知事記者会見の概要(平成25年5月30日(木))

最終更新日 2013年5月31日ページID 023767

印刷
平成25年5月30日(木曜日)
10:30~12:00
県庁 特別会議室

 
知事写真
 

【知事】
 私から2点申し上げます。
 まず1つは、高見順の関係資料の寄贈についてです。
このたび、福井県ゆかりの作家である高見順に関する貴重な資料110点について県にご寄贈いただいたので、お知らせします。直筆資料6点、遺愛品24点、写真66点、その他パスポート、書簡など12点、蔵書2点です。
〔主な寄贈資料〕
 高見順は、明治40年(1907年)に三国町で生まれた小説家、詩人です。かつて「高見順の時代という時代があった」、「日本における最初の現代の文学の出発である」などと評さた昭和の文壇を代表する作家で、晩年には近代文学の資料の散失を防ぐために、「日本近代文学館」の設立に尽力した方でもあります。
 貴重な資料を提供いただいた 川島かほる さんは、生前の高見順ご夫妻と親交があり、現在、「高見順文学振興会」の事務局を務めている方です。資料等を保管されていた川島さんが、今回、「福井ふるさと文学館」をつくるという趣旨に賛同され、役立ててほしいということで、亡くなられた高見秋子夫人のご遺志を踏まえ寄贈していただきました。
 寄贈された資料の内容としては、高見順が昭和34年に芦原などふるさと福井に帰郷された際の直筆の取材ノートや、出版社の企画「作家故郷へ行く」の取材で、昭和31年に東尋坊や永平寺、敦賀などを訪れた際の写真などが含まれています。
 高見順の資料については、既に全国の文学館に収蔵されていますが、今回の資料は現在では入手が難しい貴重なものであり、高見順の作品が育まれた背景や魅力、環境などを県民の皆さんに知っていただく上で大事なものかと思います。
 福井県では、平成26年度中のふるさと文学館のオープンに向け、現在、資料の収集、調査研究、また、文学館そのものの施設の整備を準備していますが、今回ご寄贈いただいた資料を活用し、文学館の展示の充実を図っていきたいと思います。なお、その他の作家についても、極力いろんな資料などを集めたいと思っております。
 なお、今回の資料については、明後日6月1日(土)から7月10日(水)まで、県立図書館において特別公開をする予定ですので、ご紹介をしておきます。

 2点目は、SATOYAMA国際会議の開催のあらましです。
 福井県で開かれる「SATOYAMAイニシアティブ国際会議 2013 in ふくい」の概要が決定したのでご説明します。
全体としては、9月8日(日)から9月14日(土)までの7日間にわたり、この国際会議の第4回定例会合(IPSI-4)と、これに合わせて県が主催する関連イベントを開くことになります。
 まず、会期初日の9月8日(日)に、県独自のイベントとして、里山保全に取り組む県内の小学生が活動成果を発表する「福井こども環境教育フォーラム」を開きます。
 翌9日(月)と10日(火)は、国際会議に参加する外国の里山保全の専門家に小中学校を訪問していただいたり、農業体験、農家民泊などでもてなす「里山STAY」を行います。県内17市町で予定しています。
 それから、11日(水)に、全国からお招きする里山保全の活動家、先駆者と県内の団体が相互に交流をしたり学び合う「全国『里の達人』サミット」を開きます。場所は勝山市内を予定しています。
 そして、12日(木)から14日(土)までの3日間が本体の会合であり、12日にはエクスカーション、それから、13、14日は「総会」、「公開フォーラム」、「県民シンポジウム」を開きます。国際交流会館において「総会」と「公開フォーラム」が行われ、最後に一般県民も参加する「県民シンポジウム」を行う予定です。
 これらの会議やイベントを通して、里地・里山・里海湖の魅力を国内、国外にも知っていただきたいと思います。
 また、この会議のPR用ポスターができました。影絵作家として有名な藤城清治氏からご提供いただいた「四季のうた」を図案に使わせていただいています。日本の美しく豊かな里山の四季、水をデザインとしてお描きになったものであり、こういうポスターも活用しながら、9月の会議に向けPRしてまいります。
〔ポスター〕
 私からの発表は以上です。

