知事記者会見の概要(平成14年4月4日(木))

最終更新日 2008年3月11日ページID 004739

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平成14年4月4日(木)
11:00~11:45
県庁7階 特別会議室

   会見

 

○発表事項

 

(知事)

 

 平成14年度のスタートに当たり、重要な県政課題4点につきまして、私の考えを述べさせていただきます。

 

 まず、経済対策です。

 県政の最重要課題であります経済対策については、現在の経済情勢は大変厳しい状況が続いておりまして、一日も早く、景気が回復することが重要だと考えております。

 

 国におきましては、平成14年度予算を「改革断行予算」と位置づけ、平成13年6月に閣議決定した「経済財政構造改革に関する基本方針」に基づきまして、7分野で政策効果の著しい事業を重点的に推進することとしています。

 

 県におきましては、平成14年度当初予算、平成13年度2月補正予算において、県内の厳しい経済状況や雇用情勢等を踏まえ、平成13年度に引き続きまして、中小企業対策、雇用対策をはじめ、公共事業また少子・高齢化、環境およびIT等、県民生活に重点を置いた社会基盤の整備など、各種対策に積極的に取り組みまして、対前年比23.3%増の、事業規模911億円の経済対策を講ずることとしました。

 

 こうした年度を越えた切れ目のない経済対策を着実に実施することによりまして、県内における最終需要の喚起、および資金繰りの円滑化による中小企業の経営の安定、さらには雇用・就業機会の拡大などを図っていきたいと考えています。

 

 次に、緊急の課題であります京福越前線の存続問題ですが、2月定例県議会におきまして、1月22日の沿線市町村との合意を基に、平成14年度必要な運行再開工事にかかる予算を提案し、ご議論いただきましたが、福井市からの新たな提案や沿線市町村における予算措置状況等に対しまして、県議会から厳しいご意見をいただきました。

 

 京福越前線存続対策事業9億4600万円につきましては、「1月22日の沿線市町村長会議の合意事項のとおり、沿線市町村の体制を整え、予算特別委員会および厚生警察常任委員会と協議のうえ執行すること。なお、沿線市町村との調整の推移および京福電鉄との協議状況については、適宜、議会に報告すること」という附帯決議が付けられました。

 

 今後、県議会から示された枠組みを踏まえまして、1月22日の沿線市町村長会議における合意事項であります「投資的経費は、全額、県が負担し、開業・運営は、沿線市町村が責任を持って行う」という考え方を基本としまして、福井市をはじめとする沿線市町村と早急に意見調整を行い、一日も早い電車の運行再開を目指して、所要の準備を進めていきたいと考えています。

 

 このため、県としましては、4月1日に新鉄道会社支援室を設置し、また参与も配置して、第三セクター会社設立に向けて積極的に指導・助言を行っていきたいと考えていまして、7月には新会社が立ち上がることができるように、最大限の努力をしていきたいと考えています。

 

 3番目に、「環境立県 福井」の実現につきましては、「資源の循環」「環境関連産業の創造と振興」「地球環境の保全」「自然との共生」「環境意識の醸成」という5つの重点的・戦略的分野を中心にして、「循環」と「共生」を基調とする環境関連施策を総合的・計画的に推進してまいります。

 

 特に「ごみ減量化、リサイクル日本一」の達成に向けまして、市町村におけるごみ分別収集品目の拡大、さらには分別収集体制の統一化を積極的に支援するとともに、廃棄物の不法投棄の未然防止などの取り組みを強力に推進いたします。

 

 また、テクノポート福井において、リサイクル推進センターの整備に着手するため、基本構想をまず策定したいと考えています。そして、本県における各種のリサイクル施設の集積、廃棄物の適正な処分・処理のためのシステム構築に関する「資源循環拠点地域整備構想」を策定します。

 

 環境関連施策は、さまざまな行政分野にかかわりますので、庁内に副知事を議長とする環境立県推進会議を設置するなど、推進体制を充実強化しまして、よりいっそうの部局横断的な施策の計画、実施を進めてまいります。

 

 最後に、ワールドカップサッカーのキャンプですが、メキシコ代表チームの受入れをいよいよ1か月半後に控えまして、その準備も本格化してまいりました。先月、20日にはキャンプの応援を目的として結成されました「ふくいアミーゴクラブ」の会員募集を始めました。県民を挙げて、メキシコ代表チームを歓迎し、キャンプを成功させるためにも、このクラブへの参加をぜひお願いしたいと考えております。

