知事記者会見の概要(平成21年10月20日(火))

最終更新日 2009年9月16日ページID 009440

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平成21年10月20日(火曜日)
10:30~11:40
県庁 特別会議室

 
知事記者会見
 


【知事】
今日は6点お話し申し上げます。
その前に、先週、欧州に出張しましたので、その様子を若干お話しします。

10月10日(土)から17日(土)まで、ドイツ及びフランスを訪問しました。メインの課題は15日で、フランスのストラスブールを訪問しました。これは歴史のあるアルザス・ロレーヌのアルザス地方にあり、ドイツとフランスの国境のフランスの部分です。ここにEUや欧州評議会の本部があるわけですが、その欧州評議会の欧州地方自治体会議総会に出て、日本の全国知事会を代表して日本の地方行政についての講演をしました。この欧州評議会というのは‘Council of Europe’ということで、EUとはまた違う組織です。第二次大戦が終わり、チャーチルが提唱したものと思いますが、ヨーロッパのデモクラシー、法の支配、人権、アイデンティティや多様性といった問題について、47の加盟国が集まってできたものです。その中には加盟国の政府の集まりと議会の集まりがあります。さらに、加盟国の自治体の集まりがあり、これは20万の数の自治体が県と市町村の二院制で、各国の自治体の代表が就いている組織があるわけです。人権裁判所もあります。この欧州の加盟国の自治体会議に招請を受けて、知事会の代表として出たということです。
この中で、私からは、日本の地方自治と現状、課題について申し上げました。鳩山民主党新政権の誕生、国内政治の制度改革をもとにした地方分権のあり方について講演を行いました。講演の後、ハンガリーやイタリアの州議員、スイスの議員の方から、日本の経済成長はどのようにしてなされたのか、最近どうなっているのか、女性の社会進出はどうなっているのかなどの質問がありました。
それぞれの国は地方自治の現状も違いますから、このような議会が年に2回、定例的にあるようですが、勧告をしたり、あるいはそれぞれの地方自治について監視をして、検証どおりうまくなされているかといったことをやるようです。いろんな国が集まっていますので、日本のような島国の状況とは少し事情が違い、また感覚も違うという印象を受けました。去年あるいは一昨年、それぞれ奈良県知事、岐阜県知事がお話をしていますので、継続的に交流をしながら、日本が世界の中で地方自治の情報が途切れないように互いに情報交換をするということです。ただ、先方は日本の制度にどれぐらい関心を持っているかということが一方であります。政治のことには関心があるようですが、日本の自治制度の仕組みについてどれぐらい関心があるのか十分分からないところがあったように思います。講演の後、上院と下院の議長とそれぞれ具体的な話をしましたが、そんな印象を持ちました。州レベル、県レベルの議長はルーマニアで実際に議長をしておられる人ですし、市町村レベルはローカル院というのですが、これは確か地中海のマルタ島の議長だと思いますが、さまざま条件が違うなという印象を持ったところです。
またその際、私は、福井の子どもたちの学力や運動能力が全国でトップクラスであるとか、多少、福井県の自慢話として、恐竜やコシヒカリ、あるいはオバマさんの話や眼鏡の話など、いろんなことをあわせて申し上げました。

その前の12日にドイツのヴィンゼンという町を訪問しました。「青年の船」や「青年の翼」以来30年、青年の交流をしていますが、具体的な友好協定を結んでからちょうど今年が10年に当たります。青少年交流の継続的な支援を確認するとともに、ここはコウノトリなども飛来する場所であることから、そうした現場も若干見学して、さらに交流の枠を広げていきたいという提案もしました。
同日、北の方のハンブルクを訪問しました。ハンブルク大学には東洋学部日本学科があり、日本語を勉強して話せる学生がいます。私が会ったのは20人ぐらいですが、実際は5、60人おられると思います。かなり日本語が話せて、芭蕉がどうだとか、そうしたことをいろいろ話すほどのレベルであり、福井大学から毎年数名、また先方からも福井大学に研修に来ているということで、友好大使にもなってもらっています。そうした交流の場を提供しているわけですが、学生に対して福井県の様子や文学などの関連で俳句の話などもしました。

