知事記者会見の概要(平成26年1月6日(月))

最終更新日 2014年1月7日ページID 025545

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平成26年1月6日(月曜日)
10:00~10:45
県庁 特別会議室

 
知事会見写真(1月)
 

 

【知事】

 新年おめでとうございます。昨年は皆様方に大変お世話になりました。本年もよろしくお願いします。

 年末には大雪の予報が出て、何かと心配して対応しましたが、幸い豪雪ということではありませんし、比較的穏やかな正月ということで、皆様方にはいろんなお仕事もあったと思いますが、少しお休みになれたのかなという印象を持っています。

 年末にも申し上げましたが、昨年はいろいろ種をまいて準備をし、その成果も上がっていますので、新年はこれを具体的に日の目を見せるといいますか、完成する年にしたいと思います。先ほど県の幹部職員に申し上げましたが、輝かそう福井のさまざまといいましょうか、力、宝といいましょうか、こういうことを、大体の方向にしたいと思います。これを具体化すべきだと思います。

 

 特に高速交通ネットワークについては、新年においては舞鶴若狭自動車道の全線開通という問題があります。昨年12月24日、一番クリティカルといいましょうか、問題となる部分の笙の川の高架橋がつながりましたので、これによって、できれば夏までに開通という方向性が出るのではないかと期待しています。まだ具体的にそういう情報があるわけではありませんが、年内に大体できたから新年の早い時期に開通が可能になるように、中日本高速道路株式会社とも互いに連携しながら最終的な仕上げをやりたいと思います。

 

 2つ目は、中部縦貫自動車道ですが、中部縦貫道と北陸自動車道が接続し、若狭から奥越までが一本につながります。また数年しますと完全に大野までつながるということになります。したがって、こうした嶺南・嶺北の一体化の中で、いかに県内での相互交流、子どもから大人、高齢者、いろんな団体、あらゆる事柄について県内全体に互いの一体感が醸成され、それがまた産業にも影響するというふうにしていきたいと思います。夏からはいろんなイベントも展開しますので、そういう観点で行いたいと思います。

 

 3つ目は、北陸新幹線の金沢開業です。新年度末には北陸まで新幹線が来ます。引き続き、恐竜あるいは食などを磨き上げてレベルアップを図りたいと思います。首都圏あるいは新幹線沿線だけでなく、具体的には恐竜を小松空港に、観光案内所を金沢駅に置くなど、直接物を押し出していく努力をしてまいりたいと思います。新幹線は金沢までだから福井は関係ないとか、福井には人が来ないのではないかというような発想ではなくて、新幹線はまさに福井のほうへ向かって来るわけですので、そういう状況を積極的に捉えて、福井の情報も十分発信し、受け入れ準備などもしっかり進めていきたいと思っています。

 もちろん、昨年、与党PTが政府に要請した敦賀までの早期開業の計画見直しについては、一日も早い開業に向けて要望の実現に努めてまいります。

 一方で、名古屋あるいは大阪までのリニアの話題もあります。最近は、アメリカでもリニアをつくる、あるいは日本が応援するなどという情報もありますが、我が日本の一番大事な日本海側、そして、東と西、南と北といいましょうか、全体の国土軸の形成がそういうものに比べて優先的でないものでは決してないと思っており、さらに積極的に働きかけてまいりたいと思います。

 また、こういう状況ですので、福井県内のそれぞれの市や町がみずからの力で、または、まち同士が連携して、まちづくりや観光、ブランド力の発揮など、文字どおり自分たちのまちを輝かそうという動きが、最近、報道されている状況を見ますと、いろいろなことが積極的に進められてきているように感じますし、自治体のみならず、そこに住んでいる人たちが活発に活動をし、また、それが目に見える形になっているような印象を私自身受けています。このようなことは、我々行政だけでやれることではありませんし、そういう方々に頑張っていただくことが、また我々行政としての仕事の励みにもなります。このような動きを一層強めてほしいと思いますし、また、我々が応援できることは応援したいと、こんな印象をお正月に、テレビ、新聞等のニュースを見て感じたところです。

