知事記者会見の概要(平成22年4月27日(火))
平成22年4月27日(火曜日)
15:35~16:05
県庁 特別会議室
【知事】
今日は発表事項がいくつかあります。まずは、「『安全・安心ふくい』実現プラン」の21年度の成果などを中心に私からご報告し、その後、警察本部長からもご報告するということにしたいと思います。
まず、平成21年4月に県と県警察本部が共同で策定した「『安全・安心ふくい』実現プラン」の平成21年度の成果について、尾崎本部長とともに発表します。
両者で平成15年8月に策定した「福井治安回復プログラム」が最初です。その頃、治安の問題に様々な課題があり、「回復」という言葉を使って治安回復プログラムをつくりました。それから、平成19年には「福井治安向上プラン」をつくりました。県民とともに進めており、昨年は「実現」ということで、それぞれ実現のステージというか、実施状況に応じて目標も少しずつ変更してきたわけです。
数字の面では、知事の立場から見ても、本県の治安は着実に向上していますが、一方では、身近で発生する犯罪には不安を感じている方が多いわけです。このことから、昨年4月に、身近な治安、安全が実感できるよう「『安全・安心ふくい』実現プラン」を策定しました。これは、平成21年4月から2年間の計画で来年3月までになります。今は、丁度、真ん中の期間になります。
前半のこの1年間つまり平成21年度の状況です。刑法犯認知件数は、過去一番多かったのは平成14年で、統計上は1万3,884件でした。平成21年度は6,369件と7年連続で減少し、減少率も54.1%ということで全国第1位の減少率です。
もう1つの指標は、いわゆる凶悪犯といいましょうか、殺人、強盗などの犯罪ですが、重要犯罪の認知件数も6年連続で減少し、実件数では34件で全国第1位です。福井が34件、鳥取が40件、3位の島根が43件という成果です。
さらに、このプランの主な柱である「子ども、女性を守るまちづくりの推進」が重要であり、声かけ事案の多かった県下の5地区をモデル地区にして、夕暮れどきから夜8時ごろまで、夜光チョッキあるいは音、CDを用いたパトロールの実施、また、事業所に対して自動車に貼付するマグネットシートを配布しての見守り活動の促進、小学生に加えて中学生のパトロール等々を行い、実効性を上げたわけです。このことにより、子供への声かけ事案発生件数が平成17年以来初めて減少し去年は160件です。見守り隊の参加者数は、前年に比べて1,400人増加して、過去最高の48,000人となっています。
交通事故の抑止対策についてです。事故の多い幹線道路を中心に、11ポイントで通行車両の速度状況を分析し、その結果を交通安全広報に活用しました。これは全国初めての試みです。それから、県内各地の交通情報板を活用した速度注意、速度警報の発令です。速度を守る意識の喚起、これも全国初めての試みです。要するに、ノット・スピードドライブというんでしょうか、こういうものを防ぐということです。その結果、交通事故死者数が6年連続で減少し、54人となっています。それでも福井県と人口の近い島根県、鳥取県、佐賀県は交通事故死者が30人台です。それに比べると福井県は多く、まだ13位ですので、なお課題があると思います。
こうした結果、昨年12月に県警察が実施した、治安に対する県民意識調査では、回答者の96%が、福井県の治安は全国平均以上と感じているという結果が出ています。
このプランの実施期間は来年度末まであります。今年は、特に女性や子どもを守るまちづくり、交通事故のない社会の実現などを強力に推進し、「安全・安心日本一のふくい」を実感できるよう努めていきたいと思います。
【県警本部長】
知事からお話がありましたとおり、「『安全・安心ふくい』実現プラン」の実施については、刑法犯認知件数が7年連続減少、また、交通事故死者数も6年連続減少するなど一定の成果があったと認識しています。
しかしながら、本年の治安情勢を見ますと、昨年同期と比べ、子供に対する声かけ事案や空き巣、忍び込みなどの侵入犯罪が増加しているほか、3月には福井市内においては信用金庫や質店を対象とした強盗事件が連続発生しています。また、交通事故では昨年同期と比べ死者数は減少しているものの、死者数に占める高齢者の割合は約90%と非常に高い水準にあります。このように県民の治安に対する安全・安心感に影響を与える事件や事故が発生していることから、今後も取り組むべき課題は数多いと認識しているところです。
そこで、今後このプランの各柱において強化するポイントですけれども、まずは「子供、女性を守るまちづくりの推進」につきましては、子供に対する声かけ事案の減少効果が見られました、「光」と「音」によるパトロールを県下全署22地区に拡充して実施していくことや、「♯9110」をはじめとする各種相談窓口の広報を強化し、適時適切な相談対応に努めることを考えております。