 

 キャンプ期間中は、サッカー教室、地元チームとのチャレンジマッチなど、代表チームとの多彩な交流事業を実施する予定で、これらを通じて、県内サッカーの競技力の向上、青少年の健全育成を図っていきたいと考えておりますので、多くの県民の皆様方の参加をお願いしたいと思っております。

 

 ワールドカップサッカーキャンプ地に選ばれたことは、県民の皆様、お一人おひとりがこの大きな大会に参加するということであり、大変意義の深いものであると考えております。何よりも、もてなしの心を大切にして、県民とともにこのキャンプを実りあるものにし、ぜひともメキシコ代表チームに活躍していただきたいと思っております。

 

 このワールドカップサッカーキャンプ地の成功はもちろんですが、この機会にメキシコとの交流も盛んにしていくということで、今後、取り組みを進めていきたいと思っております。

 

 なお、本日の庁議におきまして、「福井県男女共同参画計画-ふくい男女共同参画プラン-」を決定いたしました。「福井県廃棄物処理計画」も今日の庁議で決定しております。それから、「恐竜街道構想」は3月に決定しまして、その報告が今日の庁議でございました。

 

私からは以上です。

 

 

 

 

○質疑応答

 

(広報広聴課長)

 

 それでは発表事項につきまして、ご質問をいただきたいと思います。

 

(記者)

 

 大きく3つの質問があります。

 1つは、原子力についてです。敦賀原発3、4号機増設計画についての2月県議会をどのように総括されているか。その総括等を踏まえて、総合資源エネルギー調査会に知事意見を提出する時期に来ているかどうか。それについてどう認識されているか。また、知事意見を出す場合に、近敦線をどのような形で盛りこむのか。

 もう1つは、プルサーマル関係で、MOX燃料の英国返還にアメリカが同意しましたが、今後、プルサーマル実施には県としてどのような対応をされていくか。

 続いて、京福電鉄の存続で、実際に福井市との調整や、負担割合についての沿線市町村との調整をどのように進めるのか。

 また、1年後の知事選ですが、ご自身の進退について、いつまでに明確にするお考えか。

以上、お願いします。

 

(知事)

 

 まず、敦賀発電所3、4号機増設計画についてですが、平成12年2月に「事前了解願い」を受けております。それ以来、県内の原子力発電所における安全対策および地域振興等の状況と課題、また軽水炉の事故等の評価を取りまとめるとともに、安全性の確保、住民の理解と同意、15基体制および地域振興等の議論を慎重に進めてまいりました。

 

 安全性の確保につきましては、敦賀3、4号機は、これまでの加圧水型軽水炉と同等以上の安全性・信頼性が確保できる基本設計であることを確認し、去年9月県議会に報告をしております。

 

 住民の理解と同意につきましては、今年2月22日に開催されました第1次公開ヒアリングにおきまして、意見陳述人が安全対策、地域振興と原子力防災対策などにつきましてさまざまな意見を述べ、事業者がわかりやすく説明するなど整然と行われております。

 

 15基体制につきましては、これまでの県議会での議論を踏まえまして、当面は15基でいくという考えでおりまして、仮に敦賀3、4号機の増設を認める場合には、敦賀1号機に対する事業者の考えを聞かなければならない。つまり、ふげんが廃炉になるので、事業者が敦賀1号機を廃止するつもりがなければ、15基体制が守れませんので、3、4号機を認めるわけにはいかないという点もあるわけで、事業者の敦賀1号機に対する考え方を聞きたいと思っております。

 

 それから、地域振興につきましては、特別措置法ができまして、それに基づく振興計画が内閣総理大臣によって決定されております。また電源三法交付金の増額も平成14年度の国の予算で認められています。さらに去年秋には、核燃料税の税率引上げが行われておりまして、そういったこれまでの国の取り組みは評価できると思っています。

 

 近畿自動車道敦賀線につきましては、第三者機関でこれから検討されるということです。その検討が大きな課題ですが、第三者機関が検討する時期は、平成14年あるいは14年度というようなことでかなり時間がかかります。

 

 知事意見を提出する時期については、おそらく総合資源エネルギー調査会から求められるのは平成14年中、あるいは平成14年度中といったような遅い段階ではないと考えられます。知事意見の提出時期との間に開きがありますが、仮に知事意見を提出するとしても、その後の知事としての権限を保留していく必要があるという考えも持っており、またあとでお話しいたしますが、そういうことを検討しております。

