知事記者会見の概要(平成26年4月24日(木))

最終更新日 2014年4月25日ページID 026618

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平成26年4月24日(木曜日)
10:30~11:55
県庁 特別会議室

 
知事記者会見写真(4月)
  

 

 

【知事】

 それでは、私から発表事項について申し上げます。

 6項目ありますが、初めは、警察本部と「『安全・安心ふくい』充実プラン」について申し上げます。

 昨年4月に県と県公安委員会、県警察本部が共同でつくりました「『安全・安心ふくい』充実プラン」の平成25年度の結果と、26年度の重点的な取組み事項について、野村県警本部長と一緒に発表します。

〔資料:「安全・安心ふくい」充実プラン中間報告〕

 この治安に関するプランは、平成15年に、全国初の試みとして県公安委員会、県警察と共同でつくり、それ以降、「治安回復」、「治安向上」、「実現」、「実感」ということで、現在、「充実」になっており、県民の皆さんとともに着実に治安対策を推進してきました。

 2年間の計画で、前半の昨年1年間の主な状況ですが、1点目は、「犯罪の起きにくい社会をつくる」ということで、これは県民の皆さんとともに、指導員の方たちもいらっしゃいますが、きめ細かく地域の現場で活動を続けていますし、最近のIT技術等いろいろありまして、インターネットなどの犯罪防止なども行っています。

 それから、「子どもや女性、高齢者を犯罪から守る」ということが2点目の大きな項目で、「子ども重点見守りデー」や巡回パトロールを実施し、また、通学路のLED防犯灯はこれまでに1,279基を整備しています。それから、高齢者を詐欺被害などから守るということについても、さまざまな相談会、教室などを行っています。

 3点目は、「交通事故から県民を守る」ということです。高齢者へのいろんな指導がある一方で、運転免許を自主返納し、それに代わって、「高齢者免許返納サポート制度」としてタクシー運賃の割引などの支援を受けています。25年度は641名の75歳以上の高齢者が免許返納しています。24年度が505名、23年度が311名で、徐々に増えています。

 

 こうしたことから、新年度のいろんな計画の策定に向けては、課題としてこういう意識をしています。25年度は刑法犯認知件数が5,285件でした。これは前年に比べて147件減って、11年連続の減少となりましたが、こうしたものをいかに継続するか。

 一方で、女性が被害となるストーカー・DV等の暴力的事案は増加傾向にあり、あるいは高齢者を狙った詐欺や架空請求等、被害件数は減少しているが、被害額が増加している、こういう課題に取り組まなければなりません。また、交通事故の死者数は57人と、24年の37名から大幅に増加し、特に高齢者が全体の6割だということです。

 

 こういう課題を踏まえて、26年度の取組みであります。

 県警察と我々行政の互いに役目もありますし、持ち味がありますので、県警察は予防・検挙。交通であれば指導・取締り等に重点を置き、基本に立ち返って行う。県は広報・啓発、指導などに努める。互いに重なるところ、協力しないといけない部分はありますが、役割を一回、原点に立ち返ってはっきりしながら、より犯罪防止や検挙等の成果を上げたいという考えで、この2年目に臨みたいと思います。

 

 まず、「犯罪の起きにくい社会づくり」ということです。

 犯罪が起きにくい社会づくりのため、夏休みを中心に警察、学校、補導員の関係機関による一斉補導を強化し、青少年の非行防止、犯罪被害の未然防止を図ります。また、インターネット上の有害情報や無料通話アプリなどの適正な利用方法を保護者に電子メールで配信し、青少年の非行や被害を防止します。

 「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」事柄については、「子ども重点見守りデー」を県下200小学校区で実施し、また、「地区別防犯活動連絡会」を県下全75中学校区で設置します。また、見守り活動を行う事業者や車両をさらに増やし、民間企業による見守り活動を充実させます。

 また、高齢者を狙った悪質商法など、手口が複雑化していますので、自治会役員などが、直接、高齢者宅に出向いて注意喚起を行い、被害の未然防止対策を強化します。

 交通事故の問題ですが、これは前年に比べて増えているという話を申し上げましたが、民間企業と連携した交通安全活動を実行する必要があります。そこで、この活動を積極的に実践していただく「交通安全実践事業所」を新たに5月から800社募集します。これからは「実践事業所」と協力しながら、従業員、社員に対する安全教育を徹底するほか、従業員から高齢者のご家族に対して、身近な立場から免許返納や反射材の着用をご家庭で議論していただくということで進めたいと思います。

 それから、何と言ってもスピードを出し過ぎるというのがあらゆる事故の原因ですし、過酷な事故にもつながるわけですので、新しく「実践事業所」の参加を得て、交通関係団体とともに街頭啓発活動を実施します。

 また、高齢者の交通事故防止活動としては、高齢者が集まる診療所など医療機関などにおいても免許返納を呼びかけ、また、民間企業による免許返納者への支援充実を促進し、免許を返納しやすい環境を整備します。

 また、高齢運転者を対象に、年齢による反射神経の衰えなどを自覚する安全運転教室を実施します。

 こうした課題にいろいろ細やかに対応しながら「安全・安心ふくい」の充実を図っていきます。いずれにしても、一方で捜査や検挙などしっかりした警察行政を進めながら、一方で啓発、指導、さまざまなガイダンスを並行してやりながら、福井県の治安を進めたいと思います。

 