13日には、ザクセン・アンハルト州を訪問しました。州都はマクデブルクという町です。ここは連邦制ですので首相がおられます。ベーマーさんという首相と州の幹部と意見交換をしました。
ザクセン・アンハルト州はバイオマス燃料の生産や、「Qセルズ」という太陽光発電装置の最大の工場があり、ソーラーバレーという工業団地を持っている地域です。先ほど申し上げたコウノトリなど、ブルーバンドという観光資源、水辺環境を利用した観光都市、環境を結びつけたプロジェクトなども進めているところであり、これから教育や産業の面での連携をしていこうという話をしました。
これまでヴィンゼンという町と30年間、具体的に協定を結んで10年ということで、現在、高校生が2年おきにお互いに往来しているわけですが、これだけではなかなか内容が深まりませんので、先ほどのハンブルク大学との連携と絡めて、子どもたちがハンブルク大学へ行くとか、そこの学生がヴィンゼンへ行くといったやり方が要ると思います。
地理的にいいますと、ハンブルクとヴィンゼンは電車で1時間ぐらいですから、京都に近いようなところにハンブルクがあって、福井県がヴィンゼンと思っていただければいいかと思います。ザクセンは金沢ぐらいのところ、あるいは、富山の間ぐらいの一直線の距離で、お互いに交流ができますから、これまでは点でしたけれど、ハンブルクとマクデブルクという大きな町と線で結びつけて、教育、環境、経済といった事柄で交流の中身なり、あるいは実際ビジネスにつなげるような方法論をとるのが正しいのではないかと思います。具体的に詰めていきたいと思っています。


それでは、今日の発表事項ですが、一点目は、15日に示された国の来年度予算にかかる概算要求の問題についてです。
概算要求の段階ですから、年末の最終的な予算の仕上がりはまだ判断できませんが、内容を見る限り、地方交付税の増額という話がある一方で、暫定税率の廃止、公共事業の削減など地方にとっては厳しい内容が多く含まれています。
また、これまで進めてきた北陸新幹線新規着工などが明らかにされていないことはまことに遺憾であり、既に福井駅部が2月に完成し、沿線の自治体もそれを前提にまちづくりを進めているところですから、地元にも大きな影響を及ぼします。
福井県の将来の発展に必要不可欠な新幹線であり、国が責任を持って進めるべきプロジェクトですので、国としても約束をし、選挙の中でもそうした発言があったと思います。自治体や地元はその信頼関係のもとで事業を進めてきたわけですから、政権が交代したからといって、そうした約束が変わってはいけません。自治体住民の生活に混乱を及ぼす、将来に混乱を及ぼす結果をもたらすことになりますと、国のあり方としては責任を持った態度とは言えないと思います。地域主権の基本というのは、地方の声をしっかり聞いて、国としてなすべき責任を果たすということだと考えています。
今後、地元国会議員をはじめ、県議会、沿線の市町、経済界とも力を合わせて、新幹線の年内の認可について働きかけてもらわなければならないと思っています。

また、例えば、子ども手当、高校の授業料無償化などについては、地方に負担を求める議論も一部にあると聞いていますが、マニフェストで目標だけを提示して、財源をあいまいにしておき、いざ政権をとって実施となると、地方の負担が必要だというのは、あってはならないことだと思います。
国の責任で実施するものについては、国が全額で財源措置するのは当然であり、十分な相談もなく一方的にトップダウンでこうした物事が決まるということになると、こんな手法は「地域主権」どころか「中央集権」そのものであり、政治主導とも言えないと考えます。そうしたことのないように、我々としても引き続き十分状況を見て、要請もしていかなければならないと思います。

2点目は、拉致問題に関する国民大集会についてです。
11月7日(土)に、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する国民大集会福井大会」を開きます。会場は鯖江市文化センター、参加者は800名以上を見込んでいます。
この国民大集会は、政府の拉致問題対策本部、地方自治体、拉致問題関係団体との共催により、この拉致問題を広く国民に知っていただくという目的で、昨年度から全国で開催されているものです。
国民大集会では、拉致被害者家族からは、被害者の田口八重子さんの家族である家族連絡会代表の飯塚繁雄さん、飯塚耕一郎さんからのメッセージを発してもらう予定です。また、本県の帰国拉致被害者である地村保志さん、富貴恵さん夫妻に加え、本県の特定失踪者のご家族からもメッセージを発してもらう予定です。

これまでの大会では、拉致被害者に言及する場合には、政府認定の被害者に限るという方針でしたので、特定失踪者の家族は、参加しても紹介をされるのみという状況でした。今回は、県内の関係者からの要望も踏まえ、国とも調整の上、特定失踪者家族から直接その場でメッセージを発する場を初めて設けたいと考えます。さらに、高校生、大学生の参加も予定しており、若い人々にも幅広く参加をし、関心を持ってもらう大会となります。
この大集会の開催を通して拉致問題に関する理解が深まり、特定失踪者を含む拉致問題の一日も早い全面解決に少しでもつなげたいということで、多くの方々の関心と参加を願っております。

