、特に北陸の繊維関係が厳しい中で、改めてこの繊維クラスターの今後の事業がどのようになってほしいか、知事としての意気込みをお聞かせ願えますでしょうか。

【知事】
 これまで、福井、石川、富山と個別にやっていますが、このクラスターの目的は研究開発、人材育成、販路開拓ということで、福井県は販路開拓を主に分担するのですが、3県でやった場合、販路開拓を例にとりますと、よりスケールも大きくなります。特に、海外などへの営業活動になりますと、やはり経産省の応援はより有効に働くと思いますし、出展企業も多いといったこともあり、唯一日本でしかるべき姿で残っている繊維の産地はこの北陸でしょうから、方法としては望ましいということで、3県知事が一緒に行ったということです。

【記者】
 一番期待されるのは、3県というメリットを生かした販路開拓ということですか。

【知事】
 そうですね、わかりやすいのは販路開拓でしょう。研究はそれぞれ分担してそこでやることになりますが、それは分担ということで無駄がないように、早く成果が上がるからということでしょう。人材育成については、もちろん3県でどこかで集まってやるというようなこともありますし、販路開拓はわかりやすいと思います。

【記者】
 民間のテイジンや東レなどのクラスターとの横の連携というのも既存のものとしてありますが、どうですか。

【知事】
 特に石川県を中心にやっていますね。

【記者】
 そうした民間のクラスターとの組み合わせ等については、今後どういった部分があるのでしょうか。

【知事】
 石川県知事の考えでは、それはそれとして、できるだけ3県が連携できるように何かしたいと言っておられたようであり、そういうことではないかと思います。

【記者】
 それは民間ではできない行政の部分ですか。

【知事】
 はい。と同時に、やはり、こうした部分はこれから民間と公のウエート、それが大都市と田舎では大分違いますから、地方の場合には公の部分のウエートが高いと思いますので、そうしたものなどを公の立場でバックアップしていけば、有効に働くのではないかと思います。

【記者】
 新幹線について、先日、需要予測の結果が出たと思いますが、その中で、交流人口が90万人ぐらい増えて、経済波及効果で大体80億円ぐらいという大まかな試算が出ていました。なかなか評価という点では難しいと思いますが、率直な感想としてどう思われましたか。

【知事】
 需要予測の計算をしましたが、全国の、特に最近、東北や九州などの急速に伸びているものまでは配慮していませんから、もっと伸びる可能性はあると思っています。ただ、一定の参考的な資料として、こうしたものだという理解をするために従来の手法で計算をしているということかと思います。増える、減る、というのは、わかりやすく2つに分けてやっていますが、実際は、渾然一体となって幾ら増えるかということでしょう。

 これは、今回の高速道路の割引などでもそうで、行くこともあるし、来ることもあるということで差し引きの問題ではないかと思っています。もちろん、福井だけに来ていただくものではありませんから、全体的に増えて、その差が大きくなるというのが狙いだと思います。我々がこれからその準備をしておかないと、数字だけをじっと待っているわけにはいかないと思います。

【記者】
 経済効果と同時に、並行在来線の基本的な情報ということで今回出されたと思うのですが、石川県との人口の違いなどがあり、乗る数などが少ないから仕方がないと思いますが、富山県なども、やはり乗客数が大分少ないという数字が示されていますが、知事はどのような感想を持っていますか。

【知事】
 それぞれ計算の仕方が違うので、タイミングも違いますし、福井県は早いタイミングで計算していることも幾らかあるかもしれません。北陸新幹線自体の東京への近接の点は富山県などが一番大きいですから、逆に我々は、新幹線ができた時に富山と大阪は1時間早くなりますし、福井で止まっても金沢で40分ぐらいです。そうした関西からの効果で福井にどれぐらいとは、はっきり書いていないわけですから、そうしたいろんなことを総合的に見なければいけないと思っています。基本的には、北陸新幹線ですから、これからは、北陸全体でどれくらいというようなことになるかもしれません。

【記者】
 直轄事業負担金について、以前も定例会見で、知事は意見を述べておられましたが、一部の知事は、ぼったくりバーと言ったり、不払い宣言の呼びかけなどをしていますが、改めてどのように認識しているかお聞かせください。

【知事】
 直轄事業負担金は、ある地域である国費の事業を行うということですから、地元の負担金が全くゼロというものではないと思いますが、金額の割合や、金額の中身もありますし、どのようにして金額がわかるようにするのかなど、改善すべき点はさまざまあると思います。私自身、全国知事会でそうしたことを申し上げています。と同時に、毎年いろんなところで、これからも絶えず起こることですから、あまり抽象的にこれだけを論じているのもどうかと思います。

