知事記者会見の概要(平成23年4月25日(月))

最終更新日 2009年9月16日ページID 014592

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平成23年4月25日(月曜日)
10:30~11:40
県庁 特別会議室

 
知事記者会見
  

【知事】
  本日は、定例の記者会見ということで、私から発表事項が3つあります。
   最初に、「『安全・安心ふくい』実感プラン」の実施についてということで、県警本部長と一緒に発表をさせていただきます。
  その前に、今日から実質3期目の任期が始まりますので、また引続きよろしくお願いしたいと思います。
  それでは、今回、県公安委員会、警察本部と県とで共同で策定しました「『安全・安心ふくい』実感プラン」について、尾崎県警本部長とともに発表します。
  私は「ふるさとに夢と希望そしてもっと活力を」を目標とする今回のマニフェストを作成し、その中の12の政策の1つとして、「日本一の安全・安心(治安向上から治安実感へ)」を掲げています。子どもたちも女性も高齢者も希望を持って暮らせる福井であるためには、数字面での治安のよさはもとより、県民が心から治安の良さを実感できるものでなければならないと思います。今回の東日本大震災でも、治安はもとよりですが、安全がより生活の基本にあることをすべての国民が心からわかってもらえたのではないかと思います。
  そこで、この新しいプランの目的も、治安向上から治安の良さの実感をということで、さらにステージアップをしています。治安回復、治安向上、治安実現、そして今回は治安実感と少しずつ言葉の意味が違っていますが、少しずつ良くしていきたいという意味です。
  それでは、私から3点お話しします。
  1点目は、「犯罪の起きにくい社会づくり」です。
  最近、コンビニの強盗事件なども連続して発生するなど、不安を感じている県民も少なくないわけですが、そこで、防犯活動の参加について、共働きなどで参加がしにくかった若い世代にも、会社、事業所の協力を得て、営業活動をしながらパトロール活動に参加していただくなど、若い世代の人たちに防犯活動に参加してほしいと思います。また、制服警察官によるパトロールなど、警察官による「見える・見せる活動」の実施によって、犯罪の起きにくい社会づくりを目指したいというのが1点目です。
  2点目は、「子どもや女性を犯罪被害から守る」ということです。
  昨年は、子どもへの声かけ事案、女性が被害に遭う犯罪が傾向的に増加しています。子どもの安全・安心ですが、若い世代である保護者の方にもこれまで以上に参加をいただくというのがポイントでして、「子ども重点見守りデー」の制定など、多くの世代の人が参加し、不審者を寄せつけないまちづくりを実現したいと思います。
  特に、通学路の防犯灯については、これまで県の事業で約2,000ポイントを整備したところであすが、今後、さらに地域の方の要望を伺いながら、薄暗い場所を中心に整備を進めて、子どもが安全に通学できるようにしたいと思います。それから、これは警察の仕事になりますが、こうした子どもや女性をねらう卑劣な犯罪の徹底検挙、重大事案に発展するおそれのある声かけ、つきまとい等の前兆的な事案に対する指導、検挙については、県警で頑張っていただきながら、保護者、子ども見守り隊、防犯隊をはじめ、人と人のつながり、地域のつながりで強化してまいりたいと思います。
  3点目は、「交通事故の防止」です。
  昨年の交通事故死者数は42人で全国第2位の少なさでしたが、高齢者の占める割合が約70%と全国第2位の高さです。そのため、特に高齢者に交通事故対策を注意してもらう必要がありますので、在宅訪問による安全指導、それから、道の真ん中を横断するような高齢者を発見した場合に緊急通報を促す「交通安全おたすけコール」運動などに取り組みたいと思います。
  こういうことで、県民の皆さんの理解と協力を得ながら、治安実感日本一をまず知事部局として進めたいと思っています。そして、県警本部、公安委員会と連携をするということになると思います。