【県警本部長】

 それでは、私から県警察の取組みについてご説明申し上げます。

 今、知事からもお話がありましたとおり、昨年、平成25年の刑法犯認知件数は、平成15年以降11年連続して減少させることができました。また、殺人や強盗などの重要犯罪の検挙率も全国上位を維持しており、県内の治安は、数字の上では、一定の改善が見られます。この間、県民の皆様を始め、県や市町など関係機関・団体各位には、県警察と一体となった取組みにご尽力をいただき、また、捜査活動へのご理解とご協力をいただきましたことを心から感謝申し上げます。

 一方、昨年は、子どもに対する声かけやつきまとい事案、女性に対するストーカー・DVなどの暴力的事案が増加し、また、高齢者を狙った振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺の被害も相当数発生し、その被害額も多額に上っています。

 さらに、交通事故の死者数についても、前年に比べて大幅に増加しており、依然として取り組むべき治安上の課題は多くあると認識しています。

 このため、県警察では、現下のこうした治安情勢を踏まえて、本年度においては、まず、「犯罪の起きにくい社会をつくる」対策として、具体的には、警察官によるパトロールなどの「見える・見せる活動」はもとより、県民の皆様一人ひとりが気軽に防犯活動に参加していただける「ワンアクション県民防犯運動」の拡大や、住宅を対象とする侵入犯罪の被害防止対策を推進し、充実プランに掲げた戦後最少の刑法犯認知件数、これは昭和52年と54年に記録している5,138件ですが、この数字以下を目指し、努力してまいります。

 次に、「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」対策として、子どもへの声かけなどの前兆事案に対し、先制・予防的な警告・検挙を徹底して、被害の未然防止と早期解決を図るほか、ストーカー・DV事案などの人身安全関連事案に対して迅速に対処するため、今年度、専門チームを設置し、相談や対処体制を強化するなど、被害者の安全確保を最優先とした対応を推進してまいります。

 さらに、「交通事故から県民を守る」対策として、白バイやパトカーの機動力を活かし、ドライバーへの注意喚起を効果的に行うとともに、交通事故に直結する交通違反の取締りを強化します。また、高齢者の交通事故を抑止するため、反射材の普及を一層促進するとともに、新たに導入する歩行環境シミュレータなどの資機材を活用した参加・体験型の出前講座を行うほか、高齢ドライバーに対しては、運転適性診断や実際の車を使った講習を行うなど、総合的な交通事故防止対策を推進します。

 このほか、振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺や暴力団などの組織犯罪の取締りの強化、テロおよび大規模災害への対処能力の向上など、県警察としては、今後とも県民の皆様や関係機関・団体と力を合わせて、「『安全・安心ふくい』充実プラン」を強力に推進することにより、治安のさらなる向上を図り、安全で安心して暮らせる社会を実現するため今後とも全力を尽くしてまいります。

 

~質疑~

 

【記者】

 2年間で、戦後最も少ない刑法犯認知件数や、重要犯罪検挙率100%、交通事故死者数35人以下など、かなり高い目標を掲げていますが、あと1年で目標が達成できるのかどうかお聞かせください。

 

【県警本部長】

 まず、刑法犯認知件数について、昨年5,285件ということで、その目標まであと147件を減らさなければなりませんが、一昨年から昨年にかけてもやはり147件減っていますので、去年と同じだけ減れば達成できるということで、何とか全力でこれは達成したいと考えています。

 それから、重要犯罪の検挙率100%は非常に厳しい目標ではありますが、やはり県民の皆さんが大変不安を感じる重要凶悪犯罪ですので、何としても全件必ず検挙するという目標を目指して、しっかりと頑張ってまいりたいと考えています。

 交通事故死者数35人以下という目標については、昨年は大幅に増えて57件と大変厳しい状況ですが、一昨年が37件でしたので、何とか全力で目標に近づけるように県民の皆様のご協力をいただきながら努力してまいりたいと考えています。

 

【記者】

 充実プランは昨年の4月からですが、刑法犯認知件数などのデータは、年度ではなくて通年のデータになるのでしょうか。

 

【県警本部長】

 統計的な数字に関しては全国的に暦年で統計をとっている関係で暦年ですが、政策に関しては年度ごとに記載しています。

 

 

【知事】

 それでは、2項目めの「政策合意について」です。

 このたび、26年度の「政策合意」を行いましたので、25年度の実施結果とともに公表します。

〔平成25年度「福井新々元気宣言」推進に係る政策合意の実施結果〕

〔「福井新々元気宣言」推進に係る平成26年度の「政策合意」〕

 政策合意は、私と各部局長との間で協議し、1年度間、実行すべき仕事を具体的な目標数値や成果を明確にし、県民にわかりやすく示すものであり、私が知事になってからずっとこうした手法を、全体の仕事の一部として採用しています。

 25年度の実施結果ですが、掲げた目標の達成率は昨年度を上回る90%となっています。「目標を上回って達成しました」というのと「目標を達成しました」という合計が全体の9割となります。24年度は85%でした。特に25年度については、いろんなことがありましたが、「福井の良さを発信する」ということについては、「SATOYAMA会議」の開催や、「恐竜博物館」、「こども歴史文化館」などで入館者が大幅に増加しています。また、「白川静漢字教育賞」の創設なども行っておりますし、医療福祉関係では「陽子線がん治療センター」の利用者数も県外者を中心に大きく伸びています。

 それから、「福井らしさを次の世代に承継する」ということで、特に里山里海湖の保全・活用に係る調査研究を行う「里山里海湖研究所」を開所したほか、100件を超える「ふくいの手仕事」の認定や国宝・重文・県指定文化財の新規指定などが伸びています。