次に、「県民が不安を感じる犯罪や災害等への対応」につきましては、県警察が本年特別重点としております「APECエネルギー大臣会合開催に伴う総合対策」を推進し、テロの未然防止や緊急事態対策に万全を期すことや、増加傾向にある侵入犯罪に対しては、「鍵かけ運動」や「防犯ドクター」事業の拡充により発生を抑止するとともに、徹底した検挙に努めること。また、「地域住民との連携の強化」につきましては、「ふくいマイタウンパトロール隊」の活動の活性化を支援するとともに、昨年実施したアンケートで県民の方々の要望が多かった制服警察官によるパトロール、「見える、見せる活動」を強化していくことを考えております。
「交通事故のない社会の実現」につきましては、高齢者の交通事故防止に向け、出前型の運転適性診断や、歩行者、自転車利用者に対する街頭での保護誘導活動を実施する「いきいきシルバーセーフティーサポート」事業を推進していくことを考えております。
最後の「力強く頼もしい警察の確立」については、本年3月、県警本部に通信指令課を新設したことから、事件事故や災害等の発生時における通報に対してより迅速、かつ的確な対応を行い、県民の安全や安心感の確保に努めることなどに取り組んでまいりたいと考えております。
県警察といたしましては、今後も関係機関、県民の皆様と力を合わせ、「『安全・安心ふくい』実現プラン」に掲げた各種施策を総合的に推進し、県民の治安向上の実感を一層高められますよう、また、「日本一治安のよい福井」を実現できますよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。以上でございます。
~ 質 疑 ~
【記者】
「光」と「音」のパトロールを全署で実施というお話でしたが、時期はいつごろをお考えですか。
【県警本部長】
昨年から5地区でやっていたのを22地区に増やすということです。時期は、4月28日です。
【記者】
APECに関して警備計画で何かこういうことを計画していると、具体的な中身で今言えることがあれば伺えますか。
【県警本部長】
今、特段具体的な中身については、ここでご紹介するものはございませんが、既にご承知と
思いますが、福井県にとって「APECエネルギー大臣会合」は大変重要なものですから、県
警としても力いっぱいといいますか、会議の円滑な進行と要人の安全を確保して、かつ県民の
安全を確保するための警備を徹底してまいりたいと考えているところです。
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【知事】
それでは、引き続いて、APECとの関連の国際会議の誘致・開催について、それから、これは1年間のお話になりますが、県外大手企業の展示商談会の開催についてと平成21年度のマニフェストに基づく政策合意の結果および新年度の政策合意について、ご報告をいたします。
なお、昨日、今日と「もんじゅ」の関係がございましたので、これらの話を終わってからお話ししたいと思います。まず3つのお話をこれから申し上げますので、よろしくお願いします。
1点目は、原子力人材育成の拠点形成を進める国際会議の誘致・開催です。APECエネルギー大臣会合の開催まで50日余りとなり、4月22日には開催推進協議会の総会も行い、関係者が一致協力して準備に万全を期しているところです。
APECエネルギー大臣会合開催の意味ですが、会議の成功はもとより、これを福井県と広く日本、そしてアジアを中心とした関係諸国とのさまざまな人材育成、あるいは、いろいろなレベルでの交流、連携の拡大につなげていくことが大切です。今回、エネルギー研究開発拠点化計画の一環として、新たに、次の2つの会議を招致・開催することにいたしました。
1つ目は、第12回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合の誘致です。これは、国の原子力委員会、それから内閣府、文部科学省の主催によるコーディネーター会合です。アジア10カ国の原子力の研究開発を推進・調整する機関のトップ、高級実務者ということになるかもしれません。日本で言いますと、原子力委員会とか原子力研究所長というレベルになると思いますが、こうした方が参加して、人材の育成、それから原子力技術の利用などについて協議するものです。50人程度の参加になるかと思います。これは、APECに続く会合ということになると思います。
