知事記者会見の概要(平成24年3月26日(月))
平成24年3月26日(月曜日)
14:30~15:15
県庁 特別会議室
【知事】
新年度に向けての組織改革の考え方、人事異動について申し上げたいと思います。
(資料)知事談話
平成23年度は間もなく終わりますけれども、北陸新幹線の敦賀延伸の方針決定、あるいは中部縦貫自動車道和泉・油坂間の新規事業採択など、県政の何十年にわたる課題に大きな進展のあった年でした。また、東日本大震災をきっかけに、防災はもちろんですが、人と人とのつながりとか、あるいは、地方のふるさとを元気にしていかなければならないといったことが全国的に再認識をされたと思います。
また、福井県としては、そうした中ではありましたが、ふるさと政策を進めている中で、幸福度が極めて高い県であるという評価も得ているわけであります。いろんな意味で立地条件の大きな方向性の確立ができたと同時に、福井県の評価が改めて認識されておりますので、県政を新年度は次の新しいステージ、レベルに持っていくことが重要かと思っております。
そのためには、今申し上げました高速交通ネットワークそのものの整備を迅速かつ着実に行う必要がありますし、あと2年ほどで北陸新幹線金沢開業、また、舞鶴若狭自動車道が敦賀で北陸道と直結するという目に見える具体的なプロジェクトの完成もあります。もう時間もあまりありません。積極的にこれから10年程度を見ながら、具体的なこうした問題に対応していく大事な時期になっていると思います。
さらに平成30年度には国体も予定されますので、そうした体制づくりということで今回の組織改革、それに伴う人材の配置、人事異動を考えたところです。
大きく分けますと5点重点があります。1つ目は北陸新幹線や中部縦貫自動車道の整備促進、2つ目は、「にっぽんのふるさと」福井を積極的に発信していく体制の強化、それから、次代を担う未来の人づくり、新国体の本格的準備の推進、そして、防災、安全・安心の強化とエネルギー対策の5つになります。それに基づいて組織などを変えたということです。
まず最初の北陸新幹線・中部縦貫自動車道の整備促進ですが、これは地元対策というのが重要でありまして、国あるいは鉄道・運輸機構から委託を受けて地元としてさまざま用地確保促進の仕事をしなければなりませんので、まず、部長級の「新幹線・交通政策監」を配置いたしまして、さまざまな課題がありますから、国や市町あるいは事業者との調整や並行在来線、2次交通の関係などを総合的に統括するポストを置きたいと思います。
それから組織としては、「新幹線用地対策室」を新幹線建設推進課の中に置き、室長をはじめ用地業務がよくわかる10名の専任職員を配置するほか、沿線の7つの市町から8名の職員を併任配置して、地元の説明や事務の円滑化をやりたいと思います。
それから、中部縦貫自動車道ですが、これは「中部縦貫自動車道用地対策室」を土木部高規格道路推進課内に設けて、室長をはじめ10名の用地業務経験者などで行うことになります。そして、中部縦貫自動車道福井用地事務所と大野用地事務所は廃止することになります。2つの出先機関で行っていた業務を本庁に集約し、道路整備の進捗状況を速やかに把握しながら国との連携を強め、永平寺大野道路などの全線開通に向けた用地取得と事務処理の迅速化を図ることにいたします。
2点目が、「にっぽんのふるさと」福井の発信です。
まず、平成26年の新幹線金沢開業あるいは舞鶴若狭自動車道の全線開通効果をいかに活用するかということになりますので、このための「新高速交通活用推進室」を観光営業部ブランド営業課内に設けて、室長をはじめ比較的若い職員6名を配置します。特に新幹線によりまして、北関東あるいは信越地区への観光プロモーションなどを積極的に行わなければなりませんし、福井県をアピールするためには、観光拠点となるあわら温泉や小浜の旧市街の整備等、まちづくりの応援をする必要があると思います。
それから、さまざま観光資源等の整備はともかく、人とのつながりというのが重要ですので、福井のことを全国によく紹介してくれるような人たち、あるいは福井県ゆかりの人たち、こういう人たちとのつながりをより高め、総合化するため、「企画幹(ふるさと発信)」を観光営業部に設けます。加えて福井県の持ち味として食べ物が重要ですので、これも観光営業部内に「食ブランド推進チーム」をつくります。たくさんの部にまたがりますので、14名のチームという形になると思います。
それから、これに関連いたしまして文化関係ですね。文化振興を教育庁から知事部局に移管をして、文化振興を強化するということです。もちろん文化財等の指定とか学校における文化活動などは教育委員会が行うわけでありまして、両部門が連携しながら文化政策を相当力を入れてレベルアップしてまいりたいと考えております。また、一乗谷朝倉氏遺跡資料館や若狭歴史民俗資料館等は県庁側に所管が移ることになります。