【県警本部長】
  ただいま知事からお話がありましたとおり、県警察ではこのたび、県および県公安委員会との三者共同で「『安全・安心ふくい』実感プラン」を策定しました。
  治安対策に関する共同文書としては、平成15年の福井治安向上プログラムから始まり4回の改定を行いながら、各種施策・事業を推進した結果、平成22年の刑法犯認知件数が8年連続減少を達成し、戦後最多を記録した平成14年の刑法犯認知件数との比較においても全国第1位の減少率であるなど、おおむね指数面での治安向上は実現できたものと考えています。
  しかしながら、昨年は、コンビニ強盗などの凶悪犯罪が連続発生し、女性、子どもに対する声かけ事案が後を絶たないほか、住宅侵入犯罪も増加するなど、県内の治安情勢は依然として厳しい状況にあります。
  昨年末に実施した県民アンケート調査の結果からも、9割以上の方が全国と比べ福井県の治安は良いと回答している一方で、住宅侵入犯罪や子どもに対する声かけ事案など、身近な犯罪等に不安を感じる方も多く、今後は県民がより治安の良さを実感できる対策を推進していく必要があると考えております。
  そこで、安全で安心な福井県を実現するため、これまでの「『安全・安心ふくい』実現プラン」を発展させ、今回、「『安全・安心ふくい』実感プラン」を策定したところです。
  本プランの詳細につきまして、この場では特に私から4点について申し上げます。
  1点目は、犯罪の起きにくい社会づくりです。県警察では、犯罪の起きにくい社会の実現を重点課題と位置づけております。そこで、振り込め詐欺撲滅ネットワークなど、犯罪種別ごとに設置された既存のネットワークを充実するとともに、治安情勢に応じ、被害に遭う可能性の高い子ども、女性、高齢者など、被害者対象ごとの新たなネットワークの整備などによって、犯罪被害の未然防止を図ってまいります。
  2点目は、犯罪の徹底検挙です。発生した犯罪を早期に検挙することは、県民が警察に強く望んでいるところでもあります。そこで、強盗、殺人など重要犯罪や、強姦、強制わいせつなど女性を対象とした卑劣な犯罪を徹底検挙するほか、本年4月に公布されました福井県暴力団排除条例を有効活用して、暴力団等反社会的勢力の取り締まりや暴力団排除活動を推進してまいります。
  3点目は、テロ、大規模災害等から県民を守ることです。テロや大規模災害から県民を守ることは警察の重大な責務であり、県民アンケートにおいても、テロを防止することや災害発生時の避難誘導等を県民は望んでおります。そこで、原子力発電所など重要施設に対する警戒・警備の強化や、大規模災害発生時に警察力を最大限に発揮するための体制等の整備を図ってまいります。
  4点目は、警察力の充実・強化です。治安環境の変化に鋭敏に対応するためには、警察力の充実・強化を図る必要があります。そこで、今般整備された新通信指令システムなど、高度化された通信機器を活用して、組織的かつ効果的な初動警察活動を推進するほか、実践的訓練や伝承教養等により、若手警察官の早期育成を図ってまいります。
  県警察としては、今後とも県民の皆様と力を合わせ、このプランに掲げる各種施策・事業を総合的に推進し、県民の皆様が治安の良さを実感できるよう、全力を尽くす所存です。

【知事】
  一緒にまた頑張らせていただきますので、よろしくお願いします。

【知事】
  次に、「福井ふるさと百景」の決定について発表をさせていただきます。
  本日は、「福井ふるさと百景」の選定をお願いした県景観づくり懇談会の座長、進士五十八東京農業大学名誉教授にもご出席をいただいています。景観行政の第一人者である進士先生には、小さい頃に福井でお過ごしになったというご縁で百景の選定をお願いし、これまでさまざまなご協力もいただいており、今回の百景についてもアドバイス、ご指示を願ったところです。
  私はこれまで、ふるさと納税あるいはふるさと帰住、ふるさと知事ネットワークなど、ふるさと政策を実施してきましたが、このような政策は県民のふるさとに対する思い、行動を地域活力につなげていくものですが、そのためには県民がふるさとに対し誇り、価値を見出すことが重要だと思います。
「福井ふるさと百景」は、福井の美しい景観を県の内外に発信し、ふるさとに愛着と誇りを持ってもらうとともに、地域の力で県民共有の財産である景観を守り育てることを目的にしています。この百景は、多様で豊かな自然、歴史、伝統に培われた町並みや農村風景など、ふるさとを感じさせる景観が数多く選ばれています。
  進士先生には、これまで私たちがあまり気にとめなかったような景観も実は福井が誇るべきすばらしいものだということをご教示願っているところです。私自身、初めは、五十景ぐらいかなと思っていたのですが、県内にこのような景観が100もあるということがわかり、改めて福井の底力といいますか、すばらしさを思っているところです。
  この百景の大きな特徴は、写真1枚を一景とするということではなく、福井を特徴づける100のテーマを設定し、そのテーマに関連づけられる一まとまりの景観を百景の一景としてとらえるということです。自然もあり、歴史もあり、県民の営みもあるなど、さまざまな魅力が表現できているのではないかと思います。こうした百景の考え方はこれまでに例がないと考えます。
  県としては、今後、「福井ふるさと百景」を景観政策の基礎に置いて、積極的にふるさと対策や観光などに市や町とともに活用し、また、選定地域での景観づくり活動にも取り組む団体を応援していきたいと思います。「福井ふるさと百景」のホームページを通して広くPRするとともに、これから100枚のパネルの巡回展示などを行ってまいります。そして、マニフェストにも書いたところですが、景観を県民資産にという政策目標に向けて、県と市町が連携を密にしながら景観を守り育てていきたいと考えます。
  進士先生には午後から国際交流会館で福井百景をテーマにご講演をいただくことになっておりますが、せっかくですので、「福井ふるさと百景」の選定経緯などについて、先生のお考えなどをお話いただければと思いますので、よろしくお願いします。

