知事記者会見の概要(平成24年6月18日(月))
平成24年6月18日(土曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室
【知事】
6月県議会を直前に控えておりますが、定例の記者会見ということであり、6月補正予算案その他、最近のお知らせしたい項目などを申し上げます。
まず、6月補正予算案です。
今回の補正予算案は、3つに分かれており、1つは、この春の強風、低気圧による被災施設の災害復旧事業です。2つ目は、まちづくりに関係した、えちぜん鉄道の高架化や福井駅西口の再開発などの推進の事業です。福井市でさまざまな検討が進んだことを受けてのものです。3つ目は、中小企業の資金繰りの円滑化や新しい就業機会の創出など、経済・雇用対策の充実です。
まず、予算案の概要と主要事業とをご覧いただきたいと思います。
今回の補正予算については、強風による災害復旧費が29億円です。これまでで最大の風浪の被害をもたらしまして、漁港あるいは港湾施設の防波堤が強風で転倒したりずれたり、消波ブロックが崩れたり、大きな被害が出ました。冬までに復旧が必要ですので、通常は6月にあまり予算は計上しないのですが、今回、予算を計上しました。具体的な中身はご覧のとおりです。
2つ目の県都福井のまちづくりの推進が4億円であり、今回の補正では、2月議会で方針が決定されたえちぜん鉄道の単独高架の早期整備に向けての設計などの関係予算を計上します。また、5月に県が認可した福井駅西口再開発組合が行う再開発ビルの建築設計費、それから、駅前の広場を中心とした福井市の土地区画整理に伴う移転補償費などに対して補助するものです。これにより、西口駅前広場の整備や再開発ビルの着工に向けた準備を着実に進めてまいります。
それから、3点目ですが、経済・雇用対策で、これは金融部門も含まれておりますので、実際の予算の金額と同時に金融面のものがあるとご理解を願います。原子力発電所の長期の運転停止などに伴い、特に若狭・嶺南地域において関連企業の売上減少、あるいは地域の消費の低迷、経済・雇用環境の悪化が今後懸念されることから、先般、国に対しましても、中小企業の資金繰り円滑化や雇用の維持・創出などの緊急要請をいたしました。
一方、県は、セーフティネット資金の融資要件の緩和、あるいは雇用基金を活用した新たな雇用の確保など、独自の対策を実施するとともに、6月下旬には敦賀市とおおい町において特別相談会を開きます。
また、東日本大震災以降、海外に生産をシフトする産業の空洞化懸念も高まっているため、企業誘致策を充実する必要があります。具体的には、これまでの設備投資経費の補助に加え、既存の工場の生産設備を福井県内に移転する場合の移転支援も含まれています。
さらに、現行の企業立地促進補助金の対象となる企業には補助率の引き上げを行い、本県のエネルギーや、あるいは電気料金の低廉化も並行的に検討していただきながら、企業誘致を積極的に進めてまいります。
その結果、今回の補正予算の規模は35億円となり、今年度予算の累計は4,804億円となります。
6月補正予算の概要は以上です。
次は東京のふくい南青山291に併設しているレストラン、飲食店のオープンについてです。
7月20日から、ふくい南青山291に併設している飲食店の経営者が変わり、「ふくい望洋楼」という飲食店がオープンします。南青山291は、平成14年4月にオープンして、ちょうど今年は10年が過ぎ、11年目に入ります。毎年、売上げ、来館者数とも伸ばしています。開館から10年で、売上額が6倍、来館者数は3倍になりました。ちなみに、昨年度も、売上げ、来館者数ともに前年度比2割以上増加しました。
この1階の一部を飲食店スペースとして事業者に貸与していますが、これまで経営してこられた方が、契約満了により、変わりまして、三国町で料理旅館等を経営する創業130年の老舗である「望洋楼」が出店することになりました。
越前和紙や越前焼、笏谷石などの内装、それから、古民家の古材も福井県から移したということです。もちろんお料理も、魚介類、肉類、野菜類、そばなど福井のもの、あるいは焼鯖とか里芋など、いろいろ出るようです。冬には越前ガニの釜茹でなども出されるということです。お酒も、12の酒蔵の地酒が出るということです。
我々もPRをいたしますが、また皆様にも機会をいただいて、ぜひご活用もいただければと思います。