この会合は、平成12年度からずっと開かれていますが、東京都以外で開かれるのは、平成15年に沖縄で1回開いておりますが、それ以外は地方で、特に原子力発電所の立地地域では初めてということになります。本県での開催が決定されたことは、人材育成などを推し進めている福井県として、意義のあることだと思います。
会合では、メーンの会合のほかに、原子力関連施設の視察等も予定されると思います。会合は、例年、年明けの2月とか3月に開催しており、それまでにスケジュール等の詳細を国と協議してまいりたいと考えます。
2つ目はアジア原子力人材育成会議の開催で、これはAPECの前に開く会合です。APECエネルギー大臣会合の関連事業として、会合前の6月3日と4日、ちょうど2週間ほど前になるわけですが、アジア原子力人材育成会議を福井市と敦賀市で開きます。
これは、原子力発電をこれからまさに導入しようとしている諸国、国の名前としては、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの政府機関、研究機関の代表者をこちらへお招きして行うもので、50人弱ぐらいの会合になるかと思います。これから平成23年の4月に福井県国際原子力人材育成センターを設置しますが、そういうところに各国からできるだけ、将来のアジアの原子力を担う有為な人材がうまく情報を把握して来ていただけるように、そして、研修自体も効果的に実行できなければなりません。あらかじめその目論見なり、また、我が国が、あるいは福井県として期待するそれぞれの役割などについてお話を申し上げて、各国のニーズともマッチングをさせるということになると思っております。
6月のAPECエネルギー大臣会合開催をきっかけにこうした国際会議を継続して誘致・開催することにより、アジア各国とのネットワークづくりの促進を図りたいと思います。
2点目は、産業政策に関連した県外大手企業との展示商談会です。
これは平成18年から既に行っています。平成18年にはトヨタ自動車、平成19年にはデンソー、平成20年度にはコマツ、スズキ、シャープと行っています。昨年度は大和ハウス工業、日産自動車、三洋電機と行っており、今回、平成22年度としては三菱自動車工業と三菱電機を対象にする予定です。時期は、三菱自動車工業については11月の予定、三菱電機については来年2月の予定です。場所は、三菱自動車工業は愛知県岡崎市、三菱電機は兵庫県尼崎市になります。
三菱自動車工業は、世界に先駆けて電気自動車の量産化を行っており、電気自動車のパイオニアです。三菱電機も、太陽光発電システム、ヒートポンプ事業など、地球温暖化対策をグループ全体の成長事業として位置づけています。
これらの企業と情報を交換し、直接、県内の主だった企業が自らの技術について、いかに使えるかという営業をかけることで産業上のビジネスチャンスをできるだけ得ることができるように、福井県としても応援をしたいと思います。
出展企業の募集は、この5月から実施することになると思います。
厳しい経済状況ですが、できるだけ新しい産業に元気な企業が参入できるようにやってまいりたいと思います。
3点目は、平成21年度政策合意の結果と22年度の政策合意の実行についてです。平成21年度の政策合意の実施結果を公表するとともに、本年度の政策合意についてこのほど合意を結びましたので、お手元の資料のとおり公表いたしました。
昨年度の政策合意の結果ですが、まず全体の達成率を申し上げますと、合意した212項目のうち目標を達成したものは150項目です。北陸新幹線の整備など、なお引き続き課題となっている26項目を除きますと、達成度は昨年度と同じく約80%ということになります。
福井新元気宣言の初年度は90%であり低下しているんですが、これには背景が1つ、2つあります。
1つには、目標を達成した項目については、そのままにしないで次年度さらに目標をきつく上げているという、ストレスをきつくかけているということです。そうしておいたほうがいいんじゃないかと。英語の「ストレス」で、強度を強めているという意味です。精神的な意味ではありません。福井新元気宣言の進捗を数値でとらえるために設定した4年間の数値目標のもとの項目に比べますと125%ぐらいの上積みになっているけれども、かなりきつくしたものには到達していないのできつくなると、そういうふうにご理解ください。
もう1つの背景は、経済情勢の変化によって、企業誘致とか敦賀港の利活用など、経済外的要因の影響を強く受けた、こういうものが達成できなかったものの主なもので、企業誘致、敦賀港の利用などがあります。
一方、同じ経済雇用対策でも、福井県あるいは市町村と協力して、自らできるものというのがあります。これは212項目のうち、雇用の維持創出、それから求人開拓、介護人材の確保など、経済雇用対策が212項目の中に10項目含まれておりまして、こういうものについては新規雇用の確保・創出など、着実に推進していると考えています。