~質疑~

【記者】
 改めて、SATOYAMA国際会議を福井で開催する意義と、関連イベントを通じてどういったことを発信していきたいとお考えでしょうか。

【知事】
 SATOYAMA国際会議については、福井県全体が里山というような環境にありますし、年縞やコウノトリ、農業等いろんなものが一体となって存在します。もちろん里山のみならず里海湖はすばらしいけれども、一方で汚れていてきれいにしていかなければいけないという、いろんな課題が集約している県でもあります。そういうタイミングですので、第4回の定例会合を福井で開いて、里地・里山・里海湖を中心に福井の環境について関心を持っていただいて活動を高め、美しい福井をつくっていくというねらいがあります。

【記者】
 高見順の資料が展示される場所はどちらですか。

【総務部長】
 県立図書館のふるさと文学コーナーです。

【記者】
 原子力について2点お伺いします。1点目は、先週、敦賀2号機直下の破砕帯について規制委員会が活断層と断定しました。調査団の報告をそのまま追認した形になっていて、知事も当日、強く批判するようなことをおっしゃっていましたが、知事として今現在、調査団が活断層と結論づけたことについて、科学的根拠が薄いと感じておられますか。また、規制委員会がそういう結論を出したことについて、説明を求めたり、知事から何か申し入れたりというお考えはありますか。
 もう1点は、原子力研究開発機構の問題で、「もんじゅ」の点検不備や茨城県のJ-PARCで放射性物質の漏洩があり、文部科学省が組織の抜本的な見直しをすると決めました。そのことに対するご所見と、どのように機構の組織を改革していくべきかということについてお聞かせください。

【知事】
 まず、日本原電の破砕帯の評価のことです。これについては5月22日にコメントをしたものと特に変わるものではありませんが、改めて申し上げますと、今回の問題は、原子力の安全と日本のエネルギー政策に直接影響を及ぼす大きな課題ですし、かつ地震とか活断層というものが、原子力プラントにどう影響するのかという安全性の科学的な評価など、さまざまな問題群に関わる問題ですから、これからの日本の将来のためにもちゃんとした、きっちりした科学的な、そして、ある意味で現実的な方向性を出すというのは極めて重要ではないかと思っております。
 数日前に南海トラフの地震が長年にわたって予知ができるということで、おそらく気象庁は観測していると思いますが、何週間前にそういう可能性があるという予知は困難ではないかという話も出ております。そういうものにもみんな関連して、地震の問題、いわゆる活断層の問題にどんなふうにこれから日本が取り組んでいくかというのは極めて大事ですし、世界的にもいろんな貢献ができることだと思いますから、そういう中でこの問題の議論が要るかなと思うのです。
 それで、特に敦賀の問題を申し上げますと、有識者委員の過半数の方が、専門分野が偏っているとか、あるいは調査が不足しているのではないかと指摘し、日本原電も、もう1か月あれば追加調査のデータを出すとやっているわけですから、急いで方向性を出す状況にあるのかどうか疑問に思っています。理解に苦しむということです。
 ですから、規制委員会もしっかりやっていかないといけないのですが、規制委員会がこんな状況ですから、政府が改めて十分な客観的あるいは科学的データに基づいて、幅広い分野の専門的知見を結集して、適切な科学的な結論を出すべき局面かと思うのです。要するに3.11などのいろんな大災害などを見ても、復旧とか復興、さらにそれ以上の強靱な国土をつくろうというのは大事ですけれども、大事な地震とか津波に関係した部分について、進歩というのがないといけないですし、これから将来にわたって役立たないといけないわけですから、そこが欠けているのではないかと思っていります。