 そういう意味で、それぞれのまちのプロジェクトを進めていただくと同時に、特に県都の福井市は市町の中でいわばお兄さんの立場にあるわけであり、牽引をしていただくことが必要です。福井市については、特に金沢市、富山市との関係では、北陸3県は、全国から見てよく似たところもありますが、やはり福井市としては、幕末あるいは戦国時代等の情報は非常に優れていますので、この春までに足羽川の幸橋南詰めに由利公正像を移設するほか、足羽川の船着き場の整備、また、幕末の歴史を楽しめる散策エリアなどの整備を福井市と協力しながら進めてまいりたいと思います。また、先ほど申し上げたように、本県のトップブランドである恐竜などの造形物を、福井市と相談しながら福井駅西口等に設置するということも進めていきたいと思います。

 

 それから、嶺南・嶺北の一体化とも関連しますし、TPPなどとも深く影響があるわけですが、これから地方独自でさまざまなことをしなければなりません。その中で、やはり農業、水産業が重要です。特に農業については、園芸生産の拡大というのが重要だと思います。昨年には、高浜町で通年型の園芸ハウスを整備し、ミディトマト(越のルビー)の出荷が行われていますが、これをモデルに、周年型の大規模ハウスで栽培品目の多様化を図り、日本海側の気候を克服した園芸生産の拡大に努めてまいりたいと思っています。

 

 いずれにしても、今年は、高速交通体系の整備、あるいは、人材等の面では、子どもたちの学力・体力、女性の力、高齢者の元気、あるいは東京での出店、アジアへの展開など、いろいろな問題について発展をさせる大事な年だと思いますので、皆さんのいろんなご指摘もいただきながら、積極的に進めてまいりたいと思います。

 

 後ろに並べてあるのは、12月26日に国の伝統的工芸品に指定された、越前市などで製造されている「越前箪笥」です。県内では、越前焼が昭和61年に指定をされましたので、28年ぶりに7品目めということになります。越前漆器が昭和50年、越前和紙が51年、若狭めのう細工が同じく51年、若狭塗が53年、それから、越前打刃物が54年、越前焼が61年と指定されていますので、7点目ということになります。

 伝統的工芸品については、地域に集中してさまざまな工芸品が生産されている全国的に珍しい地域ですので、先ほど総合的にというお話を申し上げましたが、総合化をして、これから、和紙や家具、漆器、焼き物、打刃物、そして和食など、生活と深く関わる文化にも影響するものですので、そういう総合化を図った仕事をしてもらいたいと思います。

 

 それから、これは健康に関わりますが、「陽子線がん治療センター」で新しい治療室の運用を開始するということです。

 陽子線がん治療センターについては、平成23年にオープンをして、実績を重ねております。今年度は、既に12月末で155人の治療を進めており、前年度を上回っている状況です。そういう状況の中で、新たに3つ目の治療室の運用を3月15日から開始し、より多くの利用者の受け入れをしたいと思います。

 ただ増えるだけではなくて、今回、2つの新しい治療システムを導入します。1つは、CTと連動して、より正確に照射位置を決めるシステムをつくります。CTで撮影した画像を解析し、その情報を直ちに治療する照射の機器につなげていくということです。

 さらに、もう1つのシステムは、治療することについて、それぞれ、幅、奥行きを薄い層にして順番にやっていくということで、患部以外の余分なところを傷つけないということです。それが最初の位置決めのシステムと結びついて、この場所についても照射、専門用語では積層原体照射システムということになります。例えば、舌がんとか咽頭がんなど、頭部あるいは頸部については、神経やさまざまな臓器が集中しているネックの部分ですので、できるだけ余分な線量が当たって副作用がないようにということです。前立腺などについても、他の臓器の影響が非常に多い部分ですので、より正確で、局部的な治療ができるようにということです。