 

 3、4号機増設の判断にあたりましては、これまで国に要望してきました安全確保や、地域振興について実現したものとそうでないものを整理して、増設のためにはどのような地域振興等がぜひとも必要なのか、また国や事業者に対して、どのように要請していくかということを十分検討したいと考えています。

 

 今後、国の電源開発基本計画に組み入れることについて、総合資源エネルギー調査会から知事意見を求められることになる予定ですが、2月議会での議論および地元敦賀市の意見も踏まえて対応していきたいと思っています。

 

 2月県議会で、「6月県議会で、このような議論を再びすることはないのでしょうね」といったような発言もありました。そういったことを勘案しますと、6月県議会前には、総合資源エネルギー調査会から意見を求められるのではないかと。そうすると、我々はそれまでに、今、お話ししたようなことの検討を十分に進めていかなければならないと思っています。

 

 2番目に、関電のプルサーマル計画につきまして、MOX燃料のイギリスへの返還にアメリカが同意いたしましたが、今後、プルサーマル実施について、県としてどのようなことで対応していくかということです。

 

 関西電力の高浜発電所4号機に保管されているMOX燃料をイギリスへ返還することにつきまして、去る3月6日に経済産業省資源エネルギー庁から日米原子力協定に基づく、アメリカの同意が得られたという連絡がありました。県としましては、今回のアメリカ政府の承認により、返還輸送のための必要な事前手続きが概ね終了したことから、イギリスへの返還が速やかに実現するよう、引き続き、国、事業者に対して強く要請してまいりたいと考えています。

 

 高浜発電所3、4号機のプルサーマル計画の実施につきましては、今回のアメリカ政府の承認によりまして、返還輸送のための必要な事前の手続きが概ね終了したとはいえ、イギリスへの着実な返還がより具体化し、そのうえで、国や事業者の輸入MOX燃料に関する品質の保障体制が確立され、それに対する国民・県民の信頼が確保されることが必要ではないかと考えております。

 

 また、高浜発電所3、4号機のプルサーマル計画につきましては、県としてMOX燃料を使用することの安全性、またその必要性を慎重に確認し、平成11年6月に事前了解を行っておりまして、現在もその判断に変更はございません。今後とも、国や関西電力の取組みを十分確認するとともに、地元高浜町の意見、県議会での議論を踏まえ、慎重に対処してまいりたいと考えています。

 

 3番目は京福問題です。

 京福問題につきましては、福井市からの申し出につきまして、この中には利用促進を図るための新型車両の導入、あるいは運賃の適正化といったようなことで、今後、第三セクター会社によって検討していくものもあるわけです。これは積極的に検討を進めていきたいと考えております。

 

 問題は第三セクターへの県の主体的な参画、それから、県の沿線市町村として、福井市が運行の経費について一定の枠組みを持っていますが、こういった点がこれまでの県議会での議論や、昨年11月以降の4回におよぶ沿線市町村長会議、さらには今年1月の沿線市町村長との間で合意した内容と、基本的に相容れないわけです。

 

 これらについて、今後、福井市の理解を求めていかなければならないわけです。福井市と福井市議会から県に申し出をしておりますので、これについての県の考え方を事務的に福井市に示しております。福井市との間でこの件の調整を図る必要があるわけです。

 

 7月には第三セクター会社を立ち上げたい。先日からお話し申し上げておりますように、10月21日の廃線届が実際に効力を持って、廃線になってしまってから第三セクターが新たに事業の認可を得ることになりますと大変時間がかかりますので、今年10月21日までに、京福から直接事業譲渡を受けることを国に申請する、といった段階にぜひこぎつけていきたい。10月21日を若干延ばすことによって、その間に国としての認可もしてもらえるのではないか。そのためには、7月にぜひ第三セクター会社を立ち上げたいと考えており、福井市との調整、それから沿線市町村の負担割合の調整をぜひとも進めていきたいと思っています。私の考えでは、今月中くらいには、福井市との調整、沿線市町村の負担割合の調整を終えたいと思っています。

 

 4番目に、知事選につきまして、1年後に知事選挙を控え知事自身の進退問題、あるいはその表明の時期ですが、1年後ということでございまして現時点では山積する県政の課題に精力的に取り組むことに専念したいと思っております。

 進退の表明の時期ですが、これまでずっと中川知事のころから、12月県議会で表明していたのですが、前回は早い段階でいろいろな動きがありましたので、9月県議会で表明しました。今年の場合、まだ進退についての表明の時期は考えておりませんが、9月か12月までには自分の気持ちを整理していきたいと思っています。