【記者】
 説明を求めたり何か申し入れたりする考えは。

【知事】
 まだそういうあやふやな状態ですし、規制委員会も調査の結果、新しい意見が出たら変わり得るのだということも言っていますので、今の段階でどんなふうに言ったらいいのかというのは、特に決めてはおりませんが、状況を見て何か対応が要るのだったらやりたいと思います。
 今回の原子力機構の「もんじゅ」、あるいは茨城県での不都合といいますか、こういう状況については、いろんな背景や原因があると思いますし、我々も既に先日、丹羽文部科学大臣政務官が17日にお見えになったときに申し上げたところですが、国の原子力政策のあいまいさによる側面がこういうところにあらわれているのではないかということがあると思います。ですから、この機会に国として、国自身、文部科学省、それから原子力機構についても外部の人材や海外の人材も積極的に取り入れて大きな刷新を図る必要があると私は思います。
 特に原子力機構については、機構の目標、いつまでに何をするのだということをはっきり明示して、常に成果を問う体制が要るのかと思います。これを評価、監視する体制、これは安全と同時に成果の監視の2つが要ると思います。平生、放任的な状態であって、何か起こると、問題だから抜本的なという話になるかもしれません。それは、抜本ではないと思います。絶えずそういうチェックをする体制ができていないからこんな状態になるのではないかと私は思います。これは政府、そして特に原子力機構、両方にあると思います。原子力機構だけの問題ではないと思っております。

【記者】
 国の政策のあいまいさというのは、基本的には核燃料サイクルについて…。

【知事】
 核燃料サイクルもあるし、原子力をどうするのかというのをはっきりしておかないと、大もとがあやふやな中でやっていると目標も達成できないと思います。
 先日、総合資源エネルギー調査会原子力部会の放射性廃棄物小委員会に出席しましたが、そういう問題や、廃炉になるのか、ならないのかといういろんな議論が全て関係し、一緒のものですから、それが特に原子力機構の問題に集約的にあらわれていると考えています。

【記者】
 文科省が原子力機構改革本部を設置するということ自体に対しては、知事は評価されているのでしょうか。

【知事】
 そのこと自体は悪いことではないと思いますが、今言ったことになっているかですね。おそらくなっていないかもしれない。理事長がお代わりになって、本部ができましたと言っても、私が今申し上げたことにはなっていない。私が申し上げたからというわけではなくて、そういうことが日本にとって必要ではないかと私は思います。そうじゃないと物が内容をもって進まないと思います。問題があったら何かちょっと直そうという話では、展望もないですし、改善、進歩というものがないのではないですか。

【記者】
 「もんじゅ」の断層調査を来月、規制委員会が始めるということですが、敦賀の問題を踏まえて、どういった議論、調査を求めていきたいですか。

【知事】
 これまた敦賀と同じ議論ですね。ちょっとしっかりしていただかないといけないと思います。たくさんの問題があるから、これだけがおかしいという話もないでしょう。要するに、南海トラフについては別の地震の専門家の皆さんがやっているでしょう。活断層は、ごく限られた人たち。あれは同じ科学的な分野なのです。そしてみんな両方に関係しているわけです。単に破砕帯のそれは、特定のプラントのところで問題になっているだけですね。南海トラフは、ものすごく大規模で、かつ日本全体を覆うような、太平洋側ですね。片方はごく局所の部分の議論をしているわけで、そういう議論のアンバランスとか連携とか、地震学の科学的な分野の応用としては実に不思議な状況ですから、それはいろんな問題があるのではないかと思います。総合性とか、あらゆる学者の皆さんが入るとか、国際的な知見を入れて、バランスをとった議論ができるかどうかとか、そこだと思います。つまり、南海トラフのプレート型地震については、予測をずっとやっていたけれども、できないのではないかというようなことなのでしょう。片や破砕帯は何の関係があるのと。予測できるのかできないのか、何年の話をしているのか、30年の話ではなくて、数万年なのか、10万年の話をしているのか、全部、脈絡がないですね。そこが問題だと思います。

【記者】
 来月以降、高浜3、4号機をはじめ、いくつか関西電力が再稼働申請をしていくと思います。大飯原発の再稼働の際には、県の原子力安全専門委員会、県議会、また、おおい町の同意を踏まえて最終的に判断されましたが、来月以降、再稼働申請を関西電力がした場合に、県内手続きをどのように進めようと考えているのでしょうか。