 

 3点目は恐竜です。恐竜については、4月から昨年末までの恐竜博物館の入館者が60万410人、前年度比32%増となっており、60万人を突破しました。これから1月から3月まで、天候条件にも左右されますが、できるだけ多くの人に見ていただくことにより、70万人を目指したいと思います。1月から3月までの入場者が例年より15%ぐらい増えますと、70万人になるという計算になります。入場者が多いだけが値打ちではありませんが、できるだけ多くの人に見ていただくようにしたいと思います。

 また、今年は野外恐竜博物館の整備に取り組んでおり、夏のオープンを目指して、今、工事が進んでいます。子どもたちが現場に行く移動手段とか、子どもたちの発掘体験などのガイド、こういうものがうまくできるように進めていきたいと思います。そして、新年は、奥越地域全体で自然体験を楽しめるような「恐竜キッズランド構想」のより本格化を目指す予定です。

 

 恐竜に関連にして、かねてより恐竜に関連する産業、これはそんなに裾野が広いものではありませんし、数は限られていますが、誘致を進めており、今回、恐竜化石のレプリカを製作する会社の県内誘致が決まりました。これは、現在、京都府亀岡市で経営をしている株式会社モノという会社が、県内に工場進出し、3月上旬に操業する予定です。これはすぐに工場を建てるということではなくて、まず、工業技術センター内にいろんな機械などがありますので、実証化棟の中でそういうものを使いながら、3人を雇用する予定です。ものとしてはまだ小さいですが、できるだけ大きいものに育っていくように努力していきたいと思います。観光と連携した事業展開などで、貢献を願いたいと思います。これからも地域資源を活かした企業誘致に努めてまいります。

 

 なお、年末からお正月にかけまして、タイ国とブータン王国を訪問したので、その内容について、ご報告します。

 ブータンには、ブータン政府からの招待を受けて、杉本池田町長と経済界の代表者とともに訪問しました。滞在中は、ワンチュク国王陛下にも拝謁することができ、国王ご夫妻は、ご結婚直後の23年11月に訪日をされておりますが、約2年ぶりにお会いすることができたわけです。

 ブータンが進める国民総幸福量(GNH)を参考にしながら、本県独自の希望学などの状況も申し上げました。また、昨年夏の世界少年野球、あるいは昨年秋のブータンの地方で勤務されている11人の若手公務員の研修などの様子も申し上げました。国王は、これからさらに子どもたち、あるいは公務員、企業と交流をすることが大切だと述べられ、いつか機会があれば福井にも行ってみたいというお話をされました。

 また、トブゲイ首相、経済大臣、教育大臣、それから地方自治局長などとも会談し、いろんな意見交換をしました。国の状況もかなり違いますし、相互の関心事についても、より具体的に確認をしなければなりませんが、両方の人口というのは、ブータンは国ですが、人口70万ですし、福井県は自治体ですが、人口80万です。ともに、幸せあるいは希望というようなことについて深い関心を持っています。ここ数年来、いろんな交流も進めておりますので、いろんなことで具体的なことができると思いますので、さらによく相談をして、新年以降、その具体化を図ってまいりたいと思います。

 

 それから、県立大学恐竜学研究所とタイの国立大学附属研究機関との協定締結を行っております。首都バンコクから4時間ぐらい高速道路を車で行ったところに、「コラート化石博物館」というのがあります。これまで6年来、毎年、福井県の恐竜博物館の研究者が発掘に協力をし、その成果の展示会などでやっているわけですが、今回、正式に協定を結び、研究員の相互訪問や共同発掘をやって、アジアでの恐竜研究の拠点として双方が発展する話をしてきたところです。

 コラート化石博物館には、植物の化石である珪化木、象化石、そして、恐竜化石の博物館がありますが、博物館を見たところ、恐竜についてはあまりまだ発達をしていない感じですので、お互いに協力しながらこの問題に取り組めるだろうと思っています。