【進士座長】
  進士と申します。ほとんど知事のおっしゃったとおりでして、加えることはありませんが、風景の物の見方がちょっと従来と違う新しいことをやったので、ご紹介をしておきたいと思います。明治以降、日本では何度も日本百景や新日本百景とかはあります。江戸時代にも広重の江戸名所百景など、ベスト100というのは昔からあるのです。ただ、それは大体純粋の観光地です。つまり、絵になるところを百景にしただけです。
  まさに西川知事の「ふるさと」というキーワードがありますが、ふるさとは両面性があると思います。住民にとって自分のふるさとが1つ、もう1つは外から見るふるさとで、ふるさとを思う心というかむしろ観光の面です。従来の百景は、そのいずれかだったのですが、今回は、それを両方融合しようとしたところが1つの特徴だと思います。ふるさとは遠きにありて思うものと言いますが、本当は遠きにありて思うのでは駄目で、自分が住んでいるところが本当のふるさとでないといけないのです。
  レンツ・ローマイスというドイツの女性が『都市はふるさとか』という立派な本を書いています。都市といえどもふるさとにならなければいけないと。今回の震災で、日本の社会は大きく変わるだろうと思っていますが、変わるきっかけの1つが、巨大主義とか最大効率を追いかける時代は初めて考え直す時代になり、大都市あるいは大都会だけが日本をリードするという時代ではなく、知事がおっしゃっているまさにふるさと、それぞれのローカルが主人公になる時代がやってくる。それを支えるには、まさに自分が住んでいるまちがふるさととして愛されるべきものだということに自信を持てるよう、プライド・オブ・プレイスという言葉もありますが、プライドになるような政策が必要だと思うのです。うちはここが遅れているではなくて、こんなにすばらしい。福井にはそういうポテンシャルがあるわけです。
  本当に福井にはいろんなものがあって、それはこの百景をつぶさにご覧いただくとおわかりだと思いますが、切り通しみたいな風景は、皆さん今まで風景として見ず、その辺にある道路の延長や公共事業の一例でしかないわけです。そうではなく風景というのは、その歴史的意味とか文化的意味とかをきちんと掘り下げれば、すごくおもしろいものがたくさんあるのです。そういうものが福井には長い歴史と先人の努力でできているわけで、そういうものを1つずつ学習もでき、それをみんなが誇れるようにしていれば、よその人たちもそこに関心を持ってくださる。ですから、私は今回の「福井ふるさと百景」というネーミングも、これは知事からなのですが大成功だと思いますし、ちょうど時代が変わるときに新しい時代の方向性を出すものになったと思います。
  それから、選定では、委員5人で延べ50回も打ち合わせをして一字一句やりました。写真の入れかえもやりました。もちろんその大もとは、市や町の担当者の方にご協力いただいて、その方たちとのコミュニケーションがあった上で出ているのですが、それを全体で見て、福井の全体像が浮き上がるような百景にしたつもりです。実際はそれぞれ5カットから6カットありますから、百景と言っていますが五百景か六百景になるかもしれません。今まで東尋坊とか永平寺だけが福井を代表する顔だと皆さん思っておられるけれど、そうでない風景、財産があるということです。
  風景は実はそこに住む人たちの生きざま、あるいはなりわい、そういうものが表に出たものです。つまり生き方そのものなのです。福井県の生き方がここにあらわれている。ここにはサバがどこかに出ていますが食というのは大事なことです。それから工場、従来風景論では、生産の場とか工場のようなものはきれいではないと思って外しているわけですが、なりわいというのは大変大事な魅力的な風景ですから、そういうものも入っているわけです。

【知事】
  ありがとうございました。
  進士先生に何かご質問がございましたら。


~ 質 疑 ~

【記者】
  選定されたものを、どう活かしていくのでしょうか。

【進士座長】
  それが一番大事なことです。選んだことはスタートだと思います。もちろん選ぶプロセスで、市や町で既にそれぞれの市町の百景をやっていただいていますから、それを踏まえたことに意味があります。そして今、全体ができ、これでいわば県民共有の財産と先ほど知事がおっしゃったとおり、共有の舞台ができました。これを活かすのは、それぞれの政策や企業もありますし、NPOや市民もあると思います。
  1つには、風景は、日々そこで生きることが風景の形にあらわれるので市民の暮らし方が輝いてもらうとありがたいです。自分のふるさとを発見する会のようなこと、昔で言うと町歩きとかですけれども、そういうことをいろいろやって、自分たちはいい町に住んでいるというプライドが持てるような県民活動が盛んになることをぜひお願いしたい。もう1つは、県へのお願いというか、知事は多分いろんなことをお考えでしょうが、例えば、風土記の丘みたいなのものが以前ありました。文化庁がやりました。百景の丘というようなものがもしあれば、風景というのはやっぱりビジュアルなので目で見るということが一番大きいのです。白山のようなものは下から見上げる風景で海は見おろす風景です。それから、近景、中景、遠景というふうに重なった風景です。そこに暮らしのある風景もあれば、巨大なインスピレーションを受けるようなすごい風景もいろいろあるのです。それを見せる場所を、できれば基礎自治体のそれぞれのいい場所でやって、県がそれを応援してたくさんつくっていく。そこに百景街道みたいなのができれば非常にアクセスが容易になるし、誰でもわかりやすくなります。そういうことをやることによって全体に人の動きが出て、ある種の観光にもなるし、地域産業、地場産品の消費とかにつながっていく。私は、県内でかなりいろんなことが活発になると期待しています。ハードとソフトというボトムアップ的に市民活動が盛んになることと、県や市が選んだものを素材にして、ある種の公共事業も含めてスポット的にその事業をやる。ローカルな学校などでは、郷土の百景を学ぶ会とか、ある種の環境教育、歴史教育、郷土教育になります。この百景は、風景もトータルに集めましたが、これは教育用、これは観光用というのではなくて全部に使える。ありとあらゆるものに使えるものですので、まさに庁内を挙げてこれを上手に活かしていただきたいと思っております。