【知事】
 まだ具体的な状況ではありませんから、現時点では未定です。今の段階ではちょっと申し上げられる状況ではない。

【記者】
 破砕帯のところで、国が積極的に入る局面というのは、具体的にどういうことを考えていらっしゃるのか。また、規制委員会の独立性という部分に国が関与していくかと思うのですが、その辺について確認させてください。

【知事】
 後段については、規制委員会の仕事の分野の問題はあるけれども、それを受けて政府全体がどう判断するかというのは、もちろん規制委員会のそういう立場だと思いますが、国の組織の1つでありますので、政府がしっかり全体を見て、最終的には政府やあるいは政治がしっかり判断をすることでしょうから、そこの区別をしてやらざるを得ないのかなということを申し上げました。

【記者】
 敦賀2号機の破砕帯について、規制委員会はしっかりやらないといけないが、政府が改めて専門的な部分に入っていく局面かなというふうにとおっしゃいましたが、これはどういう…。

【知事】
 敦賀2号機については、さらに日本原電も追加調査結果を出すということでしょうから、その調査の体制とか判断の基準などについては、さらに科学的な知見に基づいてしっかりやっていただかないといけないと申し上げたのです。

【記者】
 今の規制委員会は心もとないようにお考えでしょうか。

【知事】
 いろいろ課題があると思います。さっき言ったような話ですね。やっておられる有識者の方自身が、専門分野が偏っているとか調査が不足していると言っておられますから、そういう問題を改善しないといけないのではないかと思います。

【記者】
 原子力規制委員会が発足してから随分たって、これまでの活動について立地地域の立場から、知事の目線から見て、何が不足していて、何が評価されているのか伺います。

【知事】
 今申し上げたような話です。今言ったようなことを、また、いろんなことをまとめていろんな機会に申し上げないといけないのかもしれないです。一定の整理をしてとは思っていますけれども、今日の段階では、特にどうだと申し上げられません。

【記者】
 原発の使用済み燃料の消費地への分担ということを前からおっしゃっていますが、各都道府県に聞くと、大体が後ろ向きというか、それは受け入れられないのではないかという回答が多かったのですけれども、それについて、知事はどうお考えですか。

【知事】
 これは放射性廃棄物小委員会でいろんな議論を深めていただいていませんし、その中で、技術的な問題もありますし、国民的な理解といいますか、この前の委員会でも申し上げましたが、使用済み燃料とか中間貯蔵の問題をそれだけで取り上げてはいけないわけでありまして、原子力政策の中でどういう位置づけにあるのか、それから原子力発電の役割というのはプラスマイナス両方いろいろ課題がありますから、使用済み燃料の問題はマイナス的な受けとめをされておりますけれども、そこだけを取り上げて議論をしてもまた受け入れがたいところがあります。全体を見ながら国民の理解を深めて、さらに技術的にどう解決するのかという問題ですし、また、我々立地地域としては、関西電力などとも議論をしていくということになると思います。もとより電力会社は県外で努力をしているし、これからもそうしたい、やりたいということでしょうから。

【記者】
 敦賀2号機の破砕帯の関係で、客観的に幅広い専門家で、政府のほうでも科学的な検証が必要というような趣旨で答えられたと思うのですが、政府のほうにそういった独立の調査団を設けて調査をし直すといういう意味なのでしょうか。

【知事】
 原子力機構自身も最終的な結論というのは判断をしっかりしないといけないでしょう。今のままで何となくそうなのですというのでは、それでどうなのですかという話になります。敦賀2号機がどういう状態になるのか何もはっきりしていないでしょう。かつ、それをまた政府がどう考えるのかと。

【記者】
 政府が調査団を設けて調べるという意味ではないのですか。

【知事】
 そういう話とはまた違うね。必要だったらやらないといけないのかもしれませんが、それはわかりません、その話は。我々が言う話ではないから。

【記者】
 破砕帯の問題が、今クローズアップされていまして、原子力規制委員会の田中委員長は記者会見等でも、政治的ないろんな干渉には左右されないということを明言されていて、独立性を担保している、そういう委員会に対して、立地地域として今後、あくまでも規制委員会に対して声を上げ続けるのか、それともこのあたりで経済産業省や文部科学省など、いわゆる原子力政策を進める立場の機関、そういう省庁とこれからいろいろな交渉をされていくのか、今後の原子力政策の進め方はどのようにお考えなのでしょうか。