それから、県都のデザイン戦略の推進でありまして、「県都デザイン戦略チーム」を政策推進課内に設置いたします。先ほどいろんな立地条件の変化ということを申し上げましたが、福井駅周辺等を中心に、歴史遺産あるいは経済、産業の中心部でありますので、次の50年を見据えた県都デザイン戦略を推進することになります。福井市自体もリーダーシップを発揮しての新しい体制を今整えつつあると思いますので、そういう意味で連携を強化することになると思います。
次に、3点目ですが、教育等の問題、人材、未来の人づくりです。
まず、義務教育、高校教育を通した全体的な広い意味の学力向上ということになります。これまで学校の施設整備、学校整備とか教員の人事などを担ってきた学校教育振興課ですが、教員人事事務を移管をして、教育委員会全体の企画調整業務を追加して、「教育振興課」となります。一方、中高一貫教育とか高校再編など、学校そのものの基本的な改革とか見直しという問題がありますが、このことについての企画実行や教員人事も含めて「学校教育政策課」で行うことになります。教育振興課、学校教育政策課に加えて、本来の高校教育課、義務教育課が連携をしながら学力向上センターを設けて、全体的な学力の次の段階を目指してまいりたいと思います。
次に、実践的な外国語教育ですが、「英語教育推進室」を高校教育課内に設けます。高校教育課内に設けますが、小学校・中学校・高校を通しての英語力向上、特に聞くとか話すなど、コミュニケーションと俗には言いますが、語学音声教育を充実する、てこ入れをするということになります。なお、中国語教育等については、高校教育課の指導グループで応援することになります。
次に、国体の本格準備です。平成30年国体の開催準備を本格化するために、ちょうど5、6年前の時期を迎えますから、これはどこの県でもそうなのですが、国体業務を教育庁から知事部局に移管し、総合的な対策を講ずるということです。「新国体推進課」を設けます。そして、「企画幹(新国体)」次長級を配置し、職員を5名増員して15名体制になります。さらに2年後ぐらいには単独部局を設ける必要があると考えております。なお、健康福祉部障害福祉課内の「社会参加支援グループ」を2名増員し、これは平成30年国体と併催します「全国障害者スポーツ大会」の準備を行うことになります。
次に、5点目です。昨年、防災対策としては、危機対策監などを設置し、その推進に当たったところですが、平成24年度はさらに防災通信体制なども強化しながら仕事を進めたいと思います。
1つは、原子力安全対策課それから危機対策・防災課の職員を3名増員します。原子力安全対策課については、これは長年にわたって、日本一体制の整っている課でありますが、それはそれとして、さらに強化をし、原子力対策あるいは防災計画の見直しなどを行います。
また、通信技術をよく知っている職員、これは参事の配置です。防災通信業務のいろんな意味での専門的な強化も図らなければなりませんので、そうした対応をいたしたいと思います。
一方、エネルギーの多角化の推進につきましては、小水力発電、木質バイオマスなどを推進するため、「エネルギー多角化推進チーム」を設置します。これは安全環境部の企画幹をリーダーとし、15名で、多くの課にまたがる仕事でありますけれども、こうした対策を進めてまいりたいと思っています。
以上が、それぞれ個別課題に対する組織の見直しです。
次に、その他の課題の対応である市町との共動の強化です。
総務部に市町村課がありますが、ここは財政とか行政あるいは税制など、市町全体にバックアップ、指導する課です。これと、市町の地域づくりを一緒にした方法が大事ですので、総合政策部ふるさと地域振興課を統合し、「市町振興課」を総務部内に設けることにいたします。県と市町が共動して、もちろん財政やいろんな管理的な応援もいたしますが、市町ごとのまちづくりや広域的な連携に対するバックアップをしてまいりたいと思います。
それから、行財政改革の推進ですが、本庁、知事部局、教育庁を含めてですが、課を再編し、現在67課がありますが、これを64に減らすことにいたします。8課を廃止し、5課を新設するということになります。
それから、各課の中に室という、比較的特別目的といいますか、特命的な室がありますが、25室から22室に減らします。11室廃止し、8室を増やすということになります。
それから、県政課題に対する機敏な対応です。
県内外の情勢が目まぐるしく変化する中、県民ニーズに的確に対応し、速やかな解決のため、各部企画幹あるいは出先機関の長などに、明確な指示を出し、期限を切った機敏な処理を推進してまいりたいと思います。これは、具体的な実務上の問題でありますので、やり方等についてはここに書いてございませんが、目的を持って機敏に対応するという心構えと実行をやりたいと思います。