【知事】
  次に発表事項の3点目ですが、東日本大震災を背景とした本県の原子力災害対策について申し上げます。
  1つ目は、地域防災計画の見直しです。既に一度この事柄については申し上げたかもしれませんが、改めて申し上げます。
  今回の福島原子力発電所の事故については、避難指示範囲、屋内退避範囲あるいは緊急時避難準備区域の設定とか、従来の原子力防災計画では考えていないようなさまざまな避難体制、あるいは具体的な対策が行われているわけです。国においては、今回の事態を踏まえて、想定すべき原子力災害の被害設定、避難範囲の設定について、早急に現行の防災指針の課題や今後講じるべき対策の検討が必要です。そういう要請もしているわけですが、なお相応の時間を要すると考えられます。
  そこで福井県としては、今回のそうした検討と並行してといいましょうか、先行してということになりましょうか、実働部隊である自衛隊、海上保安庁、警察、消防などの防災機関、防災専門家等による福井県原子力防災計画の検証委員会を、これは仮の名前にしてありますが、連休明けに設けて活動を開始する必要があるだろうと思います。
どのように住民を避難させるのか、また要援護者の方の避難をどうするのかなどの初動体制、最初動体制、避難先の確保、避難が長期化した場合の生活の確保など、検討する課題は多いのですが、これらについて具体的にチェックをしながら、原子力防災計画の見直しにつなげたいということです。基本的には、国がしっかりした公のものを出すことが基本ではありますが、そういうものを取り込みながら進めていくことになると思います。つまり、それがいつ出るのだろう、そしてそれが出たらどう考えるかということにはしないということになります。先行、並行しようということです。
  次に、津波対策についてです。津波対策については、現在の計画では津波想定高が2.5メートルであり、これについては、この水準において沿岸11の市や町に避難マニュアルの策定と見直しを求めてありますが、5月末までに、市や町とともに避難方法や避難場所等を実地調査するなど総点検を行う予定にしています。国に対しては、今申し上げましたように、防災計画あるいは津波対策について、原子力災害の被害想定、避難対策範囲の見直し、防災道路の早期整備、日本海側の地震、津波の知見の検討などを引き続き要請してまいりたいと思います。これが今回の防災計画についての原子力、津波両方の見直しということになります。

  2つ目は、大きく初動体制を迅速に行うための道路整備の問題です。福井県の場合には原子力発電所がリアス式海岸の半島先端部付近に立地しており、陸上輸送のルートは限られているわけです。福島第一原子力発電所と類似の事故を想定し、避難、それからさまざま周辺に影響を及ぼすことのない初動活動をするための道路のあり方、現在の道路の防災対策を改めて検討する必要があります。
このため、国や事業者に協力を要請すると同時に、早急に検討の場を設け、計画を策定し整備を図ってまいりたいと考えます。既に電力事業者に対しては、例えば関西電力ですと、事業費として1,000億円程度の資金を投入するということですが、その中にはもちろん道路などの事業も入っているわけですが、それを具体化する必要がありますし、道路は公共的なものですから、国の制度との整合性も図って、負担をどうするかとかいろんな課題がありますので、そういうことに取り組むということです。

  3つ目が、エネルギー研究開発拠点化計画の見直しです。エネルギー研究開発拠点化計画については、陽子線がん治療が既に3月からスタートし、また、嶺南地域の医師確保等、地域医療の充実が図られるなど、生活に密着した成果があらわれていますが、今回の福島の事故を踏まえて安全・安心、あるいはエネルギー源の多角化という観点から、事業や分野の充実を図る必要があるだろうと思います。このため、来月中に国、自治体、大学研究機関、事業者、産業界で構成する実務レベルの検討会を立ち上げて、計画の見直し作業に着手したいと考えています。
  原子力防災、危機管理など、リスクマネジメントに関する研究・教育体制の充実、新エネルギー、自然エネルギーの分野での拠点化計画として対応すべきものを整理し、実務者レベルの検討を踏まえて、毎年11月頃に拠点化推進会議を開いているので、ここでどのような内容が提示できるかという検討を開始したいと思います。

 

