知事記者会見の概要(平成25年12月25日(水))
平成25年12月25日(水曜日)
10:30~11:20
県庁 特別会議室
【知事】
今日は12月25日ですので、何もなければ、今年最後の定例会見ということになります。特に発表項目はありませんが、25年を振り返っての感想といいましょうか、様々な出来事などを中心にお話申しあげたいと思います。
今年を振り返って、総括しますと、県政の重要施策をかなりのところまで前進できたかなと思っております。種をまいて収穫までは必ずしもいっていないものがありますが、大体の方向を見ながら、できるだけ収穫ができるようにしたいという状況かと思います。
いくつか例を挙げますと、北陸新幹線については、認可は昨年決定していますが、できるだけ早く開業する必要があるため、数年、3、4年の短縮ができるのではないかという計算を、我々自身で独自に行って政府に要求した結果、工法や工程など研究して短縮をしないといけないというスキームの見直しの現実の動きが出てきたわけですので、年末の方向づけを期待していました。
年は明けますが、夏頃とは言っていますけれども、いろんな実務的な手続がありますし、検討の場として与党プロジェクトチームというものもありますから、できるだけ早くやっていただけるように引き続き進めます。
年明け、来年には短縮の具体的な案が出ればいいと思います。来年度の予算としては、それなりに増額があったわけですので、そういう動きにもつながるかと思います。いずれにしても、短縮しても、決定が遅れるとそれだけまた1年延びてしまうわけで、できるだけ早く方向性を出すことが重要だと思います。敦賀までの早期開業に向け、県選出国会議員を先頭に、関係者力を合わせて実現を図ってまいりたいと思います。
2つ目は、県都のまちづくりですが、これは2050年とかなり長期の方向を見ながらのまちづくりの指針として、今年3月に「県都デザイン戦略」を策定し、大体の共通理解を持ちながら、中心市街地の再開発等の動きを出したわけです。
この戦略に基づいて、今年から、県の事業として、山里口御門の復元に着手しています。
福井市においては、中央公園周辺の再整備計画の策定を進めています。既に県民会館の解体が終わりましたからスペースができているわけです。様々な考え方を市として持っておられますが、歴史を活かすという基本的な筋道をよりはっきりして、中央公園の整備をするというのが重要だと思います。
それから、福井駅西口の再開発事業については、12月県議会で、雨や雪の多い地域ですので、広場スペースの整備について県の立場から必要な応援をしようという大方の方向を出したわけであり、新年度予算で、また議会でさらに具体化してまいりたいと思います。県議会とも十分相談の上、方向を決定したいと思います。
いずれにしても、来年度末には北陸新幹線が金沢まで開業し、5年後には福井国体があるわけですので、福井市と協力して、それぞれ役割を決めながら、北陸の他の2県とは違った福井の駅といいますか、そういうつくり方を心がけて進めたいと思います。
それから、原子力・エネルギー政策についても、3.11以来、いろいろと紆余曲折、様々な意見あるいは混乱など、いろんなことがあり、まだ完全に終わっているわけではありませんが、今年3月から国のエネルギー基本計画を検討する総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会に私も委員として参加し、立地地域の立場から基本的な大きな方向を定めるということが必要だろうということで、様々意見を述べてきたところです。立地県の知事の立場としては、福島の事故をいかに乗り越えていくかということが重要です。これは日本の科学技術を尽くす必要があります。その先、何があるのかということはあるのですが、しかし、いろんな日本の持っている優れた技術、科学、教訓をこの福島の事故を乗り越えるために活かさなければ、福島の事故のいろんな歴史的な意味というのでしょうか、それを意義づけることができないことになると私は思っているわけです。
様々主張した結果、「エネルギー基本計画に関する意見」では、原子力発電については「基盤となる重要なベース電源」という位置づけがなされました。
