知事記者会見の概要(平成14年5月20日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 004737

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平成14年5月20日(月)
11:00~11:45
県庁 特別会議室
  会見

 

 

 

 

 

(知事)

 

 それでは、中国に行ってまいりましたので、その報告をさせていただきます。お手元に、12日から17日までの概要、写真、「中日友好の使者」称号、向こうの「浙江日報」、広東省の新聞「広州日報」等がありますが、概要をご説明させていただきます。

 

 5月12日から17日まで、中国の北京、浙江省および広東省を訪問いたしました。今回、北京の中日友好協会からの「中日友好の使者」の称号授与のため、本県との友好提携先であります浙江省政府からの招待によりまして、北京、浙江省、広東省を訪問いたしました。

 

 まず、授与式典は5月13日に中日友好協会において行われ、黄世明(こうせいめい)副会長から称号を授与されました。式典には、1993年に本県が浙江省と正式に友好提携を締結した際の浙江省長であった萬学遠(まんがくえん)国家専家局長に同席をしていただきました。そのほか、在北京日本国大使館公使、自治体国際化協会北京事務所、浙江省政府からの来賓の方々にもご同席いただきました。

 

 この称号は、中国日本友好協会が、中日間の友好関係促進に特に貢献のあった日本人に授与するものであり、私は自治体の長としては3人目ですが、県省間の交流・協力という地域レベルでの実績を評価されて授与されたのは、私が初めてと伺っております。このような栄えある称号を受けることができましたので、その感激を忘れることなく、さらに決意を新たにして、福井県と浙江省、また、日本と中国の友好関係促進に全力を挙げて取り組み、この栄誉に報いたいと考えております。

 

 そのほかの訪問等の概要ですが、5月12日には、財団法人自治体国際化協会北京事務所を訪問し、米田耕一郎所長と今後の日中の自治体間の友好交流のあり方について意見交換をいたしました。自治体国際化協会は、地域の国際化を推進するために地方自治体の共同組織として昭和63年に設立され、この北京事務所は平成9年12月に設置されております。地方自治体の海外における活動を支援しております。

 

 5月13日には、中国政府外交部部長助理の劉古昌(りゅうこしょう)氏を表敬し、今後とも地域レベルでの友好交流を通じて、日中間の友好関係促進のために努力していきたいということで、一層の協力と支援をお願いしました。

 

 5月14日には、浙江省杭州市に参りまして、柴松岳(さいしょうがく)省長とお会いし、今回の「中日友好の使者」称号の授与を報告するとともに、来年度は両県省の友好提携10周年にあたりますので、その記念事業を含む今後の友好交流促進について意見交換を行いました。先程申し上げましたが、現地の新聞にもこの会談が取り上げられています。

 

 5月15日には、福井・浙江友好会館「水仙楼」の管理・運営状況を視察し、一層の有効活用を浙江省側にお願いしました。「水仙楼」は、杭州市の西湖のほとりにあり、本県と浙江省が資金を出し合い、両県省の協力により平成8年にオープンしたもので、利用率も年々高まっており、平成13年には58%だったものが平成14年には65%に上がるものという説明でした。

 

 また、同日、沈祖倫(しんそりん) 浙江省人民対外友好協会会長と会談し、今後の民間レベルでの友好交流の一層の促進について意見交換を行いました。沈祖倫会長は、1990年に本県と浙江省が友好協力協定を締結した際の省長であり、これまで両県省の友好交流促進に努めてこられた方ですので、あらためて感謝申し上げるとともに、今後とも、文化、教育、学術等、あらゆる分野で連携を強化していくことで合意いたしております。

 

 5月16日には、広東省広州市を訪問し、2000年9月に、北京、上海、広東省が、団体旅行客に対する日本のビザ発給が認められています。そういうことから副省長の鐘啓権(しょうけいけん)氏とお会いし、同省から本県への観光客の訪問の促進について協力をお願いいたしました。本県の状況について詳しくお話し申し上げたところです。中国から日本への観光客の約8割が広東省から来ているという状況ですので、それも踏まえ、今後強力に観光客の誘客活動をしていきたいと思っております。