~ 質 疑 ~

【記者】
  原子力防災計画の見直しついて、連休明けにも実働部隊による具体的なチェックを行うとは。

【知事】
  防災機関と防災専門家による検証委員会を5月の連休明けには設ける必要があると考えるということです。

【記者】
  検証委員会は会合でしょうか、それとも訓練のようなものでしょうか。

【知事】
  会合です。

【記者】
  避難計画のない県内自治体に働きかけて、津波も含めた避難計画の策定などを求めているのでしょうか。

【知事】
  津波については既に求めています。今のものを、まず、5月末までに求めています。いろんな避難のレベルがあると思います。まずここへ行くとか次はここだとか、かなり複雑なところもありますから、これをうまく住んでいる人たちの行動に即したような仕分けをして、避難に対する安心感と、実際行動できるようなシステムをつくっていくと、かなり技術的には難しい仕事になると思います。これは全国共通の課題ですから、その問題に取り組んでいくということです。福井だけの問題ではないのです。

【記者】
  住んでいる人たちの状況に合わせてということですけれども他県との連携については。


【知事】
  それは、福井が議論をしていく中で、他県との関係を整理もできると思います。

【記者】
  そういった交渉、打ち合わせみたいなものは、もう既に始めているのですか。

【知事】
  まだ具体的なものではありませんから、みずからの問題を進めながらやっていくということになると思います。そして、国、現場で進められている福島のさまざまな状況の整理も要ると思います。

【記者】
  地域防災計画の見直しを県が国に先行してというお話でした。特に、福井は原発の集中立地する県でもあり、国が定める、例えば避難範囲とか、いろいろな基準や数値があると思いますが、それよりもさらに県独自に何か厳しいものをと。

【知事】
  想定される事故だとか地形とか立地条件やいろんなことがありますので、極めて難しい課題ですけれども、そういうものを含めながらやっていかないと、あまり予見をもってやると、本当の実効性のあがる計画にならないと思いますから、まずそういう思いというか、考えを持ってスタートするということです。

【記者】
  避難道路の整備で想定しているのは県道ですか。

【知事】
  県道であったり国道であったり。避難道路という言い方もありますが、防災対策道路としてかなり意味があると思います。避難というのはいろんな避難の方法があると思いますが、実際、事故があったときに、その事故の起きている場所をいかに初動的に制圧できるかという人的、物的、通信的にそういう体制がとられないと、頭の中だけでやろうとしてもできないわけで、そこへ到達しないといけないわけですし。

【記者】
  これまでどうしてできなかったのでしょうか。今までの想定では新しい道路は要らなかったのですか。

【知事】
  そういう想定の中でやっていて、絶対的にそのものがないと防災ができないというわけではなかった。今回のいろんな新しい状況を踏まえて対応するということです。

【記者】
  エネルギー研究開発拠点化計画について、見直しという言葉を使われましたが、もともと項目に、新エネルギーなどはあったのでは。

【知事】
  新エネルギーもありますし、さまざまなのがありますから、それを拡大するということですから、正確な用語は拡大ということです。

【記者】
  知事が想定しているエネルギーは、例えば太陽光とかバイオだとか、どういうものですか。

【知事】
  私が想定できるのでしたら計画をすぐに直しますけれども、そうではないからこれからです。時間軸もあります。よりそういう部分を重点化するといいますか、かなり研究的な部分も多いと思います。

【記者】
  このエネルギー研究開発に、県予算を手厚くしたいという考えはあるのですか。

【知事】
  全体的な財源をどの程度確保できるかもあります。もちろん拡大するのですから、お金が要るということは事実です。

【記者】
  重点的に投資すると。

【知事】
  重点かどうかは、また物によって違います。

【記者】
  エネルギー研究開発拠点化計画の見直しに関して、実務レベルの検討会を行うということですがいつから始めるのでしょうか。

【知事】
  もともとエネルギー研究開発拠点化計画は、毎年1回ずつ、責任者が集まってやっています。その下に実務レベルの委員会がありますので、メンバーが幾らか変わる、追加的にやる必要があるかどうかは別として、それを基本にすべきだと思います。ですから、来月中ぐらいに、まずは始めるということになると思います。国、自治体、大学研究機関、事業者それから産業界という格好になると思います。研究対象を広げていきますから、新しい分野の方も入っていただくかもしれません。エネルギーの多角化とか、あるいは安全・安心とか医療とか、放射線医療とか、いろんなことがあり得ますから。

【記者】
  防災計画の見直しについては、想定される避難範囲について、今、国の指針では10キロとなっていて、京都府も先日、計画の見直しに着手して暫定的に20キロに拡大する方針に決めたようですが、10キロから拡大すべきだという考えはお持ちですか。

【知事】
  それは福島の事故を考えるとそうなのですが、ただ、避難区域を拡大するというだけで問題が解決しないのです。なぜかというと、避難を20キロ、30キロとかいろんな考え方があると思いますけれども、原発を実施しているその場所と30キロの場所では全然意味が違います。事故が起きた場合の意味とか。ですから、それをどのように評価して行うかということになると思います。単純にはいかないと思われるのです。まだ日本ではそういうことが考えられてこなかったわけですから、それをどんなふうにやるかということなのです。

【記者】
  先日、長浜市長が福井県の防災訓練に参加したいというようなことをおっしゃっていましたが。

【知事】
  それはいろいろお考えになっておられるのだと思いますけれども、何か範囲が広がるだろうと同じようなことをするのだというわけには単純にいかないですね。どの場所では何をするとか物事が違いますから。