 

(記者)

 

 プルサーマルについてですが、MOX燃料の件で、あれだけの騒ぎがありました。

 普通でしたら地元の議会や町当局、県当局、県議会に説明に訪れることが最終的に必要だと思いますが、あれだけの騒ぎになりましたので、もっと主体的に、事業者、特に今回は国が当事者なのですが、もっと広い意味で町民説明会、県民に直接触れるような説明会をするなど、その辺の具体的なイメージがございますか。

 

(知事)

 

 イギリスへ返還されて、その後、新しい燃料を製造する契約を結ぶことになるわけですが、先日のデータ不正があったわけですから、今後新たなMOX燃料の製造の契約をする際に、関西電力として、どのような品質保障体制をとるのかということを、契約する前に県と地元高浜町に説明をしてもらうということで、製造契約に入るときの関電の姿勢を我々はきちんと確認をしていきたいと思います。

 

(記者)

 

 敦賀3、4号機の知事意見の時期の話について、例えばタイムラグがあるので、増設の判断についてはもう少し先のことを見越してと、あとでお話をしますということでしたが、そのことについて具体的にもう少しお願いします。

 

(知事)

 

 おそらく6月県議会までには、総合資源エネルギー調査会から知事意見が求められるのではないかと考えていて、その際には、先程言いました安全性あるいは地域振興、地元の情勢等を総合的に慎重に判断していきたいと思っています。

 

 近敦線が第三者機関で検討されるということで、おそらく平成14年度中、早くても平成14年中はかかるのではないか。そこでタイムラグというか、時間的な差が出てまいりますので、仮に3、4号機増設に同意した場合に、近敦線の状況いかんによっては、検討していわば「待った」をかける必要も出てくるわけです。

 

 今検討しているのは、その際に、知事が持っている権限として、例えば自然公園法に基づく特別区域内の土地形状変更許可を、知事が与えるときにチェックできるのではないか。それから、公有埋立法に基づく公有水面の埋立の願いに対してもチェックできるのではないか。さらに、森林法に基づく保安林の指定解除も知事としてチェックできるのではないか。また、森林法に基づく林地開発の協議もあります。さらには国有財産法に基づく国有財産の用途の廃止。

 

 こういった知事が持っている権限がありますので、近敦線の状況によっては、仮に知事意見を出した後においても、こういう権限を留保することによってチェックできるのではないか。その点の検討を今、進めています。

 

(記者)

 

 それは知事意見に「そういったことはありえますよ」というような条件を付けてということですか。

 

(知事)

 

 知事意見は、本県では大飯3、4号が一番最後ですが、そのときにはそういう条件を付けていません。山口県の先日の知事意見のときにはそういう条件を付けました。

 ですから、山口県の知事意見を参考にしながら、「県としては同意しますが、こういうことでいわば権限を留保していきます」ということについて、今、検討しております。

 

(記者)

 

 わかりやすくいうと、「同意はするけれども、地域振興、近敦線の約束を反故にした場合には当然、止めます」ということですね。

 

(知事)

 

 そうです。同意する場合において、そうしたいということです。

 

(記者)

 

 今、権限の種類の中に出てこなかったのですが、将来的には、増設願いに対する事前了解もありますが、当然その中に含まれているのですね。

 

(知事)

 

 もちろんです。法律的なことで申し上げましたが、事前了解願いの件もおっしゃるとおりです。

 

(記者)

 

 事業者に、1号機について意見を聞くのはいつごろになりますか。

 

(知事)

 

 仮に6月県議会までに、資源エネルギー調査会から意見を聞かれるとすれば、それ以前ということになりますから、そろそろです。意見を聞きたいと思います。

 

(記者)

 

 京福の話ですが、福井市との調整、沿線市町村の負担割合の調整を終えたいということで、時間がないのですが、具体的にどんなスケジュールで考えておられますか。

 

(知事)

 

 今、事務的に福井市と、先日の申し出についての県の考え方、また、県の考え方に対する福井市の考え方のやり取りをしています。

 先程少し出ましたように、福井市は、福井市と福井市議会の連名で県に申し出をしていますので、福井市が県とのやり取りをもとにして市の議会との間でやってもらわないといけないので、それを進めてもらいたいと。その結果で、市長と会ってきちんと決めたいと思います。

 

