知事記者会見の概要(平成21年7月28日(火))

最終更新日 2009年7月31日ページID 009060

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平成21年7月28日(火曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

 記者会見

 【知事】
 なかなか梅雨も明けない感じで、ここ数日、大雨警報などの警報も出ており、幸いにして豪雨ということはありませんが、十分注意しながら梅雨明けを迎えたいという気持ちで一杯です。
 
 さて、今日は6点申し上げます。
 
 はじめに、この背景デザインです。後ろの壁に絵があるのですが、この会見の場については、映像などでは画面から消えたりしますので、今回から「営業」活動の一環として、コシヒカリ、恐竜、来年のAPECエネルギー大臣会合開催、そして「福井県」ということで、よく分かるように表示しました。これは簡便に持ち運びが可能ですので、立って会見する時にも、可能であれば、背景として分かりやすくしたいと思いますし、状況に応じてデザインもある程度自由に入れ替えたいと考えています。福井県のいろんな状況についても、このデザインに限らず引き続きご紹介いただければありがたいと思います。

 発表事項の1点目は、全国知事会での道州制をめぐる議論についてです。

 先月14日に三重県伊勢市で開催された全国知事会議において、一部の知事から今回の衆議院選における各政党のマニフェストの評価、あるいは、道州制基本法や推進法の制定を盛り込むといったことを知事会として求めるべきではないかという緊急提案がなされました。その提案に対して私を含め多くの知事から、「道州制の中身が明瞭でなく、反地方分権の道州制になる可能性が高い」などの批判、慎重意見が相次ぎ、結論としては知事会としての要請活動は行わないことに決したわけです。一方で、特定の13名の知事が各政党に要請をされました。独自の考えとは思いますが、知事会全体としての行動ではないわけですし、私と同じ思いの、反対する知事が多いというのも事実です。
 道州制に慎重な意見が多くの知事にあることを踏まえ、誤解のないように国民の皆さんに知っていただくためにも、話をしっかり原点に戻して、こういう状況だということを十分に申し上げる必要があります。知事会の場でも申し上げましたが、道州制についてこの場でも改めて意見を申し上げたいと思います。
まず、今の道州制論については、本当に地方の自主的な判断ができ、あるいは、決定権限、財源の移譲のなされる制度になるかということについては、具体的な中身、道筋が示されていないわけであり、こうした段階で基本法などの法的な整備を図ろうという試みは、明らかに拙速、問題があると考えます。
中身や道筋が不明確なままに漠然とした議論を進め、拙速に制度導入を図ることになれば、かつての三位一体改革の時のように、十分な議論が煮詰まらないまま、地方にとってマイナスとなり、取り返しのつかないことになりかねないわけです。
 また、国における分権、道州制の議論においても、道州制が導入された時に一気に地方分権を進めればよいといった議論が出かねないわけであり、分権を先送りする口実としても道州制の議論が使われてしまうことになりかねないと考えます。
こうしたことから、まず地方分権改革を着実に進めることが何よりも大切であり、道州制導入に向けた法整備等の議論については、消極・反対の意見を表明しておきたいと思います。
 なお、兵庫県の井戸知事、三重県の野呂知事、長野県の村井知事も数日前に記者会見で私と同様の考えを示しておられるようです。2日後の30日の予定ですが、他県の同じ考えの知事とともに、その考えを示した文書を関係方面、各政党といったところにお示しする要請行動をしたいと思っています。兵庫県知事と一緒になるかもしれません。