それから、県政の情報発信の強化ですが、広報戦略を企画実行する「県政広報編集委員会議」を新たに設け、県政の重要課題を県民にタイムリーにわかりやすく広報したいと思いますし、ホームページ等による情報発信も強化し、発信力を高めてまいりたいと思います。さまざま、いろんなことをやっておりますし、我々も、こういうことは皆さんがご存じかなと思っているのですが、意外と伝わっておりませんし、個別的な理解でとどまっていたり、総合的な発信力に欠けているようなことがしばしばあります。これは、うまい方法をとれば、もっとよく理解をしていただける分野でありますし、一種、行政のフロンティアの部分でありますので、そういうことを行っていくための組織です。
具体的な異動ですが、4月1日付で1,018名の人事異動を実施することになります。今回は、国体とかあるいは文化振興で、教育委員会と県庁部局とで異動するということで、それも人数が計算されますので、前年度の984名に比べますと34人の増加ということになりますが、実質的にはそれくらい多く異動しているわけではないということになると思います。たくさんの異動を行ったわけではないということになるかと思います。
職員数の抑制ですが、一般行政部門の職員は68名削減し、2,805人ということになります。管理職は22名減員し、455人といたします。
若手職員の登用ですが、積極的に若手職員の登用ということで、部長級では53歳、次長級では52歳、課長級では49歳という人数で対応してまいりたいと思います。
事務職の管理職登用者は、47歳、48歳、49歳で、それぞれ従来よりも増やすことになります。
女性職員ですが、管理職に女性5人を登用し、過去では最大かと思います。女性管理職は29人、課長補佐、グループリーダー等の役職の女性職員は65人、約14%の登用率になるかと思います。
なお、本庁・出先機関の人事交流につきましては、本庁と出先機関がよく連携をとれるように、組織体制を整えるということを考えております。全体的に力が発揮できるようにしてまいりたいと思っております。
私からは以上であります。
~ 質 疑 ~
【記者】
「新幹線・交通政策監」を設けたねらいを改めて伺います。
【知事】
重要課題ですから、総合政策部長の同じ部に、新幹線専門といいますか、交通問題専門の政策監を置いて、常時、他の部局と連携して新幹線事業そのものの推進を行うことになるわけであり、特に、その下に新幹線用地対策室がありますから、そこを指揮することになる、それを専ら行うということです。
【記者】
新幹線・交通政策監の役割を改めて説明いただきましたが、新幹線用地対策室を指揮することが、当面の政策監の一番の課題になるということですか。
【知事】
そうですね。ほかにも並行在来線とか、いろんな課題がありますけれども、仕事を円滑に、地元と協議を遅くならないようにやっていくこと。そのためには、逆に国との調整もあります。こういうさまざまな、やや政治的な課題であります、一方で実務的な問題もありますので、専門に汗をかいてもらうということです。
【記者】
原子力関係では、安全環境部長、原子力安全対策課や危機対策・防災課の課長はそのままであるなど、原子力行政に携わる幹部は基本的にはあまり異動はなかったという印象を受けたのですが、何かねらいというのはあったのでしょうか。
【知事】
あまり簡単に動いているとしっかりした安全対策ができませんから、あまり動いていないです。
【記者】
しっかりした安全対策をするために、あえてあまり幹部というか主要な方々は動かさなかったと。
【知事】
何か動かさないといけないという状況がないものですから、動かしていないということです。今、重要な時期でももちろんあります。
【記者】
教育委員会にありました一乗谷朝倉氏遺跡資料館を知事部局に持ってくるということですが、そのねらいをもう少し教えていただきたいのですが。
【知事】
一乗谷朝倉氏遺跡はいくつか課題があります。文化財の発掘という非常に専門的、実務的なことは教育委員会で引き続きやっていただくことになりますが、展示をどうやるか、資料館をどう改造していくか、案内をどうするか、それから一乗谷朝倉氏遺跡とどんな関係を持つか、バスをどうするかとか、かなり観光的な関係もあります。発信要素があります。こういったことを文化財の観点だけでやっておりますとパワーが発揮できないし、スピードが欠けますから、知事部局で、別の観点も加えながら進めていくという考えです。
【記者】
今のお話には朝倉氏遺跡は観光面でということもあったと思いますが。
【知事】
観光面というだけではないのですが、文化財の実務的な法律に基づく発掘のようなことだけではうまくいきませんから、全体的な視点でやろうということです。