それから、40年余にわたって使われてきた使用済み燃料ですけれども、これは消費地との分担と協力の関係で対策を講じる必要があるということを申し上げてきたわけですが、中間貯蔵の問題がありますので、新たな地点の可能性を幅広く検討するとの国の姿勢が示されたところです。
福島事故以来、国のエネルギー政策の基本的な方向といいますか、腰が十分定まらなかったところもありますが、今回の議論を経て、ようやく我が国における原子力発電の重要性や必要性、また他の電源との役割など明確になったところがあると思います。なお政府の姿勢がはっきりしないところが残っているかもしれませんが、そういう状況になっていると思います。
年明けには、関係閣僚会議を経てエネルギー基本計画として閣議決定されるという方向にありますが、今後、政府が一体となって、政府の責任において計画の具体化を図ることが重要かと思います。
この原子力の問題に関連して、大飯原発の稼働の問題が昨年以来いろいろあったわけです。今年9月までの1年2か月間、異例のことでありますが、県も特別に参画をして、「特別な監視体制」のもとで安全かつ安定的に稼働してきたわけです。これは関西地域の電力需要に不安なく応えただけでなく、全国の原発が、安全体制と緊張感を持って安全稼働ができるものであることを示したのではないかと思っております。いずれ全国の原発については安全の問題をクリアしながら再稼働というような問題が出てくると思いますが、そうした際に参考になるものと考えております。
それから、原子力発電所については、運転停止の問題や将来の廃炉というものについての課題があるわけです。日本のエネルギーや国際的な原子力のいろんな課題のことを考えますと、この問題をむしろ前向きに捉えながら、エネルギーサイクルの将来性や、また県民全体の県益に役立つように事柄を捉え直して考える必要があるということを考えており、10月には全国に先駆けて「廃炉・新電源対策室」を設置しました。今後、この廃炉という問題がどういう意味を持っているのか、その手続、安全性の確認、地域振興に関する地元との協力関係、国への様々な要求、提言など、大きな道筋を早目に立てた上でこの問題に取り組んでまいりたいと考えます。
それから、福井県は全国最多の原子力発電所が立地するわけで、不測の事態を想定した対策の強化は極めて重要です。いざというときの住民の皆さんの安心、あるいは何かあったときの避難体制などが問題になるわけであり、嶺南地域への自衛隊の配備を政府・与党に対して要請してまいりました。その結果、新年度の予算案に本県における調査費が計上されたのは、その必要性が認められ、具体的な調査・検討に入るということになったものと受け止めています。自衛隊等による警護、防護等により、円滑な住民の安全あるいは避難の支援体制が整うことを期待しており、必要なことを引き続き申してまいりたいと思います。
次に、教育です。学力については6年連続で小・中学生とも全ての教科で全国トップクラスを維持し、この年末には体力調査においても5年連続で小学生が男女とも1位ということで、学力・体力とも日本一の県だということが言えると思います。
しかし、このような状況に甘んずることなく、子供たちが将来の社会情勢にも対応して、このふるさとでしっかり生活や暮らしを支える人になってもらわなければなりませんし、リーダーとして活躍できる人も生まれなければならないわけです。
こういうことで、小中高一貫教育、幼児からの18年教育、また、高校についても職業系教育の充実、さらには大学進学なども努力していく必要がありますが、その1つとして中高一貫教育校の準備をしており、27年度から実現することになります。これについては現在、選抜方法やカリキュラムの内容について具体化を進めていますが、中高を通じて6年間を一貫して指導できる体制と先生方の養成を具体化してまいりたい。
そして、特にこれからは外国語教育が重要ですから、全国に先駆けて、生徒当たりのALTの人数を最もたくさん採用しているのが福井県ですし、小学生の英語教育も全国に比べて1年早く英語に親しむということもいろいろやっているわけです。
子供たちや先生のアメリカへの派遣などもこの数年進めていますが、それとあわせて日本語教育というのは極めて重要であり、国語の基礎である漢字教育について、優れた全国の事例を表彰する「白川静漢字教育賞」を、今年、創設しました。こういう例を県内外に十分お知らせして、全国の国語教育を福井県がリードしていくということも、外国語と表裏一体で進めたいと思います。