(記者)

 

 あとは沿線市町村との負担割合になるので。

 

(知事)

 

 それも並行して、4月末までにやりたいと思っています。

 

(記者)

 

 もう一回、沿線市町村長会議を開くとかということは。

 

(知事)

 

 それは個別に沿線の市町村長と図りたいと思っていますが、最終的には、確認する意味でもう一回、全体の市町村長会議をやりたいと思っています。そのときには、福井市の考え方も市町村にお話しするというやり方をしたいと思っています。

 

(記者)

 

 関連ですが、事務連絡のレベルで、福井市と福井市議会の方には県の考え方をお伝えしている、あとは向こうの返答待ちということですが、基本的には1月22日の合意案に基づいて、よろしくお願いしますといった内容なのですか。それともある程度、福井市の案に譲歩するような。

 

(知事)

 

 福井市からの申し出の中には、県として受け入れられない点が大きくいうと2点あります。県が第三セクターに入ること、もう1つは、福井市が運行補助する場合に一定の枠を設けるということです。この2点は県としては受け入れられません。

 それから、それ以外の新型車両や田原町経由で入るといったような問題を今後どう詰めていくか。また、福井~福井口については、申入れでは路面電車では困るといっていたのですが、その辺に調整の余地があるかどうか。その辺をまず事務的にということで、その結果、また福井市長と最終的に会いたいということです。

 

(記者)

 

 話が変わりますが、先日、東京都の銀行税の判決が出て、全面敗訴といったかたちになりました。それに対するご感想をお願いします。

 新聞紙面で、判決理由を見ますと、現行の税法の枠組みの中では、銀行業界であろうがどこであろうが、外形標準的な課税が認められないような文章の組み方をされていると受け止めました。そういう点を含めてこの判決についてどのような見解をお持ちですか。

 

(知事)

 

 法律論ですから、裁判所のような見方も、東京都のような見方もあって、そこは見解が分かれるところだと思います。我々の受け止め方としては、やはり地方税法で全国統一した事業税の外形標準課税というものをきちんと法律で謳うべきではないかということです。閣議決定で平成15年度を目指していきたいという決定もされているので、特に経済界の理解も得ながらですね。

 

 外形標準課税の問題は、今、総務省が出している案の内容をご存じなくて反対されている向きもありますので、あの案について、こういう案ですよと。例えば雇用に影響するといわれていますが、あの案は給与を全面的に出しているわけではなく、所得を半分とか、給料のほかに外形標準としてとかという組み立てになっているので、そういう案についての理解を求めていかなければならないと思います。

 

 事業税の外形標準課税の導入は増税を目的としているものではなく、税の課税の仕方をああいう形でかける、その基本は、県に対してそれだけの受益を受けているところを、あのようなかたちで負担をしていただくということです。

 

 ですから、受益を受けているにもかかわらず、法人の所得がなければ課税されないというのはおかしいのではないかというところは、政府の税制調査会でも全く意見が一致しているわけで、そこを是正していこうと。そして、このような景気の変動の際にも、県の税収として一定は確保されるということで、増税を目的としているわけではないといった点を、経済界にもよく理解してもらう努力はすべきだと思います。

 

(記者)

 

 景気対策に関連する話ですが、国では経済財政諮問会議、政府税調で、税制改正の話が始まりました。問題になるのは内容とスピード、論議をどれだけスピーディーにやっていけるかということになると思います。景気対策として、内容とスピードの面で、特に政府の両機関に要望したいことはありますか。

 

(知事)

 

 税制面でのいわば優遇措置を講ずることによって、景気回復を早く図ることが大事だと思っております。税の立場からいうと、そういう特別措置をたくさん設けるのはいかがなものかという議論はもちろんあるのですが、それは景気回復のための一時的な処置ですから、ぜひ、そういうものを国が取り上げてもらいたいという気持ちを持っています。

 それから、やはり地方分権に関連して、国税の地方への委譲を具体的に検討をすべきであるということを、ぜひ要望していきたいと思います。

 

(記者)

 

 話がずれますが、敦賀までの北陸線の直流化のことで、いろいろな意見が出ていますが、知事として何かお考えになっていることはありますか。

 

(知事)

 

 滋賀県からそういう打診なり滋賀県の考え方の開陳がないので、今後の課題になるわけですが、基本的には路線の延長距離を基本に考える。そこにどういう要素を加味して考えるかということです。いきなり「半々です」と言われても、いかがなものかなと思いますし、今後の課題だと思います。