【知事】
 現在はまだ日本原電がさらに追加調査を出すということですから、その状況を見ないといけないでしょう。一方で、最終的には全体判断というのは日本として要りますから、そういうことが必要だろうと常々申し上げているということです。

【記者】
 知事がおっしゃる国家の戦略的な話を、今の規制委員会のあり方から考えますと、むしろそれよりも国、政治家と今後交渉したり、窓口にして立地地域の意見を届けるというようなお考えは…。

【知事】
 そういうことまで言っているわけではないです、今の状況では。ただ、今の問題も、規制委員会として改善すべき点が多いですから、それは直すべきだと思いますし、さらにこの問題は最終的には政府が判断することですから、政府のその状況をよく見ながら、対応を考えるしかないということだと思います。

【記者】
今後、政府の閣僚であるとか要人の方に原子力政策について何か申し入れをしたり、要請活動を行うことはお考えなのでしょうか。

【知事】
 それはさきほど、特に今の状況では決めていないが、いろんなことがこれから起こるかもしれないという可能性は申し上げたということです。

【記者】
 数日前に広域的な原子力災害に関するワーキンググループが福井市で開催されたのですが、それに関連して、原発からおおむね30km圏の避難計画づくりで、今後出てくるであろう再稼働の際の同意について、計画がまだできていなくても同意するとか、あるいは計画ができないと同意できないとか、そういった関係について教えていただきたい。

【知事】
 まず、今、全国的にしっかりした実効性のある訓練ができていないわけです。ですから、我々としてはまず5km圏の住民避難をきちっとやりたいということで、昨年末に5km圏の住民避難計画をつくり、6月16日に防災訓練を行います。全住民を対象に、自衛隊や海上保安庁の実働部隊、警察、消防、市町全部入れて本格的な訓練をやりたいというのが1つです。
 それから、さらに広域的な避難先の議論については、既に県内での広域避難先は決めていますが、さらに念のために県外の受け入れの問題について、他の地域との働きかけを今やっており、協議している段階だということです。
 我々は広域的ないろんな問題について、規制庁の基準があいまいだから、もっとはっきりしないとあらゆるものの実効性が上がらないから議論をすべきだと申し入れていて、規制庁もそうだということで協議を今始めているということです。これについては5月27日に開催しました。
国としては、さまざまな官庁も入れながらそういう問題の検討をしていくということですから、どちらかというとボールは国のほうにあるような感じです。ただ、我々はそうも言っていられないから、自分たちでいろんなことをやっていくということです。

【記者】
 県庁職員の給与削減の関係で、以前知事は地方交付税を削減されることに対してかなり反発の言葉を述べられていましたが、最近、削減の方針で検討されているということです。それについて、なぜ方針転換されたかお聞かせいただきたい。

【知事】
 これは、このこと自体は納得いくものではありませんし、問題だとは思っていますが、30億円とか40億円のスケールの金額の問題なのです。ですから、残念ではあるけれども、やはり現実的な対応が必要だろうということで、協議を開始したということです。減額に踏み込まざるを得ないかなという。
年度末に退職手当のいろんな議論がございましたが、福井県としては極力、いろんな努力をして、職員の皆さんも理解をされて、駆け込み退職は非常に少なかった県でもありますし、また、福井県自体が職員の数を非常に減らしているわけです。実質的には職員の数でいうと一番少ない県だと私は思っています。そういう中で、数は数として減らしているのだけれども、給与の水準だけは国の都合に合わせて減らすというのは、非常に残念であるし、問題だとは思っていますが、やはりそういう現状にありますから、対応せざるを得ないという状況に今あるということです。

【記者】
 先日、福井駅前のアオッサで憲法の条文を展示しようとしたところ、管理する業者がそれをやめなさいと、展示をやめさせました。その判断について、後に業者は謝罪をされたのですが、一連の経緯について、知事はどうお考えですか。