 

 その際、副省長や旅遊局局長などに対し、観光パンフレット等で本県の魅力をアピールし、また、現地のテレビや新聞といったマスコミにも取り上げていただきました。その際、ヒントとしていただきましたのは、広東省は香港に近いものですから、福井県の香港事務所を活用して観光客の誘客を図ったらいいのではないかというサジェスチョンもいただきましたので、そういう方向で取り組みをしていきたいと思っております。

 

 今回、中国日本友好協会、中国政府、自治体国際化協会北京事務所、浙江省、広東省の多くの方々と有意義な意見交換を行うことができましたので、この成果を踏まえ、「中日友好の使者」の一人として今後とも地域レベルでの交流促進に力を入れていきたいと考えております。

 

 発表事項は以上です。

 

 

 

 

○質疑応答

 

(広報広聴課長)

 

 ただいまの発表事項についてのご質問をお受けしたいと思います。

 

(記者)

 

 浙江省との友好提携が来年10周年ということですが、話の中で出たことでも結構ですし、今考えられていることでも結構なのですが、記念事業として具体的に検討されているようなことがあれば、ということが1点。

 2点目は、今、称号をいただいたご感想をお聞きかせいただいたのですが、期間中、中国と日本政府がかなりもめており今も続いていますが、その辺を踏まえてご感想があればお願いしたいと思います。

 

(知事)

 

 最初の来年度の10周年につきましては、これからの課題でして、今、どういう行事を進めていくかということについては具体的にまだございませんが、浙江省と十分協議する中で有意義な記念事業を行っていきたいと思っております。

 2番目の、瀋陽の日本領事館へ北朝鮮の住民と思われる方が入って来て、それを警察官が阻止した事件ですが、私が日本を出る前に起こった事件でして、私もそのことはよく承知をしておりますが、率直に言いまして、このことについて、日本側がきちっとした対応をしているにもかかわらず中国がそれに対して条約違反云々ということであれば強く抗議をするということもありえたわけですが、その当時の日本側の対応が必ずしも適切でなかったことは私自身も感じておりましたので、この問題に直接は触れませんでした。地域レベルの友好協力交流を進めることによって、日本と中国との間の国レベルの外交、あるいはフォーマルな折衝というものにいい影響が与えられるのではないかという点につきましては、私も外交部助理もまったく同じような考えであるといったことが意見交換の中で出ておりました。

 

(記者)

 

 日本側の対応が適切ではなかったと新聞等で報道されていますが、知事が一番気になったのは警備員が入ってきて、そのまま連れ去られほとんどなすがままという状態でしたが、そのあたりですね。

 

(知事)

 

 はい。

 

(記者)

 

 知事自身がどう思っておられるのか、知事のお言葉で、日本が必ずしも適切ではないというのは、知事はどの点とどの点を思っておられるのかを。

 

(知事)

 

 領事館の中に駆け込んできた住民5人を、中国の警察官に引き渡したという点です。領事館の中に入ってきているわけですから、その点。それから、領事館の中に警察官が入ることについて適切な措置がとられていたのかどうか、その点について私自身が疑問に思っています。

 

(記者)

 

 知事は、地域レベルの交流が国レベルの外交でもいい影響を与えていくだろうというように、向こうの方とも意見交換をされたということですが、まさにそのとおりだと思います。知事は訪中される前、5月10日に東京で11府県の知事さんが集まられて、連携しながら北東アジアと交流を深めていこうという共同宣言をされたわけですが、今後、地域レベルでの交流を継続をするにあたって、ご決意なり、お考えなりあればお聞かせください。

 

(知事)

 

 特にこれから環日本海といいますか、中国、韓国、ロシアもどんどん市場経済に移行すると考えられますので、そういった環日本海諸国との間の地域レベルの交流を盛んにしていく、このことがそれぞれの国との理解、協力を増進することになりますので、そういう環日本海交流を積極的に進めていきたいと思います。

 

(記者)

 