 この他の個別分野では、産業関係では「企業立地数」の、目標26社だったのが、実績が30社ということで、前々年度実績に比べるとさらに2件増えています。

 「県産コシヒカリの特A評価の継続」などがあります。

 医療福祉関係の評価としては、「介護分野の就業者数」の増加があります。目標が9,300人でしたが、実績が9,575人となっています。

 環境関係では、「冬水田んぼの面積」の拡大です。目標が600haでしたが、612haでした。

 「おいしいふくい食べきり運動協力店」は、目標が900店でしたが、940店と目標を達成しています。

 

 目標を達成できなかった項目は、合計で18項目あります。達成できなかった理由は、例えば「超過勤務時間」ですと、昨年は台風18号などいろんなことがあって、目標は150時間だったのが180時間ぐらいになってしまったこともありますし、「地場産給食の食材利用率」や「コンベンション開催件数」も残念ながら目標を達成していません。また、制度変更に伴う「太陽光発電の設置件数」なども達成できていませんので、引き続き要因をよく分析し、新年度において目標に近づくように努力してまいります。

 

 さらに25年度は、チャレンジ目標を31項目設けていましたが、うち13項目において達成しました。達成率は42%です。前年度は45%でした。だんだんターゲットを高くしているので、なかなか大変なところもありますが、そういう状況です。より高い、また合理的な目標を設定して、職員の営業マインドの向上につなげていきたいと思います。

 チャレンジ目標を達成した主な項目としては、「恐竜博物館の入館者数」、「こども歴史文化館の来館者数」、「立地企業数」、あるいは「おいしいふくい食べきり運動の協力店」などが挙げられます。

 

 次に、26年度の政策合意項目ですが、今年は「新々元気宣言」の最終年であり、今年度1年間、県民とのお約束を達成し、さらにマニフェストにない新しい政策課題も毎年生じているわけですので、果敢にアタックをし、県民の暮らしを、この政策合意の方面からも強めていきたいと思います。

 特に今年度は、夏に予定の舞鶴若狭自動車道の全線開通、また、来年春の北陸新幹線金沢開業により、人やモノ、情報の流れが大きく変わります。そこで、恐竜ブランド、あるいは福井ふるさと和食文化の発信による誘客拡大、県都福井市のまちづくり、沿線市町のまちづくり、観光地のスケールアップ、そして、特に嶺南・嶺北の相互交流の拡大などを実行し、ふるさと福井のさらなる発展につなげてまいります。

 もちろん、この中には国体など、しっかり選手力を強化したり、施設を整備したり、いろんなことなどもありますし、新幹線の完成時期を短縮しなければならない、そのほか農業の問題などいろいろあります。項目としては書いてありますが、そういうものも数多くありますし、原子力のいろんな課題などもありますので、そういうものは数字で必ずしも表わせないものがあることをご理解願いたいと思います。

 

 26年度は、各部局長と219項目を合意しています。前年度は211項目でした。

 今年度の特徴は大きく2点あるかと思います。

 1つは、政策です。プロジェクトあるいは福井県のいろんな事業のレベルアップ、「政策のレベルアップ」ということになります。北陸新幹線の金沢開業など、マニフェストをつくった時点から局面も大きく前進したことについて、マニフェストに掲げた政策をレベルアップするとともに、マニフェストにない項目についても課題項目としています。

 主な政策課題、レベルアップ課題ですが、新幹線、舞若道に対応する戦略性を高めた宣伝、観光誘客が1つです。世界無形文化遺産の登録に寄与した和食文化――これはマニフェストにない新規項目です――や恐竜博物館など、超一流の資源を生かしたブランド戦略が2つ目です。それから、企業と農業が連携した収益の高い農業関連産業の創出。また、マニフェストにありませんが、里山里海湖研究所を拠点とした研究・教育・実践活動の本格展開や水月湖の年縞の活用などがあります。そして、「福井しあわせ元気国体」に向けた健康づくりなど県民運動の具体化など戦略課題。もちろん国体そのものは、戦略というよりも当然やらなくてはならないので、しっかりとやりたいと思います。

 

 2つ目の大きな特徴ですが、「仕事の進め方の改革」ということになります。

 今後ますます地域間競争、場所と場所との競争というのが極めて強くなると思っており、単に予算を執行するだけではなくて、全職員が主体となって企業や団体等に積極的に営業活動を行うことが大事です。

 営業活動といいましても、何かを売り込むということだけではなくて、福井県のことをきめ細かくいろんな分野の方に知っていただく、福井県に何がある、何の仕事をしている、何で頑張っているとか、県民のいろんな活動をわかってもらうということをしながら、逆にいろんな売込みもあわせて行うという発想をやりたいと思います。単にこれをしてくれとか、これを買ってくれとか、そういうことにとどまらない方法をとりたいと思いますし、イベントや何かの大会などがあったら、きめ細かく、東京、名古屋、大阪でも、あらゆるところに汗をかいて足を運ぶ。福井県の知名度が必ずしも高くないという評価ですので、これによって知名度を確実に上げていきたいと思います。

 なお、営業政策としては、ブランド営業の政策ということですが、企業や団体、メディア等に対する訪問回数を今の考え方から大幅に増やさなければならないと思います。

 それから、福井県のコシヒカリのキャラバンをしていきます。

 それから、今申し上げた「売り方改革」ですが、本県の暮らしの様子とか良さを伝えながら、県職員と事業者が一体となって、あらゆるネットワークを活用した草の根的な営業を実施しなければならないと思っています。