3点目は、「子育てを支える『家族・地域のきずな』フォーラム全国大会福井」についてです。
11月15日(日)に、ユーアイふくいの多目的ホールで開きます。福井での開催は、富山、奈良に続いて、全国で3番目です。
このフォーラムは、少子化が進む中で、安心して結婚し、子どもを育てる社会にしていく、そして子供を育む家族の素晴らしさを認識するための大会です。福井県が推し進めている家族時間を延ばす運動と軌を一にするものです。
その際、家族・地域のきずなに関する作品コンクールの表彰式や、国立小児病院の名誉院長である小林登さんの講演、スポーツコメンテーターの奥野史子さんによる子育てトークとパネルトークなどを実施します。また、「若者と考える消費者社会」と題して、20代の若者から、恋愛、結婚、仕事、出産に対する考えを聞く対話集会も開きます。

そのほか、「親子ふれあいコーナー」を開催し、「親子で楽しむライブショー」、「家族でつくるクラフトコーナー」、パパ’sクッキング「親子で料理」など、親子が気軽に楽しめる体験コーナーなどを用意しています。多くの参加者を期待しており、家族時間の大切さなどについて考えるきっかけになることを願っています。

4点目は、今年の冬の除雪計画についてです。
気象庁の予測については、今年の夏に日照不足をもたらしたエルニーニョ現象が持続しており、近年の高温傾向からも暖冬となるという予測は一応あるようですが、予断を許さないと思います。万全を期しておくことが危機対策の基本かと思います。
そこで今般、冬の除雪計画となる、平成21年度道路雪対策基本計画をまとめました。もちろん道路だけに限りません。
今年の立冬は11月7日であり、その前日11月6日に除雪対策本部を設けます。
今回の計画の要点ですが、1つ目は歩行者の安全確保です。水が溜まり、渡ることが困難となる横断歩道を優先的に排水、排雪を行い、安心して渡れるようにします。また、平成18年以来実施している「みどりのスコップひとかき運動」について、設置場所を市街地のバス停を中心に、これまでよりも23か所増やして123か所で行います。さらに、バス車内放送、ポスター掲示などにより、この運動への参加を働きかけていきたいと思います。
2つ目は市街地内の渋滞緩和です。パークアンドライド駐車場、アクセス道路について、駐車場管理者や市町と協力し、始発電車に合わせて優先的に除雪し、公共交通機関を利用しやすくします。
3つ目は救急医療機関周辺道路の除雪強化です。これが今年の最大のポイントと考えます。県立病院や済生会病院など9つの病院群輪番制参加病院に至る基幹道路や市町道路について、緊急患者を速やかに搬送できるよう、降雪があった場合、これまで以上に迅速に除雪を行うということです。従来は10センチですが、それ以前の5センチぐらいから除雪を始めることを予定しています。
4つ目は高速道路の除雪です。ETCの休日特別割引により、マイカーなどを中心に交通量が増加すると考えられます。スリップ事故等による通行止めの問題が起こりますので、タイヤチェック等の強化を中日本高速道路(株)と協議し、強化したいということです。また、国、高速道路株式会社、警察本部等と情報を共有・一元化して、県民に速やかに情報提供をしたいと考えています。

発表事項の5点目は、足羽川激特事業の竣工についてです。
平成16年の福井豪雨で堤防が決壊した足羽川ですが、その年から開始した河川激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業が11月に竣工を迎えます。これを節目に11月28日(土)に足羽川河川敷においてさまざまな事業が終わったという竣工式を行うということです。
激特事業では、日野川合流点から約6キロの区間で川底を2メートル掘り下げ、スムーズに流れるようにしました。また、幸橋、泉橋、木田橋を架け替え、橋脚の数を減らすなどして、流れをできるだけ阻害しないように改善をしました。
この工事に伴い、親水環境の整備も進め、足羽川が新たな姿に衣替えをしています。以前の姿をご存じであれば、その比較が分かるかと思います。
桜の名所である桜づつみについては、桜橋からJR橋までの区間、堤防の住宅側に新たなスペースを設置し、これまでの桜にかわる次世代の桜を植栽しました。また、新たな魅力づくりとして、24種の桜を植え、多品種の桜を長期間楽しんでもらえるようになっています。
河川敷の公園ですが、管理者である福井市との協議の上、県民により親しんでもらえるように復旧を行っております。