【総務部長】
 私からお答えさせていただきたいと思いますが、アオッサを管理している業者については、届け出が、最初に使用の申し出があった内容は絵画展ということで受け付けていたところ、内容が違うのではないかということでお断り申し上げたというトラブルがあったと聞いております。これについては、あそこは商業施設ですので、そういうふうな判断をしたと報告を受けております。あの施設については管理組合が対応しておりますので、いろんな判断があったということかと思います。
 そういうふうなトラブルがあったときにどう処理するかということの決まりがなかったようですので、それについては県としても管理組合のほうに、そういうふうなトラブルがあったときの対応等について、しっかりとした対応方針等を今後詰めていかなければならないというふうに指導していきたいと思います。

【記者】
 地方の人口問題、人口減少で、都市部から地方に人口が移るような政策を国がとらなければいけないと、先月の会見の最後で知事がおっしゃっていたのですが、具体的にどういうことをしてもらえればと考えているものがあれば教えていただきたい。また、介護が必要になった都市圏におられる高齢者を地方に移してはどうか、地方に介護施設を作ったらどうかという話が持ち上がっていますけれども、どういうふうに受けとめられているかをお聞かせください。

【知事】
 これは3日ほど前になりますが、13県のふるさと知事ネットワークの会合を東京で開きまして、7月には山形で最終的な会議を開くのですが、そのときに報道機関の論説委員の方にも出席していただいて意見交換をしました。その中で特に人口問題、これは日本全体としても問題だけれども、地方の人口減にどう対処するかということで、先ほどの介護、特に大都市でたくさんの方が介護のサービスを受けるのが厳しくなるのではないかと。幸い、地方ではいろんな余裕もあるし、必要な財源措置があれば可能であるし、また、リタイヤした人たちが、介護を受けるまでには至らなくても、お元気な方もおられるから、いろんな技術とかノウハウを地方で発揮したいという方もおられるということで、そういうシステムを何か考えられないかという話題を議論しました。ですから、おそらく7月の山形ではこんなふうにしたらどうかというテーマが出ると思います。
 それから、福井では一般に大学に3,000人出て4年後に1,000人しか戻らないとか、いろんな問題がありますから、それについても何かいい制度ができないか。
あるいは、単身赴任制度。単身赴任は日本に非常に多いですけれども、これも少子化に影響を与えるのではないか。お子さんお1人だったけれども、単身赴任されて、何となく子育てする環境にないから、お子さんは3人はいないとか、そういう問題をまとめて議論していこうじゃないかと。
 しかし、一方で、今、国で少子化について議論をしているけれども、いろんな議論もあるから、その辺をどうするかというのはあるのです。だから、いろいろ議論してみようということかと思います。

【記者】
 舞鶴若狭自動車道は来年度全通ということですが、海水浴客を集めるために、来年の夏、なるべく早く開通してほしいという声が地元から上がっているようですが、完成時期について感触はお持ちでしょうか。

【副知事】
 全くありません。過去の例でも、かなり近くにならなければ分からないようで、これについてはNEXCO中日本、それから所管省庁である国土交通省にできるだけ早くということは、お願いはしていますが、その時点で特段の明言はございません。
ただ、県も地元も確かにどのシーズンとは言わずに、1日でも早いほうが良いと思っておりますので、ここはよくお願いしないといけないと思っております。

【記者】
 7月の参院選が近づいてきているのですが、TPP、原発、道州制、いろいろあると思いますけれども、知事の立場から何か望むことがあれば、教えていただきたい。

【知事】
 これは、総論的に申し上げますと、今は地方重視の政治が弱いですから、これをいかに強めるかという議論が深まるといいと思います。

【記者】
 具体的には。

【知事】
 中小企業とか農林水産業をどうやるか、TPPも関係するかもしれません。それから、新幹線も早く、十数年なんていう話ではないだろうと。舞鶴若狭自動車道もできれば早く、夏ごろまでにどうだとか、いろんな議論がそれぞれの地域にありますから、そういう議論を置き去りにして抽象的な議論だけで選挙するのでは、国民の幸せにはつながらないかもしれませんから。制度論とかシステム論とか、外交がどうだとか、そんなことばかりやっているわけにはいかないと思います。
―― 了 ――

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)