 

 それから、3年前に設定した4年間の数値目標を100指標つくっていますので、これをクリアしなければならないものがあります。まだしていないものがありますので、少しきつい面もありますが。4年間の数値目標については、目標を25年度時点で達成した項目と、達成しつつある項目が34、既にありますので、これらについては全て上方修正をまず行っています。

 

 それから、今年のチャレンジ目標については、さらに32項目を設定しました。前年度が31項目です。やや上回る項目を行っております。例えば「結婚相談員、縁結びさんによる成婚数」など、部としては産業労働部、観光営業部、農林水産部を中心に、一層高い目標を設定しているとお考えいただきたいと思います。

 詳しくは、午後、担当課長から改めてご説明させます。

 

 次に、3つ目ですが、「エネルギー成長戦略特区の提案」です。

〔資料:エネルギー成長戦略特区(国家戦略特区の提案)〕

 本日、国に対し、国家戦略特区として、「エネルギー成長戦略特区」の提案を行います。

 「エネルギー成長戦略特区」として最先端のLNG・水素エネルギーの活用都市の整備、それから、原子力などに関係しますし、また、さらに先の話になるかもしれませんが、廃炉技術など原子力の研究拠点の整備、それから、IAEAと連携した国際的な人材育成の拠点の形成の特区の提案をします。

 この提案の背景となる理由ですが、本県の優位性として、1つは、福井県は、関西、中京の大きな消費地に近接しており、LNGパイプラインについては、関西、中京から滋賀県の彦根までパイプラインがつながっていますし、日本海側におけるエネルギー供給・活用拠点として優位性を持っているわけです。昨年から「福井県LNGインフラ整備研究会」において、インフラ整備の可能性について協議を進めているところです。これは国際的ないろんなエネルギー、LNGの動きを考えますと、アフリカ、ロシアにアメリカなどのエネルギー事業の関係の中で、今この瞬間にこうしたことを早目にやることによって、こうした問題が可能かと思えます。

 2つ目は、今月11日に閣議決定された新しい「エネルギー基本計画」の中で、「高いレベルの原子力技術・人材の維持・発展」ということが示されていますが、「エネルギー研究開発拠点化計画」を福井県として進めており、「もんじゅ」における低減・低量化・低毒化研究など、世界をリードする研究が進められる必要がありますので、こうした特区を要請したいと思います。

 本県は、これまでも国のエネルギー政策に貢献してまいりましたが、特区の規制緩和などを通して、廃炉技術など研究拠点の整備やLNGインフラの早期事業化を図ることによって、エネルギー基本計画の具現化に貢献できるものと思います。これは、いろんな許認可の規制の緩和や企業や研究機関が立地した場合の税制の特例など、いろんなものをその中に加える必要があります。あわせて、経済産業省や文部科学省など、さまざまなプロジェクトがあり、あるいは、これからつくらなければならないものがあると思いますが、こういうものを特区という大きな枠組みの中で誘導、要請していくという役割に用いたいと思っています。

 この国家戦略特区については、先月28日に第1次の地区指定が行われていますが、エネルギー分野の特区はまだ存在しないので、今回、第2次の特区選定に向けて提案を行い、国に対し積極的に本県の提案選定を求めていきたいと思います。

 この点についても、今日午後、担当課長から改めて説明します。

 

 4点目は、「橘曙覧関係資料の収集」です。

 このたび、橘曙覧の関係の歌集5点を新たに発見したので、お知らせをします。

〔資料:歌集画像橘曙覧歌訳橘曙覧年譜文書館展示概要

 橘曙覧は1812年(文化9年)に福井城下で生まれた幕末福井の歌人、国学者です。52首の「独楽吟」が有名です。『歌よみに与ふる書』で知られる正岡子規は、「(鎌倉時代の)源実朝以降、歌人の名に値するものは橘曙覧ただ一人」だと書いています。明治期の歌壇にも大きな影響を与え、伝統の中に新しい近代の精神が歌の中に詠われているような印象を持つわけです。

 今ちょうどオバマ米大統領が来日していますが、平成6年(1994年)6月に天皇皇后両陛下が訪米された際の歓迎スピーチで、当時のビル・クリントン大統領が橘曙覧の「独楽吟」の1首を引用し、注目をされたというのはご承知かと思います。「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」という歌でした。

 今回発見された資料は、曙覧と深い関係がありました福井市二日市町の加藤家から文書館に寄贈される予定の古文書等を整理したところから見つかったものです。文書館と「橘曙覧記念文学館」が内容を調査し、専門家に鑑定を依頼した結果、これまで曙覧の歌が収録された最初の歌集は、曙覧没後に出版された「志濃夫廼舎歌集」で、1878年(明治10年)に発表されたもの。今回の発見により、生前の歌集もあったということがわかったわけです。

 発見された歌は全部で5首あり、曙覧が主宰していた「わらや」という社中が存在したことが確認できたとともに、曙覧の長男である井手今滋の歌を始め、種痘を全国に広めた笠原白翁などの歌もこの中にあるということです。

 これらの歌集には、曙覧が新春の自然、当時の政治について詠んだ歌が5首掲載されています。このうちの4首が『橘曙覧全歌集』(岩波文庫)に未掲載のものです。

 中でも、嘉永7年の初会で詠んだ「たぐひなき聖の御よの例には先君が代をいうべかりけり」という歌は、福井藩主の春嶽の治世の素晴らしさを歌ったのではないかという解釈のようです。