 また、コラート化石博物館は、どちらかというと、展示を楽しんでもらう傾向が感じられましたし、恐竜学研究所は研究的な傾向がありますから、お互いに結びついて長短相伸ばせるのではないかと思いました。

 

 それから、タイの経済情勢について、日本からは多くの企業も出ていますので、タイへの進出企業と意見交換をし、タイ工業省の産業振興局部長あるいは在タイ日本国大使館、ジェトロ、タイの日本人商工会議所、タイ政府の政策顧問などともお話をしました。現在、福井県としては上海と香港に事務所を設置していますが、タイなどにおける県としてのあり方を、どんなふうにするかというのは新年度の予算で考えていきたいと思います。他の県でもいろいろ事務所は出ていますので、どんなやり方が一番効果的なのか、十分、予算と組織の中で検討していきたいと思います。

 以上で私からのご報告を終わります。

 

~質疑~

 

【記者】

 北陸新幹線について、政府は夏までに工期のスキームの見直しを検討することになっていますが、知事としては夏までお待ちになるのか、それとも早めるようにもっと働きかけていくか、この点はどうでしょうか。

 

【知事】

 基本的にはできるだけご相談をして、早く、そして頻繁にPTなどの会議をしないと、話が煮詰まらなくて表面的になりますので、いろんな方にいろんなことを申し上げて、できるだけ早く、事業の前倒しはもとより、相談の前倒しを早くしたいという決意です。

 

【記者】

 タイでの企業支援のあり方について、新年度予算でどんなやり方があるか考えていきたいということですが、これは、具体的に事務所設置ということを前向きに考えたいということでしょうか。

 

【知事】

 まだちょっと検討をしないと、どんなふうにしたらいいかわからない。

 

【記者】

 1つ選択肢の中には入ると。

 

【知事】

 そういうことはあると思いますが、そういうこともしたほうがいいのかどうかというのは検討しないといけないと思います。

 

【記者】

 ブータン訪問のテレビ番組の中で、オリンピックのアーチェリーなどのキャンプ地の誘致などのお話もされていましたが、何か具体的にお考えがあれば…。

 

【知事】

 アーチェリーは、ブータンの首府ティンプーの空き地というのか、広場でそういう遊びというか、競技をやっておられる姿を2回ほど見ましたので、首相にもお話をしました。国情が違いますので、選手を2020年に果たしてうまく出せるのかどうかという問題はありますが、もしキャンプということがあるのであれば、福井などはいいと思っていますので、可能であればそういうことをしたいと思います。これもまたちょっと時間がかかりますから。

 

【記者】

 舞鶴若狭自動車道の開通時期の見通しについて、イベントなどの準備もあると思いますが、いつごろまでに中日本高速道路に公表してほしいというイメージはありますか。

 

【知事】

 今のところは夏休みに入ったときには利用できるように強くお願いしている状況です。できるだけ早く利用できるようにしてほしいと。

 

【記者】

 嶺南と嶺北の一体化というお話ですが、具体的にどのようなことをお考えですか。

 

【知事】

 嶺南と嶺北の互いの行き来が、意外とそれほどないのではないか、特に嶺北の人は嶺南にそれほど行っていないのではないかと思うのです。ですから、我々の予算とか行事、これは行政だけではありませんが、そういうものを組むときに、これを機に、嶺南・嶺北という言葉は使いますが、互いに何度も行ったことがあるとか、よくわかるとか、そういうふうになるように仕組んでいきたいと思います。報道の方も嶺南にはあまり行ってないということはあるかもしれませんが、便利になりますから、以前よりも早く行けますので、そういう工夫をしていきたいと思います。

 

【記者】

 関西電力の高浜原発3・4号機、大飯原発3・4号機が審査に入っていて、今年中には知事の判断が求められるという可能性もあるのですが、どういう方針で臨まれるのか。また、日本原電の敦賀原発がまだ破砕帯の問題を抱えており、先月は事務方が再調査に来ましたけれども、依然として不透明な先行きですが、その敦賀原発についてどう対応されるのか、お伺いします。