 次に、福井県のマニフェスト「福井新元気宣言」の中間評価についてです。
 
 「福井新元気宣言」に基づく政策については、2期目の折り返し点を超えて3か月余りが経過したところであり、現在、経済対策等の重要な局面を迎えています。ここで、中間的な評価を行ってはどうかと考えています。
 「新元気宣言」に基づく政策については、「政策合意」の中に「4年間の目標数値」を設けて進行管理を行っていますが、これまでの進捗状況については、この4月に「政策合意」の達成状況の公表の中で報告しています。
 また、「新元気宣言」は暮らしの質(クオリティ)の向上を目指したものであり、多様な価値観を持つ県民の皆さん一人ひとりの満足度、あるいは豊かさの実感を捉える必要があります。そのため、平成19年に広くアンケートを行い、医療、福祉、教育、治安、産業など、「暮らしの質」に対する県民の実感を調査しました。
そこで、今回改めて県民アンケートを行い、「暮らしの質」について県民がどのように実感しているかを2年前のアンケート結果と比較しながら、数値目標の進捗とあわせて「新元気宣言」に関する県民の中間的な評価を行いたいと考えています。

 3つ目は、APECエネルギー大臣会合についてです。

 来年2010年に日本で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議および関係閣僚会議の開催地と日程が、先般、国から公表されました。福井県で開かれるエネルギー大臣会合については、開催地は福井市、日程は来年6月を軸に調整ということです。外交日程として、カナダで開催されるG8、エネルギー大臣会合の日程上の調整が必要であるため、最終的には日程が決定していませんが、大体の方向はそういうことです。今回、会合の開催地が福井市に決定したことから、今後は会合の成功に向けて、福井市とも十分に連携を図りながら準備を進めていきたいと思います。
 また、エネルギー関連ですので、嶺南地域との連携が重要です。来年度の開催に向けて、キックオフイベントとして、9月4日(金)に開催記念フォーラムを敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターで開きたいと考えています。詳しくは、現在詰めているところですが、アジア太平洋を中心とした世界経済とエネルギー戦略をテーマに、国際エネルギー機関(IEA)事務局長の田中伸男さん、JETRO(日本貿易振興機構)アジア経済研究所長の白石隆さんの2人を講師としてお招きし、講演してもらう予定です。詳細は、決まり次第改めてお知らせしたいと思います。
 本県での開催の意義、アジア太平洋を中心とした経済協力、エネルギー戦略について考える格好の機会と考えており、多くの県民の皆さんにもご参加願いたいと考えています。

 4点目は、本県の歴史のPRについてです。
 
 今年は、安政の大獄150年、横井小楠生誕200年に当たる年であり、幕末福井の優れた人物群像を広く知ってもらうように、松平春嶽、橋本左内、由利公正、横井小楠などについての講演会をシリーズで開いています。8月1日(土)には、県立図書館において、本県と交流のある荒川区のふるさと文化館副館長が橋本左内をテーマに講演を行う予定です。今後は、福井県内だけでなく、東京都内において講演会、シンポジウムなどを開き、福井を舞台とする文学小説などに活用できる資料収集なども行っていきたいと考えます。その皮切り・スタートとして、かつて福井藩が上屋敷を幕府から拝領していた土地である千代田区の協力を得て、昨日27日から9月26日まで2か月間、区立千代田図書館において「幕末福井のあらまし」という企画展を開き、福井藩と江戸のつながり、春嶽を中心とした幕末福井の群像を紹介していきます。
 9月9日には、千代田図書館において福井市立郷土歴史博物館の学芸員が「参勤交代と江戸屋敷・江戸城」というテーマで講演会を行う予定です。こうした活動を通じて、福井を舞台とする小説の執筆、ドラマの実現、観光誘致につなげたいと思います。
 なお、平成23年の大河ドラマは、「江~姫たちの戦国~」という、本県に深い関わりのあるお市の方と三姉妹が登場するドラマです。お江さんはお市の方の娘であり、三姉妹の三女です。越前北ノ庄は1年足らずの生活であったと思いますが、大事な時期を過ごした場所です。次女に当たるお初(常高院)は、その後も、小浜藩主、京極高次の正室として今の福井県に住まわれたわけです。そうしたことから、本県が少しでもドラマの場面やロケ地として採用されるよう働きかけを行っていきます。
また、放映中は、多くの観光客が本県に来訪してもらえるよう、ゆかりの地への観光誘客や、さまざまなルートマップなどの整備なども行いたいと思います。観光産業をはじめ、ゆかりの市町等も含めて体制を整えていきたいと考えます。
 さらに、来年の大河ドラマは「龍馬伝」であり、これも福井と結びつきがあることから、同様な働きかけを行っていきたいと思っています。