我々は、日本語以上に英語は絶対うまくなりませんから、日本語がうまくならないと英語もそれに比例してうまくならないと思いますので、あらゆる生活の基盤である国語教育を重視していきたいと思います。
また、今年は里山や年縞といった基本的な福井の暮らし方あるいは歴史に関連する事柄がありました。
9月に「SATOYAMA国際会議」を開いたところであり、各国・地域から延べ2,000人以上の方に参加をいただいたところです。これをきっかけに「里山里海湖研究所」をつくりました。全国に誇れる本県の里山里海湖の魅力を発見し、また、子供から大人まで気軽に気楽に地域を元気にする実践研究の拠点にするため、進士五十八東京農業大学名誉教授に所長になっていただき、これから具体的に進めていきたいと思います。
なお、この里山里海湖研究所は、三方五湖の湖畔に若狭町のご協力を得てつくりましたが、同じく三方五湖には水月湖があり、これも今年、「年縞」が国際的に評価を受け、5万年以上前までの地質学的な年代測定の世界標準物差しに、この水月湖の堆積物がなったところです。9月には、中川先生をはじめ年縞研究者と共同記者会見をしたところです。年縞については、新年度の予算で、さらにどのような具体化をするかということを検討していきたいと思います。なお、この年縞については、学校の教科書に取り入れていただくことが、教育にとっても、また、実際の問題としても重要だと思いますので、教科書の出版社や、観光について旅行会社などにも積極的にアピールをして売り込んでいきたいと考えています。
今、売り込むという話をしましたが、今年4月には、東京に南青山291に加えて第2店目となる「食の國福井館」、いわゆる銀座店をオープンしました。この銀座店では、福井県の産地とテレビ電話で対面販売も行っており、1週間に2回ぐらいありますが、数万円ぐらいの売上げがあります。
今年、「和食」がユネスコの世界文化遺産に登録されましたが、その提案書の中の23の日本がアピールすべき具体例の中で、福井県から、全国で最も多く、大野、鯖江、それから小浜の3つの例が、和食の重要な例として挙がっているわけで、登録に大きく貢献したと思います。こういうこともベースにしながら、今年は福井県の食をアピールができたと思います。新年は新年でお話をしますが、新年に向けて頑張らせていただきます。
なお、銀座店の売上げは、4月にオープンして、11月までで約5,800万円となっています。12月は、カニなどおいしいものが多いですから、1日25万円から30万円ぐらいの数字が上がっており、年度全体としてはかなりの金額になると思います。
以上が平成25年を振り返ってですが、なお、福井県は幸福学や希望学をやっております。また、アジアへの産業政策を進めていますが、明日29日から、タイ、ブータンを訪問しますので、内容について申し上げます。
タイにおいては、県立大学恐竜学研究所とタイ国立大学の研究機関である「コラート化石博物館」との学術交流協定締結式に出席します。当日は、タイ国立大学学長のほか、大学のあるナコーン・ラチャシーマ県の知事も参加するということであり、これを機会に、さらに両研究所の相互連携を強めていきます。
それから、チャイナ・プラスワンということで、タイ・バンコクなどへの日本企業の進出が盛んになっていますので、この地域を中心に福井県の企業をどうバックアップしていくかということについても関係者と意見交換をしてまいりたいと思います。
ブータンについては、29日から31日にかけて訪問しますが、これはブータンからの招待を受けたものです。2年前、23年11月にブータンの国王・王妃陛下が来日されたときに、幸福度の高いという共通点で、歓迎式に招待されたことがきっかけですが、その後の交流については、今年5月に親書によりワンチュク国王に報告しています。今年8月には世界少年野球でブータンから5人の少年少女を初めて日本に招待しました。ブータンに初めて野球が伝わったということになるでしょうか。続けて、若手公務員が9月に本県で地方自治研修をやっております。
そういうきっかけがありますから、29日には、トブゲイ首相や経済担当、教育担当大臣との会談を予定しています。ブータンでは、若い世代同士の交流、あるいは伝統的な産業である繊維、漆器と福井県の産業でどんな交流や応援、連携ができるかなどについても調べてきたいと思います。