 

【知事】

 これは年末にも、また、これまでもいろんな機会に申し上げておりますが、体制あるいはメンバーもしっかり整えて、遅滞なくという言葉になりましょうか。もちろん安全のことは考えないといけませんが、何となく物事が動いていないとか、判断の日程なり基準等がはっきりしないので、時間を経過するということがないようにしてほしいと思います。

 これは一般的な仕事の仕方としても考えなければならないことですし、そういう状態が続きますと、立地地域として、今、停止はしているのだとは思いますが、原発そのものの安全に深く関わりますし、原発運営のモラルにも関わるということですので、しっかりした仕事ぶりをしてほしいと思います。そうしたことを進めていただく中で、福井県としてそれに対して判断をするということになると思います。もちろん、規制委員会が決めたことだけで物事が全て決まるわけではないわけですので、福井県としてさまざまなことを申し上げるときには申し上げないといけないと思っています。ただ、前段階の事柄がちょっと遅いというのか、日程がよくわからないということですので、不透明な状況は避けるべきだと思います。

 

【記者】

 「もんじゅ」については、これまでも頻繁に事故やトラブルが起きてきたわけですが、組織改革さえすれば、核燃料サイクル政策の中核として、高速増殖炉の実用化も可能だと考えていらっしゃるのかどうか、現状の認識についてお尋ねできればと思います。

 

【知事】

 「もんじゅ」は、まず、組織改革をしっかりしなければなりませんし、まだ十分でないと思います。これは、実際の「もんじゅ」の運営と研究との総合化とか、あるいは政治的なしっかりしたコントロールとか、こういうものについて、先般、文部科学省の審議官がお見えになったときにも副知事からも厳しく言っております。それを進めなければなりません。

 それから、そういうことのみならず、「もんじゅ」の基本的ないろんなミッション、ウラン資源の有効利用、それから放射性廃棄物の低減・低毒化を図る、これは国際協力のもとに国際的な連携が要るでしょうが、このことについてのはっきりした政府の姿勢とその実行の見通し、こういうものをはっきりすることが、「もんじゅ」のまた安全に、深くモラルに影響するわけですので、その両方、さらなる推進をぜひともすべきだと思っております。

 

【記者】

 使用済み燃料の問題について、核燃料サイクルを、実際のところ、長年にわたってまだ実現できていないという現状を踏まえて、一部では、使用済み燃料を全量再処分するという方向ではなくて、直接処分するという方向も検討すべきではないかという意見もあるのですが、改めて、知事の見解として、使用済み燃料の直接処分に対してどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせ願えますか。

 

【知事】

 使用済み燃料については、今、いろんな研究も進んでおりますし、最終的な委員会がまだ終わっておりませんので、そうした中で議論をしてまいりたいと思います。

 ただ、我々としては、使用済み燃料の中間貯蔵についてぜひとも、県外にこれを、分担と協力の中で県外での広い選択肢を持って立地を検討するということを強く申している状況であるということです。

 これはまた、同時に、先ほど「もんじゅ」の話がありましたが、使用済み燃料を直接処分するのか、あるいは核燃料サイクルを行って処分をするのかという、その方向づけにも影響するわけです。30年あるいは50年という期間の話になりますので、それを強力に方向づけをしないと、そして、それを国民の皆さんにわかってもらえないと、どっちの処分だと言っても話が表面的で上滑りになりますので、そのことを強く申しているという状況です。

 

【記者】

 年末に報道された、IAEAとの覚書の条項の中に秘密の保持に関する条項があったということについて、改めて、この条項を盛り込んだ理由と、その取材時点では特に秘密条項に指定された情報はないということだったのですが、改めて、それはないかどうか。それから、もし指定する可能性があるとするならば、どういったことが想定されるのか教えてください。