 5点目は、「全国自治体政策研究交流会議福井大会」についてです。

 8月20、21日の両日、「転換期における地域再生に向けて~変革の風は地方から~」を共通テーマとして、全国自治体政策研究交流会議の福井大会および自治体学会福井大会をAOSSAの県民ホールで開く予定です。この大会は、全国各地で先進的な政策を展開している自治体の職員や、地域問題に造詣の深い大学の先生方、議会議員などがそれぞれ地域の行政政策について具体的に議論や討論を行い、今後の地方自治の方向性について研究を深める場であり、意義深いものと考えています。
 また、現在、地方分権が衆議院議員選挙の1つのテーマともなっており、メディアにも取り上げられています。国民の関心も高いわけであり、こうした時期に地方分権あるいは地域の再生、地域振興をテーマにした大会を開くことはタイムリーな試みであると考えます。
大会の概要ですが、8月20日の全国自治体政策研究交流会議では、私が基調講演を行い、その後、古川佐賀県知事、大森彌東大名誉教授などによるパネルディスカッションを行う予定です。
 また、翌8月21日には、自治体学会福井大会が開かれ、「自治体の財政規律」、「『ふるさと』政策を考える」などをテーマとした分科会、「グローバルな危機にローカルから挑む」を課題に掲げたシンポジウムなどが行われる予定です。この大会に集まった方々の互いのネットワークが広がり、それぞれの地域で、より効果的な政策が実施されることを期待したいと思っています。

 最後に、大型クラゲの問題についてです。

 大型クラゲについては、過去、平成14年、15年、17年、18年、19年と来ていますが、特に17年と19年が厳しかったという記憶があり、大量に漂着し、定置網あるいは底曳き漁業にも影響を及ぼしています。国などの調査によりますと、本年は黄海等において大型個体が多数目撃されています。7月23日現在で島根県益田沖の定置網に約100個体が入っているという状況です。
 このため、県としては、6月30日に、国に対し、漁業経営の影響軽減のため、大型クラゲの防除・除去に対する経費、漁業被害に対する財政支援強化など、急遽追加要請をしています。さらに、今月14日に三重県で開かれた全国知事会においても、大型クラゲによる漁業被害の補償、駆除対策を提案し、国への提案事項に特別に盛り込まれ、国に対して強く働きかけているところです。
 また今回、大型クラゲの県内漂着に備えて、行政や漁業団体が協力して対策を進めるために、7月22日に第1回福井県大型クラゲ対策連絡会議を開きました。国の調査によると、本県の若狭湾には8月上旬から中旬にかけて漂流群の先端が到着するおそれがあるのではないかということで、連絡体制の強化、防除・駆除の喚起の呼びかけをしているところです。
 先ほど申し上げたように、平成19年からあとは大量漂着がなかったので、防除用の網もしばらく使っていないことから、現在、現場の水産業普及指導員が、各漁協において、いざという時にすぐ使用できるよう事前のチェックをし、使い方について改めて現地でトレーニングをしている状況です。
また、漁業団体が速やかに出動できることも大切ですので、県の漁業取締船「若越」を出して、大型クラゲが集中する海の領域の状況を確認し、駆除する漁船等に迅速に連絡する体制をとる予定になっています。


~ 質 疑 ~


【記者】
 道州制について、先ほどの話の中で、7月30日に関係方面や各政党に要請すると言われましたが、もう少し具体的に、どのように要請するのか教えていただけますか。