【記者】
  訓練とかも含めて議論を一からやって、計画を見直した後に、次はどうやってということでしょうか。

【知事】
  訓練は、防災計画をベースにしないと実行できないです。基本的な考えの順番は、そういうことになると思います。しかし、100%終わらないとそれができないかというと違うと思いますから、その辺の状況を見ないといけないと思います。

【記者】
  毎年秋に防災訓練をやっていますが、それまでに計画見直しを終えると。

【知事】
  防災訓練が先にあるのではなくて、もとの中身を見直さないといけません。防災訓練に合わせて中身をつくるわけではないですから。

【記者】
  計画の見直しの完了はいつ頃でしょうか。

【知事】
  まだわからないです。国の新しい知見もあるだろうから。どの程度でまずやるかとか、いろんなことがあると思います。出ないからほっとくわけにいかないです。

【記者】
  福島第一原子力発電所の今の状態の収束に6カ月から9カ月という見通しが出されました。知事はこれまで、まず収束が最も大事だとおっしゃていますが、福島の収束がまずは原子力課題を進める上での前提になりますか。収束しないと原子力課題は進まないとお考えですか。

【知事】
  先日、海江田経済産業大臣に要請したのは、いろんなことを申し上げましたが、特に定検中の原子力発電所、これは全国に幾つかあると思いますし、また、次々と定検になるわけですが、その定検中の原子力発電所について、再起動するための条件、何をクリアするとできるのか、これはかなり暫定的なものになると思うのです。全部、物事がわかっていませんから。今わかった限りで、暫定的に何をなすべきかという判断、それを国として示すべきであるということを申し上げ、今、国はお考えなのだと思います。それがないと動かせないというのが全国の自治体の考えかとも思います。
  それから、40年を超える原子力発電所の再検討、高経年化プラントこれも課題だと思います。これは要するにどういう問題があるかというと、設計思想が古い段階の思想になっているかもしれない、それから設計そのものもそうかもしれない、あるいは物事が劣化しているかもしれないとか、あるいは津波対策などはそこにどの程度入っていたのかとかいろいろありますから、そういうものを明らかにしないと、今やっている10年間延長するというような基本的な方向は再検討が要ると思うのです。そういう問題が一方であるわけです。
  リプレースについても新しい基準がここに入らないとできないと思います。もんじゅについても新しい基準が、そこに今回のものが入ってこないとその判断はできないだろうと、いろいろなことがあるわけですので、そういう問題も含めて国にも要請もしておりますが、一つひとつ判断をしていくということになると思います。

【記者】
  今回の事故を受けての新しい知見を国が反映させるためには、今の状態が収束し、その後、詳細な分析を行って反映されるのかと思いますが、福島第一原発の収束がないうちは、今おっしゃったような課題については、福井県内でも前に進まないということでしょうか。

【知事】
  収束というのかどういう表現かは別として、定検中の原発について、こういう条件をクリアしたら動かせるということを明らかにしてもらわないといけないと思います。我々は、我々なりにいろいろな福井県として考えることを例示として既に提示していますし、そのほか、それに基づいて国として判断して基準を出してやるべきだということを言っていますから、それがまだ出ないわけですから、出すようにしていただきたいと思っています。

【記者】
  定検中のものは、いわゆる暫定的な基準に基づいて判断するということですが、例えば、リプレース、もんじゅ、敦賀3、4号機の増設については。

【知事】
  それはまた違う話です。原発の種類が違いますから。

【記者】
  新しい基準というのは、暫定的な基準ではないのですか。

【知事】
  ではないです。そちらは今回の事故を踏まえた基準になります。

【記者】
  福島原発の収束に6カ月から9カ月という見通しが立つ中で、当然、その新しい基準、知見が出てくるのは、それ以降になるのがスケジュール的にも明らかだと思いますが、そのような理解でよろしいですか。

【知事】
  それは、国の方で、どういうふうな基準を出してこられるかということだと思います。

【記者】
  定検について、暫定的な安全基準を設定すれば判断するということですか。

【知事】
  暫定というのを強調するわけではありません。動かせるだけの根拠のある基準を出していただきたい。それはすべてが終わってはいないから、暫定的な基準の性格を帯びるであろうということです。

【記者】
  今、動いている原発も当然対象にすべきではないですか。

【知事】
  動いているものは、次の定検のときにそれを行えばいいと。

【記者】
  今すぐに止めることは。

【知事】
  事の性質から考えますと、一般的にはそういうものではないと思います。だから稼働中のものは、次の定検のときの議論になるだろうというのが常識的な考えかと思います。


【記者】
  そうすると今後予定されているものは、福島の知見を反映した、国の新しい基準、抜本的な見直しを県の判断材料にしますよと。

【知事】
  そういうことになると思いますね。

【記者】
  昨日、敦賀市長選があり現職が当選しましが、どのように受けとめていますか。

【知事】
  コメンテーターではありませんから。しかし、敦賀市には今大事な時期ですから、福井県の市の中で政策的にリーダーシップをとれるような新しい政策をどんどんやっていただきたいという期待は、私も強く持っています。まちづくりとか観光とかありますし、その前提として安全・安心の問題ですね。