それから、昨年度から通常の目標も大分きつくやっていますが、もう1つチャレンジ目標というものをつくり、通常の目標に2割アップぐらいの数字を決めています。40項目をつくりましたが、そのうち31項目が通常の政策合意目標は達成しましたがチャレンジ目標には達していない、11項目は達成したということです。いずれにしてもチャレンジ目標は、いわゆる昨年の観光営業部などを設けたことで営業マインドの向上に効果があったのではないかと思っております。
次に、平成22年度の政策合意についてです。今年は福井新元気宣言最終の年であり、まず、県民の皆さんとの約束を達成することを主眼にしています。進捗が遅れている分野については具体的な手法と目標を掲げました。例えば、がん検診受診者数であれば、県内で統一した受診券の発行、あるいは個別受診を拡充するための予算化などをした上で、政策合意では個別検診による受診者を5万人という目標にするなど、具体的な手だてをした上での目標設定をしています。また、昨年も同様でしたが、今年も、目標を達成した項目については、現状では満足せず、さらにレベルを上げるべく目標の数値の上方修正を行っているものもあるわけです。
平成21年度の政策合意の結果からわかるように、現在の経済雇用情勢は新元気宣言の実現にとりまして大きな障害でもありますので、明るい兆しも見えるという報道もありますが、手を緩めず対策を継続していく必要があると思います。昨年度は経済雇用対策項目を10項目挙げていますが、今年も10項目を盛り込んでおり、その中で消費の拡大、公共工事の早期発注など、予算の執行とあわせた項目も設定しました。
今回は、特にマニフェストの目標達成の中でも、県外あるいは国外など、外に向かって働きかけなければならないもの、つまり営業が必要なものが数多くあります。昨年度設置した観光営業部は今年2年目を迎えます。昨年度の政策合意では、チャレンジ目標を設定して営業マインドを図りましたが、今度はこのチャレンジ目標を設定すると同時に、それに基づいて、それぞれの部の施策のうち、県職員が積極的に働きかけることで来県者が増えたり、福井の地場産品が売れたり、あるいは福井県の知名度が上がるような政策を、各部局が2、3項目選んで、重点営業戦略として掲げて、目標達成に向けて営業力を発揮していこうとしています。今回掲げた重点営業戦略項目は、各部局が2、3項目に絞っているわけですが、こういうものをうまく経験として生かしながら、全体の政策合意213項目に営業努力の精神が波及することを期待しています。
また、個別分野においても、こうした気持ち、働きかけ、動き方を十分生かしながら、ふるさと納税などについては福井県からの転入者が多い関西、中京、あるいは逆に石川県、富山県にも働きかけたり、一方で、首都圏における販売開拓では、南青山291の売り上げ向上、あるいは、さいたま新都心、横浜エリアを重点的に営業を行うということで、従来と一歩進めた内容にしています。
最後に、今年度の政策合意では、昨年度に計画を策定した子育て、林業、水産業の着実な実施を図ることで福井新元気宣言のさらなるステップアップを目指しています。新しい計画が、それぞれの分野においてマニフェストをさらに進めたというか、超えていくというか、こういう位置づけができるように進めていきたいと思っています。なお、環境の分野では、部局を横断した新しい政策の発案、政府への政策提言などを強力に推進するための会議も政策合意の中に書き込んであります。政策合意の達成については、年度末を目標に公表し、県民に対し成果を検証可能な形でする予定です。
以上が国際会議の誘致・開催、県外大手企業との展示商談会、政策合意についてのご報告です。
~ 質 疑 ~
【記者】
80%という政策合意達成率について、どのような感想をお持ちですか。
【知事】
目標を強く何度も上乗せしており、厳しいですが、その中でも8割ということで、ほとんど達成ということですから、成果としてはかなりのものかなと思います。
【記者】
チャレンジ目標を設定した部分での効果みたいなものをどうみていますか。
【知事】
目標といいますと、絶対にどの目標が妥当な水準かということは行政上なかなか決めづらいのですが、逆に、通常はこの辺はできるだろうという目標にしながら、さらによりエネルギーを投入しなければならないといいますか、集中的にチャレンジ目標にするということは、政策を進める上ではわかりやすく意味のあることだと私自身は思っております。
【記者】