 

【知事】

 この覚書については、できるだけ知識とか情報を広く普及させようということで、広めたいという願いの事業ですので。ただ、知的財産を保護する、あるいはプライバシーとかいろんなこともあるかもしれません。あるいは逆に、広めるがゆえにあるのかと思いますが、そういうときに、国際的なこういう機関ですから、念のために当事者が注意すべき事項を書いたものかと理解します。特定秘密条項というような性質とは全然違うと理解しておりますし、そんなことに関心のある約束事では全くありません。そんなふうに思っております。

 

【記者】

 新年度は任期の仕上げの年度に当たりますが、改めて、今年、福井県政の抱える最も重視すべき課題は何だと捉えて、それに対して予算編成以降、どのように具体的に対応されていくのか、そのお考えの一端をお示しいただきたい。総花的な話ではなくて、具体的にこういうことをやりたいというような話があればと思います。

 

【知事】

 今の段階であれ以上はちょっと言えませんが。

 

【記者】

 例えば、安倍政権は、今年も消費税増税という中で、外交問題はいろいろあるけれども、景気対策を最優先に掲げるという方針は変えないということを日本の政府は言っているわけですが、そういう中で、この福井県政は何に一番重点を置いて、どういう政策なり施策を打っていきたいとお考えなのか。

 

【知事】

 景気対策あるいは消費税への対応など具体的には、予算編成の中で行うものだと思います。先ほど申し上げた高速交通ネットワークの整備促進と、それに対する成果をいかに活かすかということですので、今日の段階でこれだけだとか、これとこれだというような状況ではないと思います。

 

【記者】

 原子力について、今年は3.11から丸3年を迎えますし、エネルギー基本計画の閣議決定も行われると思います。再稼働問題もまた出てくるかと思うのですが、原子力政策全体を俯瞰したときに、今年知事が政府に対して、どういう方向でやっていくべきか、何を求めていくかという全体の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会でも言いましたが、この問題の政府の姿勢ですね。姿勢がどれでなければならないという話の以前の問題として、はっきり、ある事柄について、体をしっかりその方向に向けて、体を張って、こうだということを示すべきでなければ、はんみというか、あいまいなことでは我々として困るわけです。原発の安全、また地元の皆さんの安全、あるいは県益に深く関わりますし、これは国際的にもいろんな評価の対象になりますので、しっかりした姿勢を示すべき。それを示して、これを国民に丁寧に、そして粘り強く話す。私は説得という言葉を使いましたが、説得という言葉でなくてもよろしいですけれども、そういったようなことをやるべきかと思うんです。

 

【記者】

 念のため確認ですが、原子力は基盤となる重要なベース電源であるという姿勢をはっきり、もう一度きちんと示すべき…。

 

【知事】

 そういう方向が出ましたので。ただ、それを具体的にもっと説明をしたり、政府がほんとうにこれを書いてあるというだけではなくて、閣議決定もして、積極的にこの問題に取り組むということかと思います。

 

【記者】

 大飯と高浜の3・4号機の安全審査が半年ぐらいかかるわけですが、まだ先が見えていないわけですけれども、その辺の…。

 

【知事】

 厳しく審査するのだったら、厳しく審査している様子と工程と考え方がわからないといけないですけれども、それがわからないから、厳しく審査しているのか、何か時間を経過しているのか、それをはっきりさせるべきだと思います。

 

【記者】

 先ほどおっしゃっていた「遅滞なくやるべきだ」というのは、敦賀だけではなくて、大飯・高浜も…。

 

【知事】

 全てにわたってそうだと思います。

 

【記者】

 確認ですが、規制委員会の判断が全てではなくて、県としても判断していくというのは、原子力安全専門委員会などにも諮りながら、県として安全性を確認していくということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

 安全その他あらゆることについて、県民の安全を守っているのが我々ですし、県民益にも関わりますので、そういうことです。

―― 了 ――

 

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