3つ目ですが、あと一月ぐらいすると子供たちの大好きな夏休みですが、学力向上の問題です。
福井県では学力向上センターをつくり、中・長期的な学力向上策を、教育委員会を中心に進めていますが、その一方で、短期・集中的に行うものは速やかに並行的に教育委員会で実施をしています。子供たちが夏休みを有効に過ごし、よく学びよく遊ぶというのは大事です。
夏休みの学習対策として、まず、「夏休みの個別学習相談会」を県内すべての小・中学校において、夏休み期間中、3日ないし4日程度、子供たちに、これまで1学期で勉強したこと、また、夏休みの自由研究や教材で、よくわからないところがいろいろあると思いますので、そういう相談を行って、基礎的な学力の向上、また、学習への興味や楽しさをバックアップするということです。
それから、「夏休み理科実験応援プロジェクト」です。最近は、日食の観測など子供たちの科学に対する興味が非常に深く広まっています。こうした中で、理科を中心とした小・中学校の学習が教科書だけの問題にとどまっていては、子供たちの理科や自然に対する関心はあまり広まりませんので、夏休み中、また夏休み前に理科の実験を、欠けているものをさらにおもしろく行ったり、昆虫採集や植物採集をしたというアバウトなことではなくて、自由研究の進め方を個別に、より深い理解ができるようにやりたいということです。
以上は小・中学校でありますが、高校については、特に高校1年生が非常に難しくなってきますので、そのつまずきを防止するためのさまざまな事例を整理して、その結果を高校の補習等の指導改善を進めるということです。
次に、2学期に向けた対策として、小・中学生については、全国学力テストを4月に実施しましたので、その分析を進めています。
それから、高校については、学習意欲や授業満足度、先生がうまく授業をしてくれているか、これに満足しているかどうかという調査を7月に実施し、その分析を行うことにしています。
こうしたことを基に、学力向上センターで中身を整理して、さまざまな改善を2学期からの授業に反映をすることになっています。もちろん、教育はゆったりしたといいますか、長い目で落ちついた事柄が必要ですが、その準備はスピードを上げてやりませんと効果が上がりませんので、そういう意味で授業を充実させるための努力を教育委員会でされるということです。
それから、4点目ですが、恐竜博物館の夏の特別展の開催です。
23年度の恐竜博物館の入館者数は、22年度に続いて2年連続で50万人を超え、51万5千人と過去最高の数字になりました。そして、この夏、7月6日から10月8日まで90日間あまり、翼竜をテーマに特別展を開きます。この特別展では、世界初公開となる中国遼寧省産の翼竜であるダーウィノプテルスのほか、標本50点を展示します。
また、恐竜博物館以外に、福井市の国際交流館その他で、街なかでも子供たちが恐竜を見られるような方法もとりたいと思います。
そして、夏休み期間中、7月7日から8月15日まで40日間、恐竜博物館を訪れる方が、永平寺や福井駅、あわら温泉などにも移動いただけるような周遊バスを運行します。
最後になりますが、マジック、奇術のお話です。福井生まれの奇術師、松旭斎天一に関する新しい資料の発見と特別展示です。
松旭斎天一は幕末1853年に福井市の大名町交差点付近、福井城下に生まれました。明治期を代表するマジシャンであり、日本近代奇術の祖と言われる、福井県を代表する有名な人物の一人です。1912年に亡くなられておりますので、今年がちょうど没100年にあたるため、こども歴史文化館では、この調査研究と資料収集に力を入れております。この一環として、今年の5月、坂井市にある旧家で学芸員がいろいろ調べたところ、写真、書画など7点の貴重な資料を発見できました。
その中の1つに、当時のベルギー公使でありました加藤恒忠――正岡子規のおじさんに当たる人ですが――がベルギー公使館で松旭斎天一を撮影した写真があります。ベルギーにまで天一が行っていたということであり、欧米での興行の様子がわかるわけです。その裏づけとなる芳名録や絵はがきなどについても、奈良県において所在を確認しております。
また、今回の旧家の調査により、行方のつかめなかった天一自筆の画帖の所在も確認することができましたので、これも展示したいと思います。