~質疑~
【記者】
北陸新幹線の工期短縮について、今回、与党から来年夏という1つの期限を区切ってスキーム見直しの要請もありましたが、一方で、国土交通省をはじめ、国のほうは急ぐ理由がないということも取材に答えていて、東京と福井の温度差を非常に感じるのですが、次期スキームの見直しの時期は、大体どのぐらいまでにはしてほしいという思いがあるのですか。
【知事】
急ぐ理由がないという話は、そういう言葉ではあまり聞いてはいません。急ぐにはどうやったら急げるのかということを考えておられるのだと思います。いずれにしても、我々から、異例ですけれども、短縮案を提起し、それをもとに議論が始まりましたから、さらにそういうことをベースに、国会議員の主なるお仕事になりますから、よく相談をしながらやる必要があります。あわせて、与党とともに、国交省や内閣など政府、双方への働きかけを強めていきたいと思います。
東京オリンピックや国土強靱化、第3の矢などいろいろ言っていますが、やはり大都市で何かが起こってこれが地方に自然に少しずつ来るということだけではなくて、交通体系の整備など、地方の基本的な、影響力のある投資を強めないと日本全体の再生もないでしょうし、最近は、東京や大阪での地震がどうだとかいろんなことを言っていますけれども、そういうことを考えますと、急ぐ理由が極めて高いと考えるべきと思います。
これは、実際に進めなければなりませんし、新幹線が日本中にあるのだったら多くの力になりますが、場所が割合限られていますので、この発言力をできるだけ大きくしたいと思っています。
【記者】
夏ということを自民党と国のほうで言っているのですが、時期的には夏ということでよろしいのですか。その夏の捉え方で、またこのスキームの見直しが次年度に延びていくという可能性もあると思うのですが。
【知事】
今の段階ではまだ何とも言えません。
【記者】
年縞について、教科書をつくる出版社などに働きかけをしていきたいというお話でしたけれども、教科書に掲載されるということは大きな意味を持つかと思うのですが、年縞をどう活かすかという構想や、具体的に今の段階で動きとしてあるものがあれば教えてください。
【知事】
年縞の具体化については、観光的なものをどうするか、あるいは現場でどんな装置をつくったり、案内をしたらいいのかなど、新年度予算のことになりますので、これからになります。
それから、全国の子供たちは関心があると思います。教科書への掲載などについては、研究者ともいろいろ議論していますと、まず、年縞が孤立してあそこにあるということなのではなくて、環太平洋の南米や中米、あるいは、昔、アジアからずっとベーリング海峡を渡って北米に渡った先祖があるわけですが、そういういろんな文明があります。一方、東アジアについては日本、韓国、中国、それから、東南アジアずっと共通した文化で、これらのいろんな文化、歴史の関係と遺跡の年代を測定することがこれから学問の問題として極めて重要だそうです。その1つの大きな物差しですから、そういう役割の中で研究、あるいは手段として役立つような方向、そして、教科書も従来の四大文明ではなくて、中米などにある文明もそれに劣らず重要な文明だという見解を持っておられるようですから、教科書をまず直して、その上で新しいことを入れていくという大きな流れも教科書の中にはあるのではないかと思います。単に年縞が三方五湖にあるのだというだけの話ではなくて、かなりスケールの大きい話で、教科書などの直し方というのはあるように思います。
【記者】
年縞を追求していくことで、今の歴史が変わる可能性を含んでいる重要なものだという…。
【知事】
そうです。今から1万年前ぐらいまでの地球の気候変動は、主に年輪で測定できます。それ以前は、グリーンランドの氷で測定をしていたのですが、あれは海中の炭素ガスによる誤差がありますけれども、年縞は陸上のものが堆積していて、全く海の影響を受けないので、非常に厳密に7万年から5万年ぐらいまで測定ができるという特色があります。
ですから、古代、あるいはそれ以降の古い文明、それから気候変動、そういうものにまず役立つということを子供たちにも知ってほしいし、教科書も変えていく必要があると思います。
【記者】
政府予算案の自衛隊の嶺南への配備について、ヘリポートを含めた検討となっているようですが、現時点で、県として、どのような形の展開が望ましいというものがありましたら、教えてください。