【記者】
  敦賀に限らず、美浜も高浜も大飯も含めて、知事のお考えの原発に対する定期検査の暫定基準とか、リプレース、もんじゅは新基準でとかいうことを地元のいわゆる立地自治体の首長にも共同歩調してほしいとお考えですか。

【知事】
  基本的にはいろいろお話もよくしておりますし、わかってはもらっていると思いますが、地元のいろんな事情もありましょうから、できるだけ意識を共有することは大事でしょう。これまでもいろんなことはしておりますけれども。

【記者】
  基準が出る前から地元で増設を進めたいという意見があっても、知事としては理解してもらうようにされると。

【知事】
  今お尋ねがあったので基本的な考え方を述べたわけです。こういう考え、こういう思考法が普通であろうということを述べたわけです。具体的に何をこう決めたとか、そういう意味でお話ししたわけではありません。

【記者】
  明日、全国知事会会長選があります。知事は、京都府の山田知事を推薦していますが、推薦される理由をお聞かせください。また、会長には、大震災の状況下にあってどういったことが求められるとお考えですか。

【知事】
  近くでよく知っておりますから応援するということです。関係も深いですからね。特に今、国と地方の関係が非常に混沌とし、この中で災害の問題にかなり関心も行っています。一方で、日本全体のことを今考えていかなければいけない大事な時期ですから、地方に目を向けるといいますか、日本海側あるいは西日本、そういうところが重要だと思います。そういう基本的な立場をよく理解して進めてほしいと思っています。

【記者】
  西川知事ご自身が会長選に臨まれるという考えはなかったのですか。

【知事】
  全然ありません。福井県のことをしないといけません。

【記者】
  これからの話として、定検で止まっている原発については、暫定的に国としての基準を早期に示すという話と、もう1つ県内の原子力課題、高経年化あるいはリプレース、「もんじゅ」などについては、国がきっちりとした安全基準をしっかりしてくれないと判断できないという話ですね。

【知事】
  それぞれ高経年化、リプレース、それから「もんじゅ」とものが違います。それを今回のいろんな災害の知見をそこに入れ込むということですから。

【記者】
  県内の原子力課題についての時期的なめどは。

【知事】
  特に、もんじゅなどは、要するに核燃料サイクルの基本的な方針をどのように考えるかということが要りますから、それを政府として的確、迅速、そして国としてどうするかということを示さないといけないということになります。

【記者】
  そうしますと、やはりそれなりの時間がかかるものと推察されますが、知事ご自身としては、時間をかけてでもしっかりとした国としてのビジョンを示した上でやってほしいと。

【知事】
  時間をかけることに関心があるのではなくて、核燃料サイクルの考え方を的確に、明らかにすべきだということを申し上げています。時間配分というか、時間は政府が考えなければいけないことです。

【記者】
  例えば、もんじゅに関して言えば、国が核燃料サイクルそのものを見直して、もんじゅの存続にかかわるような議論があったとして、国の判断なので当然従うと。

【知事】
  抽象的なことを言って、あと何か全然作業が進まないというのでは物事が進まないと思います。国民はそんなことを期待しているわけではなくて、早くいろんなものの判断を的確に、日本の国としてあらゆる知見とエネルギーを投入して、国の基本にかかわることですから、明らかにすべきだと思うのですが、それがどのように進むのかということは、もっと馬力を出していただきたいと思います。

【記者】
  あえて時期というのは特に関心がないと。

【知事】
  関心があるというか、国がすることですから、急いできちんとやってほしいという気持ちはありますけれども、いつどうだという話ではないです。

【記者】
  もんじゅの炉内中継装置の引き抜きは、春ごろという表現で予定されていますけれども、年度内に40%出力試験に入るという予定がずれ込む可能性はどれぐらいとお考えですか。

【知事】
  まず、きちんと引き抜いてもらわないといけないし、中継装置の改善をきちんとしてもらわないといけない。抜かないといけない。それをやってもらわないと。

【記者】
  夏に高浜4号で2基目のプルサーマルが予定されているのですが、それに対する基準は必要か、必要でないか。

【知事】
  それは、今回の知見で反映があるのだったら反映しないといけないし、ないならないと言わないといけないでしょう。

【記者】
  まだはっきりとしないと。

【知事】
  はっきりしないですね。

【記者】
  もんじゅの炉内中継装置は、引き抜いてもらっても構わないということですか。

【知事】
  それを今やっているわけです。それは事故というか事象が起こったわけですから、その対策は急がないといけない。的確にやらないといけない。そういう基本的な事故対策は、震災があったからこそきちんとやらないといけないという意味になると思いますけれども。

【記者】
  抜いてもらってから安心をと。

【知事】
  抜いてもらうという言い方ではなくて、そうした事故があったわけですから、最大限エネルギーを投入し原状に復帰して、原子力発電所として完全になるようにしないといけないということです。