さらに、事業中に使用した工事用道路、これは通常はなくすわけですが、今回は特別に要請をして、そのまま歩道として残して整備することにしています。また、荒川合流部の河川敷をつなぐ遊歩道橋や板垣橋下流の沈下橋を整備しており、双方とも11月に完成予定です。こうすることにより、日野川合流点から板垣橋上流付近、これは片道約6.5キロありますので、往復しますと13キロになります。こうした足羽川川面の流れや四季の折々の風景を間近に感ずる散歩、ジョギングのコースができることになります。
河川敷を歩いていると、向こう側へ渡るのに一度上へ上がるとなるとなかなか不便ですが、荒川の橋や沈下橋を渡れるようになりますので、もちろん安全などには注意しないといけませんが、ご利用願えるようにしたわけです。
なお、竣工式に合わせて、福井豪雨という貴重な、また厳しい経験を無にせず、防災に対する県民意識の向上を図るため、竣工記念「防災フォーラム」を開きます。フォーラムでは、足羽川の「洪水災害調査対策検討会」で委員長を務めていただいた京都大学防災研究所の中川教授による基調講演のほか、豪雨の体験をした人や専門家を交えたパネルディスカッションを行う予定です。

6点目は、恐竜ブランドの展開についてです。
6月補正予算においてアメリカから購入することとなったカマラサウルスの全身骨格化石が10月27日(火)に恐竜博物館に到着する予定です。時間などの詳細は改めて担当課からお知らせすることになると思います。
この化石は、アメリカ合衆国ワイオミング州のジュラ紀後期、約1億5,000万年前の地層から発見されたものであり、体長約15メートルです。また、全身骨格の約95%が保存されるなど極めて良好な状態で発見されたものであり、学術的にも価値の高いものと理解しています。
搬送トラックにはカマラサウルスの化石が恐竜博物館にやってくることを示すラッピングシールを一部に施すほか、運搬している様子なども積極的にPRしたいと考えます。到着時には地元の小学生に出迎えてもらう予定です。また、恐竜博物館到着後、その場で化石の一部を報道の皆さんに公開する予定です。

なお、化石は専門的な分野ですので、博物館に着いた時の専門家による検収、チェックがかかると思いますので、そうしたこともあわせて行うということです。
それから、同じ恐竜の関係で、浙江省の浙江自然博物館から恐竜の卵の化石を借入れ、恐竜博物館において展示することにしています。
福井県の恐竜博物館はアジアにおける恐竜研究の拠点を目指し、県内外、国内外の博物館とネットワークをつくっています。この一環として浙江自然博物館と平成16年3月から姉妹提携を結び、先方の職員の研修なども福井県の恐竜博物館で行っているわけです。
昨年、友好提携15周年という節目に浙江省を訪問し、博物館において館長などにお会いし、研究交流を深めることで合意しました。その一環として、所蔵の卵化石の借入れを依頼し、中国当局から許可を得て、無償で借り入れることになりました。今回借用する化石は、23センチ×14センチ×15センチの大きさです。これは、白亜紀後期、約8,500万年前のもので、草食恐竜ということです。この恐竜の卵は10月24日(土)から博物館1階のエントランスに展示する予定です。
 

~ 質 疑 ~


【記者】
来年度の概算要求には新幹線の新規着工分が盛り込まれなかったわけですが、改めて率直な感想と、今後、これまでどおり年内認可を求めていくのかお伺いします。また、要請の具体的な方法、国会議員の方々にという話もありましたが、具体的に前に進めるためにどうするのかをお聞かせください。

【知事】
ほかの問題もありますが、新幹線に限って申し上げると、公共事業の削減という抽象的な名目ですべてばたばたと切り捨てるのは問題であり、新幹線を例にとると、これが「白紙」という言い方で、将来展望が全くないような取り扱いになりかねないということです。これは双方にとってマイナスなことであり、継続性を重視していただかなければならないわけです。
海外出張する直前に、国交省の前原大臣にはお会いできませんでしたが、副大臣、政務官にすべてお会いすると同時に事務次官にもお会いし、また、民主党議員ともいろいろ意見交換をさせていただきました。国交大臣とは至急アポイントをとって、福井県の総意を示した考えをお伝えしなければならないと考えます。
なお、新幹線の意味や価値、福井県にとっての必要性、国家プロジェクトとしての必要性は、分かり切っているといえば分かり切っているのですが、再度この重要性について整理をする必要があると思います。整理というのは、もう分かっていることですから整理ということですが、防災上の必要性や国土計画からの価値、観光面、関西、北陸と北関東、信州などとの結びつきなど、そうしたことの整理をもう一度分かりやすくして、大臣にも申し上げなければいけません。これは何といっても県民理解が直前の段階で浅いのではいけませんし、広域的な北陸全体とかブロック全体の理解も深めないといけませんから、そうしたものを分かりやすくした上で要請をし、また、県民の皆さんにもさらなる理解を深めていただきたいという考えで臨みたいということです。