また、国内だけではなく、海外から入手した資料もございます。海外のオークションにより、天一一座を写真入りで取り上げた110年前のアメリカの雑誌記事を入手しました。貴重な資料ということになります。
それから、アメリカのコレクターから、天一一座がパリのカジノ・ドゥ・パリで興行した際のポスター、これは複製品ですが、国内で初公開のものです。夏休みの特別展として、こども歴史文化館において紹介することになります。
福井県では、これまでも五箇条の御誓文の草稿をオークションで買ったり、岡倉天心の茶の本など初版本3部作の購入など、さまざまな資料を収集しておりますが、これからもこうした、子供たちが手に取ったり、あるいは眺めて、本当に実感できるような貴重な資料を積極的に収集してまいりたいと思います。
~ 質 疑 ~
【記者】
補正予算で伺います。経済雇用対策ですが、原発の運転停止中の影響への対策は重要であると思いますが、なぜ今このタイミングでこの雇用政策を打つのかというのと、今後さらにどんな対策が必要かというのをお伺いします。
【知事】
嶺南地域の有効求人倍率等の動きを見ますと、ずっと好調でしたが、最近に至って1を割ることもありますし、なお今後の見通しも必ずしもはっきりしない部分もあり、今回ぜひ地域の不安をなくして、雇用状況を改善したいということであり、そういう予算を組んだということです。
国にも既に同じようなこととプラスアルファのことを要請しています。これは、こうした原子力の再稼働等の問題にかかわる部分が多いですから、国策としての事柄ですので、国としても、いざというときにはしっかりしたバックアップをなすべきであろうということです。しかし、まずもって、国でやる前に、我々にとって必要な対応をして、また、状況を見て必要な要請をし、実現したいということです。
【記者】
国に特にやってほしい対策というのは、具体的に見通しはありますか。
【知事】
基本的に、こうした原子力の運転停止により、直接、修繕やメンテナンスの関係の雇用が低下していますし、さらに小売とかサービス業も影響しています。そのため、今回、福井県として予算を計上しますが、40年余、福井県が日本経済をエネルギー面で支えているわけですので、積極的な国としての支援が大事だと思います。これは、福井県だけのことではなく、日本各地の立地地域の信頼を国が得るためにも不可欠なことであろうと思います。当面の雇用対策のうち、雇用維持対策として雇用調整助成金、あるいは支給要件の緩和、支給日数の延長、これが1つです。それから、雇用創出対策としては、緊急雇用創出事業臨時特例交付金の追加交付。3つ目は、中小企業の資金繰り対策として、セーフティネット保証制度などを設けるべきであるということです。特に、東日本大震災復興緊急保証制度というのがありますが、これに準じたような別枠の保証制度を設けるべきではないかということ。それから、自治体は、いろんな措置も講じていますので、必要な財源措置、あるいはその他交付金などのしっかりした実行ということなどを申し上げてあります。
【記者】
嶺南の経済というのは、原発の定期検査13カ月のサイクルで人が集まることで雇用が生み出されている側面があるかと思いますが、今、再稼働したからといって、すぐには経済が回復するというものでもないと思います。大体いつごろまで、どういう支援が望ましいかというのをお聞きします。
【知事】
おっしゃるように、すぐにいろんな雇用が回復するわけではありませんので、毎月毎月、いろんな状況をよくリサーチして、福井県として必要なことを講じて、それで足らざるところは国にも要請をするということですので、直ちに何か月後にどうなるかということはちょっと申し上げられませんが、十分、県内全体の景気動向に普通以上に局部的にも調査をしたり注意して、また、地元の市や町の様子もよく聞いて、必要な対応をしていくということです。
【記者】
経済雇用対策の規模として、当面の対策で十分だという認識を持たれているのでしょうか。また、今回のポイントというか、狙いみたいなものがあれば。
【知事】
これは、あらかじめ売上げが減少するのではないかという一定の条件のもとで、その融資制度や雇用の助成金は、どれくらい需要が出てくるかをよく見て、この制度で地元の要求にうまく合っているかというのを見ながらやっていくということになると思います。経済対策は大体そういうことなのですが、特に今回はそういうことをよく見る必要があるかと思います。