 

(記者)

 

 つまり、滋賀県からまだ打診がないと。

 

(知事)

 

 そうです。ありません。議会で発言されたのではないですか。

 

(記者)

 

 JRの案があまりにも唐突に出たので、経費の負担割合も絡みますし、地元の敦賀が少し疑心暗鬼になっているというか、逆に悪い方にとるというところもあるようですが。

 

(知事)

 

 もともと滋賀県がいわゆる琵琶湖環状線の計画を進めたいといってから、何十年にもなっておりますので、進めたいのですが、採算性からいうと課題があるというのでJR西日本は腰が重かったわけです。しかし、敦賀までの直流化と一体として整備すれば、採算面も改善されるのではないかということで、むしろJR西日本が一体的な進め方を考え出したと我々は理解しています。

 

 その中で、最初は滋賀県は「琵琶湖環状線ができてからでないと」と言ってましたから、敦賀市としてはよかったと思ったのだと思うのですが、時間が来ないうちに滋賀県知事が負担割合のことを言い出したものですから、敦賀市もそういう疑心暗鬼のようなところもあるのでしょう。

 

 我々の受け止め方としては、一体的に進めていくことは福井県にとっても非常にメリットがあります。滋賀県知事が言い出したことはこれからの課題ですから負担割合も事務協議して、一体的に進めれば直流化が早期に進むと思っておりまして、我々としては歓迎しています。

 

(記者)

 

 確認ですが、6月までには国から意見照会があるだろうということですが、何かポイント的なものを踏まえてのことですか。

 

(知事)

 

 いえ、2月の県議会で「6月の県議会でまたこういう議論をすることにはならないでしょうね」という発言があったわけです。ということは県議会としては、2月の議会でこの問題についての県議会としての考えはまとまったというか、知事部局にお話をしたというスタンスだと思うのです。

 それを踏まえて考えれば、仮にこの6月議会前に調査会から打診があった場合に、まだ議論の途中ですから、知事意見を申し上げられませんということにはならないのではないかということです。

 

(記者)

 

 6月までに、知事としては意見を表明する可能性があるというように受け取ってもいいわけですか。

 

(知事)

 

 2月の県議会のやり取りから見ると、6月までに仮に県知事意見を求められたとしても、「議会の意見もまだ聞いていませんし、意見もまだ申し上げられません」ということにはならないと思います。

 

(記者)

 

 それなりの回答を示したいということですね。

 

(知事)

 

 そうです。

 

(記者)

 

 3、4号機についての知事としての権限のことですが、やはり地域振興、特に近敦線を念頭に入れているということだと思いますが、1号機の扱いは、すぐに答えが出せるかどうかははっきりわからないと思うのですが、そういったものをきちんと出してもらった上でないと、やはりだめだということですか。

 

(知事)

 

 1号機については、知事意見を述べる前に日本原電に確認しますが、日本原電が1号機を廃止するつもりがないということになれば、県としては同意できないということになると思います。ですから、そこは確認したい。

 それから、知事意見の際に、15基体制でいくので、我々としては敦賀1号機が廃止されることを前提として考えていますといったようなことは言えると思うのです。

 また、地域振興については近敦線だけではありませんが、地域振興の今後の推移によっては、きちんと権限を留保していくといったことを書き添えることになると思います。

 

(記者)

 

 関係がありませんが、「もんじゅ」について県民投票をしてほしいという動きがあるのですが、それについて何かご感想はありますか。

 

(知事)

 

 今、3、4号機の検討を進めていまして、「もんじゅ」については今どうこうということにはなっていないのですが、やはりそういった動きについては注意深く見守っていきたいと思っています。

 

(記者)

 

 県民投票がなじむかなじまないかの話については、どうでしょうか。

 

(知事)

 

 基本的に県民投票にはなじまないという私の考えは変わっていません。そういう署名運動を進められて、行政にきた場合に、どう判断するかということになるのですが、現時点ではなじまないという考え方は変わっていません。

 

(記者)

 

 話題が変わりますが、今日、福井商業が勝ちましたら、明日行かれますか。

 

(知事)

 

 今日勝てば、明日はぜひ行きたいと思っています。職員は気がきかないので、明日はたくさん日程が入っていますが、それを私は平謝りに謝って、キャンセルをして行きたいと思っております。

 

以上

 

 

 

 

〈 総務部広報広聴課 編集 〉

 

 

 

 

 

 

 

 

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