 広東でのお話ですが、福井県観光を呼び込まれてきたということですが、向こう側の福井の観光資源に対する手応えみたいなものがありましたら。

 

(知事)

 

 京都、大阪から福井が近いという説明と、いろいろな観光地、あるいは自然にも恵まれているという話。それから、おもてなしの心でぜひ歓迎したいといったような話をしました。地理的なことはよくご存じのようでしたので、大阪、京都のような一般的に向こうの観光客が訪れる場所と福井を一緒にしたエージェントの商品を作って、そして宣伝をしてくださいという意見が出まして、それを福井県の香港事務所を通じて、香港事務所と広東省の政府との間で進めたらいいのではないかといったような話をいただきました。

 

(記者)

 

 そういった話を踏まえて、今後、具体的に取り組まれることはありますか。

 

(知事)

 

 今考えておりますのは、向こうの大きなエージェントが数社あるようですから、そこと日本のエージェント、これは福井にもありますし、広くそれ以外のエージェントも考えてもいいと思いますが、そことの間でどういったプランができるのか協議をして、その結果で、香港事務所を通じて広東省の政府に働きかけるということを進めていきたいと思います。

 

 

 

 

 

(広報広聴課長)

 

 よろしいでしょうか。それでは、次に記者クラブからのご質問をお受けしたいと思います。幹事社からよろしくお願いします。

 

(幹事社)

 

 幹事社から、3点お願いします。

 1つ目は、日本原電敦賀3、4号機増設問題ですが、平沼大臣と会談されて、また再来県してもらうという話で進んできましたが、そのスケジュールは具体的にいつになるでしょうか。また、その意見を聞いたうえでの最終的な判断を明らかにされるのはいつになるのでしょうか。

 2つ目は、福島県が核燃料税について重量にも課税するということを決めましたが、それをどう評価されるのでしょうか。

 3つ目は、京福問題。4月30日までに首長会議を開きたいとおっしゃいましたが、5月20日の今現在でも開かれておりません。大幅にスケジュールが遅れていると思われますが、現状についての認識をお聞かせください。

 以上です。

 

(知事)

 

 まず最初の敦賀3、4号機増設問題についてお答えいたします。この増設計画については、これまで県議会での議論や第1次公開ヒアリングが行われましたので、その結果等を踏まえると、知事判断を行う時期にきているのではないかと考えています。そこで、国や事業者の取り組みを確認する必要があると思っています。

 さる4月13日、平沼経済産業大臣が来県された折にも増設計画についての協力要請を受けましたが、国の取り組みについてお聞きしたいので改めてご来県いただきたいということでお願いしました。大臣の来県日程については、国会審議の日程もあり現在調整しているところです。大臣の日程によりますが、大臣が来られる前に、日本原電の社長を呼んで事業者の考えを聞きたいと考えています。

 いずれにしても、6月定例県議会までには、国の電源開発基本計画に組み入れることについて、総合資源エネルギー調査会から知事意見を求められるものと考えられるため、国や事業者の取り組み、県議会での議論および地元敦賀市の意見を踏まえて対応していきたいと考えております。

 2番目に、福島県において新たな核燃料税の枠組みについての方針が明らかにされた点についてですが、福島県では内部の検討会で、核燃料税について核燃料の重量にも課税する方針を明らかにしています。

 本県では、財政需要を勘案して昨年11月に5か年の法定外普通税として核燃料税の税率を7%から10%に引き上げたところです。法律的に見ますと、5年間はこういう形でいくことになるわけです。したがって、次回の更新の際には、核燃料税の税率、重量にも課税するかどうかということも併せて検討していきたいと考えております。

 3番目の京福越前線存続問題ですが、1月の沿線市町村長会議において、投資的経費は県が負担し、運営については市町村が責任を持つという考え方で、越前本線ならびに三国芦原線を第3セクター方式により存続させていくことで合意しています。

 その後、福井市からの申し出もありましたが、福井市においても県の考え方を理解していただいています。今後、福井市との間で福井口と福井の在り方等について引き続き協議をしていきたいと考えております。