【記者】
全体の補正予算の規模は。
【知事】
現状では、そういう枠として十分だとは思っていますが、なお機動的な対応が必要ですから、9月補正予算でも、もし状況が変わって、必要なことはやるべきと判断すればやるということになると思います。いずれにしても、9月まで待たずに今やるべきだろうと判断しています。
【記者】
3つの柱からの補正予算全体の狙い、ポイントはありますか。
【知事】
最初の公共事業復旧事業については、これは既に終わった災害についての復旧であり、冬までにぜひともやらないといけない復興・復旧事業です。それから、原子力関係のさまざまな融資とか雇用対策、これはまた全然タイプが違います。そして、県都のまちづくりですが、将来の前向き、積極的な事柄に対する項目ということで、全部性格が違う。しかし、全部、急ぐ必要があるということ、そこが共通しているように思います。
【記者】
6月下旬のおおい町での特別相談会というのをもう少し具体的にご説明いただければと思います。
【知事】
制度融資、資金繰りや雇用等に関する特別相談会を、敦賀市で6月27日、おおい町では6月28日にやります。
【記者】
対象業種というのはあるのですか。
【知事】
おのずと業種は絞られると思いますが、別に業種を選ぶわけではありません。
【記者】
原発について、再稼働の同意が終わって、これから先の話をしていただきたいと思いますが、安全対策の面も含めて、今後はどんなことをしていきたい、どんなことがあるのかという点を伺います。
【知事】
再稼働までの特別な監視体制です。今日は牧野経済産業副大臣も来県しておられますが、しっかり行う必要があります。その前提として、電力事業者である関西電力が細心の注意と念を入れた体制で再稼働に、まずもっていくということが大事です。そして、特別な監視体制をとるということです。
一方で、一昨日に会見しましたが、県民の皆さんへあらゆる方法を通して、今回の意味と内容を十分にお知らせしたり、説明したりすることが極めて大事ですので、その努力をします。
一方、国のほうは、国全体としてやっていただくということを特にお願いしました。
【記者】
そのあらゆる方法というのは、どんな方法を考えていますか。
【知事】
新聞、テレビなど、さまざまな広報等がありますし、いろんな会合などもあります。そういうものについて、それを活用しようと思っています。
【記者】
今日から牧野副大臣が来られて、特別な監視体制を本格的に進めないといけないということについて、こういうところに気をつけてほしいというのがあればお願いします。
また、橋下大阪市長などは期間限定の再稼働を主張されているようで、まだ若干、消費地との間には溝があるのかなと思いますが、消費地との向き合い方、どういうふうに互いの理解を深めていかれる方針なのかということを伺います。
【知事】
実際、再稼働までに時間もかかりますし、再稼働しても、これまでにそういう状況がなくて再稼働したわけですから、次の運転というのは極めて重要ですから、そこをしっかりやっていくと。そして、原子力規制庁もできるだけ早くつくる必要がありますし、そういうことで進めていこうと思っています。
消費地の理解については、総理大臣との会談のときに一番最初に申し上げましたが、原子力発電所の再稼働に関する国民、特に消費地の理解を深めていただくというのが第一であり、原子力の意義や重要性を十分理解されるように、国として努めてほしいということです。
積極的に、かつ、表面的ではなくて、いろんな科学的な知見というか、科学教育という意味で、合理的な説明を、やはり口頭で行うというのが大事です。エネルギー問題への理解を行ってほしいと思っております。また、メディアの皆さんにもぜひともお願いします。
【記者】
知事ご自身が関西の首長と直接対話するとか、理解を深める機会を持たれるとか、そういうお考えはありますか。
【知事】
特にまだ今のところ、そういうことは考えていないです。
【記者】
大飯原発の再稼働についてはめどが立ちましたが、全国の他の原発についてはまだ手続が止まっているように思います。この現状をどう思いますか。
また、県内の他の原発について、今後、どのように同意手続を進めて、どのように判断するおつもりなのか、お聞きします。
【知事】