 個別に解決するのが賢明だと思ったものですから、足羽川ダムは金額が大きいですし、農林水産省関係でいえば九頭竜川のかんがい排水事業も金額が大きいですから、全国ではそうしたことはしていませんが、福井県としては、国の出先機関の責任のある人と我々とで協議会を設け、コスト縮減、事業の政策効果の検証、地元企業の受注などいろんな波及効果等をテーマに、毎年何回かそうした議論をやって成果を上げていこうというやり方をとっています。その中で問題点となるものを我々自身も農林水産大臣などに申し上げていますが、そうした形で解決していくシステムも大事だと思います。そうした改善も要るだろうということで、こうした福井型の協議組織が全国的にさらに広がっていくといいと思っています。論じるのはもちろん大事ですが、それだけではなかなか解決は進みませんから、個別に毎年お金を減らすといったことが大事です。

【記者】
 「もんじゅ」について、原子力機構はかねて、再開時期を4月上旬には明らかにしたいと言っていたわけですが、今日は4月10日ということで、上旬といえば一応1日から10日までなので、時期が来ていると思います。結果的に示せなかったということになるわけですが、これについて知事はどう対応されますか。

【知事】
 今日かどうかは別にして、何か報告に来られる義務があると思いますから、お見えになるはずだと思っています。

【記者】
 今日ですか。

【知事】
 今日ではないかもしれませんが、10日前後が上旬でしょうから、厳密かどうかは別として、お考えを示されると思います。

【記者】
 今日までに報告がなかったということについては、そのぐらいの前後は仕方がないということですか。

【知事】
 関係方面と十分な調整をして遅滞の生じないようにと要請していますので、それを受けてしっかり対応してほしいというのが我々の意見です。地震の調査などいろんなことをやっておられるようですが、それはそれとして、お考えを示されたわけですので、その範囲の中で全力で取り組んでほしいと思っているわけです。

【記者】
 昨日、慶応大学と福井県の共同研究成果を発表しました。あの中で地方政府から中央政府に政策提言していくということを謳っていたと思いますが、具体的には、どのようなことを考えているのでしょうか。

【知事】
 あれは全国の都道府県や市町村におけるCO2削減の貢献度を詳細にデータで調査し、そうしたものを財政制度や新しいシステムによるCO2対策に、これからいかに役立てようかという試みです。その結果を受けて、我々としては、福井県はこうした貢献をしているということを子どもたちの環境教育に役立てなければなりませんし、併せて、これからどのようなシステムに仕組めるかということを研究して、提言したいと思っています。せっかくですから、ぜひ提言したいと思いますが、有効な提言にならないといけませんし、あまり抽象的に言っても実行できませんので、それをこれから実務的に整理して、できるだけ早くまとめて要請をしたいと思います。
 
【記者】
 大津地裁で、1月に行政委員の月額制の報酬が地方自治法に違反するという判決が出て、控訴中ですが、それを受けて、神奈川県知事が、委員報酬を日額制にするという話をしたようです。ほかにも、北海道でも、収用委員を日額制にするとか、対応をいろいろ聞いています。県は収用委員やほかの幾つかの委員は既に日額制になっていますが、ほかに月額制のところもあって、そうした流れが今のところあるようです。今の状況として、一応、地方自治法の中では日額制が原則でも、条例では月額制をとると決められているので、そのあたりを知事はどう考えているかお聞かせください。

【知事】
 それぞれの委員ごとに個別に違うとは思います。十分に仕事をしていただくというのが基本だとは思いますが、個別の金額などは、よく見てみないとわからないところがあります。

【総務部長】
 いずれにしても、福井県は全国でいえば最低水準ですから、現状では報酬が大分低いです。ですから、まずは全体の状況をよく見ていくことが必要だと思います。どこの県でも、今は日額制で運用しているわけではありませんから、軽々には判断できないと思います。

【知事】
 いろんなセクションで熱心に仕事をしてもらうのが大事です。教育も含めて、あらゆる分野でそうだと思います。形骸化しないということが基本だと思います。

【記者】
 なぜ福井県は、一番ではなくても、低いほうに入っているのですか。

【総務部長】
 なぜ低いかと言われても、それは議会にも諮りながら決めていったことですし、やっていることは一緒ですが、各県それぞれの事情で、制度がそうなってきているということですから、何か特段の理由があるかどうかについてまでは承知していません。

【知事】
 職員数も少ないですが、なぜ少ないのか、もっと要るのではないかと言われると、そうかもしれないということになるかもしれません。できるだけ効果的に一生懸命頑張ってほしいというのが伝統的な対応だと思いますし、その結果ではないかと思います。