【記者】
  もんじゅの関連で、核燃料サイクルの話をされましたが、知事ご自身、新エネルギーへの転換という話をされている中で、核燃料サイクル構想とか高速増殖炉の開発そのものについて、国が決めることではありますが、知事としては、その必要性についてどのようにお考えですか。

【知事】
  いろいろ考えは持っていますけれども、まずは基本的なこうした課題に対して、国が何の動きもとれないようでは話になりませんから、そこは早く明瞭にし、行動を起こしてほしいというのが私の今の立場です。

【記者】
  高浜のプルサーマルは新基準の対象として考えているということでしょうか。

【知事】
  今回の事故でそういう部分があるのかどうかですね。プルサーマルにもそういうものが必要なのかどうかの判断が要るだろうということです。

【記者】
  それはプルサーマルだけですか。

【知事】
  そうですね。これは現に動いている炉ですから。

【記者】
  リプレースと「もんじゅ」と敦賀3・4号機が抜本的見直しを考えると。

【知事】
  ことの性質上、新しい基準が要るだろうということです。

【記者】
  新幹線については、大震災の影響で少し時間がかかりそうな雰囲気もありますが、知事は、選挙中から太平洋側から日本海側への国土軸の大転換を訴えてこられました。東海道などの代替という議論の流れに持っていこうとされているのだと思いますが、まず敦賀までとの論を展開すると、代替ルートをどこにつなげるかという話も延長上にある気がします。敦賀以西の議論をしながら敦賀までを求めるという考え方もあっていいのかどうか、従来の考え方はまだ変わらないですか。

【知事】
  今のところ、特にそれを変えているわけではありません。いずれにしても、もう少し敦賀までの見通しが立たないと。現状の判断では、敦賀まで見通しが立たないのは、先の見通しがないから立たないのではないですね。

【記者】
  福井商工会議所の川田会頭が、選挙期間中に、現実的な問題として若狭ルートはちょっと難しいという認識をはっきり示されていたのですが、これについて、一緒に県内延伸を求めてきている立場から、どのように思われますか。

【知事】
  経済界としてはそういう考えがあって、財源的にもいろんなこれからの見通しから見て、米原ルートというのでしょうかそれが現実的ではないかという考えを大いに言っていただくのは、別にそれをどうだというわけではありません。いろんな考えがあっていいわけです。

【記者】
  原子力の安全対策検証委員会については、事業者から報告を受けて検証が始まっていますが、県としては大体いつごろまでに結論をまとめたいとお考えですか。

【副知事】
  特にこちらがいつまでということでやっているわけではありません。前回も宿題を大分出していますので、その宿題がまず返ってきて、それをまた委員の方が、どう理解するかということと、国の方から新しい何かが出てくるか、そのへんをみながらということです。別にめどを切っているわけではありません。

【記者】
  めどは切らないと。

【副知事】
  こちらがいつまでにしようと思っているわけではありません。こちらの言う宿題をすべてクリアされれば、それがそういう時期に近づくということです。

【記者】
  保安院はもう立入検査を始めていて、保安院としても近くまとめると思うのですけれども、県のほうもまとまらないと事業者としては定検の再起動も厳しいと思っていると思うのですが、県は国に合わせる気はないと。

【副知事】
  保安院は立入りしましたが、それは3月30日に出した通知か何かに基づいてやっているわけであって、その後、さらに知事から海江田経済産業大臣に対し、こういうことが必要だという話をしていますので、それはまだ済んでいないですね。

【記者】
  知事3期目に関してですが、6月補正予算とあわせて、新しい行革プランが策定されると思います。行革の骨子が既に出ていて、質の行革が主にうたわれているようですが、行革を今後どうやって進めていくのか方針を教えてください。

【知事】
  行革は多方面にわたりますけれども、1つは県庁職員の行動力といいますか活動力を上げる必要がありますので、できるだけ一定段階になりましたら、ある程度専門分野に特化させるとか、あるいは若い人たちは積極的にこれまで以上に民間などでも経験を積むとか、そういうやり方を仕事を通じて広めるということが1つ県庁の中の動きとしてあると思います。
  それから、県の出先機関、特に試験研究機関などについて、かなり改善すべきところがあると思います。ある程度の期間を設定して、目標を設けて、成果を上げるというところがこれまで十分になされていない部分がありますから、出先機関、試験研究機関の強化を進めるのが大事だと思います。
  それから市町との関係ですね。共動化というのを言っておりますが、それぞれ市町ごとに大きい小さいはありますけれども課題があります。ここを進めるとその市町が活性化するということがありますから、そこにある程度共通の資金を投入し、また、場合によっては県からも人的な支援をしていくとか、そういうような動きも必要かと思います。
  仕事の質ということに特化した話をしましたが、その他、職員数や給料など一般的なことも行革として進めることになっております。事業の見直し、何といっても、事業を太くしていくというか、細やかにはやらないといけないのですけれども、あまり細かくなってしまうといけないものですから、太くやっていくという流れをつくりたいと思います。


―― 了 ――
 

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