 市町村の負担割合について沿線の市町村と折衝を続けていますが、早急に新鉄道会社を立ち上げる必要があり、5月22日に沿線市町村長会議を開催したいと考えております。

 この会議で負担割合についての合意、新会社設立に向けての考え方をまとめていきたいと考えております。

 今後、会社設立に向けた民間からの出資や寄附金の募集、京福電鉄との資産譲渡の交渉、国への認可申請など数多くの課題があり、京福電鉄の10月21日の廃止予定日から考えますと非常に厳しいスケジュールですが、県としても、新会社を早く立ち上げ、沿線市町村と一体となって所要の準備を進めていきたいと思っております。

 7月上旬には立ち上げたいということで進めてきたわけですが、若干遅れますが7月中にはぜひ新会社を立ち上げたいと考えております。

 

(記者)

 

 核燃料税のことが出ましたが、全原協の方で使用済み核燃料に対して課税できないかということが統一の意見としてこの間出されて、鹿児島県の川内市を中心に検討しているようです。あくまでも市町村レベルなので県とは直接関係ないかもしれませんが、これを具体化すると、サイト内における使用済燃料の貯蔵量が増えたり、県と関わってくる問題も出てくると思うのですが、今のところ知事はどのようにお考えなのですか。

 

(知事)

 

 いまのところ敦賀市からは、全原協の動き等、その問題について具体的に我々の方にお話はありませんが、まずその推移を見るということが1つです。それから、その場合に、核燃料税と今の新しい税ですね。あれは核燃料の廃棄物ですか。

 

(記者)

 

 サイト内に貯蔵されている使用済み核燃料への課税です。

 

(知事)

 

 使用済燃料について、まず、二重課税にならないかという問題が一つあります。これは国、総務省が判断をされると思います。仮にそういう税がおこされた場合に、県内の使用済燃料をずっと貯蔵していくという動きになるのかといった点。これらについては、新しい税が成立する見通しがあれば、その段階で市町村に対して指導していきたいと思っています。我々自身は中間貯蔵施設を県外に設置して、地元の痛みを県外の方々にも分かってもらうという従来の考え方は変えていないということです。

 

(記者)

 

 昔から使用済燃料の話はありましたが、今おっしゃられたように中間貯蔵施設はフランスの方でやられているぐらいで、あとははっきりしていないところがありますので、そういう意見は今の状況では立地地域から強くなっていく可能性が高いと思います。そうしますと、中間貯蔵施設というところは、閣議決定のとおり作られているという姿を見せる必要があるのではないかと思いますが、このあたりは。

 

(知事)

 

 関西電力の方も十分検討していると思いますが、経過の説明までいかないという状況だと思っています。我々としては政府側の、確か2010年でしたか、あの考え方で、県外に中間貯蔵施設が建設されると思っておりますし、また、そういう方向で建設が進むように国あるいは関西電力に働きかけをしていきます。

 

(記者)

 

 もんじゅについてですが、一応一次審査は終了し、二次審査の方に移りました。正式には明日、県の専門委員会がありまして、そこでご説明を受けられると思いますが、経産省による一次審査を終えたところでの知事のご感想と、今後、時期的なものも含めてどう進んでいかれると知事自身お考えになっているのか、その2点についてお伺いします。

 

(知事)

 

 当面の課題としては、我々は敦賀3、4号機の増設についての対応をまずきちんとするということで、もんじゅについては安全の確認ということで、県自体が専門委員会を持って安全の確認をしております。先日も国に対して要望もしておりますから、そういうことで安全性の確認を進めていく。このことについてさらに徹底をしていきたいと思っております。

 もんじゅのこれからの問題については安全性の確認ということがまず大前提ですし、敦賀3、4号機の問題をきちんと方向付けをして、もんじゅの安全性の確認ができて、その後どうするかということですから、そういう過程の中で検討していくということで、現時点ではスケジュール的なものは持ち合わせていないということです。

 

(記者)

 