【知事】
 兵庫県と一緒にやりたいと思いますが、各政党の政務調査を担当されている方などに対して行うことになると思います。

【記者】
 具体的にどういったことを要請されるのですか。

【知事】
 各県が考えている、道州制に慎重という文書をまとめて持っていくということです。文書は、統一した県もありますが、多少ニュアンスの違いもありますし、文書も一緒にしようといろいろやっていると時間もかかりますし、気持ちだけを伝えていく必要があるだろうということです。そうしたことを多くの県は思っているということだけは明らかにしておく必要があるということです。あまり対立していくようなことをやるのが目的ではありません。知事会なり、それぞれの地方の考え方なり、大きな流れはこういうことだということを、この際、知らせておく必要があるだろうし、世の中に誤解を与えてはいけないということです。

【記者】
 そうした中で、先週、兵庫県の井戸知事が、定例記者会見の中で、今は道州制に反対する県の知事が何人かおられるので、連携を模索できないかという発言があったと思いますが。

【知事】
 はい、その一端です。

【記者】
 知事ご自身としては、ほかの県の知事に対して何か連携を図っていくといったことを考えているわけですか。

【知事】
 それで今、要望書をまとめているわけです。ただ、言葉遣いがちょっとずつ地域によって違うことがありますので、みんなでこうしたことをやって、考えが大体同じであればいいわけですから、それぞれの県ごとに大体要請文ができ上がるのではないかと思います。10県前後にはなるでしょう。
 文書をまとめてまで言うほどのことではないのでは、という知事もおられて、いろいろありますが、全国知事会の中では多くの人が消極的ですし、こんな時期には分権をちゃんとやらなければいけないという方が多いわけですから、そうしたことをあわせて伝える必要があると思います。文書まで書いて出さなくても、みんな分かっているのではないかと思っておられる人がいますが、なかなかそうではないだろうということで、きちんとした態度だけはとっておく必要があり、そうしたことをやろうということです。

【記者】
 マニフェストについて、2年前にもらったアンケートとまた比較して中間評価をやりたいということですが、何件とるとか、どんな内容にするとか、もう少し具体的に教えていただけますか。

【知事】
 従来の項目のほかに、景気状況や景気対策といったものが加わると思います。詳しくは、担当の政策推進課で具体的に説明を聞いていただければと思います。

【記者】
 全国知事会は、各政党のマニフェストについて地方分権に絞って点数化することを決めたわけですが、西川知事が特にその中で重視するポイントをどこか挙げるとすると、評価する項目以外で特にこういったことを盛り込んでほしいとか、そうした考えがあれば教えてください。

【知事】
 基本論に立ち返りますと、政党のマニフェスト(政権公約)は、基本的に国民向けに作っているものですし、知事会用に作っているわけではありません。さらに、政党としてみんなで議論をして、意思を統一する、枠をはめるという性質のものです。これをどうする、こうするということで、我々が変えさせる、応援するといった性質のものでは本来ないわけであり、我々が分権という特定分野だけで判断するのはどうかと私は思っています。ほかに多くの分野があり、総合的な評価になりますし、かつ、そこには財源など、本当にそれが実行できるのかという仕組みなどが加わるわけです。そして、政党としての政治的な真摯な意思といったものを全体で評価すべきものですので、分権という部分だけをどうこう評価するのは、評価の仕方としても適切なものではないし、誤解を与えるような局面が多いと思いますので、私自身はそうした評価に参画するつもりはないというのが答えです。

【記者】
 道州制の要望について、知事が東京の政党の本部に行かれるということですか。

【知事】
 井戸知事と一緒に行くことになるかと思います。ほかの知事も、今ちょうどいろんな行事が多かったりなどしますので、出てこれない方も多いと思います。お願いしたいということであれば、それをいただいて、代表して皆さんの意思を伝えるという性質のものだと思います。