【記者】
子ども手当について、昨日、官房長官が全額国費でやるとはマニフェストに書いていない、場合によっては地方に負担が増えることも選択肢のうちの一つという発言をされたようです。昨日の時点で官房長官はそうした考えを持っているようですが、一方では、厚労大臣などは地方に負担を押しつけるのはおかしいという考えもあるようです。この子ども手当は、先の衆議院選挙で民主党が最大の目玉の政策の一つとして打ち出していたものですが、こうした重要施策が今になって財源がどうだといった現状になっていることについて何か思いがありますか。

【知事】
これはマニフェストの表面的な言葉がどうだということではなくて、マニフェストに書いた精神をはっきり捉えて国民の理解に応えなければならないことだと思います。子ども手当そのものにどのような意味があるかという評価はありますが、それを別にしても、国で財源措置をすると言っているわけで、国として何か個人給付の性格を目指すということですから、大きな政策転換でもあるし、これは国においてしっかり全額負担すべきものだと思います。金額が大きいですし、基本に関わることだと考えます。

【記者】
北陸新幹線が概算要求に入らなかったということですが、厳しい状況ではあると思いますが、政権が交代したからには、今までのような陳情や要請のやり方もひょっとしたら変えなければいけないと思います。そうした陳情や要請を戦略的に今後どうやっていく考えでしょうか。

【知事】
その前提として、今回の概算要求を行った事柄の印象について、基本に関わることとして申し上げる必要があると思います。マニフェストに基づいて頑張っていただくのは、それはそれでよいことかもしれませんが、要するに、マニフェストを実行する場合のガバナンスやバランス、4年間でやるスピードや優劣を考えることが大事であり、時間の感覚や優劣の感覚をなくして、各大臣が競って、いっぺんに、一気に、ああだこうだとやるのはどうかと思います。
さらに、ただ切るだけとか、あるいは地方がずっと頑張ってきて、しっかりしたプロジェクトとして考えてきたものにしわ寄せが来るといったことがあってはならないわけです。一方で、福祉施策がよく分からないうちに膨れ上がってきて収支が合わないといったことでは困るわけで、4年間じっくり取り組むべき事柄だと思います。
大事なのは、地方の仕事や地方が取り組んできたことに、それぞれの地方で違いはありますが、これに目を向けて、応援するということではないかと思います。特に経済状況が厳しく、先行きが明瞭ではないという現況ですから、中央視点で考えて実態に即さないような、あるいは継続性を無視したような方針をとるべきではないと思います。こうした厳しい環境ですから、地方のやる気や期待をそがないように、そして、大事なもの、必要なものは思い切ってやり、継続性を持たせるということが重要だと思います。そうしたことを踏まえた上で要請をするということです。

【記者】
新幹線について、県民意識をまちなかで聞いてみると、いまひとつ盛り上がっていないという面もありますが、どう思われますか。

【知事】
政治の場合、身近ですぐに各個人に影響があるものについては利害得失をよく理解していただけますが、長期にわたって、効果がすぐ表れないようなプロジェクト、将来必要であるとか、基盤になるものについては理解しにくい点が物事の性質上あります。それは我々としても、よく働きかけ、理解を求める必要があります。先ほど申し上げたように、必要性、意味、価値、直近の状況について長年議論をしていますが、改めて分かりやすく申し上げて、みんなで盛り上げていこうと思います。
経済学的に言うと有効需要を作り出すということだと思います。こうした大きな話は、有効需要としてはすぐには表れません。手当などであればすぐ分かるものですが、こうしたプロジェクトは有効需要の創出という性格をもともと持っていますから、私たちの子どもや孫の時代に、産業やあらゆるものの基盤になる、地域の競争力として深く影響するということを理解する必要があるし、理解を求めるということではないかと思います。
ニーズがあるとかないとかいう表面的なものではないと思います。もちろん十分理解いただいてきているとは思いますが、念を押すということは十分あると思います。

【記者】
そうした意味では、今までは理解がちょっと不足していたからということですか。

【知事】
不足というか、分かり切っているだろうと思ってきたということです。大体こうしたことは、見直す時には、もう一度どうするのか議論するのではないかと思います。だから、こうしたことが起こること自体よろしくないと思います。ずっとやってきたことについて、理由もなく「白紙」ということになると、一体何だということになる。そうしたことをやめてほしいということを申し上げているわけです。

【記者】
昨年12月の政府・与党合意について、前原大臣が「白紙」と言っているわけですが、県としては、政府・与党の合意というものは重いもので、それに基づいて地元もやってきたし、それがなし遂げられるものと思ってやってこられたと思います。その合意を守ってもらうという方針は変わらないということですか。