 京福の問題ですが、今度の22日にようやく市町村長会議ということですが、負担割合で一部異論があったとか、そのあたりの詰めだと思うのですが、大体22日で合意できそうというかしたいというか、その辺の見通しはどうなっていますか。

 

(知事)

 

 合意したいと思っておりますし、合意できるのではないかと期待しています。

 そして、新会社立ち上げに向けての方向付けも是非22日にはやりたい。それをもとにして、諸手続きに入りたいと思っています。

 

(記者)

 

 特に県としては、これまで県が提示している負担割合について、この間、見直しの作業はしていないわけですね。

 

(知事)

 

 そのことについては、明日、紙面に書かれるとまとまるものもまとまらなくなりますので、その点はご了解いただきたいと思います。

 

(記者)

 

 負担割合がもめていたせいでここまでずれこんできたのだろうと思いますが、その辺で市町村のやる気にクエスチョンマークがつかざるをえないのですが、きちんとした考えで意思統一してやっていかないと、たとえ新会社を作ってもあとで問題が起きるのではないか。これは県議会などでもそういう認識だろうと思いますが、その辺は知事は。

 

(知事)

 

 市町村のやる気が薄れているとか、あるいは市町村がこの問題で特に負担問題を云々するというのは、果してやる気があるのかというご懸念だと思いますが、我々の受け止め方は各市町村は前向きに取り組んでいる。ただ、それぞれの議会もありますし、今までの経緯もあります。というのは、予算を計上していますから、今県が示している額そのものを計上しているわけではありませんから、そういったこともあって負担割合についての見直しかできないかという意見はこちらへ出てきておりましたが、各市町村がやる気がないという具合には我々は受け止めていないわけで、22日にはそういう方向でまとまるようにしたいと思います。

 

(記者)

 

 代表質問から外れますが、今日の朝日新聞の一面に、鳥取県が議員と職員のやりとりを記録に残して公文書で公開すると出ていました。宮城県も昔からそういうことをやられていたのではないかと思います。こういった動きが一連の流れの中で出てきているわけですが、知事のこの辺のご感想は。

 

(知事)

 

 鳥取県の.....

 

(総務部長)

 

 鳥取県で、県議会議員から職員が要請とかさまざまな意見を受けたときに、記録に残して知事まで回覧するというものですが。

 

(知事)

 

 方向としてはそういう方向でいいと思います。県民を代表しておられる県会議員の方々の要望ですから、どういう要望があったか、県の政策の中で取り入れていますが、きちっとそういうものが知事のところに伝わる、そして、それをもとにして県の施策をどうすべきか、という意味できちっとした報告があるということは、方向性としてはそういうことだと思います。

 

(記者)

 

 鳥取の場合、その報告の中に要望があれば、公文書としても公開するというかたちでやられるという記事でしたが。

 

(知事)

 

 本県ではどういう形になるのか、総務部の方で検討してもらうことにします。

 

(記者)

 

 景気の方ですが、国でも底打ちという形で全体的には出てきています。地方はタイムラグがあると思うのですが、今、知事の景気に対するご認識は。

 

(知事)

 

 政府は底入れ宣言をしていますが、福井県の実態としてなかなか実感を伴わないというのが正直な気持ちです。今、おっしゃったような国全体の景気回復とそれぞれの地方でのタイムラグがありますから、政府が言っているような底入れが仮にされたとすれば、福井県の企業も上向きとなるよう期待しております。それから、我々は施策として経済対策というものを今後も続けていかなければならない。それから、雇用情勢も大変厳しいですから、この間はワークシェアリングについての第1回目をしましたが、第2回の会議もできるだけ早くやって方向付けをしようということで、景気の回復、雇用対策を進めていきたいと考えています。

 

(記者)

 

 全然話が変わりますが、今、国会の方で有事関連の3法案の審議がされていますが、自治体に協力義務があったり、それに従わないと代執行というものを盛り込んでいて、地方自治の観点から見るとどうかなというところもあるのですが、その点でどうお考えになるかというのが1点。

 それから、本県は原発を15基抱えていますから、そういう特性の中で有事関連3法案をどうご覧になっているのか。

 

(知事)

 