原子力人材育成の国際会議についてお聞きします。エネルギー拠点化計画の中でも人材育成がうたわれているのに基づくものだと思いますが、今、原子力を国を挙げてオールジャパンで海外にどう移転するかという話も出ています。そのときに、高いレベルを持った人材というのが1つの鍵になるという話もある中で、福井県がここに掲げている人材育成の拠点形成に知事はどういうイメージを持たれ、人材とはどういう人材で、どういう拠点づくりをこの福井県で行おうとされているのか、究極の目的というのは何にあるのかをお伺いします。
【知事】
これは、どういうご関心かにもよるのですが、まず国際的に、特にアジアを中心に原子力発電事業が進むであろうという大きなトレンドがあります。そうなると、そういう国々でしかるべく安全で効果的な原子力の発電の事業が行われなければならない。そうなりますと一番大事なことは人材の育成であるということなのです。それで、日本一、原子力発電所の立地の数の多い、歴史も古く、様々なタイプの発電所まで経験が長いわけですので、そういう経験を生かして、福井県が、それこそアジアで、日本の中でも東京とか大阪、そういうところではなくて、福井県を主要なアジアの教育、人材育成の拠点にする。かつ、それは様々なレベルがあって、研究者のレベルもあるだろうし、実際の技術者のレベルもありますから、できるだけ高いレベルでそういうトレーニングのセンターになることは意味があるだろうということです。
意味があるだろうという意味は、さらに言いますと、地球全体の環境問題にもかかわると同時に、福井県が先進的に進めており、高経年化なども最初に進んでいるわけです。アジアの地域でしっかりやってもらわないと、先進的に進んでいる日本の原子力などのいろんな安全とか信頼にもかかわるし、また、アジアの地域で何かが起こった場合には、アジア全体の環境問題にもかかわると。特に日本のこういう地理的な立地条件を考えると意味のあることだと思っています。
【記者】
福井県の人材育成に関する、今お聞かせいただいたような、ある意味レベルの広い問題については、国も受けとめているということでしょうか。
【知事】
福井県の場所で行うという課題と、福井県が行うということと、福井県と国やいろんな機関がどうやって行うかと3つのレベルがあるので、それぞれを量的質的に増やしていくことが重要だと思います。
【記者】
それの1つの契機だったり、1つのあり方ということなのでしょうか。
【知事】
そうですね。
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【知事】
私から、「もんじゅ」のことで申し上げます。
昨日、文部科学大臣、経済産業大臣、私とで「もんじゅ関連協議会」を開き、基本的な方向について、方針といいましょうか、考え方をまとめたわけですが、今日、「もんじゅ」の2次系のナトリウム漏えい検出器に、技術的な名前についてはサンプリングブロワというんでしょうか、ファン32基のうち1基が故障し、警報が発報したということです。
このことについては、既に当該機器の交換、安全対策、国や自治体への連絡・通報などの現場対応も行われたところでありますが、地元として、運転再開を議論しているこの時期にこうした事象が発生したことは課題として受けとめなければなりません。
昨日の「もんじゅ関連協議会」においては、川端文科大臣から、今後起こり得る様々な事態に対しては、国が責任を持って前面に立って地元等に対応するという方針を出しておられるわけであります。こういうことももちろんありまして、今日、この記者会見が終わった後、文部科学省の藤木研究開発局長と原子力機構の早瀬敦賀本部長においでいただいて、どういう状況なのかということを、報告をお受けしたいと思っております。ですから、敦賀市長と今日お会いする予定でしたが、その報告の状況をみて対応することになると思います。
私から報告することは以上です。
~ 質 疑 ~
【記者】
敦賀市長との面談は報告の状況をみてということですが、報告の内容によっては、今日、面談はないということもあり得るということでしょうか。
【知事】
まだ予断は申し上げられませんが、報告を受けてからのことになります。
【記者】
今日のトラブルは事象としては、それほど大きなものではないとは思いますが、知事の今の考えとしては、了承判断が揺らぐような案件だとお思いでしょうか。
【知事】
物事をオープンにして、できるだけ早く情報を公開して対応するということを昨日の会議でも議論をしたところです。極めて大事なことであり、そういう対応はとられたようですが、具体的に聞かなければなりません。
それはそれとしてよいとしても、だからといって、いつもいろんなことがあってはいけないわけです。これが重大でないとか、そういう判断を、もししたとしても、あまり、様々いろんなことが続きますと、このこと自体が課題になると思います。些細なあるいは小さいことでも、それに対して安全第一のしっかりした積み重ね、これが県民の信頼にもつながることでして、これが疎かになりますと大きな問題になるということです。