【記者】
 10県ぐらいの知事が賛同ということですが、皆さんも同じ考えですか。

【知事】
 同じ気持ちだという方が多いのですが、文書を出してまでやらなくてもいいと思っている知事などいろんな人がおられます。全国知事会での議論でもそうした状況のように思いました。
 ただ、何も言わないでやっていると、全体的な動きが本当はこうだということが分からないといけませんから、そこを認識していただくのがポイントかと思います。何か対立するとか、意見が違うということをお互いにやるような局面では全然ありません。まず全国町村会が道州制には断じて反対だと表明していますし、国民の6割以上は不賛同という事実があります。道州制の研究をしている知事なども、そんな研究をやってはいるけれども、実際は地元ではそんな意見は全然出ないとおっしゃる方が多いわけです。その基本だけはしっかり認識してもらうのが重要かと思っています。

【記者】
 10県というのは具体的にはどこですか。

【知事】
 今日中にまとまってくるとは思いますが、もう少ししてからにしてくれませんか。それほど重要な出入りではないのですが、それぐらいになるのではないかと思います。東北から中部、近畿にかけてずっとあると思います。

【記者】
 道州制について、拙速、地方分権にとってかえってマイナスになるという話がありましたが、もう一度、知事ご自身の言葉で、要請される皆さんが具体的にどこをどう問題視されているのかをおっしゃっていただけますか。

【知事】
 話し出すと非常に詳しくなってしまうのですが、まずは、地方自治や地方分権の方向ではないということが1つあると思います。それから、地方がこれによって疲弊することになると思いますし、地域の議会代表や民主主義が損なわれると思います。効率一辺倒の議論ですので、それは避けなければならないと思います。
 議論の方向も、東京や大都市からの方向の議論であり、それぞれの地域からの議論になっていません。勝手に区割りや線引きをしたりしているわけで、誰もそんなことを思ってもいないのに、誰が考えて線を引いているのかということになります。ずっと上の方から日本列島を眺めてやっているような議論は、全く地方自治に反している議論だと思います。
 その他いろいろありますが、いろんな論文にも書きましたので、またご一読願いたいと思います。もっと大事なことがあるということです。

【記者】
 知事会においてマニフェストの採点をやっていこうという話の一方で、政党支持に関しては見送ろうという話になったと思いますが、これに関して、知事ご自身としては、知事や市長などの首長が具体的に政党名を出して支持を表明するということにどんな認識を持っておられるでしょうか。

【知事】
 私は適当でないと思っています。もちろん個々の首長なり政治家がどのようにお考えになるかというのは、当然あるだろうと思いますが、我々は、県民のいろんな総合的な意思、県民益を代表して、いかにそれを実現し、増進していくかという仕事が基本ですので、そうしたことをメインにするような議論ではないと思います。

【記者】
 民主党のマニフェストが発表されて、その中にも、国と地方の協議の場の法制化というものも入っていますし、近く発表される自民党のマニフェストにも入ると思いますが、以前から知事は、そうした協議の場を設けることを強く訴えてこられました。双方のマニフェストに入ることについて、知事はどう受け止めていますか。

【知事】
 以前から全国知事会の場でもそうしたことを申し上げています。直轄事業負担金などでも、個々の問題について、それぞれの地域で、国の出先機関と各自治体が個別の問題で協議をして、事業の無駄がないようにとか、負担が正しいかどうかということを議論すべきだということを申し上げて、本県では実際に実行もしています。より基本に立ち返りますと、協議の場というのは、単に協議するだけではいけません。ちゃんと提案したものが受け入れられるとか、不都合なものは駄目だということで拒否ができるようなシステムでないといけません。場をつくるだけで物事が何も決まらないということがあり得ると思いますので、そうしたことは避けなければなりません。協議といっても、国と地方の中でもあらゆる問題が日々起こっているわけですから、一体何を協議するのかということもあるわけです。そうした問題がまた生じますから、運営はなかなか難しいと思いますが、これまで法律に基づいてではないけれども、実際の場での協議というのは、知事会等でもあったと思いますので、これをできるだけ具体化するのが望ましいことだと思います。
 しかし、より基本には、憲法的な保障がないと、最終的な実行はなかなか難しいかもしれないと思います。しかし、一つ一つ着実に、どんな方法であれ、地方の意見が、単なる争い事ではなくて、住民の気持ちを反映した自治体の意向をうまく実行できるようにするというシステムは、どんな工夫をしてでも一歩一歩進めることが重要だと思います。