【知事】
ヘリポートについては、どういう場所が有効かという場所の調査ですね。原子力発電所がありますから、一定の近さ、遠さというのがあります。あまり近くてもいけないし、あまり遠くてもいけないという、遠近のいろんな調査をした上で、どういう場所がいいか、その場所にはどんな装備が要るか、他の施設との関係をどうするか、これは我々の期待ですが、将来、部隊などをどう配備できるかということだと思います。
その際には、全国の自衛隊のいろんな配備の動き、再編と絡めながらやっていくのが合理的だと思います。そういう動きも出始めており、国際情勢が変わってきましたので、そういう配備なども直していかなければいけないでしょう。そういう中で考えていく。最初すぐやらなければいけないのはヘリの基地だろうということです。
【記者】
県都デザインの関係で、知事の見解として、御座所に関しては、やはり望ましいとお考えなのか。福井市がちょっと難色を示しているようですが。
【知事】
あまりいいとか難色という話ではなくて、よく調べて、どういうものがあの場所にいいかということだと思います。ですから、もう少し議論した上で、方向性が出るといいと思います。かつ、養浩館があって、県庁、中央公園、それから柴田神社、あるいは幸橋、足羽川、足羽山というラインが何となくあるわけですから、その辺をどうやってうまくご覧いただいたり、また、住んでいる人たちが意識できるかという筋を立てるにはどうしたらいいかということだと思います。
【記者】
よく調べてということになると、もう1回、中央公園の詳細な調査をしたほうがいいということですか。
【知事】
そういうことはありますが、徐々にわかったことからいいものをつくっていくというやり方ももちろんあると思いますので、御座所の跡があるとかないとかいう短絡した話ではないと思います。これだけのものでこういうものをつくるという考えもあるでしょうし。御座所がいいのかどうかというのももちろんありますし。もっといいものがあれば、つくっていくと。限定することはないと思います。
【記者】
敦賀原発の破砕帯について、規制委員会の有識者調査団が、1月中下旬にも再び現地調査をするということになりましたが、その決定についてどういうふうに受け止められていますか。
【知事】
この7月に、事業者が追加報告書を出していたと思います。それから半年ぐらいかかってしまっています。再審査に入るまでに時間がかかり過ぎているわけですから、日程とか目的を明確にして、幅広い有識者による適切な判断が大事だと思います。
それで、1月に入って現地調査を行うということですが、11月に事務方がお見えになったと思いますけれども、前からこの規制委員会の地質関係についてはいろいろ申し上げていますが、過去にこのことを判断した人たちも参加をして、何がどうなのだという議論をやらないと、十分な深まった議論にならないのではないかと思うのです。ぜひそうしてほしいと思います。そうでないと、相変わらず何かよくわからないということで時間が過ぎると、これは非常にまずいですから、そういうやり方はやめてほしいと思っています。
【記者】
その審査会合の場に、過去に審査に携わった人も一緒に同席して…。
【知事】
その構成員の組み合わせということが大事かなと思うのです。基本的には、これも前から言っていますが、地質関係についてはより独立した組織でいろんな議論をしないと、十分、こういう議論に間に合わないのではないかなと思っております。
【記者】
昨日、東京都の猪瀬知事が辞任しましたが、今回の一連の騒動についてご所見はありますか。また、直接、猪瀬さんとお話しされたことはありますか。
【知事】
一度ほど、どこかでお会いしましたような。お話ししたことはあると思います。
【記者】
この選挙と金を巡る問題についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
具体的に東京都の詳しいことはよくわかりませんが、もうお辞めになられましたから、東京の問題として議論してほしいと思います。ただ、オリンピックなどに影響があってはいけません。日本の大事なイベントですから、しっかりした体制で進めてほしいと思います。
【記者】