 鑑定をされた広島大学の久保田啓一教授は、幕末の福井県の歌壇の様子がよくわかるということで、高く評価をされています。

 『橘曙覧全歌集』を編纂した水島直文さんは亡くなられていますが、共同編集人である橋本政宣さんはお元気で、現在、鯖江市の舟津神社の宮司をしておられます。この橋本さんの4代前の橋本政貞という方が、嘉永6年8月の曙覧の歌会に出席したと書かれているということがわかり、橋本さんも大変喜んでいるということを聞いています。これによって、さらに橘曙覧への関心が高まり、あるいは研究が進むとおもしろいということになります。

 なお、世界的に著名な日本文学研究者であり、天皇皇后両陛下の訪米の際に歓迎スピーチに曙覧の歌を推薦されたドナルド・キーン博士からは、「橘曙覧の名は以前から有名ですが、在世時の刊行本は今まで知られていませんでしたので、この素晴らしい大発見は非常にうれしい出来事です」というコメントをいただいています。

 なお、今回寄贈された資料は、明日4月25日(金)から5月21日(水)まで、県文書館展示室において特別公開します。

また、27年2月の開館のふるさと文学館においても橘曙覧の紹介を行うことにしており、開館に向けたプレイベントの第1弾として、5月17日(土)に、鑑定をしていただいた久保田啓一教授による文学講座を県立図書館で開催する予定ですので、多くの人にご参加を願いたいと思います。

 

 5点目ですが、賃金・雇用の問題について申し上げます。

 本県経済は回復の兆しを見せていますが、本格的な軌道に乗せていくためには、景気の好転を企業収益につなげ、賃金上昇に結びつける必要があります。春闘の妥結状況(中間報告)によると、賃金引上げに関する妥結状況は、現段階の調べでは、組合員1人当たり月額5,164円上昇しているということです。これは昨年同期に比べて1,068円上回っていると聞いています。

 小規模・中小企業は依然として厳しい状況ですが、収益が増加した企業には賃金に還元していただき、それぞれ消費の拡大を通じて、さらに企業収益の増加に結びつけるという経済の好循環が実現することを期待しています。

 小規模・中小企業とも、成長戦略の効果が波及し、収益拡大を通した賃上げにつながるよう、県としても、国の経済対策や補正予算と連動しながら、公共事業による事業拡大、ファンド、雇用基金の活用による積極的な設備投資や従業員の処遇改善の支援など、県独自の政策を引き続き進めてまいりたいと思います。

 

 次に、6点目ですが、「IAEA主催国際会議への参加」についてです。

 来月、5月12日に、国際原子力機関(IAEA)が主催する国際会議で、私が講演をすることになったのでお知らせします。これは、昨年10月に福井県とIAEAが覚書を結んだことを受け、IAEA本部(オーストリア・ウィーン)で開かれる「原子力発電計画ための人材育成に係る国際会議」に招かれたもので、日本のエネルギー政策や原子力の人材育成において、福井県が果たしてきた役割、政策を紹介し、世界での本県の認知度を高めてまいりたいと思います。また、福井県の原子力安全政策についても知っていただく機会になればと思います。

 また、原子力の平和利用に貢献するため、本県とIAEAの協力関係の充実についても、天野事務局長といろいろ会談、協議をしたいと思います。

 これにあわせて、原子力レスキュー施設(ドイツ)、それから先端農業技術(オランダ)の見学・視察も予定しており、エネルギー研究開発拠点化計画の充実を図って、役に立ててまいりたいと思います。詳細な日程などについては、後ほど決まり次第、お知らせしますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 エネルギー成長戦略特区を、今日、国に提案されるということですが、今後の時間的な目処というか、いつ頃までにこういう形をとりたいとか、ここまで進めたいとか、時間軸のようなものを教えていただけますか。

 

【知事】

 それは、国のいろんな、他の特区の申請状況などとも関連しますし、申請した後、具体的にやりとりがいろいろ行われると思いますので、そうした状況の中で決まるのかなと思います。

 また、IAEAなどに、私が参りまして、そうしたことを受けながら、こういうところにまた盛り込むようなことも追加的にあるかもしれませんので、ちょっと今の段階で日程の様子はわからないけれども、まず申請しようということです。

 

【記者】

 県側として、ここぐらいまでにこうしたいという目標はどうでしょうか。

 

【知事】

 第1回は申請からどれぐらい時間かかっているのですか。

 

【政策推進課長】

 昨年9月にこういった申請がありまして、1次の認定は今年の3月末ということでした。

 

【知事】

 前回は大体半年ですか。

 

【記者】

 もっと先の話として、LNGの基地を整備するなど、大体いつ頃までに実現したいのかという、もっと大きな意味の時間的な目標を教えていただきたい。

 

【杉本副知事】

 この特区の制度としては5年ぐらいを目途にということですので、まずはその5年ぐらいでできること、それから、さらに拡大できるものはしていこうということです。1つの目処は5年でできるものも入れていくということになります。

 

【記者】

 県としても、今から5年後を目標とされている…。

 

【杉本副知事】

 1つの目標としている。ただ、5年で全部揃うわけではありませんので。

 

【記者】

 新潟県が同じようにLNG戦略を掲げているようですけれども、同じ日本海側ということで、ライバルのような形になると思いますが、新潟県との競争はどういうふうに考えていますか。

 