まず、大飯3、4号機をしっかりやらないといけないということが実際でありますが、野田総理も、再稼働問題については、しっかりチェックして、十分な点検をしながら、原発それぞれに即してやっていくべきだというお話をしておられますから、そういう方向で行っていくことだと思います。国の規制庁の動きもありますので、それを早く、しっかりした組織をつくるのも大事だと思います。
そういう中で、福井県の他の原発の問題も解決する必要があるだろうと思います。いろんな作業といいますか、チェックしていく手続面、進み具合もありますから、そういう中で進めていくということです。
全国の他の原発については、それぞれの立地道県、それぞれのやり方や、共通のものもあると思います。いろんなやり方があるのではないかと推測しますが、福井県で今回とった方法を参考にしていただくということはあるかなと思います。
【記者】
他の原発の再稼働の関連ですが、現行制度では、ストレステストを保安院がチェックして、原子力安全委員会が二重チェックして判断していくということになっています。しかし、原子力安全委員会は、今、全然審査をしていなくて、16日の枝野大臣の会見でも、協力を得るのは現状では困難とおっしゃっていて、新組織が発足してからになるということです。発足するのは8月か9月、新制度が施行されるのはその10か月以内となると、少なくとも来年以降に大飯以外の再稼働の議論になってくるかと思いますが、そういった今の政府のスケジュール感というのはどういうふうに認識されていますか。
【知事】
規制庁を、理由なく遅れることがないようにできるだけ早くつくるということではないかと思います。それはまた国の判断です。一つ一つ、実態的な判断が必要だろうと思います。
【記者】
知事も以前から、今の原子力安全委員会がもっときちんとある一定の責任を持てとおっしゃっているわけですが、その辺、不満というか、対応についてお考えはありますか。
【知事】
前から申し上げておりますように、まずはいろんな実態的な判断がしっかりないといけないということです。形式的なこともあるのだけれども、それがすべてではないと。形式的なことも非常に重要だから、それは急ぐということを言っています。規制庁を早く国会で議論してつくっていくべきだろうということを1点申し上げたわけです。
我々としては、規制庁というのは、実態的なことを判断して、県民、あるいは国民の安全や信頼を確保する必要があるということで、さまざま基準や体制も要請したということです。
それで、特別な規制体制というのは、そういうことにかかわりなく、しっかりした対応を地元でもやる必要があるだろうと要請したということですから、他の地域でどんなやり方があるのかというのは、これからお考えいただくということになるのではないかと思います。
【記者】
国が、原子力災害特別措置法の見直しを進める中で、福井県としては、直ちに専門部会を開いて暫定的な避難計画というのをつくりましたが、それ以降、専門部会は開かれていません。知事としては、国が止まっている状況で県としてできることというのは、これからどういうふうに進めていくおつもりですか。
【知事】
県としてできることは極力進めていくことになると思いますが、どうしてもできないこともあります。全国にまたがることとか、福井県だけで判断できることも、実績がありますから多いですが、そうでない、非常に技術的なことなどもありますから、そういうものをうまく見ながら進めていくといいと思っています。
【記者】
広域避難については、京都府や滋賀県など他の府県との協議も必要だと思いますが、それは、国を待たずに、京都府や滋賀県と連携していくお考えというのはあるのでしょうか。
【知事】
これは、かなり国がしっかりした関与をしないと混乱を生じますし、いろんな何十キロ圏域というものがございますが、そういう圏域議論はあるのだけれど、その中身が依然として明瞭じゃないので、それをはっきりさせる。そのはっきりの仕方も合理的でないといけないという問題が残っていますが、急ぐということだと思います。
【記者】
本日の朝刊で、世論調査が出ていて、大飯原発再稼働の賛否に関して、賛成がやや上回っているということです。こういう数字を、常日ごろ国民の理解、消費地の理解ということをおっしゃっていた西川知事はどのようにご覧になっているのでしょうか。
【知事】