【記者】
 西口再開発事業について、近く準備会議を開いて、その後、推進委員会ができると思いますが、これに県としてどのようなスタンスで関わっていくのか、考えをお聞かせください。

【知事】
 前回、基本的な考え方を申し上げておりますが、まず福井市の方でもう1回、体制を立て直すなり、整理していただいて、どのように持っていくかということだと思います。我々もそうした状況が整えば、参画をするという格好になると思います。ちょうど商工会議所についても新しい体制になっていますので、今のこうした時期は厳しいですが、この中で将来を見越してどのようなやり方があるのかということを全体性を持って考えるということでしょう。ここからここまではこれで、ここからここはあなたの方で、ここからこれは別の人だというやり方ではなくて、全体でみんなで考えるという状況に立ち至ったと思います。

【記者】
 福井市の方は積極的に参画してほしいということを市長などがおっしゃっていると思いますが、以前、オブザーバー的にといったことも県の方から出ていると思いますが、いかがですか。

【知事】
 応援はしなければなりませんし、積極的にやらなければいけないとは思っていますが、県は直接の事業主体ではありませんので、そうした立場の違いを表現した言葉だと思います。消極的にということでは決してありません。福井県全体のことでもありますから一緒になってやっていくということです。

【記者】
 積極的にという考えはあるが主体的にやれる立場ではないということですか。

【知事】
 そうした言い回しは、まず主体が福井市だから、市がまず主体性を持って頑張ってもらわなければいけないという趣旨です。そして、我々がいかにこれを応援するかということです。

【記者】
 福井市の方では、福祉会館の移転が議論されているようですが、その点についてはどう思われますか。

【知事】
 それも、もう1度全体的に考えようということですから、それをやっていただくということでしょう。我々もいろいろ意見を言うということです。

【記者】
 議論の行方を見てからということですか。

【知事】
 行方というか、そうした動きを見ながら我々も意見を言っていくということでしょう。経済分野の問題、経済界の問題ではないかと思います。

【記者】
 天皇・皇后両陛下が本日御成婚50周年を迎えられましたが、知事のコメント、感想をお聞きしたいと思います。

【知事】
 両陛下がめでたく御大婚50年を迎えられたことについて心から祝意を表したいと思います。この50年の歳月、我が国はもとより、国際社会においても、政治・経済をはじめ様々な試練を経てきましたが、両陛下は常に国の安寧と世界平和を祈念され、御心を砕いてこられたと拝察しています。また、自然災害の際には現地に赴いて被災者を直接励ましになられるなど、様々な機会に地方に行幸啓され、親しく国民と心を通わされ、苦楽を共にしてこられたことに、改めて感謝と敬慕の念を捧げたいと思います。

 本年6月7日の第60回全国植樹祭開催に際し、本県に行幸啓される予定です。60回という節目の大会であるとともに、御大婚50年という記念すべき年に、本県に行幸啓されることを大変嬉しく思いますとともに、心から歓迎申し上げたいと思います。

【記者】
 関西広域連合について、改めて福井県の立場をお聞きしたいと思います。

【知事】
 三重県と本県は、今回の申し合わせについては参画せず、留保しているわけですし、奈良県や滋賀県などもいろんな懸念の気持ちを表しているようですので、まだ慎重論議の状況です。ですから、福井県としてもこうした状況も見ながら慎重な対応が必要ですし、県民益を確保する観点が必要ですので、そうしたスタンスです。

【記者】
 7月か8月ぐらいに参加するかどうかの返答期限があるということだと思うのですが、去年や今年からの印象からすると、参加しないのではないかという感覚があります。メリットが明確ではないといった答弁を知事が議会でされたと思いますが、例えば、今後どのような条件がクリアされれば参加できるとか、前向きに捉えられると考えていけばよいでしょうか。

【知事】
 それは県民にメリットがあればの話です。

【記者】
 具体的にどのようなメリットですか。

【知事】
 まだ具体的にないということです。返事をする段階では、最終的にもう一度、さまざまな議論もし、整理をしてお答えすることになると思います。

【記者】
 原発の共生交付金と核燃料サイクル交付金がともに創設から3年経ち、市町の方からは厳しい財政状況の中で早く交付してほしいという声を聞くわけですが、県としてこの2つの交付金の交付申請のめどを今後どのように考えているのかお聞かせください。

【知事】
 地元と協議してからできるだけ早く計画をつくって実行できるようにしたいと思っています。

【記者】
 この21年度内に申請されるという考えはあるでしょうか。

【知事】
 できるだけ早いということで、いろいろ作業も要りますし、意見も調整しなければならないと思います。物事の熟度もありますから、計画がなければできませんので、まさにそういう時期ではないかと思っています。


── 了 ──

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