【知事】

 新潟県の中身をいろいろ見なければなりませんが、競争というよりも、福井県のこのLNGについては、阪神、中京、そしてミッシングリンクがあるわけです。基本的には日本海側と太平洋側です。ここを克服する必要があると思っていますし、原子力発電所が立地している福井県として、いろんなインフラが基盤的にありますので、そういうものをいかに活用するか。また、ロシアなどとの関係ということで、新潟とやや意味の違うところがあると思います。

 

【記者】

 エネルギー基本計画でも、原子力については可能な限り低減させていくという方針が出ていますが、県としても、緩やかに原発からLNGに軸足を移していくという話なのか、そこまでの話ではないのか、どうなのでしょう。

 

【知事】

 エネルギーの多元化と言っている、その一部だと思います。かつ、国においてもエネルギーのベストミックスについては、できるだけ早く決めていただかなければいけないわけですが、そういう中でこの議論が進むと思います。

 

【記者】

 政策合意について、知事の3期目の23年度から25年度まで、目標の達成率は上がっているように見受けられますが、知事はかねがね、26年度は3期目の最後の年で仕上げの年ということをおっしゃってきたと思います。改めて、26年度の仕上げといいますか、目標達成に向けての取組みと、意気込みを聞かせていただければと思います。

 

【知事】

 先ほど申し上げたように、常識的といいますか、客観的な事柄としては、目標を達成している、あるいはできるということだと思いますが、そういうことに満足しているわけにはいきませんので、もっと県内、また県外、東京、大阪、名古屋など、あるいは13県のふるさと知事ネットワークなどもありますけれども、出向いて、さまざまな団体、市町、県民の皆様の声を聞きながら、一緒になって政策を進めていく。マニフェストだけ数値を達成しても、民間の方々がマニフェストをつくっておられるというわけではない。いろいろ、皆さんが思っておられる、いろんな会社や団体の、こうやりたいというようなことがうまく全体に進んで、マニフェストが伸びて、みんな、だんだん良くなっているというような気持ちを持たないと、実質的によくできたというようなことにはならないと思いますから、そういうことを強力に進めたいと思います。

 県庁職員だけで頑張っても成果は出にくいですから、いろんな人と進めていくということを最終年度で強調したい、そういうふうな仕上げになるのかなと思っているところです。

 

【記者】

 今回の資料発見が、橘曙覧の今後の研究にとってどれぐらいの意味があるといいますか、インパクトがあるのでしょうか。また、どういう分野での研究が進む可能性があるのか、もしありましたら、お願いします。

 

【知事】

 橘曙覧は正岡子規が言っているように、もっと知られていい作家だと思います。ですから、今回のこうした歌の発見を契機に、もっとたくさんいろんな歌が県内にもあるかもしれませんし、そういうことを並行してやりながら、来年2月には「ふるさと文学館」も開館しますので、橘曙覧を大いに売り出していかなければいけないと思います。

 これから、小学校の国語教育で、百人一首をみんなで楽しく学ぶということをやろうとしていますので、そういうことにつなげていくと非常にいいのかなと思っています。

 「独楽吟」だけがよく歌われますけれども、ほかの歌も素晴らしいものが多いのです。ですから、今回の教育委員会の26年度の政策合意に書いてありますが、「先生たちが古典などを多く読み、児童生徒にその魅力を伝えながら、小学校では百人一首、中学校では古典あるいは漢文を取り入れた教育を進め、古くからの日本文化の良さをつなぐ教育の充実を図ります」ということで、百人一首は百人一首でいいのですが、やはり自分たちの県の先輩たちが、自分たちの地域や自然、人の生活を歌ったということをよく学ぶことが大事で、広い意味で道徳とか、それだけ言っていてもいけないわけで、こういうことをやっていきたいと思います。橘曙覧の歌などは、福井県の子どもなら幾つかはすっと出るようにしたいと思います。

 

【記者】

 エネルギー成長戦略特区を申請して目指すというところで、知事は福井の将来像をどう見てらっしゃるのか。これを実現することによって、福井の将来像をどう睨んでいらっしゃるのかを伺えれば。

 

【知事】

 エネルギー基本計画ができて、官房長官、文部科学大臣、経済産業大臣に申し上げましたが、国においても、もう少し腰を据えてこの問題に取り組んでいただかなければいけないわけですが、我々は我々として、こうした特区、あるいはエネルギー拠点化計画等々、こういう手段を講じて、両面でエネルギーのこれからの課題に挑戦するということが大事で、そういう役割を果たすべきだと思って、特区を申請しているということです、この事柄については。

 この中には、地元の大学でのいろんな研究などが進む必要もありますし、IAEAなどといろんな相談をして、関連する人材基盤を強化するということもこれからあり得ると思いますが、ここで一つひとつ、事柄として申し上げるだけではちょっとわかりにくいですから、特区という形で全体をパッケージでまとめて議論するほうが、我々としても仕事がしやすいですし、国もそういう我々の要請に応えやすいであろうし、福井県、あるいは全国の企業も参加しやすいであろうということです。

 

【記者】

 全国の中で、福井といえばエネルギーというような位置づけを持たせたいということでしょうか。

 

【知事】

 エネルギー問題については、これまでずっと安全で、さまざまな事故や事象も起こっていましたが、福井県あるいは市町村、いろんな人たちが力を合わせて、何十年、この問題に取り組んできて今日を迎え、また、福島のような事故をこの地では起こさせない、さらに新しい科学技術を駆使して3.11の問題を乗り越えたい、国際的な協力関係の中でこの問題に取り組みたいという、その方向の1つの手段ということになるのではないでしょうか。そのように思います。