これは、総理大臣がしっかりした腰を据えた原子力発電の問題、あるいは再稼働についてのご発言をされるということが重要だということを申し上げていましたが、そういうことが徐々に国民の皆さんにも伝わっていくと思いますし、また、これから大飯3、4号機のしっかりした再稼働のプロセス、その実態をよくわかっていただくことによって、国民の皆さんの理解も広まると思います。
あわせて、一般的な国民理解というのが重要だと思っています。そういうことによって理解が深まることを期待しています。
【記者】
国民の理解とあわせて、これまでも、長期的な原発の必要性というか、国策としての実績を重視されてきたと思いますが、この夏ごろに政府がそれをまとめていく中で、立地地域から何か提言をされたいというお考えはありますか。
【知事】
かなり総合的な議論ですから、国全体として議論していただくことだと思います。問題は数字だけを議論することではなくて、資源、再生エネルギーというのがこれまで1年間いろんな議論があって、どの程度実現可能で、どういう見通しのもとにあるのだとか、そういうことをかなり現実的によくまとめて、そうしたことをベースに原子力はどうだ、ウエートはどうだという議論が必要でしょう。
それから、いろんな方がご議論されると思いますが、その中で、国がそもそも大体どういう考えを持って、これからの日本のエネルギーをリードしていこうかという気持ちもある程度伺えることが重要でしょう。そういう姿勢というのは極めて重要ですし、国民というのは、政府や国がはっきりした態度で、あることをどうだということをおっしゃることによって、自分たちもいろいろ勉強もし、また、判断をすると思います。その中で考えられているのが民主主義的な議論だと思いますが、その辺をもう少しはっきりしたほうがいいのかもしれないとは思います。
【記者】
大飯再稼働にめどが立って、関西電力管内の電力需給に大分めどがつきましたが、一方、福井県としても若狭地方は関西電力の供給エリアですが、非常に厳しい需給状況なので、緊急時の電源対策とかそういったことに対して、何か手を打っておられますか。
【知事】
いろんな対策は必要だと思いますが、福井県は立地地域であり、電力を供給している県ですから、それはおのずとそうした立場で物を考える部分もあると思います。
【記者】
特別な監視体制の中に県の職員の方が参加されると思いますが、昨日から作業が実際に始まって、作業が始まれば大小さまざまなトラブルが何かしら出てくると思います。トラブルがもしこれから起きたときに、福井県の立場で国や事業者に特別な監視体制の中でどう向き合っていくのかということを考えていますか。
【知事】
通常は、そういうものに自治体としては参加しないのですが、今回は異例ですが、特別に参加をしようということです。これは県民の安全をさらに手厚く守る、そして、いろんな情報等をいち早く皆さんに知っていただくと同時に、国に対してもいろんなことを言わないといけないこともあるかもしれませんから、そのためのものであるということです。
いろいろ進めている中で、いろんなことがあるかもしれません。ないにこしたことはありませんが。臨機応変にやっていかざるを得ないです。
【記者】
京都府と滋賀県がオフサイトセンターに職員の派遣を検討するということになっていますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
それはいろんなお考えで、参加されるということがあると思いますが、おのずと立場が違いますので、そういう特別な監視体制のメンバーではありませんし、そういう事柄だと思います。
【記者】
北陸新幹線の認可の件ですが、このタイミングで大臣も交代して、認可がいつなのかということが非常に気になるわけです。当初、言われていたように、今月内の認可、近いタイミングでの認可ということを期待してもよろしいのでしょうか。
【知事】
期待しているのですけれども。早くやってほしいですね。昨年末に方向が出たわけですので、手続が遅れないように強く求めたいと思います。
【記者】
今回の閣僚の交代のタイミングで、国の認可も小休止と聞いているのですが、先般、中央要請もありましたし、そのあたりの手ごたえ、確証は得られていますか。
【知事】
目前だと思います。6月5日の中央要請の際にもそんなことを申し上げましたから、最終段階だと思います。
── 了 ──
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