【記者】
 総選挙に向けて8月18日に公示というのが決まりましたが、改めてどういった政策論戦を求めるかということで意見を聞かせてください。

【知事】
 今回は、直面する不況対策、さまざまな制度改革など、重要課題が山積していますので、それぞれがマニフェストに基づいてしっかり政策議論を行って、国民が具体的な投票行動として選択が十分にできるように明らかな選挙をしてもらうことが大事だと思います。また、地方分権については大きなテーマになっていますので、道州制のように観念的な議論ではなくて、一つ一つ具体の地方の意向を反映した政策が進むようなことが大事だと思います。
 もう1つ重要なことは、新幹線や高規格道路などが福井県としても大事な局面を迎えていますし、他県でもそうしたものが少なからずあると思いますので、国、政府の責任において進めるべきですので、政局に関わらず、遅れることがないよう、地域の声を着実に反映した結果を出してほしいというのが私の思いです。

【記者】
 北陸新幹線については、民主党の岡田幹事長の発言に対して県内の自民党から公開質問状が出るという反応があったりして波紋を広げていますが、知事ご自身の考えとしてはどう思われますか。

【知事】
 新幹線については、既に年内の認可、着工に向けて議論はずっと進んできましたし、福井駅部の整備も終わったわけですから、そうした事実を踏まえ、手続、議論を進行するのは当然のことです。どのような事態になってもちゃんと進めていただくことが必要です。我々としても全力で取り組んでいかなければならないと思いますし、皆さんも同じ考えだと思います。一般的にいろんなご発言があるにしても、そうしたことは変わらないと私は思っています。

【記者】
 鉄道・運輸機構が敦賀以西の調査と航空写真を9月頃にやるという話も一部にあります。昨年末の会見の中で、優先順位としては、まず福井までの認可、それから、福井から敦賀までの認可を取って、以西の話はその後だということで、県議会の議連も了承したと思いますが、鉄道・運輸機構がそうした目標を示していることについて所見をお願いします。

【知事】
 敦賀までちゃんとやってくれるということを前提にやっていただくという考えは変わりません。敦賀まで最優先に進めるということが前提にならないといけませんし、順序が逆になってはいけないと思います。

【記者】
 民主党が政権を取った場合に、2009年度の補正予算を見直すという声もあります。そうなると予算編成で苦労される面もあるのではと思いますが、今の状況をどう感じていますか。

【知事】
 いずれにしても、国民や地域に迷惑のかかるようなことが生じないようにしてほしいと思います。まずそれが基本にあって、いろんな政策や選択肢があると思います。

【記者】
 背景のボードについて、今後、デザインも入れ替えたりしていくということですが、今回新しくボードを設置して率直な第一印象、感想はどうですか。

【知事】
 いろんな方法で福井県を売り込まなくてはいけません。ここで売り込むというのはどの程度売り込めるのかというのはありますが、考えられる限りいろいろ工夫をしたいと思います。もともとの背景には立派な絵がありますが、この絵も大事です。

【記者】
 このボードは何という名前ですか。

【知事】
 普通名詞としては背景デザインというのではないかと思います。

【記者】
 知事が名づけるとしたら何という名前にしますか。コシヒカリ・ボードとか言った方が一般的には馴染みやすいのではありませんか。

【知事】
 そういう意味では、ブランド・ボードと呼んでもいいかもしれませんね。


── 了 ──

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