 

【記者】

 特区について、第1弾で決められたというので、もう少し範囲を具体化されているというか、あんまりパッケージとして出しているものが見受けられませんが、パッケージでも認定はしてもらえると踏んで出されているという考え方でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

 まず、いろんなやりとりをして中身を決めていかないといけない分野が多いと思います。全国の特区のいろんな中身を見たら、福井県の特区は、事柄としては非常にクリアな分野を何となく姿形で何かやっているという形のものではありませんから、かなり力を入れてやらないといろんな成果は出ないと思っています。

 

【記者】

 雇用のことですが、例えば、安倍総理大臣のように中小企業の団体などに行って賃金アップを要請するという具体的なことは何か考えていますか。

 

【知事】

 現段階ではそういうことまで考えていません。

 

【記者】

 恐竜博物館についてお伺いしたいのですが、地方の公設博物館というのは、できてからどんどん入館者数が減っていくのが当たり前ですが、知事が5年前、てこ入れをされて、今回70万人という開館時を上回る記録更新をしたことは、大変異例であり、全国からも注目されていると思います。まず、70万人達成のご感想をお伺いして、2つ目に、特に去年から10万人増えたということで、何が一番要因として大きかったとお考えになっているか、3点目が、今後の展望というか期待、何万人ぐらいまでいきそうかということ、4つ目に、その実現に向けての課題、これが大事だという、この4点を教えていただきたい。

 

【知事】

 特に昨年はカマラサウルスの実物骨格化石の購入と数年かけた増設展示、また、首都圏などにおける恐竜展の開催、それぞれの恐竜の骨格もあちこち巡回的に展示をして、開館14年目で最高更新ということです。

 それから、福井県立大学の恐竜学研究所、あるいは科目の新設。ですから、楽しい分野と学問的な分野を連携してこれまでやってきました。絶えず新しいいろんな手段を次々加えながらやってきたというのが、来客を増やしている成功の要因かと思います。最近はゆるキャラとは多少違う恐竜キャラクターも加えながら進めたいと思いますが、これからどうやっていくかというのは、またさらにハードルが高くなってきましたから、今年はまず、「野外恐竜博物館」をオープンして次につなげたいと思いますし、これからは、「アジア恐竜協会」との情報交換、特にタイの「コラート化石博物館」との恐竜研究なども深めていく必要がありますそれから、東京、大阪、名古屋、あるいは全国各地にも福井県の恐竜を出張展示したり、いろんなことが必要だと思います。

 さらに課題は、「ダイノバレー渓谷」といったプロジェクトをいろいろ考え初めているのですが、奥越、永平寺町から勝山市、大野市、和泉村まで、地域全体を恐竜、あるいは既にある関係の町のいろんな子供たちの体験施設や文化関係の施設を一緒にして、子供たちが1週間なら1週間、いろんな勉強ができるような、そういうプロジェクトが次の方向かと思います。これは、かなり営業も必要ですし、子供たちや親御さんたちがそういうことができるいろんな施設の整備というものが合わせて必要ですので、これを行いたいと思います。

 一方で、産業として、昨年は恐竜のフィギュアをつくる会社が進出しましたが、ああいう恐竜に関わる産業の誘致、そして発展、それから勝山市などを中心とした地元のいろんな産業に、より効果を及ぼすということにつなげるということをやりたいということです。

 

【記者】

 エネルギー基本計画が出て、政府は規制委員会の審査に適合した原発については、再稼働を進めるという方針が出されて、その際には、政府としては立地県等への理解も求めていくとなっていますが、政府からそういう場面が来た場合に、福井県としてはどのように考え、対応されるつもりでしょうか。

 

【知事】

 これは、前提条件として安全審査が遅滞なく進められるということが大事だと思いますが、地元の福井県としては立地県、また、立地の市町もありますので、これまでの仕事の進め方に従って、その同意というものは必要だと思います。同意ですね、地元としての。これは、福井県で原子力安全専門委員会をつくっており、最近は他の自治体でもそういうのをつくり始めていますけれども、そこで安全性を十分確認、チェックをした上で、県議会、あるいは市町の意見を聞いて慎重に判断をするということになると思います。

 

【記者】

 原子力の再稼働に関連して、先ほど安全審査を遅滞なくとおっしゃいましたが、現在、申請がされている関西電力の大飯・高浜原発に関しては、基準地震動の想定で審査が長引いていて、見通しは不透明なように思いますが、その辺についての受け止めをお聞かせ願えればと思います。

 

【知事】

 これは、関西電力の責任においてより安全的に判断をし、対応をしようということかと思っていますが、規制委員会と電力事業者の間で十分なコミュニケーションをよく行った上で、何と何が要るのかとか、それについてどうやるんだという信頼関係に立った対応をしないと。これで十分なのかとか、また違うことがあるのかとか、そういうことを繰り返しやるようでは、我々として困ると思います。中途半端な状態で物事がいくということは、原子力プラントの安全そのものにも影響しますし、日本全体のいろんな課題にも応じられないということでありますので、そこは双方しっかりわきまえた上で対応してほしいと思っています。

 副知事にも遅滞なく効率的に行うべきだということで、規制委員会の森本次長にも21日に要請をしているわけで、迅速に的確にやってほしいと思っています。

 