【記者】
美術館や歴史博物館なども同じような考えでよろしいのでしょうか。
【知事】
基本的にはそうですね。館の展示内容などが古いままでもいけませんし、もう少し全体に福井県をわかっていただくとかいう動きを強化する必要があると思います。
【記者】
部長級人事で2点伺います。まず、農林水産部長が部長級から福井市の副市長にいかれ、総務部長は教育委員会にかわりますが、どういうことを期待した人事かということ、また、産業労働部長が事務取扱で企画幹をあわせてやるのですが、どういうことでなっているのかについてお願いします。
【知事】
最初の点は東村市長がお考えになることでありますが、どんなふうに人材を活用して、福井市をよくしていくかということですね。我々としては、経験が深くて、しかるべき立場の職員を要請にこたえてお送りすることによって、福井市もよくなりましょうし、福井県としても期待するような成果があがるのではないかと思っております。
教育委員会は教育委員会として頑張っていただくことになりますが、別に具体的な説明はしませんでしたが、新たな政策課題に的確に対応するため、適材適所の人材配置かと思います。
特に教育については、かなり教育現場というのでしょうか、学校教育を純化したような形になっていますから、今まさに学力、体力日本一の福井県ではあるけれども、この状態で安住をするわけにはいかないと思います。18年教育のように、幼児期から高校教育、大学まで教育を先進的に進めなければ、他の県がいろいろ今頑張っていますから、同じ状態になってしまうおそれがあります。
それから、文化などについては我々のほうでメインに行いますけれども、国体もそうですけれども、あと、グローバル化とか、こういう時代に外国語教育など、かなりしっかり進めないと問題がいろいろ出てくると思いますから、そういうことを考える状況かと思いますので頑張っていただければと思います。
【総務部長】
産業労働部については、4月当初には上がっていなくて、追ってそういった形の対応を考えたいと思っています。
【記者】
原発関係について2点お伺いします。
【知事】
今、そんなにお答えすることがあまりない状況ですので、大体これとこれだということで明瞭にしてやっていただければと思います。できるだけまとめた形でお願いします。
【記者】
国の原子力安全委員会がストレステストの1次評価を一定評価するという見解をまとめましたが、政治判断するというようなことになっていますけれども、知事としてどう受けとめたのでしょうか。
【知事】
コメントも出していると思います。
【記者】
規制庁が4月1日に発足するのが難しくなっていますが、知事としては、再稼働の議論について規制庁を待つ必要があるのかないのかについて、どのように考えているのかお伺いします。
【知事】
これも既にお答えしていると思います。変わりません。
【記者】
私も2点伺います。まず、震災から1年がたち、知事の3期目スタートからもまもなく1年ですが、1年前の知事会見で、知事は過度の原子力依存からの脱却が必要でないかということをおっしゃっていましたが、1年がたって今、そのお考えはどのようになっていますか。
【知事】
それも同じです。変わりません。
【記者】
1年の間に、特に福島の影響の大きさとかがより明らかになっていると思うのですが、その辺についてはどうでしょうか。
【知事】
特に変わっていないです。まず、原子力をどうするかという方向などについても、政府もいろいろな努力はしておられるようですが、なお、明確ではないというような状況ですから、それをはっきり国民の目に説明をするといいますか、そういう大事な仕事をもっと急いでいただきたいという気持ちはあります。基本的には変わってございません。
【記者】
もう1点ですが、昨日の朝日新聞の報道で、県の原子力安全専門委員会の先生方が、原子力の協会から研究に対して助成という形で寄附を受けていたということがわかったのですが、これについて知事はどのようにお考えですか。
【知事】
具体的に研究者として、皆さんが原子力の問題を国民のためにしっかりやるのだという良心と誇りといいますか、そういう中でやっておられるわけでしょうから、我々県に対してももちろんですし、事業者に対してもしっかり判断をしてもらうといいますか、単なる代弁をするわけではないと思いますから、そういうことでやっていただきたいと思いますし、これまでもそういうことで専門的な立場でお願いしているということです。
【記者】
原子力を推進する立場から寄附を受けているわけですけれども、中立的な審査というのができるというふうにお考えになられますか。
【知事】
これは、常識的ないろんな範囲内での研究、大学などを通じていろいろやっておられるのだと思います、詳しくは見ていませんけれども、そういうことだと思っております。