【知事】
まったく変わりません。

【記者】
金沢-福井間と敦賀駅部の認可を得たいということで方針は変わらないということですか。

【知事】
そうです。

【記者】
今ここで、政府・与党合意の与党というのは明らかに変わっているわけで、ワーキンググループもなければ、新幹線をどう進めるかという見通しを政権与党は全然持っていないわけです。そうした中で、県としてはどのように陳情なり要請なりの戦略を進めるかということも描きにくいのが実情ではないでしょうか。それとも、ある程度、今後どうやって中央に具体的に当たるのか、戦略をどう描いておられるのかをもう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。

【知事】
国家プロジェクトですから、政府与党が責任を持って示すべきだとは思いますが、それはそれとして、与党を中心にした県選出国会議員とは何度かさまざまな議論を深めておりますし、また近々行う予定もありますので、そうしたことを進めると同時に、やはり国交大臣にまだ事柄を直接伝えていませんから、しなければならないと思います。
金沢までの問題については、各関係知事と大臣との協議の場に出るという話もしていたのですが、それは少し事柄が違うということだったので、それはそれで一つの考え方だと思いますが、金沢から敦賀までの問題は新しい問題ですので。

【記者】
かつて北海道、長崎県に有力議員がいたわけで、錚々たるメンバーがいて、その中で福井も競争していて、ことごとくその有力議員が落選しました。北海道も自民党は惨敗をしている中で、今後、例えば長崎県や北海道と、今までの競争状態と明らかに違う状況になるのか、それとも今までと同じようにやっていくのか、どう考えていますか。

【知事】
私としては、北陸新幹線が客観的条件として最も優先すべき条件にあると思いますし、新しい政権が従来と違うのであれば、スピードをもって、必要なものは必要だということで実行すべきだと思います。それが国民なり地域の住民に対する彼らの答えであるべきだと思います。

【記者】
まずは前原大臣に面会を求めるということですか。

【知事】
ご自身でお考えを示していただければいいのですが、まだないようですから、求めざるを得ないと思います。

【記者】
少なくともいつぐらいまでに会いたいというのはありますか。時間はないと思いますが。

【知事】
できるだけ早くですね。

【記者】
北信越で国会議員や他の知事に協力を求めていくことはお考えでしょうか。

【知事】
それは必要だと思いますが、特に今回は、福井県として頑張らなければいけないと思います。広域的な理解という話をしましたが、もちろん協力を求めるのは当然です。

【記者】
今まで他県に協力をしてきたわけですが、石川の谷本知事は、とりあえず金沢開業までが最優先だというような発言をされているようです。ちょっと温度差があるように思いますが、その辺はどうですか。

【知事】
ずっと仲よく力を合わせてやってきましたから。大体、敦賀まで来ますと富山と大阪は1時間早くなります。金沢も大阪まで40分ぐらいでしょうか。東京・大阪までの立地条件がよくなりますから、これは彼らとしても一生懸命やらなければいけないと思います。

【記者】
北陸新幹線が最も優先すべき条件にあるとい点をもう少し具体的に、どのような条件かを教えていただけますか。

【知事】
ほかの路線についてあれこれ申し上げることはしませんが、フル規格の新幹線ですし、沿線の住民の数や熱意、費用対効果などを考えると、優先すべき客観条件にあると思います。

【記者】
これまでの経緯などを整理して、それを分かりやすく伝えていくための具体的な手法はどのように描いていますか。

【知事】
改めてそうしたことをご説明しなければいけないから、したらよいのではないかという意味です。

【記者】
何か形にするという意味ですか。

【知事】
新しい政権ですから、理解しておられないかもしれませんし、こうだということを改めてお話しするということです。自民党時代は、みんなそれは分かり切っていて、当然だというように思っていましたが、もしそうでないとすれば、もう一度申し上げなければいけないということです。

【記者】
今週末には民主党の地域戦略局との話し合いもありますが、その場でもこうした議論をしていくということですか。

【知事】
そうしたこともメインの話題になるのではないでしょうか。

【記者】
要請的なこともするということですか。

【知事】
はい。

【記者】
「もんじゅ」の運転再開を今年度内に目指すということですが、再開の基準に関して、新政権になって特に「もんじゅ」に影響はないとお考えでしょうか。

【知事】
新政権ができて真っ先に文科大臣と経産大臣に直接お会いして、原子力政策の重要性、国としての責任、3つの原則、継続性について要請をし、それはそのとおりであるというお答えをいただいていますから、変わらないということだと思います。