 まず、有事法制関連法案、これは国の外交、防衛の根幹に関わるものですので、この法案については審議、議論を国会によって十分にやっていただきたいと我々も強く希望しているわけです。

 その内容の中で、内閣総理大臣が地方公共団体等へ「指示権」を持つ、あるいは「直接執行権」を持つということが記載されていますが、このことについては地方公共団体の意向も是非踏まえてほしいし、また、今後の国会審議の中で十分議論されるべきであると思っています。

 福井県は原子力発電所を15基抱えているわけですが、この15基の原子力発電所と有事、どういうケースが考えられるのか想定して、この法律の是非、また、内閣総理大臣の「指示権」なり「直接執行権」というものについての議論を国会で十二分にしてもらいたいと考えています。

 

(記者)

 

 別の話で、メキシコWチームのキャンプなのですが、まもなく三国の方に入り、地元の方で受け入れ準備体制が進んでいますが、知事は地元の盛り上がりに対してどのように見られているのか。

 もう1つは、地元の宿泊などの予約が現在入っていない状況で、当初、県の見込みでは、1日2000人来て、5~8億の経済効果があると試算されていましたが、この試算というのは現段階でも変わらないのですか。

 

(知事)

 

 まず、広報PRですが、アミーゴクラブの入会状況は5月17日現在で21000口ということで、メキシココーナーも5月3日から6月30日まで福井駅ビルで開設しています。22日に県庁に表敬に来てもらう予定になっていますので、激励をするとともに、県としても最大限の受け入れ体制を進めていきたいと思います。

 応援イベントは、歓迎の横断幕、のぼり、メキシコ国旗設置、地元小学生による手作り作品、応援Tシャツ、メキシコ料理の講習会、ワールドカップ給食といったことで、地元を中心にいろいろなイベントが進められております。

 また、関連イベントとして、メキシコフェアinフェアモール福井が5月10日から26日まで。ラフェエル・ゲレロ展は県立美術館で、5月18日から6月2日まで。メキシカン・ミュージックフェスティバルはハーモニーホールふくいで5月31日に開かれます。

 そのほかに、おもてなしイベントとして三国町内の旅館、土産物店、水族館等において割引企画をするという企画も進められていまして、さらに盛り上がるように我々も積極的に働きかけをしていきたいと思っています。

 それから、見込み数については、現在のところ変えるつもりをしていませんので、その見込みが達成されるように努力していきたいということです。

 

(記者)

 

 当初、民間から予定していた8000万の資金の集まり具合はどうですか。

 

(知事)

 

 こういう経済情勢ですから厳しいですが、さらに努力していきたいということです。

 

(記者)

 

 初めの中国の話に戻りますが、たすきと言っていいのでしょうか、現物はそれですか。

 

(知事)

 

 これとこれです。これを見ていただければ。

 

(記者)

 

 テレビとしては、知事が持っておられた方が....(笑)

 

(知事)

 

 もう1回かけますか。中国の再現ですね。

 

(記者)

 

 最近になって、日本の外務省の動きというか、矛先が若干変わってきましたが、直後に行かれた12日ぐらいというのは、ちょうど日本の言い分と中国の言い分がかなり衝突していて、場合によっては外務大臣が中国へ行くべきだとか、かなり強硬な国会議員が集まって、橋本元首相が気勢を上げたりしていましたが、行く段階では雰囲気があまりよくないと思われたのではないですか。

 

(知事)

 

 そうですね。

 

(記者)

 

 有事法制のことで、いろいろな想定を含む議論をしてほしいということですが、いろいろな想定とは、例えば具体的にはどんなものですか。

 

(知事)

 

 原子力発電所が15基ありますから、それに対して外国からどういう攻撃を受けるのかということを想定して、それに対してどう対応するのかという議論をしてもらわないと。

 単に形式的に有事といっても、有事というのは具体的にどういう場合が考えられるのか、そういうものをきちんと想定して、それを国会で議論してもらわなければということです。

 

以上

〈 総務部広報広聴課 編集 〉

 

○発表事項

 

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