今日は後ほど文科省の局長、また本部長にお会いし、こうしたことを厳しく申し上げ、今後の対応をどのようにお考えなのか、こういうことをしっかり受けとめていただくことが大事だと、今の段階では思っております。
【記者】
物事をオープンにして対応するというやり方はとられたのではないかというお話があったと思うのですが、国が前面に立って安全を守るということについては、正式な報告はまだこれからですけれども、ここまで、発生段階の対応としては評価されているという意味合いになりますか。
【知事】
評価をするという意味で申し上げているわけじゃありません。その状況をとりあえず申し上げたということです。具体的によく聞かなければわかりません、
それで、後ほど、よくお話を伺ってからいろいろお話したほうがいいかと思います。
【記者】
今回の事故を受けて、文科省の研究開発局長がお越しになりますが、今まではこういう例はあまりなかったと思いますが。
【知事】
類似事象は生じていたんですが、要するに「もんじゅ」のいろんな課題の中で、これが報告案件といいましょうか、そういうことでマニュアル化がなされたわけです。
【記者】
文科省の研究開発局長が自ら来られるというのは、今までいろいろトラブルがあった中でそれほどなかったと思いますが、やはり昨日の三者協議で国が前面に立ってというようなお話をいただいて、その辺が実行されたというお考えがあるのでしょうか。
【知事】
そうです。
【記者】
研究開発局長がお越しになるというのは、知事のほうから要請されたのでしょうか。それとも、文科省サイドから自発的にということでしょうか。
【知事】
今日お聞きください、お見えになったら。
【記者】
話を聞いてみないとわからないと思うのですが、昨日の三者協議が終わった時点では、今日の協議を受けて前向きに判断しますというところまでおっしゃったのですが、今日の状況のお話によっては、その判断も変わる可能性もあるということですか。
【知事】
今申し上げたようなことでお会いするわけです。
【記者】
今回のトラブルですけれども、県の方には何時ぐらいにどういった形で連絡があったのでしょうか。
【安全環境部企画幹】
原子力安全対策課には0時38分に第一報が入っております。LCOの逸脱宣言が0時07分ですから、31分後に原安課に第一報が入っております。
【記者】
先ほど厳しく申し上げるとおっしゃいましたが、知事がこの後の会見に臨まれるに当たって、一番向こうに聞きたいこと、確認したいことは、今後、安全が確保できるのかということが一番でしょうか。
【知事】
今申し上げましたように、今からやりますので。
【記者】
今回トラブルの対象になったのがナトリウム漏えい検出器ということで、さまざま話題になった設備だと思いますが、また、さんざん点検した後でこういうトラブルがあり、今、第一報を受けて、率直な思いはどのように感じておられますか。
【知事】
いろいろな機器とその仕組みと組み合わせがあり、これを人間が運営するわけですから、様々なことがあると思いますので、その程度もいろいろあります。ですから、昨日のお話でも、今後起こり得るさまざまな事態というのはあるわけで、こういうものを国が責任を持って対応することが県民の信頼につながるということです。ですから、今回もそういう対応をしていただいているところです。
【記者】
今後もいろんなこういうトラブルがあった場合に、文科省なり国の責任のある方が来て報告していただくという形が通常の形になっていくのでしょうか。
【知事】
いろんな程度があると思いますが、こういうことができるだけ少ないことが大事だと思いますけれども、国が一歩下がらず前面に立ってやっていただかないといけないと思います。昨日もそのように申し上げまして、国においてもそういうお考えを示されたと思います。
【記者】
今回の検出器の故障についてですが、知事から改めて、例えばその周辺施設設備の再点検等を求めていくというお考えはあるのでしょうか。
【知事】
それはかなり技術的な話ですし、今回の不具合というか、そういうものはどういう事柄だったかというのも聞かないとわかりませんので。想定しては申し上げられません。
【記者】
仮に点検を行ったとするならば、その結果を受けて改めて了解の判断をされるのですか。
【知事】
そういう事象かどうかというのは、事柄の性質上、全体のこれまで進めている基本的な枠組みに直ちに影響するものとは想定されませんけれども、よく聞かなければわからないということです。
―― 了 ――
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