【記者】
概算要求について、ダムの建設費に関してもやはり減っているという傾向の中で、不安などはありますか。

【知事】
ちょっと中身がよくわからなくて気にはなります。例えば、「白紙」といったことを言っていますが、どのような考えで物事をやろうとしているのか分かりませんから。

【記者】
国に対しては、今後、どのような方向で話していきたいですか。

【知事】
福井県として地域でずっとやってきた事柄を、ちゃんと継続的にやってもらいたい、そうしたものを応援するのが新しい政権の仕事ではないかということを訴えたいと思います。

【記者】
どうしても必要なものだということを訴えるということですか。

【知事】
そうです。必要でないものがあるのなら、やめたらいいのであって、必要なものは必要であると私は思います。

【記者】
やはり4つのダムに関しては絶対必要なものだということですか。

【知事】
必要だと思います。

【記者】
新幹線の話に戻りますが、前原大臣が「白紙」と言うのは、あり方をもう一回検討するところまで話が戻ってしまった上に、予算まで根こそぎ削られてしまっているという現状の中で、年内認可にこだわるのももちろん一つの選択肢だと思いますが、攻め方や戦略についてほかの選択肢を考えていくことはありませんか。

【知事】
年末までまだ時間もありますし、どういうお考えか分からないから、まず、よく確かめなければいけません。

【記者】
民主党の今の政策の進め方について、マニフェストに書かれているということを錦の御旗のようにして、財政が悪化する可能性があっても子ども手当を進めたり、温室効果ガスの削減目標も、国内的なコンセンサスを得ずに国際舞台でぶち上げたりといったやり方です。マニフェストを金科玉条のように進めていくやり方に対するお考えと、知事はいち早くマニフェストを取り入れて政策を進められているわけですが、マニフェストを基にしたあるべき進め方について知事の考えがあればお聞かせください。

【知事】
マニフェストは4年間で行うものです。今、政権はそれぞれ大臣がおられて、競っていろんなことをやられるから、脈絡をとらないといけないわけです。スピード、優劣、いわゆるガバナンスです。ローカル・マニフェストの場合は、市長や知事が全体に統制、コントロールができますが、それが大事だと思います。
マニフェストのつくり方の経過もあると思います。特に国政の場合は、今回は厳しい選挙になりましたし、最初の本格的なマニフェスト選挙ということで、熟度もやや低いところがあります。政党マニフェストは、歴史的には党員を拘束するためにつくられたものであり、有権者に対して、ウィッシュ・リストのように要望事項を書いていくというタイプのものではないはずです。どのようなバランスでマニフェストができているか、あるいは実行するかというのは、これから4年間の評価になるということです。今それを、何か一斉に、スピードの調整や優劣感がまだ十分分からないままに進んでおられるような状態ですから、なお少し様子を見ないといけないということでしょうか。

【記者】
少し性急過ぎるところがあるということですか。

【知事】
性急というより、優劣とスピードでしょうね。急ぐものは急がなければいけないけれども、急がなくてゆっくりやらなければいけないものは、約束したことを4年間でやればいい話ですから。
それで、地方にいろんなしわ寄せが来るような国のマニフェストでは、底が空いているということになってしまいます。国家のマニフェストとして完結していないことになってしまいますので、それでは具合が悪いということです。

【記者】
先月の定例会見では、新政権の発足ということもあって、知事の発言の端々に期待感も見られたように思うのですが、今日の話では、かなり厳しい、辛らつな意見が目立ちます。新政権発足から少し時間が経って、今、民主党中心の政権にどのような印象、評価を持っていますか。

【知事】
期待はしていますが、新幹線など地方が継続的に行っている事業について理解をし、応援をしてほしいと私は思っています。それがこれから年末までにどのように実行されるかということにかかると思います。ちゃんとやっていただければ、それぞれ他の地域も事情はよく似ていると思いますが、それでよいのではないかと思います。

【記者】
特に失望しているというところまでは行っていないということですか。

【知事】
そういうことではありません。今は決められたことがまだ不明な状態だから、いろいろ心配だということです。12月末までによい姿になればそれで結構なことです。

【記者】
子ども手当について、連立を組んでいる社民党は、一部所得制限を設けるべきだと主張しています。例えば、1,000万円以上の所得の世帯には配る必要はないといった話も出ていますが、知事の個人的な意見として、マニフェストの構想どおり進めるべきか、それとも修正して所得制限を設けてもいいか、どう思われますか。

【知事】
個別の周辺的な条件がいろいろあります。税制の問題などにも関わってくるので、それだけで答えにくい問題です。マニフェストで約束して、つくるのであれば、よい制度にしてほしいというぐらいの感じはあります。ただし、事務や負担などで地方に迷惑がかかるのは困ります。