【記者】
内閣府の原子力安全委員会は、審査の中立性を確保するため、委員の方に電力事業者からの利害関係を申告させています。今後、規制とか考え方を県の原子力安全専門委員会のほうに導入する考えはございませんか。
【知事】
我々は基本的に専門的な助言を受けるという、基本的には我々が考えるわけでありますので、そういう立場で専門性を重視してしっかりしたお方であればやっていただくということでありますので、そういうことを考えているわけではありません。
【記者】
先ほどの話と重なるのですけれども、知事は先日、再稼働に対しては、これまでどおりの見解であるとのコメントを出されましたが、これまでどおりというのがどういうものかを改めて説明していただきたいというのが1点、もう1点が、どうして短いコメントをしたのかその意図を教えていただきたいと思います。
【知事】
何かいろんなことをいろんな表現ですると、話が複雑になって、また誤解も生むと思います。議会でも、皆さんにも、詳しくいろんなところで申し上げています、そういう対応ですという意味です。
【記者】
中身というのは、これまで言っていた再稼働の意義であるとか必要性などを国に明らかにしてもらった上で、それで暫定的な安全基準を示さなければいけないということでしょうか。
【知事】
基本ですね、そのとおり言っていますから。ほかにもいろんなことを言っていますけれど、それを全部理解していただければよろしいと思います。
【記者】
我々のほうで勝手に判断するわけにもいかないので、改めて知事の口からこれまでどおりという中身を教えてください。
【知事】
これまで言っていることを判断していただければいいと思います。たくさんのことを言っています。
【記者】
震災がれきの受け入れについてですが、今、庁内でどんな議論をされていて、どんな方向が見えつつあるのか教えてください。
【知事】
これは県議会でも申し上げましたが、基準とか、そういう問題の要請をいたしておりますので、そういうものを受けての議論になるのではないかと思います。
いずれにしても、市町が、がれき受入れの仕事をしますから、その不安に対して明確な説明をいただくということが大事でありますし、国が定めた基準につきましても、実際仕事をやりますと、そう単純に一律に議論しかねるところもありましょうから、そういうものに対する不安解消が先に解決されないといけないと私は思っておりまして、受け入れを表明した市町に対しては、国との連絡調整や情報提供などの支援を行っていくという状況です。
【記者】
再稼働について、ストレステストだけでは不十分で暫定的安全基準が必要だと知事はおっしゃっているのですが、これについて、県が法的な権限を、例えば、事業者と結んでいる安全協定の覚書の事項の中にも今回の再稼働というのは該当しないはずですが、県としてはどういう立場で再稼働には暫定的な安全基準が必要だと言っておられるのでしょうか。
【知事】
法的な議論はいろいろありますけれども、この1年間、ああいう大きな事故があって、実態的にはいろんな議論は進めてきているわけですから、その中で我々としては原発が立地している地域として、住民に、また他の地域全体、国民に対して、ある意味では責任を持っておりますから、必要な対策をしていただきたいということを言い続けてきているわけです。それに対して、国は必要な答えを早く出したいと今おっしゃっているわけですから、それに答えていただくというのが全体のストーリーではないかと私は思っております。
【記者】
地元の同意が必要だと政府なども言っているのですが、知事もこれは県議会中に答弁され、責任ある関係市町という言い方をしているのですが、これは立地自治体という言い方で考えていいのか、それとも近隣の市町、例えば越前市とかそういったところも入ると考えていいのか教えてください。
【知事】
これは、そういう範囲がどうだということはありますけれども、我々は立地地域として長年原子力の問題について、今申し上げたような話になるのですが、責任を持っていろんな要請をしているわけですから、基本的には立地地域としての安全に対する責任を果たすということでありますし、また、これは全体として、それが国民全体の理解につながるような、そういう信頼のあるものでなければなりませんから、そういうことで総合的に判断をするという要請をしているということです。
【記者】
それは政府が県外も含めた総合的な判断をと。
【知事】
誰がどうだという、そういう法律というのですか手続的な話ではなくて、立地地域として何としても安全を確保しなければならないという立場で論じているということです。
―― 了 ――
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