舞鶴若狭自動車道について、昨日、笙の川高架橋の閉合式がありましたが、具体的な完全開業のスケジュール等に関して、何か耳に入っていることはあるのでしょうか。
【知事】
今のところは、まだありません。直接事業主体ではないものですから。ただ、今回閉合した笙の川の高架橋が一番クリティカルな場所というか、ポイントであるとは聞いています。あそこがいつまでにうまくできるかと。
【記者】
夏前、海水浴シーズン前までという認識ですか。
【知事】
我々は深く期待しております。
【記者】
大きく動くというような感触は。
【知事】
年明けになると何かあるのかもしれませんが、今のところまだありません。十分接触をよくして、いつ頃かということによって、我々の観光などいろんな対策も変わりますので、早いに越したことはありません。
【記者】
今日の会見の冒頭で、今年は県政の重要政策がかなりのところまで方向づけられたというお話がありましたが、来年はそれを踏まえてどんな位置づけにしていらっしゃるか、もしくはどんな年にしたいという…。
【知事】
来年の話は来年に。
【記者】
その中でも一言でもいただけると、「なお、来年は」ということが言えるので、お願いします。
【知事】
明日も知れないところがありますから、どうですかね。ある程度、種をまいて、かなりのところまで進みましたから、それをぜひとも完成させ、仕上がっていくものができるだけ多いようにしていきたいと思っています。新幹線などの話もありましたが、これは来年の大事なことだと思いますし、一例として。
【記者】
来年度予算は、おそらく政策的な予算としては最後の予算になるかと思いますが、改めて、知事はどのような思いで予算編成に臨むのか。具体的な話は年明けになるかもしれませんが、お正月の期間は、いろいろお考えになる期間かとも思いますが、どのようなお気持ちで臨むのかお聞かせいただきたい。
【知事】
今回、国の予算も出ましたが、財政的に長期収支見通しというのを今年の3月につくっています。それを念頭に置きながら、いろんな事業が集中する時期だと思いますから、できるだけ平準化を図って、財政を健全に運営しながら、具体的な予算を編成するということになると思います。
マニフェストの4年間の目標達成が重要ですから、一つ一つチェックしながらやりたいと思いますし、また、北陸だけを考えても、地域間競争の問題がありますので、遅れをとらないようにいろんなことをやっていきたいと思います。
それから、そういうことに関わりなく、教育や子育てなどについては、福井県は北陸のみならず全国的に優れた水準に到達していますから、これをいかに活かしていくか。あるいは国体の準備などいろんなことがあると、今のところ思っています。
【記者】
任期最後の年になるわけですが、そういう意味では、どのような年に位置づけたいとお考えですか。
【知事】
そこまではちょっと。ずっと物事は継続していますから、あまり区切ることはできないと思います。
【記者】
無駄が指摘されている原子力のPR施設に関して、敦賀市街地にある原子力機構の旧アクアトムの活用策や方向性に関する結論が長引いていますが、県としてのお考えがあったらお聞かせください。
【杉本副知事】
文部科学省からも、アクアトムの取り扱いについて、もともと事業仕分けの中で議論されて、廃止の方向もありということで検討してきたけれども、今のところ、なかなか使い道が見つかっていないというお話を、私は昨日、職員もつい最近聞いたというお話です。聞いていますと、今ある施設を、今あるまま使う方法をいろいろ考えているようですけれども、せっかくの施設ですので、別の用途に使うとか、もっと地元で活かせるような方法があるのかないのかということを、県も入って検討させていただきたいということでお話もしていますし、文科省としても、地元で使い道があるのであれば十分協力したいというお話ですので、そこはもう少し継続して話し合いをしていきたいと思っています。
【記者】
解体に向かう話になるのかどうか。
【杉本副知事】
何も見つからなければ解体するというのは向こうのご判断ですので、いい方向があるかどうかを、我々は直接、当事者ではありませんけれども、せっかくの施設ですので、使い道があれば、地元としていろいろと我々も中に入って話をしていくということはあるのかなと思っております。
── 了 ──
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