【記者】
適宜状況を見てマニフェストを修正していくことについてはどうですか。

【知事】
修正というより、そんなに詳しく細かいことまで書いてないのではないでしょうか。それは応用編でしょう。マニフェストは事柄が書いてありますが、それを実行する精神が重要です。「地域主権」など、いろいろ書いてありますが、それを行う精神をちゃんと持っていただかないといけないということです。新幹線などもありますが、地域が長年やってきて、期待をして進めていることへの応援がないということが万一あるとすれば、それはマニフェストの精神がどうなっているのかということになると思います。

【記者】
地方と国との関係について、民主党政権は従来型の陳情はあまり受け付けないということです。どこまで徹底されているかは分かりませんが、例えば新幹線であれば、これまで有力議員にお願いに行くとか、そうしたやり方だったと思います。地方の側から声を上げる際に何かやりにくくなったとか、戸惑っているとか、そのような点は今のところありますか。

【知事】
まだ始まったばかりですから、ダムにしても空港にしても、いろいろご意見を聞いておられるのではないでしょうか。従来とはタイプが少し違うのかもしれませんが、陳情、要請、協議、議論と言い方はいろいろありますが、いろんな方法でやらなければ、デモクラシー、民主主義になりません。その中で我々はやっていくということでしょう。

【記者】
それほど変わったという印象はないということですか。

【知事】
変わってはいるでしょうが、民意を汲み上げる、あるいは、民意を忖度するというのは、永遠の原理でしょうから、それなくして勝手に物を考えることは政治にとって不可能です。だから当然、その中で我々としてあらゆる手段を尽くして必要なことをやるということです。

【記者】
年末の本予算までによい姿になればという話でしたが、現在、概算要求の段階で95兆円まで膨らんでいる状況です。これをさらに3兆円ぐらい削るという方針もあるようですが、削っていく中で地方要求分も厳しく精査されるはずです。地方交付税の増額分なども財源が課題になっていますが、さらにその中で、新幹線の新規着工など地方の要望を盛り込む余地というのは、厳しい見方もあるわけで、どのように考えますか。

【知事】
地域の要望ではあるけれど、これは国家プロジェクトなのです。国の高速交通体系の骨格を結びつけるということですし、しかも鉄道です。環境の問題とも深く関わるし、あらゆる大事な局面で大量輸送をどうやって行うかということでしょうから、それは国が自ら考えるべき事柄だと思います。

【記者】
どんな予算を削ってでも前を向いて進むべきだというお考えですか。

【知事】
重要な課題だと思います。特に現在の政権の中で国土計画というのはよく分からない部分です。国土計画、俗に言う国の形がよく見えません。システムではなく、国と地方、太平洋側と日本海側、防災の時にどうするかといった国土計画が不明瞭なところがありますが、これをはっきりさせないといけないということです。

【記者】
敦賀1号機の運転延長の問題について、かねてから県議会の意見も踏まえてという話もしていますが、9月議会での議論をどのように受けとめていますか。

【知事】
まだはっきりしないのではないでしょうか。12月議会もあるでしょうから。

【記者】
県民会館の取り壊しについて、年間5,000万円ぐらい維持費がかかっている中で、一体となっている青年館側との交渉が若干難航しているようですが、解決に向けた考えはありますか。

【知事】
実際、活用はしていますので、維持費はやむを得ない面もあるかと思います。交渉中ということです。

【記者】
認識にずれが若干あるように聞いていますが。

【知事】
それはあると思います。あるから交渉しているということです。

【記者】
交渉を続けるということですか。

【知事】
はい。

【記者】
会計検査院による不正経理問題の状況はどうなっていますか。

【知事】
もともと会計検査の動きがあるということで、あわせて県独自でもできるだけ合理的に調査する必要があります。11月には会計検査の定例の公表がありますので、それまでは国との関係もあって、具体的な金額内容についてはお答えできませんが、会計処理の問題というのは、国庫補助金のみならず、県独自の公金の書類も関係しますので、既にお話ししていますように、先月初めから県単独も含めて全庁を対象とした調査を今行っている最中です。外部の専門家の皆さんのチェックも入れているところですが、その調査結果がまとまり次第、公表するということです。
全庁調査については、経理担当職員の聴き取り調査、取引をしている企業との帳簿等関係書類の突き合わせなどの調査を今行っています。できる限り早期に取りまとめて、原因の分析を行った上で、外部委員の意見や職員の声も聞いて、再発防止を講じていくことになります。調査結果については、11月中に公表させていただきたいと思っています。


── 了 ──
 

 

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