【記者】

 エネルギー基本計画関連で、経済産業大臣に要請書を出されていますが、この中で、原発依存度を可能な限り低減ということで、立地地域は廃炉が現実の問題になる、国策に協力してきたので、国が特別立法で新産業創出、企業誘致を最大限支援してくださいということがありますけれども、この特別立法の具体的なイメージというか方向性を教えていただきたい。

 

【知事】

 今回のこうした問題については、福島については、直接、地震や津波、あるいは原子力の被害ということでさまざまな立法措置もあり、それ以外の国のプロジェクトや支援措置があるわけかと思いますが、福井県を代表するように、他の長年こうした原子力発電所の安全を支えてきた地域については、もう3年以上、そういう状態で、先がどうなるのか、そして安全はどうなるのか、地元の振興に活かすようなものがどうなっていくのかということが、非常に不透明で不安定な状況で、非常に一大問題だと思っておりますから、これは、通常のやり方でももちろんあるでしょうが、立法とかそういうことで、国においてこういう全国の立地地域の問題を明確に認識して問題に対処すべきかということであり、その1つの方法としてそういうことがあり得るだろうということです。

 もちろん、法律を使わなくてもっといいことができるのであれば、そのほうが早いかと思いますが、そういう意味で申し上げているということです。

 

【記者】

 電力事業者と規制委員会がコミュニケーションをとって信頼関係に立って、これで十分なのか、中途半端な状態で物事が行くと課題に応じられないとおっしゃったのは、規制側のほうの課題というのは、唐突に、かなりハードルの高い課題が次々出てくるようなことをおっしゃっているのでしょうか。

 

【知事】

 そういうこともあります。

 

【記者】

 今回ですと、地震の深さの話になっていますが、あれだともうしばらく数年は動かないのではないかという見方もありますけれども、そういうものを突然出してくるというのは、事業者側にとってもフェアではないという理解でいいのでしょうか。知事の受けとめをお聞きしたいと思います

 

【知事】

 まだ慣れていない部分もあるのかもしれませんが、それにしても、行政行為で言うと覊束行為というか、みずからの自律的な、自己、自分に課する行動というのが必要です。これはいつまでにこういうことをして、一般国民に向けてはあることを情報公開し、公示をし、ここを我々はこう考えているからこのことをいつまでにやっていただきたい、我々はそれに向けて何か月なら何か月でやると、そういう覊束性を持たなければならないのだけれども、それが弱いということだと思います。

 

【記者】

 大飯と高浜の審査の関連ですが、規制委員会の評価の仕方、より安全側に見るということについては、知事はどういう見方をされているのか。

 

【知事】

 先ほど申し上げたように、安全と言うのであれば、まず、自分が言う安全というのはどういう意味かというのをちゃんと国民に向けて言わないといけないということなのです。何となく安全という話をしていても、覊束性がないわけです。自分、自己が、安全と国民に向けて言う意味は何であるかということを言った上で、こうしてほしいとか、それをしないとしっかりとした行政はできないわけですから、そこを申し上げているわけです。単に民間同士で、ああだろう、こうだろうと、そういうことを言い合っているという話ではないのです、この話は。

 

【記者】

 先日の経済産業大臣への要請書の中で、「独自の産業・雇用対策を実施するための新たな交付金制度の創設」をお求めになられましたが、知事ご自身で今どういう対策が必要と思われているか、また、具体的にこういう交付金制度が必要ではないかというものをお持ちでしたらお伺いできますか。

 

【知事】

 今、交付金制度と言うと、本県で受けている電源三法交付金で4種類あります。ただ、こういう新しい事態に対応した交付金制度というのは、新しい事態が出たわけだから、必ずしもないわけです。それで、三大臣に要請するに先立って、嶺南全ての市町長からいろんなご意見や、現状、雇用、産業状況をお伺いしたところ、相当そういうご意見が出ていたので、それを踏まえて申し上げたということです。

 

【記者】

 具体的にこういう制度があるべきではないかというようなものはありますか。

 

【知事】

 これは、それぞれの官庁と具体的にまた議論をさせてもらわないといけないです。

 

【記者】

 舞鶴若狭自動車道の開通時期について、昨日、副知事が国土交通省に要請に行かれたときに、副大臣が7月中と明言されたことに対する知事の率直なご感想と、7月中ということになれば、もう時間もないわけですけれども、地元の準備や機運は十分だとお考えかどうかお伺いできますか。

 

【石塚副知事】

 これまで、いつかということにつきましては全く公的な発言がなかったわけです。これまで何回も県からも、早く示してほしいということでお話しさせていただきました。昨日は高木副大臣から、7月中にはできるだろう、具体の日についてはできるだけ早くするようさらに努力する、というご発言をいただきました。これは初めての公的な発言ですので、1つの前進かなと思っていますが、我々としては、やはり、一日も早くその具体の日を発表していただきたいということで、なおこれからも努力していただきたいし、我々も要請しますというお話を申し上げました。ぜひ早く決めてほしいと思っています。

 地元については、今まで具体の日が決まらないとなかなか機運が盛り上がらないというのもあったと思いますが、夏の海水浴シーズンや、7月には「海湖と歴史の若狭路キャンペーン」も行いますので、これに向けて盛り上げていきたい、また、盛り上がっていくものと思っています。

 

【知事】

 7月中の開通が明らかになったということですから、これに向けて、キャンペーンの印刷物をつくったり、あるいは行事をするなど、さまざまなことが準備可能になったわけですから、大きく前進したと思います。副大臣も直接のご担当で一生懸命やっておられますので、できるだけ早く公表していただくように、私からも直接要請もしましたので、期待しています。

── 了 ──

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